クロスワールドストーリー   作:貧乳は至高である

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でこぼこコンビ結成?

ちっちゃくても可愛くても、なんだかんだ龍驤は面倒見がいいお姉ちゃんなのである




理解が得られる説明って意外に難しいよね?

 

「ま、まほー使いって……キミ、なにゆうて」

 

「いや、何の機材も使わず触れる幻を出せるだけで普通にファンタジーでしょ。艦娘とか深海棲艦とか妙にこっち寄りでも科学中心のこの世界の技術系統なら特に」

 

「ふあっ!?わ、わ…あっ……か、かわええかも」

 

パタパタ飛ばしていた小鳥の造形がボールのように丸くなり、ぽんっとシマリスの姿になって龍驤の肩や腕をちょこまか動き回って触れた花びらをどんぐりに変えてカリカリかじる。その様子や触れた感触のあるガラス細工のような幻におずおずと手を伸ばし、手のひらに乗せてコミカルで愛らしいリスの仕草に微笑みながらまじまじと観察している

 

うん、かわいいかよ…じゃなくて。かわいい系ちみっこ空母と小動物とか狙ってやってるし大変ほんわかする光景ではあるけどそうじゃないぞ俺。……一応記念にスクショ撮影はしたが。こっそりと

 

「で、とりあえず俺らはこれからお仕事で忙しくなるから、そこの娘達と一緒に帰ってくれると嬉しいかなーと」

 

「え、ええと……それはこっちもちょっち困る、んやけど。一応この辺の海は閉鎖海域になっとって…んと、不審な船とか人は最寄りの基地まで連れていかなアカンねん」

 

「あー、ですよねー……じゃあ、龍驤ちゃんの上司と交渉したいから連絡手段ってある?」

 

「ちゃ、ちゃんて……あ、うん…旗艦やから無線は持っとるけど。艦娘用の汎用広域無線機やから性能はそこまで高くないやつやし、ウチらがおった近海周辺より鎮守府から離れとったら繋がらへんで?」

 

龍驤ちゃん呼びに慣れていないのか照れた様子の龍驤が困ったように肩周りの艤装を展開し、トランシーバータイプの無線機をいじってみるがノイズが走るばかりで鎮守府には繋がらないようだ

 

「まじか……まじかぁ……知らないふりして龍驤ちゃん達だけ置いてったら、キミらにペナルティとかある感じ?」

 

「その、キミが何でそない急いどるんか知らんけど…不審船発見の報告はしとるし、故意に逃がしたとかなら……まぁ、それなりに罰則はあるで?」

 

一応、鎮守府も自衛隊管轄やから規則には厳しいんやと心配そうに未だに眠ったままの仲間を見てから、こちらの様子を伺う龍驤に俺もぐったり突っ伏して打開策を考える

 

「うわー…拘束されて時間の浪費は絶対無理だし、誘拐されましたーてな感じで連れてったら龍驤ちゃん達にはお咎めなくても俺らがお尋ねものだしなぁ……あ、見張りだけこっちに残して専用の連絡手段持たせた伝令役として半分くらい帰せばいいのか」

 

「それなら、まぁ…せやけど、何でそない必死なんやキミら?なんか人に言えへんことでもしにいくんか?……ウチかて旗艦としてこの娘らの命を背負っとるんや、説明してもらわんと協力は無理やで」

 

しっかりした良識ある年長者の顔で凛々しくこちらを見る龍驤に思わず見惚れてしまう。身体はちっちゃいしお化けが苦手でかわいいものでなごむけど、ちゃんと歴戦の空母なんだよな

 

「……あ、うん。ざっくり言うと後だいたい40時間くらいで太平洋の4分の1と地球の陸地の大半を焼け野原にする量の核弾頭つき大陸間弾道ミサイルがバミューダトライアングルの海底から一斉発射されるんで、ちょっとメインコンピューターのあるとこまで殴り込みして止めてくる」

 

「…………え、からかっとる?冗談にしても笑えへんでそれ」

 

「俺も、冗談で済んだらよかったなぁ」

 

ちょっと濁った遠い目をするソラに龍驤もえ、マジ?マジなん?と言わんばかりの表情を向ける

 

「だ、だって海底って…深海棲艦がおるやん。人が近づいてそんなもん作るとか無理やで?まさか、あいつらがそないなもん用意しとるっちゅうんか?」

 

「いやー、人間でも深海棲艦でもないからなー……わかりやすーく言うと1万年前に海底にできて千年くらい前に核兵器実験で自爆して滅亡した超古代文明の軍事コンピューターがまだ律儀に働いててなー。海底火山の活性化を自分への攻撃だと思って誤作動してさ、せっせと作り貯めたミサイルさんを復讐にぶっぱなせーってマジおこしてるのだよー……深海棲艦が攻撃すんのは人間とか艦娘とかだから特定の海底でぴこぴこしてるだけの無機物は攻撃対象にならんかったっぽいね。海域全体を特殊なバリアで覆って基本的に内側に関わらない限り引きこもりしてるから余計無視されてきたんだろうし」

 

先行偵察部隊の送ってきた映像を仮想モニターに投影して厳めしい巨大生首もとい今回のお相手たるスーパー軍事コンピューター・ポセイドンと鬼岩城、海底にある廃墟と化したアトランティスや次々にセットされていく大型ミサイルなど敵地の光景を彼女に見せる。作り物に見えない偵察映像にだんだん嘘偽りないガチなのだと理解できたのか、龍驤が真っ青になってカタカタ震え出す

 

「うそ……うそや、だって…そんな…も、戻らなっはよぉ提督やみんなを逃がさんと!?」

 

「ストップ、ストップ!?落ち着けってっだから急いで止めてくるって言ってるじゃんか」

 

「……ぁ」

 

泣きそうな顔でベッドから飛び出し、足がもつれ転びそうになった龍驤を慌てて抱き止め落ち着かせるためそっと抱きしめる。腕の中で震える龍驤が涙で潤み揺れる瞳でこちらを見上げた

 

「とめ、られるん?」

 

「任せとけ。俺達はこういうのに慣れっこな専門家だからな。頼れる仲間もたくさんいるし、大丈夫だよ」

 

ふわっと空中に描いた魔法陣から黄色い毛並みの猫のように長いしっぽを持つウサギに似た生き物が現れた

 

「うちのエースアタッカーで名前は雷華(らいか)だ。一番付き合いの長い俺の相棒だよ」

 

かわいいだろーと柔らかく抱きしめたままの龍驤にけしかければ、雷華はつぶらなルビー色の瞳で彼女を見つめて慰めるように頬にすり寄る。その仕草に少しだけ龍驤の表情が緩んだ

 

「雷華っていうん?…ん、そやね。かわええなぁ、慰めてくれとるん?」

 

そっとベッドに腰掛けさせる形で俺が龍驤から離れても雷華は彼女の膝に飛び乗り、きゅーきゅーとのんきに鳴いて撫でて撫でてと甘えて彼女に優しく撫でられご満悦だ

 

「と、いうわけで。世界滅亡2日前とかいうふざけた未来をどうにかするんで、龍驤ちゃん達の所属国と穏便にコミュニケーションが取れるよう協力してくれないか?さすがに世界移動して2日目で前科ものにはなりたくない」

 

「見せてもろうた分だけでも信じられへんもんばっかりで判断に困る内容やし……正直、ウチにできることってそこまで多くはないんやけど。キミは、嘘とかついてへんみたいやから」

 

ここにおる娘達に頼んでウチらの提督とすぐに話ができるよう融通利かせるくらいはなんとかなるよ、と龍驤はまっすぐこちらを見て微笑む。俺もそんな彼女に手を差し出し、その小さな手をそっと握って

 

「ちょっと間だけど、よろしくな龍驤」

 

「うん、よろしゅうなぁソラ。提督の説得はウチに任しといてやっ!!ごねたらカツ入れるくらいはやったるよ」

 

にっと元気よく笑い返す彼女がなんだか可愛くて、思わず笑ってくしゃっとその頭を強めに撫でしまう。ひゃっ!?と驚き赤くなって慌てる龍驤を見いてると、出会ったばかりの即席でこぼこコンビなのになんとかなりそうな気がしてくるから不思議だ。こうして、異なる世界を繋ぐ縁が結ばれた。目指すはポセイドンの停止と核弾頭の無力化だ

 

 

 

 

 

 

「うし、夕立に電。伝令は頼んだで?ウチらにとっても大事な仕事やからな」

 

「えーと、はい。この子を無事に連れて行ってくれれば距離に関係なく連絡取れるようになるから。よろしくな?」

 

「任せるっぽい!!」

 

「しっかり司令官さんに届けるのです!!」

 

たすき掛けにするボディバッグ型防水鞄に入れた龍驤直筆の手紙と通信用使い魔(見た目は黄色い熊のぬいぐるみ)を伝令として選ばれた二人に手渡し、元気いっぱい海面を駆けていく後ろ姿に大丈夫かなーと不安を隠せない

 

「そない心配せんでも大丈夫やって。ああ見えて二人とも横須賀の駆逐艦の中では10位以内に入るくらいには強いんやで?」

 

「私達も居残り組としてきっちりお仕事させてもらうわっ」

 

「とは言っても詳しい説明を受けた龍驤さんはともかく、ボクらは現状おとなしくしてるくらいしかする事ないけどね」

 

ざっくり方針を決めたらとりあえず動くべし、とぐっすりお休み中の駆逐艦達を龍驤が容赦なく叩き起こして簡単な説明をした後で電と夕立の妹コンビの鎮守府帰還が決まったのだ

 

見送りで甲板に立つ龍驤と雷、時雨がここに便宜上残った見張り組となるようだ。まぁ、いつまでもこうしてる訳にもいかないし……こっちも移動するかぁ

 

「そんじゃ、ローレライから乗り換えて決戦の舞台になるバミューダトライアングルまで移動するぞー。あっちには定点監視用拠点があるから、そこで1泊しながら君らの上司と交渉してそのまま翌朝に戦闘開始する予定だ」

 

「そういえば、普通に間に合うみたいなこと言うとるけど……アメリカ大陸の間やし、かなり遠いはずやろ?どないするん」

 

「ん?ああ、そういえば龍驤ちゃん達は知らなかったな」

 

まぁ見ててーとゆるーく船首に向かって大きな魔法陣を展開する。その中から虹がレールのように伸び、強い汽笛の音色を響かせて赤い機関車が飛び出してきた。後ろに客車だろう車両を10両も牽いてなお力強く天空を駆けるその姿に初めて見た艦娘達も呆けたように見惚れている

 

「陸だろうが空だろうが海だろうが宇宙だろうが高速で駆け抜ける乗り心地抜群の遊覧列車型宇宙船。銀河特急(ギャラクシー・エクスプレス)イーハトーブだ。今出せる中では最速の乗り物だぞ?」

 

イタズラ成功と言わんばかりに笑うソラを見て、龍驤達もこれから初めて経験するだろう天空を往く不思議な列車の旅にわくわくと胸を踊らせた




登場モンスター


名前:雷華(ライカ)
種族:雷獣(サンダービースト)
形状:獣型
ランク:7th
Level:20
性別:♀
体長:30㎝
召喚方式:創造召喚(魔石2000個)
性格:寂しがり屋な人懐っこい性格
好物:果物、木の実
装備:赤いバンダナ
属性:雷、風、水、氷
スキル
幻獣、魔力回復、自動回復、身体能力強化、魔力変換、天駆、雷纏、気象操作(雷雨)
備考
ソラが最初に喚んだ召喚獣で相棒。見た目は紅い眼に黄色いふかふかした体毛のしっぽの長いウサギで身の危険を感じると雷より強烈な電撃を放つ。愛らしい見た目から女性に可愛がられることが多いが、その実力は伊達じゃない。成長し十分経験を積んだ個体は水と風を操り雨雲や雷雲を自在に操り、迷宮上層のモンスターなら文字通りに鎧袖一触で木っ端微塵にしてしまう。戦闘時には神雷を纏った神速の突撃で龍すら恐れる戦果を挙げるため、よほどのことがない限り戦闘では手加減するように言われてしまったエースアタッカー。名前の由来は弾ける雷の華(火花)から

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