「あんちゃん…軍人さんかえ?」
俺は街の商店街で買い物をしていると、地元の老人に声を掛けられた。
「そうだが、何か?」
「この辺の海軍さんの施設…まさかとは思うがあんちゃん…あそこの集積所の…そうか…流石軍人さんじゃな、度胸がありなさる…」
その老人は言いたいことを云うと足早に人混みの中に消えていった。
「何なんだ…」
俺は呆気に取られて老人を見送っていた、だがこの老人の言った言葉の意味を俺はこの日の夜に理解することになる。
「こんなもんか…」
俺はある程度の食糧や生活必需品を買い込むと保管場へと戻った。
「あのジィさんの言った言葉と2棟目の倉庫の中身からだいたいわかるが…出るんだろうな、アレ………」
俺は窓から見える倉庫群に目をやった。
そして俺は葛谷中将ヘ電話をした。
「ジジィ何か隠してんだろう…吐け」
「何の事じゃ、儂は知らんぞ」
見事なとぼけられたが、
「倉庫の薄汚れたセーラー服や下着…そして白い壺」
俺は見たままの中身を口にした。
「何じゃ、見たのならそのままじゃ…まぁなんじゃ、女っ気無いからといって下着抜くなよ」
「誰があんな汚えの抜くかよ」
俺は受話器を叩きつけて電話を切った。
「あのクソジジィ」
そして深夜…。
俺は何となく寝苦しくなり目を覚ました。
「今何時だ」
時計をみると午前2時を少し過ぎたところだった。
「んなっ!!」
俺は窓の外を何気なく見てしまった。
「なんだよアレ…」
其処には暗闇の中に佇む艦娘達の姿があった。
「制服の持ち主か…はたまた骨壺のご本人か…」
俺はそんな事を考えながら、金縛りにあった。
『僕たちの事見えるの?…ねぇ見えてるんだよね?』
そいつはいきなり俺の前に現れると冷たい声で俺に語りかけてきた。
『無視しないでよ…お願いだからさぁ』
制服や髪型から時雨であろうソレは血塗れの制服を纏い俺の前迄やってきていた…。
『………』
時雨は俺の前迄来ると、その眼球のない黒い穴だけの顔を俺に近付けた。
『君が新しい管理者?…ねぇ』
どうやら地縛霊化しているようだ。
「そうだ」
俺はそう云うと、時雨の頭を軽く撫でた。
『そう…毎晩来るから…』
それだけいうと、時雨はスッと眼の前から消えた。
「マヂかよ…悪霊ではないにしろ、俺を寝不足にでもするつもりかよ…兎に角朝になったら線香の一本でもあげてやるか」
俺は金縛りが解けた体を休める事にした。
そして朝になり、俺は骨壺がある倉庫に簡易的な祭壇を組むと線香を手向けた。
「迷わず成仏してくれ…」
だが………奴らは入れ替わり立ち替わり俺の枕元に立ちやがった!
「てめぇ等………俺を寝不足にでもしたいのか!」
俺はそう言いながら、御供物も手向けた。
「現金な奴ら…」
その日の夜からは出なくなった…だが不思議な事に御供物も無くなっていた…幽霊も食べるのか?
そして翌日。
「お前さんの所に明石と青葉、夕張を送ったからな」
クソジジィの一方的な電話に俺は起こされた。
「はぁ…あいつ等が来んのかよ、騒がしくなるな」
俺は一人ではなくなるらしい…この幽霊が出る集積所に犠牲者があと3人送り込まれる事となった。