「救助要請のあった海域はまだデスカ」
私は航海長妖精に繰り返し確認していた。
「艦長…落ち着いてください、このまま行ってあと一時間位で到着します」
非武装の民間船舶が深海棲艦の艦載機に襲われ救助要請を受けた私達は直に急行したのデース。
「艦長、比叡艦長より通信『ワレ、サンジホウコウニバクハツエンカクニンス』以上」
通信妖精が僚艦からの電文を読み上げた。
「艦長確認しました、航空戦展開中の模様、詳細不明…交戦中の機体極めて高速なり」
見張員妖精が報告をしてきた。
「艦長、対空電探に感アリ、正面より極めて大型の何かがこちらに近づく!」
私は愛用の双眼鏡で正面を確認した。
「……な…に…!巨大な浮遊物体視認…戦艦??」
私はそれを見て驚きと恐怖で言葉が出なかった。
「艦長、不明物体側面に何か英文らしきモノ『KONGO U.N.C.F.ZZZ-0002-YF2210 Advaned Abillty Armament』と名称らしき記載アリ!」
私はそれを聞いて愕然とした、何故なら見張り員妖精が読み上げた英文の中に私の名がローマ字表記で認めたからだ。
「どういう…事なの?」
私は思考が停止した。
「艦長、正面不明物より通信が入りました」
「スピーカーへ」
「了解」
私の命令を受けて通信士妖精が通信を艦橋スピーカーに切り替えた。
「こちらは地球連邦航宙艦隊前衛武装宇宙艦こんごう、艦籍番号U.N.C.F.ZZZ-0002-YF2210 です、前方の洋上艦艇は応答されたし」
私は気を落ち着けると返信した。
「こちらは日本海軍佐世保鎮守府所属軍艦金剛です」
このあと起きる事を誰が予測できたでしょうか、不明艦艇からの通信は私を驚かせました。
「ま…まさかご先祖さま!」
姉ならまだしも母や祖母を通り越してご先祖様ときたのです。
「艦長いつの間にご結婚されて……」
副長が何やら言いかけたので私は彼をアイアンクローで黙らせました。
「私は未婚です!勿論子供なんていません」
私は副長相手にコントじみた事をやっていると、更に通信が入りました。
「そちらに行ってもいいですか」
私はとにかく子孫(?)にあってみることにしました。
「どうぞ、内火艇出しますか?」
私は迎えの連絡艇を出すか聞いてみた。
「接舷して移乗しますので不要です」
声から判断すると男の子のようです。
「艦長涎…出てます」
副長がジト目で指摘してきた。
「かわいい男の娘だといいですね」
副長の趣味わかんない…なんですか男の娘って?
等と言っているうちに不明艦が接近してきました。
「デカイ…400m以上はありますな」
副長が真面目に戻ると不明艦の細部を観察していた。
「主砲は中央船体に2基…いやどうなってるんだ、両舷に小型艦艇を接舷させているのか!砲戦極能力極めて強力…」
「艦長、不明艦の艦長と思しき少年?こちらに移乗許可を求めてきました」
見張り員妖精が私に報告してきた。
「艦長なら佐官級です、幹部妖精は舷門に集合」
私は佐官級の乗艦を見越しての指示を出した。
「前衛武装宇宙艦こんごう艦長乗艦されます」
舷門の警備妖精がサイドパイプを鳴らして合図した。
「艦長の小さい頃に何やら似ておりますなぁ」
副長が私と見比べてきた。
「?それは」
私は彼が首から下げていた双眼鏡に触れた。
その瞬間それは私に流れ込んできた、双眼鏡本来の持ち主であるこの子の母親の壮絶な最後や歴代のこんごうの記憶が。
私は気が付くとその子を優しく抱きしめていた。
「この子を宜しくネー」
どこからか優しくそれでいて聞き覚えのあるそんな声が聞こえた。
これが私と遥か未来の子孫との出合いでした。