自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
<惑星コルサント 暗黒街レベル1312>
「素敵な所に住んでいるんだね。本当、アンタにお似合いの場所」
「コルサントの誰もが、地表の贅沢なお寺に住めるわけじゃないのさ」
「・・・私もここに慣れなきゃね」
そう話すのは逃亡中のアソーカと、現在彼女に協力しているヴェントレスだ。
ヴェントレスがアソーカの無実の訴えを弁護し、代わりにアソーカが元老院にヴェントレスの恩赦を嘆願するという理由で、一時的に協力関係を築いている。
その時、アソーカは道端に公衆用の通信端末を見つける。
「バリス、私よ」
『アソーカ、大丈夫?心配してたのよ?』
バリス・オフィーは本当に心配している様子で彼女に問い掛ける。
「ええ、何とかね・・・アナキンとクローン達に捕まりそうになったけど」
『無事で安心したわ。実は手掛かりを見つけたの』
「手掛かり?それって何なの?」
バリスが言うのは、アソーカの現在地から三階上に兵器工場の跡地があるそうだ。
その跡地には、レッタ・ターモンドがナノ・ドロイドの受け渡しなどに使っていた倉庫があるそうで、そこに向かえとの内容だった。
「どうやってそんな事を知ったの?」
『言ったでしょ、調べてみるって。気を付けてねアソーカ』
プローブからの通信が入り、アソーカの現在地と目的地が判明した。
どうやら歴史通り、兵器工場跡地に向かうようだな。
「アナキン、彼女は兵器工場跡地に向かうようだ」
「よし、なら僕たちもすぐに向かおう」
ちなみに今回のチームメンバーは、俺の身の上を知っている奴らだけだからアナキンに気軽に話しかけている。
一応メンバーを言っておくと、
ゴーストのアディス、ヒュメル
第501大隊所属のレックス、ファイヴス、ヘヴィー、カタップ
加えて、先日救出したクローン・コマンドーのグレガーだ。
グレガーに関しては、オーリーが抜けた穴を埋めてもらうために臨時で来てもらった。
彼が率いた分隊はサーリッシュの戦いで全滅している為、現在は配置換えとなって第501大隊所属となっている。
グレガーにも俺の身の上を話してあるし、それに対して非常に強力的だ。
加えて命の恩人だと言って、俺の事を慕ってくれるし本当に良い奴だ。
ちなみにここにいる連中は全員、頭の中にある行動抑制チップは取り除いてある。
何かあってからじゃ遅いからな。
タップの一件もあるし、念の為だ。
<暗黒街 兵器工場跡地>
「ここがそうだよ。こっちの役割は果たしたし、ここから先は一人でやりな。目的の物が見つかると良いね・・・それと私の弁護を忘れんじゃないよ?」
「わかってる。ここまで本当にありがとう」
「一時(いっとき)でもお前と手を組むことになるなんてね。本当、最近はおかしな事ばかりだよ」
そう言ってヴェントレスは去って行った。
共和国に出頭する前にやることがあるようだ。
アソーカがその姿を見送ると、バリスが言う手掛かりを探し始める。
工場跡地を回っていたその時、アソーカの背後からヴェントレスと思われる人影が突然襲い掛かってくる。
咄嗟にライトセーバーで防ぐアソーカだったが、相手は暗黒面の力も使っており防戦一方となってしまう。
その時、周囲に隠れていたアナキン率いるクローンの特殊部隊が現れる。
「動くな!もう逃げられないぞ!」
「アソーカ、大丈夫だったか?」
「うん、マスター。それにしてもアイツ・・・」
突然俺たちが現れたことで驚いている暗殺者だったが、周囲を特殊部隊に囲まれている為、逃亡の方法を考えているようだった。
捕まるわけにはいかないと考えた暗殺者は、正面突破を決めたようだ。
だが向かった先が悪かった。
速やかに【ベルセルク】を起動したヒュメルが暗殺者を蹴り飛ばす。
ヒュメルの急加速に反応できなかった暗殺者は、まともに攻撃を受けて勢いよく壁に叩き付けられた。
さらにヒュメルは一瞬で暗殺者の下に急加速し、その加速が付与された拳を腹部に捻じ込む。
フォースで強化した身体でも耐えられないほどの攻撃に、暗殺者は地面をのたうち回っている。
「・・・もういいヒュメル、そいつを拘束しろ」
俺は暗殺者に冷たい眼を向けながら、命令を下す。
オーリーがやられた事で、俺たちは腸が煮えくり返る思いを抑えて捜索していたんだ。
殺してしまう訳にはいかない。
ヒュメルが暗殺者の身に着けている仮面を強引に剥がすと、そこにはアソーカの親友であるバリス・オフィーの顔が現れる。
「バリス・・・」
「なぜ!?どうして彼らは貴女を捕まえないの!?皆さん!このアソーカは聖堂爆破事件の犯人ですよ!?それに重要参考人のレッタ・ターモンドも殺害しています!」
バリス・オフィーはこの期に及んでアソーカが犯人だと言う。
この状況は俺たちが仕組んだ茶番だと言う事も知らずに・・・
「どうして君が、レッタ・ターモンドが死亡したと知っている?あの事件が起きた段階で速やかに箝口令を敷いた。君が知る由もない事だ」
「マスター・スカイウォーカー・・・」
「それに貴様は勘違いをしている。レッタ・ターモンドは死んでいない。それに先ほど、彼女が意識を取り戻したと報告があった」
この女は既に詰んでいる。
レッタ・ターモンドの証言と、この状況からではもはや言い逃れは出来ない。
ジェダイ評議会に引き渡せば、この事件は解決だ。
亡くなってしまった人は戻ってこないが、犯人の逮捕で少しは遺族の無念を晴らせたなら良いのだが・・・
<ジェダイ聖堂 評議会室>
犯人がジェダイであった為、バリス・オフィーはジェダイ評議会に引き渡された。
「本当に犯人が現れるとはな・・・アナキン、アソーカ、君たちのお陰で、次の被害が出る前に彼女を捕らえることが出来た。礼を言う」
「「ありがとうございます、マスター・ウィンドゥ」」
「どういう事なの!?アソーカが刑務所から脱獄したことで、貴方達評議会はアソーカ犯人説に傾いていたはずでしょ!?」
「正確には違うの、あの段階では既にアソーカは囚人では無かった。ターキン提督が事情聴取の為に送り込まれたと勘違いしたようじゃが、あれは釈放の手続きをする為じゃ」
「それに、貴様が評議会の外で聞き耳を立てている事もわかっていた。その場で捕らえても、『たまたまその場にいただけ』と言い逃れが出来たことから、わざと泳がすことにしたのだ」
そう話すのは、マスター・ヨーダとマスター・ムンディだ。
「・・・それではアソーカが騒ぎを起こして逃げ出したように見せたのは、貴方たちが真犯人を誘き出す作戦だったって事ね」
「お前は我々の仕組んだ罠にまんまと引っかかったと言う訳だ」
「それじゃあ、ヴェントレスが接触してくることも想定していたと言うの?」
「ヴェントレスが現れたのは想定外だったが、自分の逃亡がさらに説得力のある物へと肉付けができると考えたアソーカの機転によるものだ」
マスター・ウィンドゥがバリスの疑問に答え、それを引き継ぐ形でアナキンが今回の作戦の内容を話し始める。
アソーカが軍刑務所でレッタ・ターモンドと接触していた時に、ライトセーバーを使う第三者がその場にいた段階で、評議会はアソーカが犯人だとは考えていなかった。
しかし、犯人がアソーカに罪を擦り付けようとしていたことは明白で、それを利用し、評議会は大きな芝居を打つことにした。
アソーカが評議会や、軍関係者に疑われていると言う事を犯人に思わせるために、ターキン提督を刑務所に向かわせ、その後脱走したように見せたのだ。
そして、バリスが事態の詳細を知るために評議会の外で聞き耳を立てている事も利用した。
「後は君が知っている通りだ」
「ねえバリス!どうしてこんな事を?私たち、親友だったじゃない!」
「・・・戦争の責任の一端が、ジェダイにある事を国民に広く知らしめる為よ。長い戦いの中で、私たちジェダイは本来の姿を失いました。裁かれるべきはジェダイ・オーダーに所属する全員なのです!私が聖堂を爆破したのは、堕落した貴方達ジェダイへの警告です!」
「理由はどうあれ君は暗黒面に堕ち、本来守るべき民と仲間を殺した。許される事では無い。バリス・オフィーの共和国反乱容疑を認め、ジェダイ・オーダーからの除名、追放と決する」
「パダワンとしての任を解き、共和国軍における階級、その他特権を剥奪する。身柄は共和国法廷に引き渡される」
マスター・ウィンドゥと、マスター・ムンディがジェダイ評議会としての判決を言い渡す。
その後、バリス・オフィーはジェダイ・テンプル・ガードに連れられて、共和国法廷に身柄を引き渡されるのだった。
「マスター・スカイウォーカー、パダワン・タノ、暫し待て」
一礼をして評議会から下がろうとするアナキンとアソーカを、マスター・ヨーダが引き止める。
そして、マスター・ティンとマスター・ムンディがアソーカに話し始める。
「バリス・オフィーを逮捕する過程で、君が見せた強さと反発心は類まれなものだ」
「まさにジェダイ・ナイトに相応しい資質を見せたのだ。今までの実績を含めて、君はより高位のジェダイであることを証明した」
「パダワン・タノ、これよりお主はパダワン見習いを卒業し、評議会に与えられた権限により『ナイト』の称号を与える」
「加えて弟子を優れた騎士に育て上げたことや、マスターに相応しい活躍や類まれな能力、さらに最近のお前の洗練されたジェダイとしての資質を考慮し、スカイウォーカーには「マスター」の称号を与えると共に、ジェダイ評議会の一員と認める」
アナキンはジェダイ・マスターの称号と同時に、評議会のメンバーに、アソーカは一人前のジェダイであるジェダイ・ナイトの称号を獲得したのだった。
はい、お疲れさまでした。
アナキンはマスターへ、アソーカはナイトへの昇格おめでとうございます。
今後の活躍が楽しみです!
バリス大活躍でしたね。
アナキン達の成長の糧となりました。
本当にありがとうございました。
それではまた近いうちに・・・