自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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皆さん、お疲れ様です。
みどり色です。

いや急に暑くなりましたね。
もうとっくにみどり色の限界活動温度を超えているので引きこもりたいと思います。
それでは皆さん、良い夜を・・・・・



第104話 空が明るい

<連邦地区 元老院ビル>

 

「意外と簡単だったな」

 

「入るよりも出る時の方が問題ですね」

 

「そうか? 『お邪魔しました!』って堂々と出れば許してくれないかな?」

 

「・・・応援しています」

 

今俺達はEMP発生装置の母機として機能している元老院ビルへと侵入を果たしていた。

俺が軽口を叩いているとエコーが真面目に返してきた。

というか見捨てられた。

これでもドミノ分隊の面々には結構尽くしていたと思うんだけど?

見捨てるなんてあんまりじゃないか(泣)

・・・・・なんかオーリー君っぽくなっているな。

自重します。

 

「議員さん連中はどこに行ったんだ? トルーパーばかりで影も形もないぞ?」

 

「お待ちを」

 

エコーがそう言うと身近な端末にアクセスする。

 

「お前たちは退路を確保しておけ。何かあれば連絡する」

 

「イエッサー」

 

俺からの命令を受けた分隊長のコマンドーがチームを引き連れて離れていく。

彼らは優秀だ。

任せておいて問題ないだろう。

 

「見つけました。全員議会場に集められているようです」

 

端末から情報を閲覧したエコーが知らせてくれる。

帝国は現在作戦行動中だ。

その辺をウロチョロされるよりも一か所で管理した方が良いのだろう。

帝国の兵士たちも大部分が施設外に配置されている所を見ると、侵入されるリスクはあまり考えていないのだろうな。

仮に議員らが逃げ出しても建物外に居る兵士たちに包囲される。

まあ割とありがちな配置だな。

 

「エコー、母機を何とかすればEMPは使えなくなるんだな?」

 

「完全に無効化できるかは分かりませんが、ここまで大規模に影響を及ぼすことは出来なくなると思われます」

 

なるほどな。

デススターのせいで上空からの艦砲射撃という訳にもいかないし、とにかく当初の予定通り母機をなんとかしないとって事か。

 

「このEMPの効果を増幅しているのはカイバークリスタルなんだよな? ・・・それって壊しちゃっても問題にならないのか?」

 

「「・・・」」

 

ちょっと二人とも急に黙るのやめてくれない?

ジェダイじゃないからよく分からないんだけどさ、カイバークリスタルってめっちゃ大事な物質なんでしょ?

帝国の保有している物だからってそう簡単に壊して良いものなのかな?

ぶっちゃけバカでかい母機(元老院ビル)を壊すよりも、クリスタル本体を壊しちゃう方が簡単だと思うんだよな・・・

 

「「・・・・・」」

 

何その『我々に決定権はありません。ですが命令があればそれを遂行します』って言いたげな目は?

押し付けですか?

責任放棄ですか?

何かあっても俺のせいですか?

 

まあ俺が上官だからそうなんだけどさ、ARCトルーパーは特殊部隊員みたいなものなんだからそこは協力的に行こうぜ・・・

 

 

 

________________________________________

 

 

 

<惑星コルサント上空>

 

「コマンダー! 艦のシールド持ちません!!」

 

第117コマンド軍団の旗艦であるヴェネター級スターデストロイヤー<アルテミス>の指揮を執っているのはレイの副官でクローン・コマンダーのライズだ。

艦橋のクローン・オフィサーから、艦のシールドが限界を迎えつつあることが知らされる。

 

「コマンダー・レイからの連絡は!?」

 

「ありません! 通信機に感なし・・・コマンドー・ドロイドからの報告通りEMPの影響だと思われます!」

 

デススターからの射線から外れるように絶えず動き続けていた<アルテミス>だったが、帝国軍ファイターからの攻撃を受ける事が増えてきていた。

これは自軍のファイターが数を減らしていることを意味していた。

 

「生命維持装置を残してその他のエネルギーを全てシールドと対空砲火に回すんだ!」

 

ライズの命令を受け、艦のエネルギーがバイパスされる。

艦内に注意勧告があった後、必要な場所以外のエネルギーが全てシールドと対空砲火に回された。

照明なども戦闘に支障のない範囲で落とされ、艦橋も非常灯が点灯する。

 

「おいコマンダー、もう無理だ! 無意味にこの宙域に残る必要はない!」

 

ライズが各所に指令を飛ばしている最中、戦闘指揮などもせずただその場に佇んでいたエドモン・ランパート中将が口を挟んでくる。

 

ランパートはレイ達の行っている任務の事をだけを言っているのではなかった。

“レイ達クローンごとき”の為に自身の身が危険に晒されること自体に意味を見出してはいなかったのだ。

 

戦闘で緊迫している艦橋内、そこでランパートの発した“たった一言”でひと際冷たい空気が流れる。

この場に存在する全てのクローンから殺気の籠った鋭い視線を向けられる。

連合国軍で最精鋭の兵士達、彼ら全員が並みの兵士を寄せ付けない殺しのプロなのだ。

直接戦闘の経験が浅いランパートでもその殺気を敏感に感じ取ることができた。

 

「“無意味”? 無意味なことなど一つもありませんよ将軍」

 

ライズがそれだけ言うと、彼らはすぐに職務に戻る。

子供の喧嘩ではないのだ。

彼らは自分がすべき事を理解している。

 

だが—————

 

『事実、このままでは確実に沈む・・・それは最早時間の問題だ。そうなればレイ達は帝国に占領されたコルサントで孤立する事になる。いや彼らだけじゃない。軍基地に残された兵士達や市民も・・・・・』

 

ライズは現状を冷静に分析する。

彼らの中では自分たちがどうなるかなど二の次だった。

“この艦が沈んだ結果、多方面にどのような影響があるか”その事しか頭に無かった。

 

「後方からTIEボマー接近!」

 

「対空砲火!」

 

「間に合いません!」

 

<アルテミス>の後方から数機のTIEファイターに護衛されたTIEボバーの隊列が迫る。

主力艦や地上の建物といった大型目標に対して攻撃を行う爆撃機であるTIEボマーはプロトン魚雷や震盪ミサイル、軌道機雷など様々な武器弾薬を備えていた。

 

旗艦の危機を察知した連合国軍のパイロットが数名、ドッグファイトから無理やり離脱した。

アルファ3ニンバス級Vウィング・スターファイター、通称Vウィング3機が旗艦に向かって急速旋回する。

このスターファイターはジェダイの操るデルタ7イーサスプライトやイータ2アクティスといったインターセプターに匹敵するスピードを誇る。

クローン戦争を戦い抜いた歴戦のクローン・パイロットである彼らはまるで最初から話し合っていたかのように隊列を組み上げ、お互いの死角をカバーする。

 

VウィングはTIEボマーの一団に接近すると速射に優れた2門のツインレーザー砲を発射する。

護衛に就いていたTIEファイター、及び爆撃機であるTIEボマー数機を撃墜する事に成功する。

しかしその後方から、元々彼らとドックファイトを繰り広げていたTIEファイターが急速接近する。

今なら離脱する事もできただろう。

しかし彼らはTIEボマーに照準を合わせる。

ここで離脱すれば旗艦に対する爆撃を許すことになる。

 

ファイターの計器から自機がロックされた事を報せる警報が鳴り響く。

しかし同じタイミングでTIEボマーへの照準が完了する。

クローン・パイロットたちは自機が爆散する前にレーザーを発射する。

 

VウィングとTIEボマーの破片が混じり合い、一瞬視界が効かなくなるがそこから一つの物体が現れる。

甲高い飛行音を発しながら現れたのは灰色にカラーリングされたTIEボマーだった。

 

レーダーでTIEボマーを捉えた<アルテミス>の艦橋では流れる時間が非常にゆっくりとしたものになる。

しかしその間、クルーに出来る事は何もない。

 

彼らの耳に届いたのは誰かが叫んだ『衝撃に備えろ!』という一言だった。

そして次の瞬間には巨大なヴェネター級全体を強烈な衝撃が襲う。

 

 

 

 

「ダメージコントロール! 艦の被害状況を報告しろ!」

 

<アルテミス>の指揮を執っているライズが声を上げる。

しかし艦橋内の計器からは火花が散り、ヴェネター級の艦内は耳を劈くような警報が鳴り響いる。

誰も望まない状況であることは明らかだった。

 

「シールド発生装置に反応がありません!」

 

「エネルギーをイオン・エンジンに回せ!」

 

「い、イエッサー!」

 

一機のTIEボマーによる爆撃は、<アルテミス>に甚大な被害をもたらした。

現在の<アルテミス>はシールド発生装置がダウンしており、艦を守っているのは表面の装甲だけだった。

これが何を意味しているかは言うまでもないだろう。

 

「トルーパー、ハイパー・ドライブはどうなっている!?」

 

「お待ちを・・・正常に稼働します!」

 

ランパートはハイパー・ドライブが使用可能か確認を取る。

クローン・オフィサーの報告では、今現在使用可能と言うことだ。

 

「コマンダー・ライズ、もう我が儘を言える状況ではないだろう? 将兵を守る事も士官の立派な務めだ」

 

ランパートのいう事はもっともだった。

将兵を預かる身として、彼らの命を守ることは非常に重要なことだ。

だが、奴は自分が助かりたいだけだ。

冷静を装ってはいるが自身の身を一番に案じている。

 

「どうぞ将軍は脱出ポッドへ、この状況では敵前逃亡にはならないでしょう。貴方の経歴にも傷はつかない」

 

「貴様何を・・・」

 

侮辱とも捉えられる言葉にランパートは頭に血が上る。

しかしライズはその言葉を遮り、部下へ向けた言葉を続ける。

 

「お前たちもだ! ファイターにも宙域からの離脱を打電しろ!」

 

「コマンダーはどうされるおつもりですか!?」

 

「私はお前たちの脱出まで時間を稼ぐ」

 

「しかし・・・」

 

「行けっ!!」

 

しかし艦橋のクローン達は動こうとしない。

その様子を見てランパートは恐怖に引きつったような表情を浮かべている。

 

「お前たちはどうかしている・・・」

 

その言葉を残してランパートは艦橋を飛び出す。

誰一人として持ち場を離れない将兵の中で、もっとも階級の高い者だけが我が身大事ゆえに走り出す。

いつも後ろに手を組み、顎を上げながら他を見下すように歩いていたランパートは、今では艦内のトルーパーやドロイドを押しのけ、息も絶え絶えになりながら全力で走っている。

 

『愚かだ』

 

彼を見た全ての者が彼を見てそう思った。

 

「お前たちも行け」

 

「嫌です」

 

「これは命令だ」

 

「聞き入れられません」

 

指揮官であるライズの言葉を受け入れる者は誰もいなかった。

離脱を打電したファイターもその命令を遂行する機はただの一つもなく、<アルテミス>を守るように編隊を組む。

 

その時、一機の脱出ポッドが艦から射出される。

『結局、アイツ(ランパート)を守る為に残ったような形になってしまったな』とライズはため息をつく。

 

「・・・貴官らと戦えたことを光栄に思う」

 

最早デススターの射線から逃れることは出来なかった。

<アルテミス>のセンサーが高エネルギー反応を感知し、艦橋に警告音が鳴り響く。

惑星を破壊する程の出力を誇るスーパー・レーザー砲が発射準備に入ったのだろう。

その砲に晒されればヴェネター級など一瞬で木っ端みじんだ。

 

『申し訳ありませんコマンダー。貴方との約束、守れそうもありません』

 

次の瞬間、眩い光が辺りを覆い巨大な爆発が発生する。

その残骸は惑星の引力に導かれ、コルサントへと降り注ぐ。

暗闇が支配する中、流星のように夜空を明るく照らすのだった。

 

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