自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
俺は今ピンチに陥っている。
惑星オンダロンの一件が片付きコルサントに戻ってきたが、アソーカの恋愛相談に乗った結果、アナキンに呼び出しを食らっているのだ。
うーん・・・
どうしたものかね。
そう言えば正確な時期まではわからないが、アソーカがオーダーから去る発端になった事件がもうすぐだよな?
アナキンが暗黒面に落ちてしまう、一つの要因になったと言っても過言ではないだろう。
彼女がいれば、また違う未来があったかもしれないしな。
俺もそろそろ、覚悟を決めるときなのかもしれない。
だがアナキンは、議長の事を父のように慕っている。
議長が黒幕ですよって、言うだけではダメだよなぁ・・・。
結果論だが、パドメが出産中に死んでしまう夢を見て、その未来を変えるためにアナキンは議長の力が必要だという答えに辿り着いたんだよな?
それであれば、やはり俺はこの先の未来を知っていて、このままではパドメどころか、共和国を滅亡に導くことになる事を上手く伝えた方が良いのか?
そんな事を考えていると、アナキンに与えられているジェダイテンプル内の自室に辿り着く。
ここまでくる間に、場違い感が凄くて何度引き返そうとした事か・・・
俺はアナキンの部屋の扉をノックし、少し待つとゆっくりと扉が開かれる。
「レイか、時間通りだな。入ってくれ」
「失礼します」
中はそんなに広くなく、禁欲を美徳としているジェダイらしい部屋が広がって・・・いなかった。
アナキンの趣味であろう、スピーダーやファイターの雑誌や、何やら作りかけの機械やら部品やらが無造作に散らばっていた。
「・・・良いお部屋ですね?」
「どうして疑問形なんだ・・・散らかっているが、好きにくつろいでくれ。何か飲むか?」
「はい、頂きます」
特に断る理由も無いし、おもてなしを断るような無粋な真似はしない。
「・・・僕はあの緑茶と言うものが、あまり得意ではないんだ。知っていたか?オビ=ワンやマスター・ガリアだけでなく、マスター・ヨーダや、マスター・ムンディも、あのお茶の虜になっているらしいぞ?噂ではあのマスター・ウィンドゥまでもが・・・」
ええー!?
いつの間にそんな事になっていたんだ・・・
まあ、差し詰めオビ=ワンやアディ・ガリア辺りが広めたんだろうが・・・
って言うか虜になっているって、さらっと言っていたけどそれってジェダイ的に良いんですか?
完全に個への執着ですよね?
禁欲がうんたらに該当しませんかね?
自分の良いように解釈を捻じ曲げられる、都合の良い教えだったんですかね?
「自分はジェダイの本質まではわかりませんが、それはジェダイの教えから見ると、どうなんですか?」
「・・・僕の口からは何も言えない」
何も言えないって、認めたようなものじゃないですか・・・
まあ良いけどさ。
これを機にジェダイの固い頭をほぐしてください、緑茶様。
「そんな事を言いに、君を自室まで呼んだわけじゃない。もっと個人的な話だ」
まあ、そうだろうな。
わざわざ自室に呼び出すくらいだ。
個人的な話や、他の人には聞かれたくない事だろう。
「・・・と言いますと?」
「君は何を知っているんだ?」
これは難しい質問だ。
パドメとの関係の事を言っているのか、それとも、もっと深い話の事を言っているのか・・・
「将軍はどう思われているのですか?」
「初めてクリストフシスで君に会ってから、本当に驚かされてきた。始めはただ優秀なクローンなのかと思っていたが、君の事を知って行くにつれて、どうもそれだけじゃないような気がしてならない」
「将軍は、自分の事を信じてくれていますか?」
「当たり前だろう?僕は君の事を友だと思っている」
「自分もです、将軍」
アナキンは今では、レックスと同じくらいの信頼を向けてくれる。
そんな彼だからこそ、俺が普通のクローンとは違うという事を感じているようだ。
「・・・将軍はこの戦争の先に、何が待っていると思われますか?」
俺からの質問を受けて、そのままの言葉の意味でない事はアナキンも感じ取っているだろう。
静かに目を閉じて考え込んでいる。
「・・・小さい頃に夢見たジェダイと、現実のジェダイは全くと言っていいほど違うものだった」
アナキンはそう語りだす。
「困っている人がいれば颯爽と現れ、悪い奴を倒して市民を守ってくれる。そんなジェダイの偏ったイメージを持ち、いつか自分もジェダイとなって、力無き者の為に戦うんだと夢見ていた。しかし、現実は違った。古い掟に縛られ、苦しんでいる人がいるのに助けることが出来ない事も数多くあった。評議会の命令が無ければ、勝手なことが許されないからだ・・・・」
俺は静かにアナキンからの言葉を待つ。
「・・・そして僕は、最愛の母を救うことが出来なかった。救えるだけの力があったのに・・・大切は人を救えないこの力は、一体何の役に立つんだろうかと思い悩む日々だったよ。いや、今でも悩んでいる。それに僕がしてしまった事も・・・」
彼の母であるシミ・スカイウォーカーと、タスケンレイダーの事を言っているんだな。
彼女を失ってしまった悲しみと憎しみから、その場にいるタスケンレイダーを皆殺しにしてしまったんだ。
武器も持たず、戦うことの出来ない女、子供を含めて・・・
加えてパドメとの秘密の結婚も、彼に後ろめたさを感じさせている要因の一つだ。
彼には本当の意味での友人、何でも言い合える信頼した相手がいなかったことから、シディアスの甘く、正しいように聞こえる言葉に縛られてしまったんだ。
いや、正しいと聞こえるというのは間違いだな。
シディアスも、ある意味では正しい側面を持っていた。
彼に必要なのは、傍にいてくれて、何でも相談できる信頼に足る友人だ。
アナキンの求める友となれるかはわからないが、彼が必要としている存在になる事が俺の役割なのかもしれない。
これは、ずっと前から考えていたことだ。
今がその時なのかもしれない・・・。
「・・・辛かったな、アナキン」
急に話し方を変えた俺に驚いていた彼だったが、静かに次の言葉を待つ。
「何でも自分だけで抱え、それを愛する人にも相談できず、一人だけ違う世界に取り残されている、ずっとそんな感覚だったんだろう?安心して良い、俺はシミ・スカイウォーカーのこと、タスケンのこと、パドメの事も知っている。俺には何も隠さなくて良い。よく今まで一人で耐え忍んできたな、俺が傍にいてやる。もう安心して良いんだ・・・」
俺は話しているうちに、自然と涙を流していた。
そして徐に立ち上がり、アナキンの事を静かに抱きしめる。
ずっと驚いていたような顔をしていたアナキンだったが、もう一人じゃない、信頼できる相手がいるということを少しずつ認識してきたのか、10年以上、一人でため込んできた感情を少しずつ開放するかのように涙を流すのだった。
はい、お疲れさまでした。
レイは本当の意味で、アナキンの友となる道を選んだようですね。
本当はもっと気持ちの面や、語らいを書きたかったのですが変に長くなってしまうのも良くないと思い、敢えて短くしました。
大の男二人が泣きながら抱きしめ合う、酷い絵面と思う方も中にはいるかもしれませんが、そこはツッコまずに温かい目で見守ってあげてください。
それではまた近いうちに・・・
1週間のうちにどこかでお休みを頂きたいなぁ〜、何て甘えた事を思っているのですがお許し頂けますでしょうか?
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ええよん、身体に気を付けて!←神
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は?寝言は寝てから言えよ。←興奮
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知らんわ、勝手にすれば?←ツンデレ