「荷解きも終わったし…」
俺は自分の荷解きが終わると天龍の部屋へと向かった。
「おぅ、天龍終わったか?」
「だいたいな」
扉越しに声を掛けると、天龍が顔を出した。
「私も終わったわよぅ」
龍田も終わったようだ、
「僕も」
時雨が給湯室から顔を出していた。
「なら食堂にでも行くか…時間も良さそうだしな」
俺達は夕食を摂るために食堂に向かった。
そして………。
「提督様にお出し出来る物など有りません」
間宮が俺を睨み付けながら答えた。
「どういう事だ?」
俺は間宮に聞き返した。
「どうもこうもありません言葉の通りです、人間様にはお口には合いませんので」
どうやら前任の糞野郎の所業が原因だろう事は理解できた。
「前任は間宮さんの作った料理を食べずに床にぶち撒けて…化け物が作ったものなんぞ食えるかと言って出前ばかり頼んでいました」
そばにいた大淀が説明をしてくれた。
「則巻アラレが木の棒に刺しているピンクのあれみてぇな容姿で間宮の料理を馬鹿にするとは…」
時雨…笑いすぎ、アレを理解したのか、
「ひぃ~駄目…執務室にある肖像画確かにそっくり…」
涙目になりながら笑い転げていた。
「兎に角、俺は間宮の作った飯を食べる」
俺に根負けした間宮が、
「わかりました、其処まで言うならお出しします」
そう言うと間宮は定食メニューを作り出した。
「お待たせしました」
目の前に出来立ての青椒肉絲が置かれた。
「頂きます」
俺達は食べ始めた…やはりだった、俺達の何時もの食事風景となった。
「優弥、一口貰うね」
自分の分を食べ終えて足りないのか、俺の青椒肉絲を横からごっそりと持っていった。
「おい…時雨やちょっと待とうか」
だが時すでに遅く…時雨は食べ終えていた。
「優弥ほらよ」
天龍と龍田が少しづつ俺に分けてくれた。
「時雨は…」
間宮がポカンとしていた。
「こんな事しても…怒らないなんて」
間宮から見たら時雨の行動は解体ものだったようだ。
「こんなの日常だぞ…」
俺はそう言いながら時雨が食べようと剥いていたライチをヒョイと食べた、時雨の指ごと。
「あっ!優弥、酷い僕のライチ!」
「さっきの青椒肉絲のお返しだ」
間宮はそんなやりとりをみて完全に思考停止してしまっていた。
「あらあら優弥、女の子の指に何をしているのかしら?」
背後からヤバい怒気が籠もった声が聞こえた。
「姉さん…これはアレだうん…」
「まったく…」
山城も呆れながらみていた。
「姉貴羨ましかった「おっきなお世話よ!」…」
俺は山城から鉄拳制裁を受けた。
「ゴリラ…姉貴なんて嫁の貰う「うっさい!」」
俺の余計な一言で更に鉄拳が俺の頭に降り注いだ。
「優弥…一言多いから」
時雨が呆れながら…
「お前らちょっと待った!」
ドサクサに紛れて時雨が俺の追加品の春巻きを摘んでいた…天龍と一緒になって。
「この桑代大佐って…信じてもいいのかしら」
間宮が俺達のやりとりを見ながら小声で呟いていた。