自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
最悪だ。
オーリーは片腕を丸ごと失う重傷を負い、結局犯人には逃げられてしまった。
レッタ・ターモンドは何とか命を失わずに済んだが、昏睡状態に陥ってしまっていつ目を覚ますかわからない状態だ。
極めつけはレッタ・ターモンドがフォース・チョークによって昏睡状態になった事で、その場にいたジェダイ、アソーカが重要参考人として一時的に拘留されてしまった。
不幸中の幸いだが、オーリーがライトセーバーによって重傷を負ったことで、その場にジェダイと思われる真犯人が居た証拠となり、アソーカの拘留は任意の事情聴取という意味合いが強かった。
<惑星コルサント 共和国軍基地:刑務所区画>
「それで、オーリーの容体はどうなんだ?」
「損傷部が熱で塞がっていたから死ぬことは無いだろうが、重傷なのは変わりないな。急ぎカミーノに搬送された」
「僕もその場にいれば、犯人を捕まえる事が出来たかもしれないのに・・・」
「別にお前のせいじゃないさアナキン、それにこれは俺の失態だ。オーリーには本当に悪い事をしてしまった」
「そう言えば、今回の黒幕は一体誰なんだ?君なら知っているんだろう?」
「ああ、もちろんだ。だけどその話はアソーカの件が片付いてからの方が良いだろう」
俺とアナキンはアソーカに面会する為、再び軍基地の刑務所区画を訪れていた。
「コマンダー・フォックス、アソーカの面会に来た。通してくれ」
「スカイウォーカー将軍、申し訳ありませんがターキン提督から誰も通すなとの命令です」
「彼女は犯人ではないとわかっているだろう?良いから早く通すんだ・・・」
「申し訳ありませんが、管轄が軍に移った事で提督の命令が優先されます」
アナキンは静かに、怒りの感情を沸き上がらせていた。
こういう時は俺の出番だな。
「アナキン、大丈夫だ。俺に任せてくれ」
小声でアナキンにそう言って、落ち着けと伝えるため彼の肩に手を置く。
アナキンは俺と目を合わせると、静かに頷いてくれる。
「コマンダー、俺は階級で言うと提督と同クラスだ。加えてARCSに与えられている権限によって俺の命令が優先される。命令を確認したか?」
フォックスは少し考える素振りを見せる。
「イエッサー、現在ターキン提督がコマンダー・タノに事情聴取をされています。終わるまでお待ちになりますか?」
そう話していると、ターキンに連れられてアソーカがこちらに向かってくる。
「あ、マスター!レイー!」
「これは、これはスカイウォーカー将軍にコマンダー・レイ、お揃いでどうされましたかな?」
ターキンがいつもの調子で声を掛けてくる。
優秀なのは認めているが、俺はコイツが苦手だ。
「・・・ターキン提督、僕のパダワンへの面会を禁じたのはどういう理由からだ?」
「特に深い意味はありませんよ将軍?たまには若い娘とゆっくりと話をしたかっただけです。軍属という立場から、中々そう言う機会にも恵まれない」
「大丈夫か、アソーカ?」
「全然平気よ、任意の事情聴取だって知っているでしょ?それよりも、オーリーの容体は?」
「ああ、重傷だが命に別状はない。今は治療のためにカミーノへ向かっている」
アソーカは問題なく解放されたことだし、後は奴を捕まえるだけだな。
既にアディスとヒュメルには、いつでも動けるように命じてある。
「マスター、犯人はライトセーバーを・・・」
「その話は後だ。取り合えず、落ち着ける場所へ移動しよう」
「フォックス、少し落ち着いた場所で話をしたいんだが、空いている部屋はあるか?」
「はいコマンダー、ご案内します」
コマンダー・フォックスに連れられた三人は、長い時間部屋で話し合いをしていた。
そしてしばらく経った後、揉み合うような音と、叫び声によってその静寂は破られた。
アソーカが逃亡したのだ。
「アソーカ待て!!」
アナキンの静止を聞かずに、突き進むアソーカ。
特徴的な赤い装甲服を身に纏ったコルサント・ガードがアソーカの前に立ち塞がるが、彼女の攻撃によって次々に倒されてしまう。
「こちらレイ、コマンダー・タノが逃亡した。繰り返す、コマンダー・タノが逃亡した。武器をスタンモードに切り替えて拘束しろ。絶対に殺すなよ」
俺はコムリンクを起動させ、オープンチャンネルで周囲の兵士に呼びかける。
「コマンダー、どうして彼女は逃亡を?」
この騒ぎの原因が知りたいのか、フォックスが俺に状況を問いかけてくる。
「スカイウォーカー将軍と一緒に状況確認を行っていたんだが・・・何か理由があるはずだ。絶対に捕まえろ」
「イエッサー」
<ジェダイ評議会室>
アソーカがコルサントの暗黒街へ逃亡したことで、今回の爆破事件に彼女が何らかの形で関わっていると考えた評議会は、アナキンから詳しい話を聞くために会議を開いていた。
「スカイウォーカー、パダワン・タノに逃げられる前に逃走を防ぐ方法は無かったのか?」
「いえマスター・ムンディ、とにかく突然の事だったので自分も驚いています」
「今回の逃亡によって、評議会はアソーカ有罪説に傾いておる。もちろんお主は違うんじゃろ?」
「アソーカは爆破事件も、レッタ・ターモンド殺害未遂についても関係はないと考えております」
その頃、評議会のすぐ外ではフードを深くかぶった人影が聞き耳を立てていた。
「パダワンの逃亡先は暗黒街です。見つけるのは困難を極めるでしょう」
「うむ、マスター・ウィンドゥの言う事はもっともじゃ。アソーカ逮捕は精鋭部隊が行うべきじゃの。スカイウォーカーとコマンダー・レイの部隊が協力して逮捕に向かうのじゃ」
そして、必要な情報が手に入った人影は、周りに悟られないように静かにその姿をくらますのだった。
<惑星コルサント 暗黒街>
アソーカは一人、暗黒街を彷徨っていた。
そして、親友であるバリス・オフィーに連絡を取るのだった。
「バリス聞こえる?アソーカよ?」
『アソーカ、無事で良かったです。今はどこに?』
「場所は言えないけど、敵の罠に嵌ったみたい」
『ジェダイのコムリンクを使うのは危険です。何か別の通信手段を確保してください。こちらでも、貴女の力になれる方法を探しておきます』
「了解、また連絡するね」
そしてアソーカは一人、通信手段を求めて再び暗黒街を彷徨うのであった。
<暗黒街上空 LAAT/iガンシップ船内>
俺達はアソーカ逮捕の為、コルサントの暗黒街に来ていた。
こんなにも文明が発達しているのに、市民への福利厚生や生活環境の確保、治安維持など最低限の暮らしに必要な事が疎かになっているのが驚きだ。
元老院も上ばかり見ていないで、下に目を向けるべきだな。
これでは、共和国を脱退する国が増えても仕方のないように感じる。
「キャプテン、本当にコマンダー・タノがあの爆破テロを起こしたんですか?自分には信じられません」
そうレックスに問いかけるのはARCトルーパーのヘヴィーだ。
長い間、戦場を共に戦ってきた彼女がそんな事をするとは到底思えなかった。
「もちろん何かの間違いさヘヴィー、俺たちが疑っていたら誰がコマンダーを信じるんだ?」
「ファイヴスの言う通り、コマンダーがそんな事するはずがない。それを証明するためにも早く彼女を見つけるんだ」
その時、下方のデッキに二人の人影を確認する。
アソーカとヴェントレスだろうな。
ここまでは歴史通りに行っているって事だな。
「プローブを出せ、二人を見つけるんだ」
二人を発見、追跡させるために、球体型の無人偵察ドローンを展開する。
ここまでは予定通りだな。
俺はアナキンと目を合わせて、頷き合うのだった。