自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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皆さん、お疲れ様です。
3日連続更新最終日になります。
え?
そもそも毎日更新しろって?
正論過ぎて何も言い返せない。



第108話 おじさん達の保護者

それからは早かった。

EMP発生装置の影響が消えると、連合国艦隊とボガーノ艦隊が集結し、さすがのデススターも尻尾を巻いて逃げ出した。

そもそも帝国が何をしたかったのか理解できない。

コルサントを惑星丸ごと停止できる秘策を用意していたのにも関わらず、その防衛に当たっていた人員も十分では無かったし、如何に強力な兵器であるデススターといえども単独では無敵とは言い難い。

護衛の艦隊もいなかったしな。

ボケちまったんじゃないか、あの爺さん()

 

まあ今回の事件をきっかけに密かに帝国と通じていた議員や連合国の将兵を炙り出すことができた。

怪我の功名・・・とは違うな。

民間人を含めて、命を落とした者も多い。

だがこれ以上戦争を引き延ばす必要はない。

国も軍部もその考えで概ね一致している。

 

<惑星コルサント 連合国軍事作戦センター>

 

『報告ではアブリオン宙域という話ですが?』

 

「はい、議長。議会の承認が得られればすぐにでも軍を動かすことができます」

 

モン・モスマに代わり、連合元老院議会の最高議長に選出されたベイル・オーガナのオフィスと通信が繋がっている。

オーガナ議長の言葉に答えたのは統合作戦本部長、つまり軍のトップに就任したウルフ・ユラーレンだ。

一時的に軍の舵取りをしていた高位のジェダイだったが、先の作戦でその多くが戦死してしまった。

今では正規の職業軍人が軍の実権を握っている。

 

ちなみに何の話をしているかというと、帝国がアブリオン宙域に集結しているということだ。

最近ではこの宙域は殆どノーマークだったのだ。

というのも、アブリオン宙域に存在する惑星カミーノだが、以前の戦い(第82話参照)でクローンの製造施設が完全に破壊されてしまった。

加えカミーノの防衛のために存在したリシの前哨基地も必要が無くなった。

そうなると、コルサントから遠く離れたこの宙域まで監視の目を伸ばすこともなかった。

その隙を突かれたんだな。

 

っていうか・・・

アブリオン宙域というと、やっぱりスカリフか?

 

『議会の承認はすぐに得られるでしょう。誰もこれ以上の戦いは望んでいない』

 

その後は細かい報告などを行い、割とあっさりと会議は終了した。

かなり長引くかと思っていただけあって若干テンションが上がったのは秘密だ。

 

「コマンダー・レイ」

 

「はい閣下」

 

「報告にあった捕虜についてだが、全て君に任せよう」

 

「よろしいのですか?」

 

ウルフ・ユラーレンは静かに頷く。

『知らぬ仲でもあるまい?』と付け加えながら。

 

「ありがとうございます」

 

「それではな」

 

そう言い残し、護衛のクローン・トルーパーを従えて作戦室を後にする。

そんじゃ、その捕虜の所にでも行きますかね。

 

 

 

 

 

<連合国軍事作戦センター 独房ブロック>

 

「気をつけ!」

 

「休め、例の捕虜に面会だ。報告は来ているだろ?」

 

「イエッサー、ご案内します」

 

元々のクローン・ショック・トルーパーはオーダー66の際に軒並み帝国側に寝返ってしまった為、連合国軍のショック・トルーパーは再編された。

まあ、再編されたのは別にこの部隊だけじゃないけどな。

既存の部隊はその殆どが解体、再編されたんだ。

暫くの間は落ち着かなかったが、今では元からあったかのように上手く機能している。

ジェダイの指揮に頼らなくても良いように再編されたのも大きいだろうな。

俺に気が付いたキャプテンが件の独房まで案内してくれる。

 

「こちらです」

 

「ああ」

 

キャプテンは特別な囚人を収容しておくブロックまで俺を案内し、警備のトルーパーに合図を送るとゲートを開かせる。

 

「こちらでお待ちしております」

 

「いや、貴官は仕事に戻ってくれ。気が済んだら自分で戻るさ」

 

「・・・イエッサー」

 

少し考えた様子のキャプテンだったが、特に反論する必要も無いと結論付けたのか敬礼をすると来た道を戻って行く。

 

重苦しい監房の扉が開くと、赤い光線シールドを隔てて数人の影が確認できる。

 

「よう、久しぶりだな」

 

「あら、レイレイじゃないの! 見ない間に随分大きくn————」

 

「ファイヴス、無事で何よりだ」

 

「お久しぶりですコマンダー」

 

「レイレイったら、オイラに会えてそんなに嬉s—————」

 

「—————ヒュメル」

 

「・・・なんだ、その顔は」

 

俺はヒュメルを視界に捉えると、奴も俺と視線を合わせてくる。

久しぶりに見るその顔には多くの傷が深く刻まれている。

まあ、俺も似たようなものか。

 

「いや、死人にしては元気そうな面だと思ってな」

 

「・・・あいにく地獄が満員でな」

 

多くの言葉は必要なかった。

ヒュメルが生きていて、記憶が戻り、こうして俺の前にいる。

その事実だけで十分だった。

俺たちは互いに視線を合わせながら口角を上げる。

奴も同じように考えているってことだな。

 

「なになに二人とも!? 通じ合っちゃってる感じ!? もしかしてフォースに目覚m—————」

 

「お前は・・・もしかしてボバ・フェットか?」

 

「ああ、こうしてちゃんと顔を合わせるのは初めてだな」

 

そこには俺達と変わらない顔立ちのボバ・フェットがいた。

カミーノに居た時はジャンゴに訓練を受けていたこともあり、時々見かけたことはあったが直接話すのは初めてだ。

姿形は同じだが・・・なるほど、その纏う雰囲気はクローンとは全く違うな。

 

「どうやら俺の仲間が世話になったようだな。礼を言う」

 

「・・・気にするな。成り行きでそうなっただけだ」

 

俺が頭を下げて礼を言うと、ボバは意外そうな表情を浮かべながら礼を受け取る。

コイツ、こんな顔もするんだな。

 

「ついでに言っておくと、お前の船は我が軍が回収、保管している。それにしても酷い壊れようだったが?」

 

俺がそう口にすると、この場にいる全員の視線がゆっくりとオーリーに向けられる。

動きが完全にシンクロしていたのはジャンゴのクローンだということは・・・まあ、関係ないか。

そんな事よりも・・・・・

 

「なんだ、居たのかお前」

 

「酷いよ、レイレイ!! オーリー泣いちゃう♪」

 

言葉とは裏腹に語尾に音符マークが付けられるのはもはやコイツの才能と言っても過言ではないな。

シクシクと泣く素振りを見せながら、こちらをチラチラ盗み見ている。

 

「・・・はぁ、変わらないなお前は」

 

「ありがとう♪」

 

何が『ありがとう』なのかは敢えて聞かないが、俺は顔なじみと世間話をしに来たのではない。

 

「この状況に疑問を持っているだろうが、お前たち・・・正確にはヒュメルとボバだが、この二人には国家反逆罪の容疑が掛けられている」

 

思い当たる節があるのだろう、二人は特に驚いた様子も見せなかった。

 

ヒュメルは記憶を無くしていたと言っても、何度も旧共和国、連合国に損害をもたらした。

ボバもジェダイ・マスターのメイス・ウィンドゥ暗殺未遂の容疑なども掛けられているし、その他にも旧共和国に対する度重なる妨害工作などの容疑もある。

それも一度や二度ではない。

 

「お、お待ちくださいコマンダー!」

 

「そ、そうだぜレイレイ! ヒュメルちゃんは操られていたし、ボバちゃんだって直接損害を出した訳じゃ・・・」

 

「それは結果論だ。理由はどうあれ直接、間接的に関わらず“我が国に対して不利益足りえる行動をした”それは事実だ」

 

俺の言葉にファイヴスとオーリーは、再度開きかけた口を閉ざす。

二人も分かっているのだ。

いくら“言い訳”を並べようと、それが変えようのない事実だと。

それにこの二人が拘束されている理由は、容疑者であるヒュメル、ボバと一時でも行動を共にしていたからだ。

“何もない”ことが分かればすぐに解放される。

 

だが・・・・・

 

「ボバはひとまず置いておくとしても、共和国軍・・・今は連合国軍だが、その正規の軍人であるヒュメルは軍法会議での判決を待つまでもない。その処遇は—————」

 

「・・・銃殺刑か」

 

「—————その通りだ」

 

俺の言葉を引き継ぐように、ヒュメルは自らの口で完結させる。

淡々と、まるで他人事かのように。

 

 

 

 

<連合国軍事作戦センター>

 

俺は連合国軍の本部と言える軍事作戦センターの敷地内で歩みを進めていた。

先の戦いによって被った傷跡が、基地内のあちこちで確認できる。

完全に修復されるには、まだ時間が掛かるだろうな。

 

「ほら、あそこだ。まだ修理中だけどな・・・安心しろ、余計なことはしないように言っておいた」

 

ボバの何とも言えない微妙な表情を受けて、一言付け加える。

俺は日本人だからな。

それなりに気を使えるんだ。

・・・何故だか冷ややかな視線を感じるな。

 

「・・・礼を言う」

 

「いいさ、大事な物なんだろ?」

 

絶賛修理中のスレーブⅠを遠目で眺めながらそう口にする。

聞くまでもないかもしれないが、コイツはボバがオリジナル・・・親父さんから受け継いだ船だからな。

ボロボロの状態で放って置くってのもな。

完全に俺の自己満足だ。

 

「・・・レイ」

 

「ああ、大丈夫だ」

 

「・・・そうか」

 

「ねーねー、なにが大丈夫なの? 僕ちゃんにも教えて♪」

 

相変わらずヒュメルは多くを語らない。

だが生まれた時から一緒だからな。

言いたいことは分かる。

・・・・・じゃあなんでコイツは分からないんだ?

 

「お前たちはとりあえず俺の預かりになっている。俺から離れるなよ? 勝手にほっつき歩いているのが見つかれば、その場で射殺ってことにもなりかねない。ああ、オーリーは良いぞ。東西南北、外縁部から未知領域まで好きな所に行ってくれ」

 

「死刑宣告!?!?」

 

「・・・黙れ」

 

「あ、構ってちゃんなのヒュメルちゃん?? 分かる、分かるよ! オイラに任せて♪」

 

「・・・レイ」

 

「ああ、静かにな」

 

俺はその場にしゃがみ込むと、右足首付近に取り付けている高周波ダガーを取り出してヒュメルに渡す。

上には幸福・・・不幸な事故だったと報告しよう。

割と作文は得意なんだ。

 

「そうだ、向こうに人気のない場所があるぞ」

 

「・・・了解だ」

 

「死刑執行!?!? さっきオイラ達は関係ないって言ってなかった!?」

 

オーリーが“一人”で騒いでいることによって注目を集めてしまっている。

古参のトルーパーは懐かしがっているかもしれないが、新兵は気になって仕方ないようだ。

 

とにかく、さっきも触れたが一先ずこいつらの身は俺の預かりとなっている。

普通に考えればヒュメルとボバは裁判に掛けられる。

それでも良い方かもしれない。

“形式上”の裁判など行われず、そのまま刑が執行されるということも十分にあり得るのだ。

 

だが俺は関係各所に“少しばかり”説得して回った。

仲間の為だ。

どれだけ時間が掛かろうと関係ない。

 

俺がそうしたいからやっただけ。

誰に原因がある訳でも、誰に責任がある訳でもない。

ただ単なる俺の自己満足だ。

 

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