「艦長…妙ですな、ここまでに一度も地球ガミラスの艦艇の残骸若しくは残存ガトランティス艦艇群を見ていません、それにフォボスにはガトランティス拿捕艦艇の集積場があったはずですが…」
僕も機関長と同じ事を考えていた。
「確かに妙だね…フォボス軌道上をパトロール艦とガミラス艦艇が警備している筈」
フォボス軌道上はおろか地表にも何も無かったのだった。
「艦長、月面偵察隊より報告!」
通信士が回線を回してきた。
「どうした?」
「こちら月面偵察隊…月面には何の建造物も確認度できず、司令部及びサナトリウムの存在を確認出来ません、それと勝手に向った偵察機よりアポロのアレも無いそうです」
「なんだと!」
艦橋にいた全員がその通信を聞いて驚いた。
「勝手に向ってすみません、艦長…月面にはアポロの月着陸船はおろかアメリカ国旗もありませんでした」
その報告を聞いていた技師長がとある可能性を口にした。
「まさか…我々は過去に来ているのか?」
技師長の口にした言葉は全員も直に理解できた。
「確かにそれだと説明つく……が」
機関長もしきにり首を傾げていた。
「本艦は偵察機収容後月軌道へ短距離ワープを行う、然る後地球圏の偵察を行う」
僕は偵察機を収容すると月の軌道上にワープした、勿論月面基地司令部はおろかガミラス大使館も存在しなかった。
「やはりいないか…月面には旧ガトランティスのメダルーサ級殲滅型重戦艦、カラクルム級戦闘艦、ククルカン級襲撃型駆逐艦、ナスカ級打撃型航宙母艦で構成された練習艦隊が常駐していた筈…それに第5航空戦隊旗艦のアポカリクス級航宙母艦『赤城』もいないようだな」
僕はメインスクリーンに映し出された月面の様子を見ていた。
「艦長、地球上空にも偵察機を出しましょう」
僕は戦術長の意見具申を受け入れ偵察機を発進させることにした。
「地上の主要都市の偵察をそれ以外については君達の判断に任せる」
搭乗員妖精達がコスモタイガーで発艦していった。
「技師長の云う此処が過去の地球として…いつ頃なのか調査が必要じゃな」
機関長が禿頭を撫でながら僕に語りかけた。
「月着陸船が無い事から1969年以前ではあるだろうね」
僕達がある意味呑気にしていたその時だった。
「コスモタイガー隊よりこんごうへ、正体不明の物体に攻撃を受けている民間船舶を発見、支援許可を求む!」
僕は直に詳細を報告させた。
「映像回せるか」
偵察機より映像が転送されてきた。
「偵察中のコスモタイガー隊は直ちに民間船舶支援に向かえ、火器使用を許可する」
コスモタイガー隊から了解の返信を受けた。
「艦長、アレの正体解りました……空母ヲ級艦載機です…二百年以上前の機体です」
技師長が三面図をタブレットに出して説明してくれた。
「となると……近海にヲ級を含む機動部隊がいるな、周辺海域の探索を厳とせよ」
こうして僕は西暦2210年最強の戦力を持って人類対深海棲艦との戦いに介入することになった。
ガトランティス戦役終結後残存していた艦艇はガミラスと地球で拿捕回収されて不足した自国の戦力として再配備したという設定にしています。
メダルーサ級殲滅型重戦艦も地球防衛軍カラーやガミラスカラーの物が存在します。