自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
みどり色です。
アコライト1話と2話しかまだ見ていないのですが、皆さんのご感想はいかがですか?
え、みどり色ですか?
うーん、興奮していない様子から察して頂けると嬉しいです()
<惑星コルサント上空>
辺りはデススターのスーパー・レーザー砲で破壊された艦の破片が大量に漂っていた。
さらにそれらは惑星の引力に引かれてコルサントへと降り注いでいる。
艦の破片はコルサントへ甚大な被害を及ぼしているだろう。
「どうなっている・・・?」
第117コマンド大隊の旗艦<アルテミス>の乗員たちは目の前で起きていることを正確に認識するのに時間を要していた。
デススターの攻撃に晒されたはずが、自分たちが生きていることを疑問に思う者も多かった。
『間に合ったわね。<アルテミス>聞こえるかしら?』
「こちらコマンダー・ライズ、聞こえておりますタノ将軍」
その通信はジェダイ将軍のアソーカ・タノからのものだった。
彼女の旗艦であるヴェネター級スターデストロイヤー<トライビューナル>が他の艦を引き連れ、突然この宙域に現れたのだ。
『全く・・・無人のデストロイヤーを盾にするなんてドロイドにしては奇抜な戦術ね』
『恐れ入りますタノ将軍、しかし“マスター”の為ならボガーノ艦隊の全てを失おうとも全く問題はありません』
『・・・レイったら、ドロイドに何を教え込んだのかしら(小声)』
レイの特殊過ぎる性癖の存在を疑われるような事態になっているとは彼は知りようもなかったが、とにかくライズらは無事であった。
特殊な改造を施され、何故かレイに全幅の信頼と忠誠、そして愛情を向けるスーパー・戦術・ドロイドのタティスは密かにトンデモない規模まで発展させた惑星ボガーノの一部の戦力を引き連れて救援にやって来たのだ。
事の発端はジェダイマスターのコルドヴァだが、彼を皮切りにクローン戦争時代からタティスはその規模を“粛々”と拡大させていた。
何が起きたかと言うと、ボガーノ艦隊のプロヴィデンス級キャリアーデストロイヤー(※)を無人のまま引き連れてハイパー・スペースからジャンプし、絶妙なタイミングでデススターが放ったスーパー・レーザー砲の盾にしたのだ。
※グリーヴァス将軍のインヴィジブル・ハンドと同型艦
アソーカ曰く、『マスターよりも良いタイミング』との事らしい。
「とにかく助かりました将軍、しかしレイ達がまだコルサントに」
『詳しい話は後よ、とにかく貴方たちは今すぐジャンプしなさい。“しんがり”は私たちが務める』
「しかし—————」
『これは命令よ! 大丈夫、レイ達がそう簡単にやられる訳は無いわ。それに・・・』
「?」
『その船はレイの帰る場所なんでしょ?』
それを聞いたライズは『イエッサー』と口にする。
そうと決まれば軍人は判断が早い。
宙域を離脱、ハイパー・スペースへのジャンプの為に準備を進める。
「何をしているファイターの格納を急げ! ハッチは開けたままで良い!」
しかし帝国も易々と逃がすつもりはないらしい。
スーパー・レーザー砲の射線から退避していたTIEファイターが連合国艦隊へと向かって行く。
『<アルテミス>を囲うように展開して! すぐに宙域を離脱する。ファイターは出さなくて良いわ!』
そしてすぐに計算が終わり、ボロボロになりながらも<アルテミス>はハイパー・スペースへとジャンプする。
それを確認するとあらかじめ設定、準備を完了していた<トライビューナル>とその他の艦もすぐにジャンプを完了させるのだった。
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<惑星ナブー ヴァリキーノ島>
コルサントで激しい戦闘が起きている最中、遥か遠くに存在する惑星ナブーでは穏やかな時間が流れていた。
ナブーの湖水地方に存在するヴァリキーノ島には、パドメ・アミダラの親族が所有する屋敷が存在した。
かつてアナキン・スカイウォーカーとパドメ・アミダラが密かに結婚式を挙げた場所だ。
今ではこの静かな場所で、息子のルーク、娘のレイアが母であるパドメと共に暮らしている。
その屋敷のバルコニーから腕を後ろに組み外に視線を向ける男性がいた。
そこには穏やかな風が吹き込み、湖畔が静かに揺れているのを確認できる。
「・・・レックス、おはよう」
「おはようございます将軍。気持ちの良い朝ですね」
第501軍団のコマンダー・レックスは湖畔に向かって佇んでいるアナキンを後ろから見守っていたが、それに気づいた友人に声を掛けられる。
「・・・将軍、お身体の方はいかがですか?」
「問題ないさ。“これ”以外は」
そう言いながら振り返るアナキンの瞳には光が宿っていなかった。
白濁した眼球が、彼を盲目者だと語っている。
「やはりもう—————」
ポッドレースに心を震わせ、自由に宇宙を飛び回ることを夢見ていた少年時代。
運命のいたずらか、フォースの意思なのか、ある日突然ジェダイが現れた時から彼の日常は一変した。
想像していたものとは少し違っていたが、彼は充実した毎日を過ごしていた。
銀河を股に掛け、正義の為に戦った。
彼にはその力があった。
しかし・・・・・
「ああ、僕はもう飛べそうにない」
兵士にとって目は命だった。
身体機能や経験値などの要素を考えると、一般的な人間種族は肉体年齢で言うと30歳代が全盛期と言える。
そこからは徐々に肉体が衰えていくが、経験値の高さでその差をカバーする。
しかし視力を失うというのは兵士にとって致命的だ。
片目が見えなくなるだけでも戦場では命取りとなる。
レックスは今までの経験でその事をよく理解していた。
「翼が折れた鳥は、死を待つしかない」
アナキンは独り言のようにそう呟く。
かつてクローン戦争では自ら最前線に立ち、正攻法とは程遠い“奇抜な”作戦で多くの戦いで共和国軍を勝利に導いてきた。
いつでも自信たっぷりで、余裕を感じさせていた青年は見る影もなかった。
『翼を失っただけでなく、彼は心も折れてしまったのかもしれない』
レックスはそう感じていた。
スカイウォーカー家の護衛を兼ねて、第501大隊はコマンダー・レックス指揮の下、現在は惑星ナブーに駐屯している。
しかし彼らほどの戦力をいつまでもこの場所に置いておけるほど今の連合国に余裕は無かった。
そして今こうしている間にも連合国軍は戦いを続けている。
無駄にできる時間などないのだ。
「将軍、自分は—————」
その時、レックスのコムリンクに通信が入る。
そこからもたらされた情報は、今まさに首都であるコルサントで戦闘が起きているというものだった。
他にもデススターの出現や、惑星全体がEMPの影響を受けて機能を停止しているという報告もあがる。
『詳しい状況は不明ですが、コマンダー・レイが少人数を率いてコルサントへと降下したようです』
「彼らの安否は?」
『不明です。先刻タノ将軍がコルサント宙域へ応援に駆け付け、現在は<アルテミス>を含めて惑星ボガーノへ撤退した模様です』
「そうか・・・・・部隊を集結させろ。俺もすぐに戻る」
『イエッサー、ただちに』
この通信はアナキンの耳にもはっきりと届いていた。
彼の様子を見れば、レイ達を案じていることは明らかだった。
「将軍、自分はシードに戻ります。帝国軍がコルサントに集結するのも時間の問題でしょう」
帝国がここまで大胆な動きに出たという事は、戦争を終わらせるつもりなのかもしれない。
そう考えたレックスは命令があれば直ぐに動けるように準備を完了させるつもりだった。
「レックス、僕は—————」
「自分は長年将軍に仕えてきましたが、ジェダイやフォースの本質は理解できませんでした。いえ、今後も理解する事は難しいでしょう。しかしこれだけは分かります」
「?」
「貴方はジェダイや選ばれし者である前に“アナキン・スカイウォーカー”という一人の人間です。そして自分の知っている将軍は自分のすべき事を理解しているはずです」
レックスは確固たる意志を持ってアナキンの瞳を見る。
アナキンはその視線をしっかりと感じた。
見える筈はないが、長年の友の顔がしっかり目に焼き付くようだった。
レックスは敬礼をしてその場から立ち去ろうとする。
そのタイミングで小さな太陽が二つ、部屋に飛び込んできた。
「パパ! あっ、レックスおじさんもいたんだね!」
「こらルーク! 勝手に入っては・・・お父様、レックス、おはようございます」
「おはよう二人とも」
レックスは驚きもせずに答える。
その様子から、このやり取りが日常的なものだと理解できる。
「あれ、レックスおじさん今日はどこか行くの?」
「ああ、駐屯地に戻る。しばらくは来られないかもしれない」
「えー? 今日こそ船の乗り方を教えてもらおうと思ったのに!」
「ルークったら勝手な事ばかり言って! 何か悪い事ですか?」
レイアは不安そうにレックスの顔を見上げる。
幼いなりに何かを感じ取っているのかもしれない。
『やはり二人の子供だな』とレックスは心の中で思うのだった。
「大丈夫、ここにいれば安全だ。いいね?」
「・・・はい」
「次はレイおじさんも連れて来てね!」
「分かった。彼に伝えておくよ」
レイアは少し不安そうな表情だったが膝を着いて頭を撫でで来るレックスの顔を見たら少し安心したようだ。
対するルークは、次はレイも連れてきて欲しいと口にしている。
レックスは子供の真逆の態度に苦笑交じりに応える。
「では将軍」
そう言ってレックスは、今度こそその場を離れる。
しかしその場に残る父を見て、二つの太陽は不思議そうに口を開く。
「パパはレックスと一緒に行かないの?」
ルークは父の顔を見上げるが、部屋に差し込んでくる朝日の逆光でその顔をしっかりと確認できない。
しかしここに帰って来てから父に元気が無い事は子供ながらに感じていた。
アナキンはその場にしゃがみ込むと、二つの太陽をしっかりと両腕で抱きしめる。
ルークとレイアは父の肩で顔を見合わせると、二人同時にアナキンの頭に手を乗せる。
「よしよし。大丈夫ですからね、お父様」
「パパには僕たちが付いてるよ」
アナキンは堪らず涙を流しそうになる。
この二人から向けられるのは、打算などという言葉が存在しない心からの、無償の愛だった。
ついこの前までは一人では何もできない赤ん坊だったはずが、今では他者を思いやることまで出来るまで成長したのだ。
その成長を“この目”で見る事ができない。
それがとても辛かった。
そこに様子を見に来たパドメが訪れる。
「アナキン? 子供たちは—————」
三人の姿を確認したパドメは一瞬驚いたような表情を浮かべるが、すぐに彼らの下に駆け寄る。
そして自身もその場に膝を着き、三人を抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫ですアニー。私たちはここにいます」
アナキンの瞳から涙が流れ落ちる。
屋敷の外では変わらず優しい風が吹き、湖は穏やかに波を立てていた。
はい、お疲れ様でした。
コマンダー・ライズ以下将兵生きていていました!
タティスの奇抜な作戦のお陰ですね。
ありがとうタティスさん。
割と作品としても終わりに向かっているのですが、綺麗に終われる自信は全くありません()
それではまた近いうち・・・・・