僕はこの鎮守府の提督である佐世 保子提督に艦内を案内していた、同行していた明石さんや夕張さんは頭から湯気が出ていた、恐らくは僕のシステムを理解できなかったのだろう。
「艦長、先程通信を傍受しました内容は『如何なる手段、如何なる犠牲……お前の汚え体を差し出しても我々が行くまでに不明艦を接収、従わない場合は撃沈せよ』です、ただこちらの鎮守府からの返答はまだ無いようです」
通信士妖精が僕にそっと耳打ちした。
目の前の加賀さんも顔色を真っ青にして提督に何か話していた。
「僕を強制接収しろって言ってきたの?」
僕の質問に佐世提督が静かに頷いた。
「仕方ないね、話し合いは此処まで、せっかくご先祖様に逢えたのに」
僕は此処まで言うと、副長妖精に戦闘指揮を出した。
「コスモタイガー隊を速やかに展開、全機対艦攻撃隊形!」
眼の前で佐世提督も真っ青になっていた。
「……艦全面に重力子スプレッド展開、然る後拡散波動砲発射準備に掛かれ!」
僕は矢継ぎ早に副長妖精に指示を出した。
「佐世です、何かおきたの?」
佐世提督の通信機がなった。
「鎮守府上空に新こんごう及び艦載機多数展開!総数は不明」
その場にいた、明石、夕張、加賀、赤城の表情が凍りついた。
「艦載機多数…」
僕は一応補足説明した。
「さっきも話したけど艦載機のコスモタイガーはドレッドノート級に各15機計30機、僕の180機を合わせると210機になるよ」
佐世提督が卒倒した、無理もないか。
「副長、これから近づく艦隊は我々にとって敵と同じと見て構わない、少なくとも女の人に身体を差し出してもっていう時点で許せない」
「艦長ならそう言うと思いましたので既に指示は出してます、私も同意見ですな、御婦人に身体を差し出してもっていうのは許せません痛い目にあって頂きましょう」
僕達のやり取りを見ていたら明石達は安堵の表情をしていた。
「佐世提督をこっちに」
僕はリクライニングさせた艦長席に佐世提督を寝かせた。
「艦長通信です」
通信士妖精が報告してきた。
「繋げ」
「俺は軍令部作戦課の灘巻だ、速やかにそのふざけた艦を引き渡せ、希望ならそこにいる佐世以下の艦娘共を好きにしても構わぬ」
僕はヤレヤレという顔をすると、
「灘巻さんでしたね、僕の希望は貴方のような人間に退場してもらうことだよ」
僕はそれとなく挑発した。
「俺の命令を聞けないなら貴様は敵とするぞ」
そう言うが早いか、長門の全主砲が僕に狙いを合わせていた。
だが長門だけだった、僚艦の陸奥や大和、武蔵に動きはなかった、勿論空母の翔鶴、瑞鶴も艦載機の一機も発艦させてこなかった。
まぁ無線の向こうで長門以外に罵声を浴びせていたのは聞こえていた。