自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
俺達は順調にK68区画に辿り着き、パダワン二人を発見した。
「一人足りない・・・カル・ケスティスはどこだ?」
ケイレブ・デュームとトリラ・スドゥリーは保護することに成功したが、意識がハッキリせず、カルの居場所を聞くことは難しそうだ。
「アナキン、俺はこの辺りをもう少し探してくるから、彼らに話を聞けないか試してみてくれ」
そう告げて部屋から出ようとした時、妙な気配を感じる。
「フォースの乱れを感じて来てみれば侵入者がこんなところに・・・何者だ?」
うわ、最悪だ。
振り返ると入り口にはモールが佇んでいた。
俺は素早くブラスターを向けて発砲するが、モールのライトセーバーに弾かれてしまう。
そのタイミングでアナキンがライトセーバーを起動して、モールに切りかかる。
「くっ、貴様ジェダイか!?」
俺達はデス・ウォッチのアーマーを着込んでいる為、まさかジェダイだとは思わなかったようでモールは対応が遅れる。
だがそこはシスの暗黒卿だ。
直ぐに態勢を立て直し、アナキンとモールは互いの攻撃的なフォームを洗練されたテクニックで操り、目にもとまらぬ速さで光剣を交えていた。
「貴様、ただのジェダイじゃないな!何者だ!?」
モールからの疑問に答える代わりに、以前にも増した力でアナキンがモールを押し始める。
心と精神が安定してきたアナキンは、その持って生まれた才能とミディクロリアンが相まってより強力なジェダイとなっていた。
「ヴェントレス、アナキンが抑えてくれているうちに彼らを連れ出そう」
「ああ、面倒な奴はスカイウォーカーに任せておけば良いさ」
トリラはヴェントレスに任せて、俺はケイレブに手を貸す。
だがここは敵基地のど真ん中、しかも俺たちの侵入はバレてしまったと考えて良い。
脱出するのには骨が折れそうだ。
その時、遠くの方から爆発音と人の叫び声が聞こえた。
どうやら戦闘が起きているようだ。
同時にアナキンに押されているモールは、態勢を立て直すために一旦引くことを選んだらしい。
暗黒面の力が乗ったフォース・プッシュを繰り出してアナキンを吹き飛ばそうとしたが、逆にアナキンの強力なフォースで押し返され、積み上げられていたコンテナの山に吹き飛んでいった。
「どうやらボ=カターンが応援に来てくれたようだな」
K68区画外ではナイト・アウルのメンバーと、デス・ウォッチ、バトルドロイド側とで激しい戦闘が起きていた。
ん?
・・・アイツらこんな所まで来やがって。
久しぶりに四人揃ったな。
ナイト・アウルに協力しながら戦うアディス、ヒュメル、オーリーの三人が見える。
俺は近くのナイト・アウルにパダワンを任せて、兄弟達と合流する。
「おうレイレイ♪ 仕方ないから応援に来てやったぜ!」
オーリーは周りのバトルドロイドをスクラップにしながら、余裕そうな態度で俺に声を掛けてきた。
「オーリー、腕はもう大丈夫なのか?」
「全然余裕よ?あ、でも本調子じゃないって言ったら優しくしてくれる?痛たたたた、オーリーもう戦えない・・・」
「そうか、元気そうで何よりだ」
「レイレイ、俺の話聞いてた!?」
相変わらずの軽いノリに、少しだけ懐かしさを感じてしまった。
だが、本調子には程遠いようだ。
なるべく左腕に負担が掛からないように、庇いながら戦っているのがわかる。
「レイ、随分と似合っているな?」
そう言うのは他のメンバーをカバーしているアディスだ。
「ん?ああ、このアーマーか。潜入任務だからな、親切な奴から借りたんだ」
ブラスターに当たるつもりはないが、撃たれても弾いてくれると言うのはかなりの安心感がある。
こんな良いアーマーを着られるんだ。
マンダロリアンが羨ましい限りだ。
「アディス、どうしてお前たちが?」
「ウィンドゥ将軍から連絡があってな、ちょうど外縁部にいたから応援に来たって訳だ」
「なるほどな、だがパダワンを守りながら戦うのは少々キツイ。敵の応援が来る前に早く脱出しよう」
「了解した。とにかくこの包囲網を突破しなければな」
さっきからモールの姿が見えない事が気掛かりだ。
それにカル・ケスティスもまだ見つかっていない。
・・・選択肢は無いな。
何か目的があって攫われたんだ。
すぐに殺されると言う事は無いだろう。
今は脱出するのが最優先だ。
俺はデス・ウォッチの兵士に向かってブラスターを発砲する。
狙うのはアーマーに守られていない関節部分や、露出している部分だ。
動きながらだとこの作業でも至難の業なのに、オーリーに関しては右腕に持ったハンド・ブラスターでマンダロリアン・アーマーのヘルメットのバイザー部分にピンポイント射撃を行っている。
しかも射撃の合間にガンスピンをする余裕まで見せているんだから、近距離戦に関しては本当に恐ろしい腕だな。
黙っていれば良い兵士なのに勿体ない・・・。
「何か失礼な視線を感じたよ!?」
何か聞こえたような気もするが、俺の勘違いだろうな。
きっと疲れが溜まっているんだろう。
早く温泉に入りたい。
「・・・無事で良かった」
「ああ、来てくれて助かったぞヒュメル」
彼は得意の格闘戦に持ち込んでおり、二振りの高周波ブレードを巧みに操って次々にデス・ウォッチの兵士を戦闘不能に追い込んでいる。
さらにアディスは、ヒュメルの隙をカバーするように的確な状況判断でドロイドやデス・ウォッチの進行を防ぎ、他のメンバーが戦いやすいような状況を作り出している。
久しぶりの共闘だが、みんな腕は鈍っていないようだな。
「・・・恐ろしい程の連携ね?」
そう声を掛けてくるのは、先ほど地上に戻ったボ=カターンだ。
「俺たちは文字通り、生まれた時から一緒だからな。これくらい朝飯前さ」
俺とボ=カターンは背中を預け合いながら、向かってくる敵兵士の相手をして行く。
彼女もかなりの練度を誇る兵士だ。
伊達にナイト・アウルを率いていないな。
それから程なく俺達の連携と、アナキン、ヴェントレスの突破力のお陰で相手の陣形に綻びが生まれた。
そこに向かって脱出を図る。
しかし、もうすぐでエレベーターに辿り着くと言うときに問題が起きた。
ケイレブを運んでいたナイト・アウルのメンバーが、敵からの銃撃に倒れたのだ。
足を撃たれているようで自力では動けないのに加えて、周りには遮蔽物も無く、ケイレブもいるため身動きが取れなくなっている。
俺達は彼らを守るために先頭を走っていた事から、その事態に気づくのに遅れてしまった。
彼らを助けるためにエレベーターを飛び出そうとした瞬間、【ベルセルク】を起動したヒュメルに押しのけられて俺はエレベーターの壁に叩き付けられた。
気が付くとヒュメルは二人の下に辿り着いており、まずはケイレブを抱えてこちらに運ぼうとする。
その瞬間、激しい戦いの音をかき消すほどの爆音が鳴り響いた。
『下のティバナが爆発したぞ!』
『何故このタイミングで・・・』
デス・ウォッチのメンバーがそう叫び、運悪く爆発に巻き込まれた者はその言葉を言い終わる前に姿を消した。
爆発は連鎖的に起こっており、その効果はエレベーターの所までやって来る。
「ヒュメル! 早っ・・・!」
爆風に乗って、ケイレブと彼を運んできたナイト・アウルがエレベーターに飛び込んできた。
間に合わないと判断したヒュメルが、【ベルセルク】を使って彼らを放り投げたのだ。
これらは本当に一瞬の出来事だった。
そしてエレベーターの緊急プロトコルが発動し、速やかに地上へと上昇した。
俺が最後に見たのは、爆発が起きている中でもなお向かってくるデス・ウォッチのメンバーと、エレベーターに寄せ付けまいと戦うヒュメルの後ろ姿だった。