艦これ《思い付くままに……》   作:屋根裏散歩

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天龍と龍田と時雨と………⑥

「彼は一体何者なの…山城の事を姉貴とか言っていたけど」

 

桑代大佐が天龍達と部屋に戻ったあとの食堂ではそんな声があちら此方から聞こえた。

 

「時雨があんなことしても怒るどころか…笑いながら騒いでた…前のアイツなら即時解体なのに…」

 

これもまたあちら此方から解体何ていう不穏な言葉も出てきていた。

 

「青葉密着取材しちゃいます!」

 

青葉がメモ帳とカメラを手に食堂から飛び出していった。

 

「青葉…酷いことされないといいけど…」

 

高雄が呟いた。

 

そして………。

 

「優弥、暑いよぅ…かき氷作ってぇ〜」

 

時雨が張り付いてきた、余計に暑い。

 

「わかったから離れろ…余計暑い!」

 

俺は未開封の段ボールからかき氷器を探し出すと、

 

「龍田悪い、間宮の所から氷貰ってきてくれ」

 

俺は龍田に人数分の氷を貰ってくるよう頼んだ。

 

「は~い、天龍ちゃんいこ」

 

龍田が天龍と食堂へと向かった。

 

「確かシロップは…」

 

俺は更に調味料と書かれた段ボールを開けると、中からかき氷用シロップの瓶を出した。

 

「優弥、貰ってきたぜ」

 

天龍がボール一杯の氷を渡してきた。

 

「時雨、皿とスプーンを」

「もう出した」

 

既に時雨が段ボールから皿とスプーンを探し出していた。

 

「なら作るか」

 

俺はかき氷を作り始めた。

 

「シロップは何にする?」

 

俺は天龍達に聞いた、

 

「抹茶あずきに練乳!」

「僕も」

 

天龍と時雨が答えた。

 

「いちごに練乳かしら〜」

 

龍田は練乳希望だった、

 

「なら、俺もいちごに練乳にするか」

 

俺はかき氷器のスイッチを押そうとした…ふと窓の外に目をやった瞬間…屋上からロープにぶら下がりカメラを構える青葉と目があった。

 

「ワレアオバ…何してんだよ?」

「あらぁ青葉ちゃん…何してるのぅ?」

 

天龍が凄み、龍田の冷たい声に青葉が怯みロープから手を離してしまいベランダに落下してきた。

 

「で…何をしてんだよ青葉?」

 

俺は青葉を部屋にいれると質問した…いや問い質したが正解か、

 

「えっと…取材?」

 

余り反省の無い顔でしれっと答えた。

 

「取材ねぇ~」

 

龍田怖いぞ、薙刀出すな。

 

「本当ですぅ」

 

青葉が一瞬で土下座すると弁解した。

 

「私達は前任の提督からの虐待を受けていたので、新しい提督がどんな人なのか知りたかったんです、信じるに値するのかとか…」

 

青葉の言葉に嘘はないだろう、それだけ前任の提督はやりたい放題だったのだから…。

 

「わかった、おまえもかき氷食べるだろ…食べながら取材を受けてやるよ」

「本当ですか、青葉恐縮です…私も抹茶あずきwith練乳で!」

 

俺は青葉の分も作ると、青葉の前に置いた。

 

「氷が溶ける前に食べるとするか」

「!キター!」

 

時雨が勢いよく食べた、結果はキーンと来たようだ。

 

「やけに青葉が大人…」

 

青葉もこめかみを押さえていた、お前もだったのか…。

かき氷を食べ終えると、

 

「じゃあ取材だな、何から聞きたい?」

 

俺は青葉に聞いた、

 

「先ずは皆さんの関係についてからお願いします」

 

青葉がメモ帳を取り出した。

 

「天龍と龍田は俺が士官学校時代からの付き合いだな…天龍とつるんで何時も何かしらの騒ぎを起こしてた、龍田は後から見ているようで燃料を投下する形か…」

 

先ずは天龍達とのことを話した。

 

「優弥、士官学校卒業と同時に天龍ちゃんにプロポーズしたのよねぇ」

 

龍田が付け加えた。

 

「えっと…それ仮のじゃなくてガチ?」

 

青葉が驚きながら聞き返してきた。

 

「そうだな、ちゃんと婚姻届も提出した」

 

俺と天龍は結婚指輪を青葉に見せた、

 

「いいなぁ…青葉もいつか欲しいです…」

 

青葉の表情が少し曇った。

 

「仮カッコならもらえるじゃない」

 

龍田がフォローしながら仮カッコの指輪を見せた、

 

「仮カッコなら僕も貰ってるよ」

 

時雨がネックレスにした指輪を見せた。

 

「青葉頑張ります!」

 

青葉の元気が少し戻った。

 

「で最初の任地で時雨に出会って、其処から移動先には何時もこの四人はセットだったな、そしてな何故か行く先々に大淀迄いるだこれが…今回もいたけど」

 

青葉が衝撃を受けていた…いや笑撃か?

 

「まさか先月着任した大淀って…」

「あぁ…その大淀だな」

 

青葉がやっぱり口にした、

 

「ストーカー?」

 

まぁそう云う考えに至るな普通は。

 

「大淀も最初の任地からだからな…一応あいつも仮カッコの指輪を持ってるぞ」

 

青葉は口をパクパクさせていた。

 

「ハーレム…」

 

言うに事欠いてとんでもない事をサラッと口にしやがった、やっぱりワレアオバだ。

 

「ハーレムじゃねえよ」

 

俺は青葉の頭にチョプを落とした。

 

「まぁ大淀は…長官直轄の艦娘だからな…俺達が行く先々での報告と承認取り次ぎを担当している」

 

青葉は意味が分からないという顔をしていた。

 

「早い話が大淀は俺達の監視役だな」

 

そう言うと青葉はな~んだと云う顔をした。

 

「青葉、明日から頼む」

「青葉了解です!」

 

青葉はそう言うと部屋からでていった。

 

「行ったか」

 

俺は青葉が出ていったのを確認すると、資料を全員の前に置いた。

 

「前任のやらかした事案を大淀が事前に調べてある」

「遅くなりました」

 

大淀がやって来た、

 

「あ~、私のいない間に何か食べてるぅ」

 

俺は残りの氷を使って大淀にもかき氷を作った。

 

「出来だぞ」

 

大淀も…やっぱりこめかみわ押さえていた、お前もか!

 

「大淀は食べながら聞いてくれ、必要なら補足を」

「はい」

 

俺は説明を始めることにした。

 

「問題は在籍しているヤツの練度と装備が合わない、資材や弾薬、資金の差異、上手く誤魔化しているようだが、処々に辻褄合わせした箇所が散見されている」

 

俺の説明に大淀が補足した。

 

「此処と此処、あとから書き加えたような修正がされています、此処に至っては後に修正報告がされてます」

 

大淀が鎮守府の会計書類の不審点を説明した。

 

「それと、かなりの回数出撃して戦闘をおこなっている筈なのに1回もドロップ艦娘と遭遇していません…これは可能性がないわけでは無いのですが…あまりにも不自然です…当然航路上での燃料や弾薬の回収すら有りません」

 

大淀の追加説明に龍田が口を開いた。

 

「横流しかしらぁ~」

「多分な、ドロップ艦娘は…売買されている可能性もある」

「猿渡警視には既に調査報告書のコピーは送付済みです」  

 

大淀がその辺りは抜かりなくやってくれていた。

 

 

 

 

次回「青葉見ちゃいました!」

 

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