本当は最初の4行で終わらせる筈だった

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安易に好きと言えたなら

貴方と向き合いながら特に意味の無い会話を重ね笑い合い、まるで心が通じあっている様に思えるこの瞬間を好きだと言えるのなら。

斜め前の席に座る君のふとした表情に胸を締め付けられる想いをするのはやはり恋や愛だと言うのだろうか。

けれど、この言葉を貴方に伝えたのならば、この関係が壊れてしまうのではないか。

然し、君を想うばかりで気持ちを伝えてしまえば君はどう思ってしまうだろうか。

されど、この好きという感情を貴方に投げて楽になりたいと思ってしまう、それ程までに苦しいのだ。

 

関係が壊れて会えなくなってしまうのが怖い

 

これ程までに伝えるのが辛く、伝わってしまうのが簡単な感情は無いだろう。

心の置けない友達だと君は思っているだろう、然し、その思いを差し置いてそれ以上を求めてしまうのは強欲だと思うだろうか。

他の人と笑う貴方を見るとちくりと胸が痛くなって泣きそうになる程、嫉妬をしてしまう。その感情に気付いてまた嫌いになる。

あぁ、やはり好きなんだなと思う。君を抱きしめて胸焼けをする程に愛を伝えたい。

会う度会う度、貴方を好きになっていくこの感情は止まる気配など全く無くて、寧ろ想いは強まる一方で重く心に降り積もる。

 

君と2人、夕暮れ染まる帰路を歩く。

夕陽が横顔を照らし何時もより格好良い貴方に見惚れてしまい会話が途切れてしまう。

ふと、会話が途切れ君を見やる。すると、紅く染まる頬をしてじっと見つめる君と目が会い、又も胸が締め付けられる。

 

どうしてしまおう、このまま貴方の頬に手を当て唇を重ねてしまいたい。

どうしてしまおう、このまま君を抱きしめ好きと伝えてしまいたい。

 

この瞬間がずっと続いてしまえばいい、そう思えてしまう程、君は綺麗だ。

だけども、ずっと見つめ合っては貴方は家に帰れなくなってしまう。惜しむらくも目線を外し、貴方の前を少し行く。

永遠と思える時は残酷にも終わってしまった、少し先を歩く君は何処と無く悲しげに見え、胸が痛くなる。

1歩、遅れて後ろを歩く貴方を2度見ることは出来なくて、無意識にも黙り込んでしまう。

訳も分からず悲しむ君を慰め様と出そうとする言葉はどれも伝える前に吐息に消えて無くなる。気まずく、会話がない帰路を歩く。

 

何時もとは違う静かなまま家に着く。

 

振り返り、貴方を見る事なんて出来ず、俯いた気持ちのまま扉に手を掛ける。

何か言葉を投げかけ様にも乾いた喉は言葉を通さず、上手く声が出なくなる。

 

でも、このまま今日を終わらせる訳には行かない。

ゆっくり、舌の根を温め今度こそ長年伝えられなかった言葉を吐く。

静かに、然しはっきりと聞こえた貴方の言葉を聞き、ゆっくり振り返り、夕陽よりも紅い頬をした貴方を見る。

 

そうして


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