自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
みどり色です。
いやー急に熱くなってきましたね。
関東はまだ梅雨入りしていませんが来週あたりなのかな?
体調管理に気を付けてお過ごしください!
<ヴェネター級スターデストロイヤー“アルテミス”>
『それで、デス・スターの内部構造はどうなっている?』
「殆ど工事は進んでいないようです。最低限船の離着陸が可能なようにパッドが設けられているのに加え、作業に必要なスペース、監督官用のフロアなどは確認が取れています」
俺はオビ=ワンの質問に答える。
他にもゲイレン・アーソから得た情報を会議に参加している面々に伝える。
ブリーフィングルームにはデス・スターの設計図が投影され、他の艦にいるオビ=ワンやアソーカ、コルサントのヨーダとも通信が繋がっている。
ちなみにコルサントの状況も最悪だ。
先の襲撃事件により、主要なエリアも大打撃を受けた。
惑星中に設置されたEMP発生装置の撤去もあまり進んでいない。
母機を排除したと言っても子機の影響がゼロになる訳ではないからな。
復興までにはまだかなりの時間が掛かるだろう。
そんな状況のコルサントでは主にヨーダが指揮を執っている。
多くのジェダイが命を落としたことも、状況を悪くしているのは言うまでもないだろう。
『設計図があるとはいえ内部がどうなっているかは見当もつきませんね』
『うーむ・・・あの大きさじゃ、闇雲に動き回ることになっては時間が掛かり過ぎるのう』
オビ=ワンとヨーダが唸っている。
いやそこはさ、フォースの力?意思?導き?
よく分からんがちょいちょいちょーいって何とかならんのですか?
何のためのフォースだよ()
え?
フォースは便利な魔法じゃないって?
はい、すいません。
と、とにかく今も戦闘中だ。
ボガーノ艦隊やライズ達が頑張ってくれてはいるが、いつまでも持ちこたえられる訳じゃない。
デス・スターのなんちゃってスーパーレーザー砲を警戒しながら戦っているからこちらが取れる戦術が限定されるから余計だ。
早急にあのデカブツをぶっ壊さない限り、俺達に勝利は無い。
っていうか正史の反乱軍どうなってるんだよ・・・
完成したデス・スター相手に限られた戦力で戦って、あまつさえ勝ったんだろ?
化け物すぎんか()
「私もデス・スターへ」
そう発言するのはゲイレン・アーソだ。
確かに専門家先生が来てくれるのはありがたいが、子守をしながらアレを破壊するのは自殺行為だ。
どう考えても論外・・・いや、もはや圏外と言った方が良いかもしれない。
何故だろう、とても冷ややかな視線を感じる気がする。
「いえ、博士には艦の中からサポートをお願いします。それとタティス、K9で現状知り得た情報を設計図に落とし込んでくれ」
「だがその地図は著しく正確性に欠けル。不可能な要求ダ」
「マスターがそれを求めていル。それ以上でもそれ以下でもなイ」
ちょ、タティスさん?
怖いです。
K9も心なしか若干引いているように見えますよ・・・
「別に完璧なものを作れと言っている訳では無い。設計図を基準に効率的な工程なんかを逆算して落とし込んでくれれば良い。何も無い状況で侵入するよりもよっぽど良い」
最悪は設計図と現地の状況を照らし合わせるだけだ。
何がどこにあるかは設計図で丸わかりだからな。
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<アルテミス 離着陸パッド>
俺達はミーティングを終え、アルテミスの離着陸パッドに来ていた。
これから自殺行為・・・というか自殺しに行くと言っても過言ではないことをするにしてはだいぶ落ち着いている。
「コマンダー、本当に単機で?」
そう口にするのは副官のライズだ。
クローントルーパーの中では割と後期に生産された個体だが、今では歴戦の指揮官だ。
レックスやコーディと同じくらい頼りになる。
・・・アイツらには聞かれないようにしないと()
「それしか方法が無いからな。お前たちはできるだけ帝国艦隊を引き付けてくれ」
俺は傍に控えるスーパー・戦術・ドロイドのタティスに対しても言葉を向ける。
なんか・・・悲しそうな顔をしているように感じるのは気のせいだろうか?
ドロイドだからな、表情を変えることなんてできないから気のせいだろう。
・・・って、おい!
アイ・センサーを点滅させて悲しみを表現しようとするな!
ったく器用なんだから()
「お前は艦隊の指揮を頼む。その方が俺達の生存率が上がるだろう?」
タティスはその高性能過ぎる“頭”で考えた結果、確かにその方が俺達の生存率が上がると結論付けたようだ。
気持ちとしては納得していないが頭では理解したってことだな。
「お任せ下さいマスター、ボガーノ艦隊が壊滅しようと御身の安全を第一に—————」
おいやめろ!
艦隊を犠牲にして俺一人の命を守るって全く釣り合ってないから!
下手なことするなよマジで()
◇
「レイ、本当にやる気か?」
「なんだアディス、今更怖気づいたか?」
「あらあら、アディスちゃん怖いんでちゅか?♪」
「・・・お前は黙っていろ」
「ちょ、ヒュメルちゃん!? 人数減っちゃうよ!? 俺ちゃんいないと任務に支障が出るよ!? その鋭いブルブル振動してるの向けるのやめてえぇぇ!?」
「これまでずっと黙っていたが今のヒュメルの目は本気だぞ? 本当に殺る前に大人しくした方が良い」
「そんな、アディスちゃんまでそんなことを!! 俺ちゃん泣いちゃう♪」
みんな好き勝手やってるなぁ~。
これだけ騒いでいて声も同じなのに直接見なくても誰が言ったのか分かってしまうのは個性が強すぎる気がするんだけど・・・
ホントにクローンなのかしら、レイレイ自信なくなってきちゃった()
っていうかアディスまで騒ぎに参加しているのは珍しいな。
いつもは生暖かい目で眺めてため息をついているイメージだけど。
・・・変なフラグじゃなきゃ良いけどな。
最後の最後で殉職は笑えませんよアディスさん?
「友よ」
ん?
この声は?
ARCSの連中が騒いでいる中、俺が振り向くとそこには頭頂部が禿げあがったジジイ・・・んっんん!!
ジェダイ・マスターのイーノ・コルドヴァがBDエクスプローラー・ドロイドを肩に乗せて佇んでいた。
あー、久しぶりの登場ですね。
皆さん、忘れているかもしれませんがこのジジイが諸悪の根源ですからね?
ボガーノ艦隊とかいう到底個人が所有して良い規模じゃない軍隊を作り上げ、あまつさえそれを放置()したんですから。
もはや戦犯と言っても過言ではないでしょう、ええ。
今では有耶無耶にされたが、ボガーノ艦隊が表舞台に現れた当初は軍だけでなくジェダイ評議会でもかなりの騒ぎになったんだ。
この恨みは一生忘れん。
「おい爺さん、アンタには言いたいことが一つや二つでは済まないくらい溜まっているんだが」
「友よ、お主がデス・スターに向かうと聞いて急ぎやって来たのだ」
「デス・スターに向かうことは聞けたのに、俺の言うことは聞けないのはどうしてなんだ?」
「話ではデス・スターの内部は工事中の為、どうなっているか分からないというではないか。だからこのBD-1を連れて来たのだ」
言葉は通じるが話が通じないという高度な会話?を一方的に繰り広げたコルドヴァ爺さんは肩に乗っているBDユニットを紹介してくる。
白いメインカラーに赤いペイントがアクセントに施されたBDユニットは愛らしい仕草で回転して見せる。
なんだ、このマスコットみたいなドロイドは。
・・・あ、思い出した。
ゲームでカル・ケスティスが連れていたやつだ。
そういえば、元々は爺さんの持ち物だったな。
「おい爺さん、子守を連れていく余裕はないんだ。本当だったらジェダイの力を借りたいくらいなんだぞ?」
「友よ、このBD-1は役に立つ」
あ、話通じた。
いやいや、そんなことはどうでもいい。
ん?
どうでもよくはないか()
と、とにかく聞くところによると、このBDユニットは探索、ナビゲーション補助、支援作業に特化したドロイドのようで未知の地形のスキャンや地図作成、ロック解除や端末のハッキングなどテクニカルな支援が可能なのだという。
なんだよ、こんな便利なドロイドあるならもっと早く言ってくれよ()
まあどちらかというとコルドヴァのように研究や探索と言った任務を行っているジェダイや探検家?の類にマッチしたドロイドと言えるから、俺達のような軍人にはあまり縁がないのも無理はない。
だが今回のような任務には役に立ちそうだ。
というか俺達のような特殊部隊には必須なドロイドに思えてきた。
小型で軽量、戦闘能力は皆無だが不整地における踏破性能にも優れている。
それに加えて前述のような支援作業にも特化している。
大事な事だからもう一度言おう。
も っ と 早 く 言 っ て く れ ()
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<ニュー級アタックシャトルARCS専用機>
『コマンダー、我々が編隊を組んで援護します』
ARC-170スターファイターで構成されたチームを率いるオッド・ボールからの通信だ。
他にも高機動戦闘が可能なZ-95ヘッドハンターなど多くの機体が護衛に就いてくれる。
「ヒュメル、連合国軍の名立たる精鋭たちだ。後れを取るなよ?」
「・・・誰に言っている」
ニヤリと笑みを浮かべるとヒュメルはアクセルを全開にする。
本来シャトルであるニュー級では他の戦闘機には性能で及ばないが、ARCS専用に原型が残らないほど魔改造されたこの機体は違う。
エンジン換装、ブースターの追加、シールド・ジェネレーターの増設、ターボレーザーやミサイルポッドの追加、ジャミング装置、妨害ビーコン、センサー遮蔽材、イオン低減、ナビ・射撃システム・・・etc(早口)
とにかく魔改造のせいで並みの腕では扱いきれなくなったが、逆に言えば使いこなせる腕があればARC-170くらいには付いていける。
まあ俺達の任務特性に合わせた機体と言えるだろうな。
基本的には通常の輸送機や戦闘機では対応できない多目的かつ長期的な任務で圧倒的な真価を発揮する機体だ。
おい、ゲテモノとか言うなよ?
機動性はARC-170、火力はTIEディフェンダー、防御力はラムダ級以上に仕上がっている。
局地的にはARC-170やTIEファイターを機体性能で凌駕することも可能だ。
え?
もっと聞きたい?
いいでしょう、いいでしょう。
では良い所ばかり紹介したので、次は悪いところを。
そもそものベースとなった“ニュー級としての限界”がある。
構造的に戦闘機並みのドッグファイトを繰り返していれば間違いなくガタが来るし、耐用年数が著しく短くなる。
勿論構造の強化も図っているがそもそものG耐性が低いってことやな。
他にも運用コストと汎用性の低下が挙げられる。
そりゃもう超高コスト、メンテナンスも時間は掛かるわ、手間は掛かるわで最悪だ。
元々量産機として汎用性が高いことがメリットだったのにそれを正面から全否定するような機体だ。
設計者はきっと泣いているだろう、知らんけど。
もっと言うと根本的に戦闘機とは役割が違うってことだ。
戦闘機は本来、空対空、制空権確保、が主目的だ。
それに対してニュー級のようなシャトルは兵員輸送や支援任務が主であり、代替はできても完全な戦闘機化は設計思想と矛盾してしまう。
まあ合理性に欠けるよねって話ですな。
え?
もう充分だって?
お腹一杯?
まだまだ語り足りないんだけど、良い?
ダメか・・・()
そんな無駄話(?)をしている場合ではないようだ。
帝国軍のバルチャー・ドロイドやドロイド・トライ=ファイター、TIEファイターが編隊を組んでやってくる。
まあだからと言って俺にできることはない。
空は苦手なんですよ()
軍でもトップクラスの腕を持つヒュメルさんに丸投げします。
「だぁぁぁー、めっちゃ数多いって!」
「・・・っ!」
オーリーの叫び声が船内に響き渡る。
対照的にヒュメルは声にならない叫び声を上げながら操縦桿を握る手に力が入る。
苦手とか言っている場合じゃ無さそうだ。
ここまで来てデス・スター破壊できませんでしたとか笑えないから!
今までの数年間が無駄になる!
「くそ、誰か火器システムの一部をこっちに回してくれ!」
俺の叫びに応えたのは2体のドロイドだった。
BD-1とK9がそれぞれシャトルの端末にアクセスし、権限とシステムの移行を速やかに完了させる。
俺とアディスはそれぞれ別の火器システムを掌握する。
ドロイド達はいきなり役に立ってくれた。
小さな武器庫並みの装備を備えたこのシャトルの本領発揮だ。
ヒュメルは操縦に専念、他の三人でシャトルの火器を担当する。
アディスはターボレーザー砲で遠距離を、俺はミサイルポッドと中型レーザー砲で中距離を担当する。
残りの細かい連中はオーリーが片付けてくれるだろう。
適材適所だ。
ウチの分隊は役割分担が強みだな、うん。
え?
ならお前は何が得意なんだって?
・・・器用貧乏のコンプレックスを刺激しないで貰えますかね?
「レイ、そっちに行ったぞ!」
勝手に落ち込んでいる隙に敵が回り込んできたようだ。
アディスもオーリーも射線が取れない。
はい、出番が来ました!
俺はヘルメットに内蔵された支援システムを使って複数の敵機をロックオンする。
別に画期的なシステムという訳ではなく、地球の戦闘機や攻撃ヘリにも一般的に採用されている技術だ。
ヘルメット・ディスプレイと船外のカメラ、武器システムが連動しており、目で捉えた物に照準することができる。
便利でしょ?
技術部に作らせたのよ。
スターウォーズの世界ってめちゃくちゃ科学技術が進んでいるのに変な所がアナログなのはなんでなんだろう()
3人が別々の場所を担当している為、かなり効率的に敵機を減らしている。
遠くから見れば派手に花火が上がっているように見えるだろう。
そうこうしているうちに、目的地が見えて来た。
何回見てもマジでデカいな・・・
本当に人工物なのかと疑うレベルだ。
「オッド・ボール、護衛はここまでで良い。付き添いご苦労だった」
『最後までお供します』
「下手に大人数で行ったら良い的だ。迷惑だからさっさと離脱しろ」
『・・・感謝します。ご武運を』
そう言い残すと部下に指示を出して離脱していく。
“迷惑”というのは建前だ。
彼らの任務はどんなに犠牲を出したとしても俺達をデス・スターまで送り届けることだ。
護衛機が多ければそれだけ敵の攻撃を引き付ける事ができるし、こちらの火力を発揮することもできる。
オッド・ボールもそれを分かっていたからこそ感謝の言葉を口にしたんだ。
「それで? カッコつけるのは良いがどうやって辿り着くつもりだ?」
アディスはため息交じりだ。
だって犠牲増やしたくないし・・・
「あそこだ、見えるか? 離着陸パッドなら侵入できる筈だ」
シールドや装甲なんかにも邪魔されずに入れるはずだ。
なんたって出入りするTIEファイターがいるからな。
まあそもそも対空砲火が強固過ぎて、侵入が不可能だと考えているんだろうな。
「難しく考えないでレッツゴーよ♪」
「・・・アクセル全開」
「お前たちは本当に・・・」
心なしかアディスが老けたように見える。
まあヘルメットしてるから実際には分からんけど。
「————という訳だ。地獄の底まで付き合ってもらうぞ、兄弟達」
俺の言葉を受けて、シャトルの操縦を引き受けているヒュメルは機体の速度を上げる。
そのタイミングで計ったかのようにデス・スターから無数のTIEファイターが編隊を組んで飛来する。
「K9、シールドを前方に集中させろ! 混戦になってからはお前の判断に任せる」
「良いのカ?」
「ああ、信じているぞ」
「・・・了解しタ」
タティスが聞いたら発狂しそうな発言だな。
・・・ふっ、こんな状況だっていうのに我ながら余裕があるな。
シャトルは迷いなく突き進む。
その間にターボレーザーの射程に入ったTIEに対してアディスが狙撃する。
散開する前に大きな一撃を食らったTIEが数機、周囲の見方を巻き込みながら爆散する。
それが引き金になったようで、TIEの編隊は四方八方に散らばって行った。
確認しなくても分かる。
俺達を包囲するつもりだ。
ヒュメルもそれを理解しているようで機体の性能を限界まで引き出して回避行動を取る。
だが流石なのは確実にデス・スターまでの距離が縮まっているという所だ。
回避に専念してデス・スターまで辿り着けなければ意味はない。
敵の思うつぼだ。
だから・・・!
と・・・痛っ言ってっ!!
この機動は・・・はぁはぁ、無理死ぬ☆
っていうか魔改造してあるとはいえシャトルができる機動なのかこれ!?
戦争が終わったらオーバーホール不可避やな()
こんな状況でも遠距離はアディスが、中近距離の敵機はオーリーが抜かりなく牽制、撃墜している。
何かに特化しているって素晴らしい・・・!
うっ、自主的にコンプレックスを刺激してしまった。
そうこうしているうちにデス・スターが目前に迫っている。
まさか本当に辿り着けるとは思って・・・いやいや信じていましたとも、ええ。
「対空砲火!!」
アディスの声が船内に響き渡る。
帝国軍は味方への損害など気にもしていないようだ。
敵味方が混在している状況で強力なターボレーザー砲を撃ち込んでくる。
運が悪かった。
その一言に尽きるだろう。
厳しいセレクション(選抜試験)を乗り越え、一般兵とは文字通りレベルの違う訓練を受け、隔絶した能力を誇る特殊部隊員だったとしても素人がテキトーに撃った弾を受けて命を落とすこともある。
戦場に“平等”なんてものは無いのだ。
だから軍隊には本来、パワハラなんて言葉は存在しない。
理不尽の塊なのだ。
『“その時”が俺達にやってきた』
ただそれだけの事なのかもしれない。
デス・スターのターボレーザー砲を受けたTIEファイターの一機が制御を失い、滅茶苦茶な機動を描きながら俺達のシャトルの目前で爆散したのだ。
どれだけ優秀な腕を持つヒュメルでも、視界が効かなければ成す術はない。
俺達はフォース感応者では無い。
どこかのジェダイが言っていた『目で見る方が惑わされる』なんて言葉は当てはまらないのだ。
視界が晴れてきた時にはイオン砲のエネルギーが目前に迫っていた。
目の前で流れる時間の速度が酷くゆっくりに感じられる。
だが避けることはできない。
イオン・エネルギーがシャトルに直撃し、船のエネルギーがダウンする。
船内が静寂に包まれる。
シャトルは完全に沈黙した。
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□時は少し遡り—————
<惑星ナブー 湖水地方>
湖水地方に存在するヴァリキーノ島、そこに隠れるように存在する大きな屋敷のテラスから穏やかに揺れる湖畔を見つめる者がいた。
しかしその目には光は宿ってはいない。
「アニー?」
その影に近寄って行くのは元老院議員の座から退いたパドメ・アミダラだった。
二つの太陽を寝かしつけ、夫の下にやって来たのだ。
「・・・フォースの揺らめきを感じる」
「レックスから報告がありました。惑星スカリフにレイ達が潜入したと」
「パドメ、僕は—————」
「分かっているわ。子供達には私が付いています」
パドメの瞳は力強いものだった。
元々強い女性ではあったが、母となったことでその心はまた大きく成長していた。
「必ず戻ってくる。君と、子供たちが待つこの場所に」
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<ニュー級アタックシャトル船内>
「エネルギーダウン、システム停止!」
「嘘!? この状況はさすがにヤバいって!!」
アディスの報告とオーリーの悲痛な叫びが耳に届く。
船内の電子機器は機能を停止し、武器システムやシールドも完全に死んでいた。
強いGがずっと身体に掛かっていた所から停止した為、身体がフワフワとした感覚に陥る。
だがそんなことを気にしている場合ではない。
外では帝国軍のファイターが飛び回っており、デス・スターの対空砲もこちらを狙っている。
「・・・処刑の瞬間を待つ囚人はこんな感覚なんだろう」
ちょ、ヒュメルさん?
冷静すぎません?
だがヒュメルの気持ちも理解できた。
どう考えても助からない状況に、文字通り死を覚悟しているんだろう。
「ヒュメル、システムが戻るまでの時間は?」
「・・・遅くて数分、早くても数十秒」
「ふぅー、なら余裕で10回は死ねるな」
俺の問いかけに、ヒュメルはまるで他人事のような口調で答える。
俺らのやり取りを見ていたアディスとオーリーも肩の力が抜けたようだ。
「まあ、これでオーリーのバカ騒ぎに付き合わなくて済むようになるなら悪いことばかりじゃないな」
「ちょ、アディスちゃん!? ずっと味方だと思っていたのに最後の最後で辛辣、痛烈、激痛なんですけど!?」
「なんだ、今回は俺ちゃん泣かないのか?」
「レイレイまで!? 」
「・・・オーダー9090完遂」
「おぉ! まさかここに来て長年の計画が成就するのか! なんだか感慨深い気分だ」
「え? オーダー9090? ヒュメルちゃん、レイレイ? 何それ俺ちゃん初耳なんだけど?」
「安心しろ。“ちゃんと”聞いたのは俺も初めてだ」
「そういう事じゃないの! アディスちゃんは黙ってて!? ・・・え、“ちゃんと”って何っていうかどう考えても誰かの抹殺計画か何かだよね? え、9090って俺ちゃんの認識番号だよ? いやーまさか天文学的な偶然だよね?」
「察しが良いな、勿論お前の話だ」
「知ってたよ!? この流れは絶対そうだと思ったよ!?!?」
この状況で繰り広げられる俺たちの会話を到底理解できない様子でK9が端末をいじりながらこちらを観察している。
ドロイドには理解できないだろう。
だがこれが俺たち人間なのだ。
「—————システム復旧まで30秒ダ」
K9が報告する。
元々特殊作戦用に改造された機体だからな。
一般の船に比べてEMPや電波妨害なんかにも強い。
それでも30秒か、まあ無理だな。
「敵機が接近」
「あとはジェダイが何とかするだろう。ここまで良くやった方さ」
この世界に来てもう何年になるだろうか?
来た当初は『どうせならジェダイが良かった』と嘆いたこともあったが、どう考えてもセンスは皆無だろうからな。
神様なんてものは信じていないが、クローンで結果良かったんだろうな。
民間の仕事なんて知らないし、銃持って戦っている方が何倍もマシだ。
大量生産、消耗品のクローンにしてはよくやった方だろう。
あー・・・最後にスカイウォーカー家に会いたかったな。
べ、別にボカターンのことなんてどうでもいいし!?
っていうか敵早く来いよ!
変に先延ばしされる方が逆に怖くなってくるんだけど()
するとTIEファイターの独特な飛行音が耳に届く。
その時が来たんだ。
・・・いや、早まったな。
TIEが来るよりも早くデス・スターの対空砲が稼働する。
あと5秒ってところか。
—————は?
俺は自分の目を疑った。
シャトルの目に見慣れた機体が飛び込んで来たんだ。
見間違いようがない。
それはオッド・ボールのARC-170だった。
一瞬だったが機体はかなり被弾しているのが確認できた。
ここまで来るのに損害を無視したのだろう。
『サー、最初で最後の命令違反です』
たったの数秒。
普段の生活ではまったく気にしない程の時間だ。
強力なターボレーザー砲の直撃を受けたARC-170が爆発四散する。
その爆風にシャトルが流されるがそれが合図になったかのようにシステムが復旧する。
「馬鹿野郎!!」
俺の叫び声が響き渡る中、ヒュメルは一気にシャトルを加速させる。
一瞬の隙を突く形になり、離着陸パッドのすぐ脇に備えられた対空砲を破壊しながらドックに突っ込む。
大きな犠牲を払いながらも俺たちはデス・スターの内部に進入することに成功したのだった。
はい、お疲れさまでした。
物語を進めるはずが、殆ど無駄話をして終わってしまった・・・()
普段の生活では殆ど数秒を意識する事って少ないと思いますが、自衛隊ではその数秒をかなり意識して過ごしていました。
何かが変わるって長い時間が必要かと思いがちですが意外とそんなこともないですよね。
べ、別に物語が進まないことから話を逸らしたわけではないですからね!?
次からは進みます多分恐らくメイビー・・・()
そ、それではまた近いうちに・・・・・