圭と4人の女性兵士が忽然と消えてから10年の月日が流れたある夜の事。
「父さん…僕は知らない世界だけど、元気にやってます…それとデボラさんと結婚したよサラさんやレイチェルさん、スーザンさんも元気です、皆こっちで結婚して幸せに生活してます」
私の夢に圭が現れると笑顔で近状を話していた…。
「夢か…」
私が起きると隣で寝ていた妻も同時に起き、夢の事を口にした。
「圭が夢に…結婚したって」
どうやら同じ夢をみたようだった。
「あれから10年か…」
私がボソリと呟くと、
「他の女性達も見つからないのでしょ…」
「あぁ…同じ様に手掛かり無しだそうだ…捜索を打ち切るらしい、他の家族も諦めるとの事だそうだ…」
私は昨日イスラエル大使からの報告を思い出していた。
「だからあの子夢に…」
妻が嗚咽を堪えきれずにいた。
「少なくても夢の中ではあの女性兵士達も一緒みたいだしな…メール?誰からだ?」
私は枕元のスマホの着信ランプが点滅している事に気がついた。
「デボラさんの家族からだよ」
私はメールソフトを開くと内容を確認した。
『デボラの母でございます、こんな事を書くと笑われるかもしれませんが昨晩夢で娘に逢いました、そちらのお子様と結婚の報告まで…他の娘さん達やそちらのお子様と元気に暮らしていると…もしかしたら私の願望が見せた幻かもしれませんが、ただ気になるのは他の娘達のご家族も同じ内容の夢を見たと言っていましたので、気になりメールさせて頂きました』
どうやら他の女性達の家族も私達と同じ夢をみたようだった。
「どうやらデボラさんのご家族も同じ夢見たみたいだよ」
私は妻にメールの内容を話すとスマホ画面を見せた、
「そう…」
私は会社に休みの連絡をいれると妻とイスラエル大使館へと向かった。
「うちの圭の捜索の件ですが…今までの捜索有り難う御座いました」
私は大使に頭を下げた。
「お力になれず…」
大使も頭を下げていた、
「ただ本国より気になる話がありまして、他の娘さん達のご家族が奇妙な夢を見たと…」
大使の言葉に、私は実はと続けた。
「昨晩同じ内容の夢を私達も見ました」
大使は驚きの表情をしていた。
「単なる偶然とは思えないですね…上手く言葉にできないですが」
私と大使の会談は今後の事も含めて2時間程度話し合った。
「それでは失礼します、今迄ありがとうございました」
私は大使に捜索活動の礼を言うと大使館をあとにした。
ーーー圭視点ーーー
「あれから10年…僕は隣で寝ているデボラの髪を撫でた」
僕達がこの世界に跳ばされて10年の月日が過ぎていたのだった。
その間にサラとレイチェルそれにスーザンは其々同僚と結婚、そして僕は15歳の歳の差を押し切ってデボラと結婚したのだ。
「おはよ、圭…」
デボラが寝ぼけながら起きてきた。
「おはよデボラ」
僕はデボラの頬におはようのキスをした。
「それじゃ行ってくるね」
僕は今、この基地経理課で勉強をしていた、妻のデボラは警務隊に所属している。
「私は今日夜勤だから…また寝るわね」
デボラが出掛けに後ろから声をかけてくれると、また寝てしまった。
「デボラお休み…」
僕はベッドサイドのゆりかごで眠る愛娘のおでこにもキスをすると執務室へと向かった。
「おはようございます、今日も宜しくお願い致します」
僕は経理課長に敬礼すると、その日の勉強に励んだ。
勉強と言っても、課長に付いて各種類の確認をこなしていくだけだった。
「そうだ草薙君に今日から専属の秘書官がつく、入ってきなさい」
課長がそう言うと、1人の女性が執務室に入ってきた。
「秘書官を担当する給糧艦の『間宮』です、宜しくお願いしますね」
何処か母親をイメージさせる艦娘がやって来た。
「草薙圭です、今の処階級はありませんので草薙でも圭でも呼びやすいほうで」
「わかりました…それでは草薙さんでいいかしら?」
間宮が軽く微笑んだ、
「草薙さんは甘いものは?」
「餡饅以外なら…」
間宮が笑うと同時に業務開始のラッパがなり今日の業務が始まった。
「少し良いかな?」
妖精が1人僕のそばにやって来た。
「どうかした?」
「実は君達2日間だけ元の世界に行ける事が出来るんだけど…どうする?」
妖精から思わぬ提案を僕は受けた。
「但し条件があってだね、君達5人と血の繋がりのある者に限定されるんだ…つまり子供達ということかな…それと期日は守ってほしいそうでないと…」
妖精が言葉を続けた。
「直ぐに相談してみる」
僕は机の上の内線電話でデボラ以下全員に伝えた、結果は、
「お母さんに会える、子供たちを…例え2日間でもお願い!」
皆当意見だった。
「ただね、君達だけは1日づつとなるけど我慢してくれよな」
僕は頷くしかなかった、何故なら二人だけ4日間欲しいなんて言えないからね。
「朝8時に時間は固定させてもらうよ…それで良いよね」
妖精が転送時刻を指定した。
「構わない」
僕は全員の同意を得て代表して答えた。
「じゃあ今週末の土曜日朝8時に其々の自宅前に転送で」
妖精はそれだけ言うとフヨフヨと何処かへ行ってしまった。
「指揮官、先程妖精から今週末に土日限定で元の世界に行けると話がありました、外出許可を頂きたく」
指揮官は少し考えると、
「許可する、例え短い時間でも家族に会ってきなさい」
静かに言うと外出届に押印してくれた。
ーーー土曜日朝8時ーーー
「それでは行ってきます」
僕達は妖精の力で元の世界へと一時的に帰還することになった。
「じゃあまた月曜日の朝に」
其々の家へと転送されていった。
「此処が私の家よ」
僕はデボラの家に来ていた。
「緊張する…なんて言えば…」
等とデボラと話していると、玄関の扉が勢いよく開かれた。
「今デボラの声が!!」
「そんな馬鹿な」
おそらくは両親とみられる男女が家から出てくると僕達と視線があった。
「まさか…デボラなの」
真っ先に母親らしき女性が気がついたようだった。
「ママ…」
デボラが母親に抱き着いて泣いていた。
「ということは君が圭君だね、うちの娘と…15歳の歳の差婚とは…君が25歳の時に娘は40歳だぞ…それでも愛してくれるのか?そうでなければ…」
父親の不安も凄く納得できるが…、
「神に誓って」
僕は一言それだけ言った。
「そうか…それなら娘を頼む…それと君が抱いているのは」
「はい、今年産まれた娘のシャマルです」
父親が僕に抱かれた愛娘に顔を近づけた。
「孫が…孫娘が…有り難う」
父親は僕からシャマルを託されると嬉しそうに抱きかかえた。
「母さん…私達の孫娘だよシャマルというそうだ」
父親は嬉しそうに母親にシャマルを見せていた。
「デボラ…貴女お母さんになったのですね…孫娘を連れてきてくれて有り難う…」
その日、僕は父親から嫌と言うほど呑まされた…頭痛い。
そして迎えた翌朝8時、
「それじゃ名残惜しいですが…」
僕達は妖精の転移能力で次の目的地である僕の家へと転送された。
「ついたようだね」
僕が目を開けると…そこは知らない天井じゃなく、勝手知ってる僕の家だった、更に詳しく言えば僕の部屋に転送された。
「デボラ、靴は脱いでおいて、日本の家は外と履物を変えるから」
「うん」
そう言ってデボラが靴を脱ぐと手に持った。
「一旦玄関に靴を置きに行こう、そろそろ誰か起きてくるはずだから」
僕達は靴を玄関に置くと、居間へと向かった。
「………」
居間で両親の言葉少ない会話が聞こえてきた。
「父さん、母さん、ただいま、お嫁さんのデボラと娘のシャマルを連れてきた」
僕は居間の扉を開きながら二人に報告した。
「誰??えっ!圭なの!!」
やっぱりうちも母親が真っ先に気がついた。
「孫まで連れてきてくれて…シャマルちゃん…デボラさん似なのね…おばぁちゃんですよ〜」
孫馬鹿になってる…両親は諦めていた僕との再会と同時に初孫にも会えたことに感激していた。
「明日の朝8時迄しか居られないけど…ごめん」
それから家族との団欒を過ごすと…朝8時僕達はあの世界へと戻る事となった、勿論誰一人欠けることなく戻ってきたのだった。
艦これの二次創作でありながら…艦娘出てこない
次回より艦娘も絡みだします、今迄はプロローグ的なお話なので。