艦これ《思い付くままに……》   作:屋根裏散歩

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終戦後………①。

西暦2015年、全人類は深海棲艦との戦争に敗北した。

深海棲艦は勝者として人類に対し、人類の武装解除と艦娘の解体を要求してきた、艦娘の解体それは彼女達を殺せと言う事だった。

 

最初のうちは勝者の要求に従い、多数の艦娘が身柄を拘束され殺されていったが、敗戦から5年後極東のとある国で疑問を感じた時の政府により地下で艦娘の保護が極秘裏に始まった。

 

とある地方都市

 

「そっちに行ったぞ!」

「逃がすな!」

 

複数の黒い軍服姿の人物達に、二人の艦娘と覚しき人物が追われていた。

 

「何で…何で見つかったのよ青葉!」

「ガサ………分かんないよぅ」

 

青葉と恐らくは衣笠と覚しき二人は路地裏を必死に逃げていた。

 

「捕まったら殺される………」

 

二人は殺される事を知っている為に必死で逃げていた。

 

「鬼ごっこは終わりだ」

 

それは不意に聞こえた………そして衣笠は路地裏で倒れた、青葉と一緒に。

 

「私達…死にたくないよぅ…」

 

それが青葉の最後の台詞だった。

 

「二人を護送車に」

 

黒い軍服の人物が同じような黒い軍服姿の人物に指示を出していた。

 

「提督…この娘達を頼むわよ…」

 

護送車に二人を乗せられているのを確認していた隊長と思われる人物が小声で呟いていた。

 

「深海棲艦の思い通りにはさせないから、あの人なら」

 

を見送りながら呟いていた。

 

数日後(青葉視点)

 

「私………生きてる?」

 

青葉は目を覚ますと、自分の体を確認した。

 

「青葉やっと目を覚ました」

 

衣笠が目の前に立っていた。

 

「私達、彼奴等に撃たれて………」

 

私は混乱していた。

 

「お目覚めのようだね、状況を説明する」

 

その声の主が部屋に入ってきた、

 

「二人には怖い思いをさせて済まなかった」

 

その人物は私達逃げていた頭を下げた、

 

「何がどうなっているのよ、説明して」

 

衣笠が説明を求めた。

 

「此処は防衛省直轄の極秘艦娘保護施設だ、所在は明らかに出来ないが、安心してくれ君達に危害を加える意思はない」

「極秘保護施設?」

 

私は極秘保護施設という単語が気になった。

 

「8年前の敗戦時、深海棲艦からの命令で艦娘の解体命令が出ていたのは知っているな」

 

その男性と思われる目出し帽の人物は確認しながら話し続けた。

 

「人類の武装解除と艦娘の解体………事実上の処刑命令だ、アメリカやフランス、ロシアは彼らに従い………艦娘を戦犯として処刑していった、だがな日本とイギリス、ドイツは何か裏があると考え、表向きは処刑したことにして、彼奴等の眼の届かない日本の内陸奥深くの山中に匿うことにした、勿論脱走した海外艦娘もだ」

 

私と衣笠はただ黙って話を聞いていた。

 

「勿論、君達の艤装も極秘裏に回収し保管されている…目出し帽は暑くて敵わん!」

 

とその男性は徐ろに目出し帽を脱いだ。

 

「提督!」

 

そこには私達が一番知っている人物の顔があった。

 

「済まないね、怖い思いをさせて………青葉達を襲ったのは足柄と那智だ」

 

私は真相を聞くと、安心からか腰が抜けた。

 

「提督、酷いですよぅ」

 

私は頬を膨らませた。

 

「済まない、済まない」

 

提督はそう言うと私をそっと抱きしめてくれた、

 

「青葉ばかりずるい」

 

勿論提督は衣笠も抱きしめてくれた。

 

「でも…テレビで流していた、遺体の焼却映像は?」

 

私は疑問をぶつけた。

 

「それはな、水面下で一般に同世代の遺体提供を募って葬儀費用を政府負担ということで協力をしてもらった、まぁ解体映像をでっちあげて、火葬の時に深海棲艦を立ち会わせるということで納得させた、解体後の姿なんて彼奴等は知りもしないからな、この様な施設は日本全国に点在しているよ」

 

「提督、最終組が到着します」

 

私の目の前に懐かしい顔である大淀が部屋に入ってきた。

 

「そうか、陽炎、不知火、黒潮、時雨、夕立、龍驤、千歳、隼鷹か…これで全員揃ったな」

 

提督が保護した最後の艦娘の名前を呟いた。

 

「深海棲艦の真の狙いは………艦娘を排除したら次は人類の絶滅だろうな………」

 

提督はそう云うと、私達を連れて施設を案内してくれた。

 

「旧鎮守府のメンバー全員と海外艦娘である、ウォーススパイト、アークロイヤル、ロドニー、ネルソン、リシュリュー、ビスマルク、グラーフ・ツェッペリン、プリンツ・オイゲン、レーベレヒト・マース、マックス・シュルツ、ガングート、タシュケントが居る」

 

提督が説明していると、懐かしい顔ぶれが私の前に揃っていた。

 

「みんなっ!」

「青葉も衣笠も無事だったんだね」

「青葉………」

「ビスマルクさん………」

「青葉、私達やイギリス組以外は………」

 

ビスマルクさんが何か言いにくそうにしていた。

 

「祖国を脱出し中国韓国経由で日本に逃れてきた」

 

ガングートが説明した。

 

「はい、武中です」

 

提督の携帯が鳴った。

 

『久し振りですね武中中将、元横須賀のダグラスです』

 

提督がスマホをスピーカーモードにして全員に聞こえるようにした。

 

『噂で聞いたのだが、君の所で艦娘を保護しているらしいじゃないか、昔馴染みのよしみで、私の処の、アイオワ、サウスダコタ、ノースカロライナ、ホーネット、レキシントンを匿ってもらえないか?』

 

ダグラス少将からの保護依頼の電話だった。

 

『少し時間が欲しい、受け入れるかは改めて連絡する』

 

そう云うと電話は電話を切り、間宮に横須賀の米海軍基地の通信傍受を指示した。

 

「間宮、横須賀の米海軍関係の通信を総て傍受してくれ」

「はい」

 

間宮さんが直ぐに艤装の通信機器を操作しだした。

 

『ダグラスです潜入準備完了です、これで日本の潜伏艦娘を処分できるはずです』

『………約束は守る』

 

 

相手はそれだけ言うと通信を切った。

 

「深海棲艦のスパイに成り下がっていたか………恐らく艦娘受け入れの話は嘘だな………よし、偽装墓地で話をつけるとするか、川内、神通は私と来てくれ」

「はい」

 

川内と神通が動いた。

 

「では、私は偽装墓地へ向かう」

 

 

 

                      続く

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