自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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皆さん、お疲れ様です。
みどり色です。

前々回?の更新くらいから、ちょいとラップトップの調子が悪くて誤字脱字のチェックができていません。
話自体は通じると思うのでご了承ください。



第115話 弾丸

<デス・スター エレベーターフロア>

 

アナキンがクレルの義手を一本切り落としてから俺達は休まずに攻撃を続けていた。

攻撃の手を緩めれば俺達に勝ち目は無くなる。

奴の集中力を削いでいき、反応しきれなくなった時がチャンスなのだ。

 

オーリーが近距離から三丁のハンドブラスターで正確な速射、ヒュメルが隙を突いて電磁モジュール搭載型の高周波ブレードで接近戦、ヒュメルが離脱する際にアディスの精密な射撃を行っている。

 

俺はアディスの狙撃に合わせてフラッシュバンとサーマルデトネーターを時間差で投擲する。

フラッシュバンで視界と聴覚をかく乱し、時間差で強力な爆発がクレルを襲う。

何度目かになるこの連携を今までは何とか対処していたクレルだったが疲労と、集中力の低下によりサーマルデトネーターの爆発を受ける。

寸の所で距離を取ったようだが多少のダメージは与えることに成功した。

 

間髪入れずにオーリーが速射を行い、俺もジェットパックで空中に飛び上がってDC-17mブラスター・ライフルでエネルギーパックが空になるまでフルオートで弾幕を張る。

そのタイミングでアディスの正確無比な狙撃がクレルを襲う。

 

スナイパーライフルによる光弾はクレルの生身の前腕に命中する。

その衝撃によって一振りのライトセーバーが弾き飛ばされる。

光弾自体は尋問官風の黒いアーマーに防がれたようだが、今がチャンスだ。

 

俺はジェットパックで滞空したままアーマーの肩に設置されたスポウダー・ミサイルを起動する。

久々に登場するこの装備はヘルメットの照準装置と連動したもので、俺が目で視認した対象にロックし、無動作で起動できる優れモノだ。

アーマーの肩部に3つ並ぶように設置された超小型のミサイルがクレルに向かって飛来する。

計6発の小型ミサイルを避ける手立てはなく、クレルは残りの義手を防御に用いる。

超がつく小型とはいえ、爆発物には変わりない。

強力な装甲を破壊することはできないが義手程度の強度なら効果てき面だ。

爆発の煙が晴れるともはや原型を留めていない“義手だった物”を肩にぶら下げたクレルが膝を着いている。

 

「終わりだな、クレル。俺はジェダイのように投降を促しはしない。これでようやく・・・お前のせいで死んでいった兄弟たちの仇をやっと討てるんだ」

 

俺は地面に着地しながらクレルに向かって言葉を放つ。

他の三人も俺とクレルの様子を伺っている。

全員決して武器は下げていない。

最後の最後で気を抜くなんてことはしない。

 

「があぁぁぁぁ!! この私が!! 複製などにやられるものかぁぁぁ!!!」

 

クレルは憤怒の雄叫びを上げながら、ぶら下がっているだけで機能を失った義手を引きちぎる。

義手をその場に叩きつけると残っている左側の生身の腕でライトセーバーを引き寄せ、もう一本の左腕で俺を引き寄せる。

突然の強力な引力でジェットパックで離脱することも叶わず、レイは起動された真紅の光刃をもろに食らってしまう。

ベスカー製のアーマーを着ているため、致命傷にはならないが衝撃をゼロに出来る訳ではない。

クレルは何度か斬撃を放つと、強力なフォース・プッシュを繰り出す。

レイは抵抗する間もなくフロアの壁に叩きつけられる。

その衝撃で彼の視界には火花が散り、肺から空気が押し出される。

 

「レイ!!」

 

アディスの声がフロアに響き渡ると同時に、3人は攻撃を再開する。

しかし4人の連携でなんとか渡り合っていた状況から人数が減ったことで攻め手に欠ける。

光刃の餌食にならないのはクレル自身の疲労とダメージ故だろう。

彼を突き動かしているのは怒りと憎しみ、暗黒面の力だった。

 

クレルは身体を縮めるような姿勢になると、一気に身体を広げるようにフォースを解放する。

強力な全方位のフォース・プッシュで、ヒュメルとオーリーはその衝撃に吹き飛ばされる。

連携は一度崩れると非常に脆いものだ。

さらに遠距離からの攻撃を行うアディスに目を付けたクレルはフォースを使ってアディスを引き寄せる。

 

「ぐっ・・・!」

 

「このまま捻りつぶしてくれるわ!!」

 

巨大な手でアディスの首を掴み、宙に浮かせる。

苦しみから逃れる為にアディスは両手で抵抗するが無駄な行為だった。

徐々に彼の動きが鈍くなっていく。

 

 

その時、違和感を覚えたクレルは目を移す。

その視線の先にはヘルメットを外し、DC-17mブラスター・ライフルを構えたレイの姿があった。

しかしそのブラスター・ライフルには見慣れないストック(銃床)とマガジン(弾倉)が装着されていた。

だがクレルは慌てない。

二人のクローンはまだ体勢を立て直しておらず、一人は自身の手の中にある。

ブラスターを発砲してもコイツ(アディス)を盾にすれば良いだけだと。

それも奴は理解している。

自分が撃てば死ぬのは仲間だと。

クレルの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。

『たかがクローンが生意気にもこのクレル様に歯向かうからこうなるのだ』と。

 

 

俺にフォース感応力など無かったが、クレルが何を考えているか理解できた。

奴の顔は勝利を確信したものだ。

万に一つも自分が敗北するとは考えていない。

その慢心が、油断が命取りになるんだ。

 

身体中が痛む。

だが外さない。

何千、何万回と繰り返してきた動作だ。

俺はしっかりとライフルを身体に密着させ、サイトを覗く。

大きく息を吸って、ゆっくりと吐き出す。

心拍が遅くなり照準のズレを最小限にする。

そしてゆっくりと、だが確実にまっすぐ引き金を引く。

大きな衝撃音と共に無煙火薬特有の匂い、そして火薬が爆発し弾頭が発射される際に発生する衝撃を身体に受ける。

ブラスターでは決して味わうことはない酷く懐かしい感覚だ。

レイの持つライフルから金色に輝く小さな物体が排莢され、地面に衝突すると妙に響く乾いた音を発生させる。

 

油断していたクレルには反応することは不可能だった。

気が付いた時には身体に衝撃が加わり、熱さを感じて身体に視線を移すと出血が見て取れる。

 

その場はまるで時が止まったかのようだった。

しかし次の瞬間には静寂を突き破るように連続で発砲音が発生する。

耳を劈くような銃声が壁に吸収されると、クレルは糸の切れた人形のように背中から倒れ込む。

 

「・・・・・な、なんだ—————今の・・・は」

 

「対フォース感応者用の“実弾”だ。ブラスターでは俺達一般人にも視認可能な程度の速度しか出ないから対処される。弾き返されたりな」

 

ブラスターは光弾と言っても光速で飛んでいる訳じゃない。

実際、一般的な人間種族にも判別可能な程度の速度しか出ないのだ。

連続で飛来する光弾をライトセーバーで防ぎ切ることが可能な理由もここにある。

 

だが実弾は違う。

音速を超える実弾は単純な初速で言ってもブラスターの3~4倍の速度が出る。

とても人間が反応できる速度じゃない。

もちろん未来を読むフォース感応者なら対処することも可能かもしれないが、連射されれば全てを捌き切ることは難しいだろう。

直線的に飛ぶブラスターと比べて実弾の軌道は放物線を描くからそこも対処を難しくする。

加えて純粋な弾の大きさも段違いだ。

物にもよるが小指の先よりも小さい弾頭が音速で、しかも連続で飛んでくるんだ。

フォースで認識できたとしても生物学上の限界、つまり腕を振るうスピードにはどう頑張っても限りがある。

しかもそれが意識外、不意打ちともなれば対処は難しいだろう。

こうしてクレルが倒れていることが何よりの証明になっていた。

 

「私・・・は、この銀河————支配・・・クローンなど、に」

 

「それはもう聞き飽きたよ」

 

レイは改造型のDC-17mブラスター・ライフルを構える。

彼の足元で倒れ、瀕死の状態のクレルを見ても憐みの感情しか沸いてこないようだった。

 

しかしクレルはどうだろう?

突然見開かれたその瞳にはレイの後方に、数えきれない程のクローンの影が映っていた。

そのアーマーは破損し、血を流し、とても生者の醸し出す雰囲気では無かった。

しかし彼らの目はしっかりとクレルに固定されていた。

 

クレルの心は恐怖に支配される。

間もなく迎えることになる死を感じてなのか、クローンの幻影故かは定かではない。

ただ確かなことは、彼の瞳は恐怖の色に染まっているということだった。

 

レイは“兄弟”が見守る中、ゆっくりと引き金を絞る。

一発の発砲音と共に、排莢された薬莢が地面に衝突する。

その音が妙に耳に響く。

 

「・・・レイ」

 

そう声を掛けながら俺の肩に手を乗せるのはアディスだ。

ヒュメルとオーリーも無言で傍に寄って来る。

 

「奴が死んだからといって、兄弟たちが帰ってくる訳じゃない」

 

「ああ」

 

「だがこれでアイツらも少しは地獄への旅路が楽になる筈だよな? 少しは心の荷物を減らすことができたよな?」

 

「ああ」

 

俺の言葉をアディスはただ肯定するだけだった。

そうだ、これは俺のわがままであり自己満足だ。

何かを言っていないとその場に座り込んでしまいそうなんだ。

 

「もう少しだけ待っていてくれ。この戦争を終わらせてから、俺達も地獄に行くからよ」

 

レイは天を仰ぎながらそう口にする。

3人は彼のことををただ静かに、だが決して離れずに見守っている。

その周囲をたくさんの影が囲んでいるように見える事に気づく者は誰もいなかった。

 

 

 

________________________________________

 

 

 

<デス・スター エンペラーズ・タワー最上階>

 

そこからは、連合国艦隊と帝国艦隊の激しい戦いが確認できる。

たった一つの窓を挟むだけで、その戦いが遥か遠くで起きている出来事のように感じてしまう。

まるで自身が傷つくことなどあり得ないと思い込んでいる傍観者のような感覚にさせる。

 

しかしこの場に鳴り響く音と、閃光はフィクションではなく現実だった。

対照的な青と赤の閃光が何度も、何度も激しく衝突する。

たった一撃で相手の命を刈り取ることのできる必殺の威力を秘めた光剣は、振るわれる度に白い残像を残しながら芯に響くような発生音を鳴り響かせている。

 

【アァァァァァァァァ!!】

 

銀河帝国の皇帝パルパティーンは、暗黒面の力が乗ったフォース・スクリームでアナキンのフォースを乱し、弱体化させようと試みる。

かつてジェダイ最高評議会に名を連ね、オーダー最高の騎士に数えられたキット・フィストーやエージェン・コーラー、サシー・ティンなどを一瞬で葬ることに繋がった秘儀だ。

 

しかし目の前に立ちはだかる盲目の騎士には、思うような効果を発揮できないでいた。

このフォース・スクリームも何度目になるか分からない。

何度放っても、若き騎士の力が衰えることなく、寧ろその剣の鋭さがますようだった。

 

ローブを脱ぎ捨て、身軽になったアナキンは目を覆うように身に着けている漆黒の布をなびかせながら光剣を振るっている。

彼の瞳は光を宿すことは無かったが、その動きは明らかに“見えている”ものだった。

 

パルパティーンはヨーダのようにフォースを身に纏い、アクロバティックな動きで次々に攻撃を仕掛ける。

しかしその鮮血に染まっているような真紅の光刃がアナキンを捉えることは無かった。

 

必要最低限の動きで攻撃を躱し、逸らし、受け流している。

その現実にパルパティーンの怒りは増幅する。

たった一人の若造に、ジェダイなどに、盲目者に、思うように立ち回れないことに冷静さを欠いていく。

パルパティーンは間違いなく当代最強のシス卿だった。

しかしそれと同じように今のアナキンは当代最強・・・いや、歴代でも最強のジェダイだった。

盲目というハンディキャップなど存在しないとでも言うように、アナキンは余裕をすら感じさせる戦いを演じている。

 

「・・・惜しい、実に惜しいものだ。それだけの力を持ちながら、暗黒面を受け入れる“強さ”が無いとは」

 

徐に口を開いたパルパティーンだったが、その言葉にアナキンが反応することはなかった。

シスの暗黒卿はそのまま話し続ける。

 

「それがお主の弱さなのだ、アナキン。暗黒面を受け入れる強さが無い故に守ることはできぬ。くだらぬ友や家族を救うことがな・・・そうだ、お主が余の弟子になることを拒むのであれば子供を余の下に迎えよう」

 

「・・・・・」

 

皇帝はアナキンのほんの少し、常人では見過ごす程度の若干の変化をフォースを通して感じ取る。

アナキンとパドメ、そして二人の子供の情報は厳正に秘匿されていた。

連合国でもその存在を感知している者はごく少数に限られる。

パルパティーンが二人の子供について知っていたのか、ただのブラフだったのかは誰にも分からない。

しかしその微妙な変化、反応を見ることで彼は確信を得たのだった。

 

「お主の強大なフォースを受け継いだ子であれば、余の下で訓練すれば間違いなく無敵のシスとなろう。“死”という概念から解き放たれ、永遠の命を得ることも可能に!」

 

シス卿のまるで演説のような声がフロアに響き渡る。

後に残るのは二振りの光剣が発する起動音だけだった。

そしてパルパティーンは言葉を続ける。

 

「余の弟子となれ。さすれば我らに敵う者はこの銀河にいなくなる。未来永劫、我らの帝国がこの銀河を支配するのだ!!!」

 

再びパルパティーンの声が響き渡る中、タワーの最上階であるこの階層にエレベーターが到着する。

その中から現れたのは一人のクローンだった。

 

 

 

 

クッソみたいに長いエレベーターがようやく停止する。

別に到着まで時間が掛かったわけじゃないが帝国の物ってだけで文句が言いたくなるんだよな()

 

エレベーターの扉が開くが戦闘音らしきものは聞こえない。

俺は一応警戒しながら進んで行く。

『—————さすれば我らに敵う者はこの銀河にいなくなる。未来永劫、我らの帝国がこの銀河を支配するのだ!!!』

 

あー、どうやらパルパルの勧誘演説の最中だったようだ。

歩みを進めて行くと両腕を上げながら高らかに演説?宣言?しているパルパルとそれを無表情で聞かされているアナキンの姿があった。

 

「おーいアナキn・・・うわっ!?」

 

散歩中にでも会ったかのように気楽な感じでアナキンに声を掛けたんだけど、足元で縮こまっている“物体”に気づかずに声を出してしまう。

 

・・・誰かと思ったらモールですやん。

すぐ横にはサヴァージ・オプレス?のような、他人の空似にようなやつも倒れている。

あー、魔法?呪い?が解けて元のサイズに戻ったのか。

二人ともロイヤル・ガードが身に着ける赤い服を着ている。

アイツのどこに忠誠を誓う価値があるのか全く理解できないが、まあ人それぞれだしな。

 

演説の最高潮?にタイミング悪く現れた俺を睨みつけるパルパティーン。

ちょ、お前が何してるかなんてイチイチ気にしてらんねーよ()

 

「あー・・・、お、アナキン? アイツの勧誘は何度目だ?」

 

「今日は二回目?かな?」

 

「うひゃー、一回目じゃないのかよ() よく我慢できるなお前」

 

蚊帳の外にされる経験など無いのだろう。

パルパティーンの怒りのボルテージは上昇し続けているようだ。

だが曲がりなりにも元老院議長まで上り詰めた奴だ。

すぐに感情を爆発させるようなことは無った。

 

「帝国は割とアンガーマネジメントの教育が行き届いているようだな」

 

「そうか? クレルは?」

 

「あー確かに。アイツいつもキレてたよな」

 

「というか他の皆は?」

 

「下に置いてきた。今一緒なのはコイツだけだ」

 

俺がそういうと背中の影からBD-1がひょっこり顔を出す。

アナキンは『よろしく』と言いながら微笑んでいる。

イケメンが過ぎませんかね?

カッコよ過ぎて殺意沸くんですけど?

神様は実に不公平だ。

 

俺達の気の抜けた世間話?にパルパルは限界なようだ。

鬼のような形相と、黄色に鈍く光る眼で睨みつけてくる。

 

「・・・また貴様かコマンダー・レイ。たかがクローンの分際で、余の計画をことごとく邪魔してくれた忌まわしき存在」

 

絶世の美女ならいざ知らず、クソジジイに見つめられても嬉しくもなんともない。

それとな、俺がこの世界に来てからテメーの計画を潰すためにずっと動いていたんだ。

ざまーみやがれ。

 

突然パルパルは大きく跳躍すると俺に向かってライトセーバーを振り下ろしてくる。

しかしその攻撃はフォースを身に纏ったアナキンによって防がれる。

 

「大好きだぜ親友!」

 

「そういうのは後で良いから今は距離を取ってくれ!」

 

はいはい、了解しましたよっと。

俺がいても足手まといになるだけだ。

遠くからちょこちょこ嫌がらせしてやる。

 

レイがジェットパックで離脱することを確認すると、アナキンはずっと守りの姿勢だった所から転じて攻撃態勢に移行する。

一見隙の多いように見えるどっしりとした姿勢でドジェムソの構えを取るがパルパティーンは隙を見出せないでいた。

そこに嵐のような激しく、重い攻撃が繰り出される。

生身の肉体であるその特性を最大限に活かすように身体全体をムチのように“しならせ”ながらセーバーを振るう。

その強力過ぎる一振り、一振りはとても一人のジェダイが繰り出せるものではなかった。

まるでいくつものセーバーを同時に振ったような発生音がその場に響き渡る。

 

彼の強力な攻撃を跳躍しながら受けたパルパティーンはライトセーバーを手放し、その身体は吹き飛ばされる。

地面で這いつくばることになったパルパティーンの瞳には、目の前で起こっていることがとても信じられないという感情が宿っていた。

 

その隙を逃すレイではなかった。

彼はジェットパックで滞空しながらDC-17mブラスター・ライフルのトリガーを絞る。

フルオートモードで発射される無数の光弾は実弾など比べ物にならないほど正確にパルパティーンを襲う。

“この程度”の攻撃で皇帝を倒せるとは思っていなかった。

レイはあくまでサポートに徹しているのだ。

 

レイは片手でDC-17mを連射しながらフラッシュバンを投擲する。

約600万カンデラの激しい閃光と180dBを超える炸裂音は一時的に聴覚や方向感覚を喪失させる。

しかしこのグレネードが起爆する寸前にパルパティーンは投擲者目掛けフォースで押し返す。

自身のごく近い距離で炸裂したことでレイは地面へと落下する。

フラッシュバンと墜落の衝撃で彼の視界には激しい火花が散っている。

地面に倒れ込むレイに向かってダース・シディアスはフォース・ライトニングを繰り出す。

 

「レイ!」

 

しかしアナキンは高速でレイの下に移動し、そのライトセーバーで青い稲妻を受ける。

激しい怒りを昂らせ、暗黒面の力を増大させたシディアスの攻撃は先程とは比較にならないほど強力なものだった。

 

「ぐっ———BD、大丈夫か?」

 

俺は痛みに顔を歪ませながら身体を起こす。

BD-1は特に異常は無いようで、俺を心配するように声を出す。

 

顔を上げると激しい閃光から俺達を守るように壁になっているアナキンの背中が目に入る。

パルパティーンのフォース・ライトニングが強力過ぎて目を開けているのがやっとだ。

それにライトセーバーで受容できる規模を超えているようでフロアにダメージを与えている。

 

部屋の中心に存在するエネルギーシャフトからも火花が散っている。

しかし怒りの感情に支配されたシディアスにはそのことに気づいていない。

今奴の中にあるのは目の前に立ちはだかるジェダイと、忌まわしいクローンを排除するということだけだ。

 

その時、一際強い閃光が発したかと思うとアナキンのライトセーバーから光刃が消え去ってしまう。

すぐさまフォースで皇帝の稲妻を受け止めるアナキンだったが、決して余裕がある訳では無かった。

 

「ア、アナキン! ここはいつまでも持たないぞ!?」

 

周囲はパルパティーンのフォース・ライトニングによって被害が広がって行く。

だが下手に動けば奴の稲妻を受けることになる。

最期まで厄介な奴だ。

 

「レイ、今すぐここから離れるんだ」

 

「はぁ!?」

 

「そのエネルギーシャフトはこのデス・スターのメイン・リアクターに繋がっている筈だ」

 

アナキンはそれ以上口にしなかったが、何が言いたいかは理解できた。

エネルギーシャフトを利用して、メイン・リアクターを連鎖的に破壊するつもりなんだ。

 

「バカ野郎! それ以上ふざけたこと言ってみろ! パドメにあること無いこと吹き込んで夫としても父親としてもその尊厳を地に落としてやる!!」

 

「今はふざけている場合じゃ—————」

 

「お前は生きろ」

 

「—————え?」

 

俺は肩にいるBD-1を地面に降ろし、ジェットパックを起動してパルパティーンに突っ込む。

フォース・ライトニングの影響を受けて全身が痺れる。

だが止まらない。

特攻に気づいたパルパティーンはアナキンに向けていたフォース・ライトニングを俺に向けてくる。

パルパティーンとの衝突と同じタイミングでライトニングを受けるがその痛みは俺の想像を遥かに超えていた。

気を抜けば一瞬で気絶するだろう。

だがそうはさせない。

死ねば嫌というほど休めるんだ。

 

パルパティーンも俺を通して自らの稲妻をその身に受けている。

それだけがせめてもの救いだ。

もっと苦しみやがれ!

 

俺はエネルギーシャフトに向かってジェットパックを全開にする。

上から覗くシャフトは永遠に続いているように錯覚するほど巨大だった。

 

「地獄までの片道切符だ。快適な旅を約束するぜ」

 

「無限のパワーをくらえぇぇぇ!!!」

 

エネルギーシャフトが続く穴に飛び込んだ瞬間、パルパティーンは鼬の最後っ屁のように最大出力のフォース・ライトニングを繰り出す。

その稲妻はエネルギーシャフトに致命的なダメージを与えたようだ。

激しい火花と爆発を繰り返しながらデス・スターの中心に向かって行く。

 

俺か?

その爆発を最後に俺の視界は暗転した。

まあ、いい人生だったんじゃないか?

これでアイツらの下に行ける—————

 




はい、お疲れさまでした。

ずっと登場させたかった実弾火器をようやく登場させられました。
タイミングをずっと狙っていたらまさかの完結間際になってしまった・・・()

一応次回の更新で最終話にするつもりです。
皆さん、本当に長い間お付き合いいただきありがとうございました。
最後にもう少しだけお付き合いください。

それではまた近いうちに—————
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