執務室に私と青葉、それと今回の語り手である夕張が揃った。
「それじゃ始めますね」
そう言うと夕張は話し始めた。
「うそっ!」
私は某オークションで思わぬ掘り出し物を見つけた。
それはジャンクではあるが現行機種最上位機種に当たる高級パソコンだった。
「中古相場の十分の一何て……これってば買いでしょ」
私はその価格に目がいってしまいそれ以外の事を見ていませんでした……そう不具合とかよく読んでいなかったのです。
そしてそれは私以外誰も入札されずに終了した。
直ぐに代金を振り込むと発送を待った。
「出品者さん速すぎ」
入金から十分と待たずに発送連絡が入った。
《明日には到着します》
出品者からのメッセージが届いた。
翌日宅配便から受け取ると、早速開梱した。
それはジャンクとは思えない程綺麗で付属品も全て入っていた。
「紙書類もちゃんと揃ってる!」
その時の私は嬉しさから浮かれていてその異常性に気が付いていませんでした。
そうその異常とは保証書のことです、まだ有効期限内だったのでした。
その事に気が付いたのは翌日になってからでした。
「オンライン登録しないと駄目なのね」
私はメーカーサイトでオンライン登録をしていました。
必要項目を入力して登録を完了させて、専用ソフトをダウンロードしました。
「起動時にアップデートを確認してくれるんだ……えっ!嘘でしょ」
私はユーザー情報の欄を見て驚きました、何故なら保証がまだ有効期限内だったのです。
安く買えたという事から少し冷静になっていた私はやっと疑問を見つける事が出来ました。
疑問とは、メーカー保証が有効なのに修理もしないでジャンクで売られていた事、複数の手に渡っているという事、最後がジャンク理由でした……キーボードと電源の誤作動です。
「メーカー修理すれば済むのに何で……」
取り敢えずキーボードは私が愛用している無線方式の物と交換しました、そしてその日の夜の事でしでした。
「えっ?確か電源切ったはず……」
深夜いきなり付いた明かりにで目を覚ました私は驚きました。
机の上のパソコンが勝手に起動していたのでした。
「電源の誤作動っていう奴ね」
私は寝ぼけながら電源を切りました、ですがそれから毎晩のように勝手に起動を繰り返していました。
そんなある日の事でした、無線方式のキーボードの電池を買い忘れていた私は仕方なく有線タイプの物を繋いでいました。
「冗談でしょ!」
その日の深夜、私は見てしまったのです。
それは何者かが起動しようとしてパスワードを間違えて入力している痕跡に。
「誰よ……」
私はパソコンの状況を監視する為にカメラを取り付けました……。
まさかあんな事が起きていたなんて思いもしませんでした。
数日後、私は監視カメラの映像を確認していました。
其処には誰も居ないのに勝手に電源が入りログイン画面で不自然に動くキーボードが映し出されていました。
私は怖くなって出品者に連絡を取りました、しかし出品者は転売しただけと言い張りました、まぁ口調から知っていたようですが。
「保証生きてるからメーカー修理してみようかな」
私はダメ元でメーカーに修理を依頼してみました。
数日後メーカーからの回答は引取修理可能との事でした。
私は直ぐに梱包すると宅配便でメーカーに送りました。
夕張はコーヒー飲むとまた話しだした。
「メーカー修理から先日戻って来たのですが…新品が送られてきました……上手くいえないけど…多分メーカーの修理工場でも同じ事が起きて処分されたんじゃないかなぁって…今となっては理由も分かんないですけど」
私は夕張の話を聞くと同じ考えに至った。
後日談……
メーカーから詳細が知らされたそうだ、最初のユーザーは亡くなっているそうだ…パソコン操作中に吐血してそのまま……亡くなったその人物は今でも自分が死んでいる事に気付かずにパソコンの前に座っているのだろう。
このパソコンはその手の物件を専門に扱っているお寺に預けられて供養されたそうだ。