自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
あれからまた、しばらく経った・・・
銀河外縁部は共和国が抑え、独立星系連合が押されているのは誰が見ても明らかだった。
ドゥークー伯爵と、銀行グループの裏取引が明るみに出たことも尾を引いており、分離主義派は足並みが揃わない状況が続いている。
さらに分離主義者達は、銀行グループに対する今までの借入分の利息の支払いに加えて、共和国との戦争を続けるための融資を追加で受けており、いつまで誤魔化しが利くか怪しいものだ。
だがこちらも喜んでばかりはいられない。
アナキンとオビ=ワンの活躍により、ティラナスと言う人物がドゥークー伯爵と同一人物と言う事が明らかにされた。
まあ、アナキンは元々俺から話を聞いていたので驚きもしていなかったけどね。
それに付随して、敵の策略によってクローン・トルーパーが製造された事実が判明し、ジェダイ評議会の中ではシスの脅威がより濃厚なものとなっていた。
評議会の判断で、この事実は議長含め外部の者には知らされない事が決定した。
<惑星アナクシス 共和国造船場>
そしてさらに数か月が経過し、俺達は現在、共和国最大の造船場であるアナクシスにおいて分離主義者達の攻撃を受けていた。
「主要施設はドロイド軍に占拠された。このままではアナクシスが敵の手に落ちるのも時間の問題だ。そうなれば、我が軍は艦隊の維持が難しくなる」
そう話すのはメイス・ウィンドゥだ。
共和国艦隊の要であるこのアナクシス防衛の為、アナキンと共にジェダイ評議会から派遣されたのだ。
「失礼します将軍」
そう断りを入れながらやってきたのはコマンダー・コーディーと、キャプテン・レックスだ。
彼らはここ最近の戦況を分析し、その結果、負け続ける原因が判明したと言うのだ。
「敵は我が軍の、ある特定の戦術を読んでいる節があります。破られているのは自分の立案した戦術ばかりです・・・正確には先の戦闘で行方不明となっているARCSトルーパーのヒュメル大尉と、ARCトルーパーのエコー伍長と共同で作成した戦術です」
この三人が立案した作戦によって、共和国軍の損害率は大幅に低下した。
だがその戦術が読まれていると言う事は、常に後出しじゃんけんをされているのと同じ状況だ。
これでは勝てる戦いも勝てない。
・・・じゃんけんとか暫くやってないけど、滅茶苦茶弱いのを思い出した。
佐藤曹長元気かな・・・。
「レックスは我が軍でも最高の士官の一人です。彼の作戦が破られると言う事は、我が軍全体に及ぼす影響は計り知れません」
「それで、何か打開策があるのか?」
コーディーの言葉にメイスは解決案を求める。
『少しは自分で考えろよ』って俺が思ったのは秘密だよ?
「はい将軍、レックスと自分が小部隊を率いて敵地に潜入します。可能であれば、コマンダー・レイにも協力して頂きたい」
「もちろんだ、コーディー」
俺が了承したのを確認してから、コーディーは話を進める。
「最前線のドロイド軍に情報を伝えるサイバーセンターが、敵陣の後方にあります。何かあるとすれば、そこに答えがあるかと」
メイスは、戦局が変わる可能性があるなら許可を出すと言う。
俺はレックス、コーディーと作戦を練るため、指令室を後にした。
歴史通りなら、戦術が読まれているのはエコーを使って情報を引き出しているはずだよな?
しかし、彼がどこの星に囚われているのかが思い出せない。
捕縛に成功したトレンチ提督からも、その情報までは引き出せなかった。
もっと時間が経過してからであれば、トレンチにもエコーの情報が入ってきたはずだ。
彼を捕らえるのが、早すぎたんだ。
その為エコーを助け出すには歴史通り、敵の指令センターから情報を手に入れるしかない。
取り敢えず作戦会議だな。
「それで? 率いる分隊はどうする?」
「クローン・フォース99だ」
レックスからの質問に、コーディーが答える。
そうだった・・・
この作戦に同行するのはアイツらだったな。
どうも苦手なんだよなぁ。
「? レイ達は彼らと何かあったのか?」
オーリーを除いて、俺とアディスがあまり良い反応をしなかったのが気になったのかレックスが質問してくる。
「ま、まあ色々とな・・・」
そんな話をしていると、基地のプラットホームへ急速に接近するシャトルが見える。
あぶねー!?
周りの物資を蹴散らしながら、地上に降り立つ一機のシャトル
クローン・フォース99のお出ましだ。
「騎兵隊のお出ましだぜ!!」
あれはレッカーだな。
遠くからでも良く見える。
全員ヘルメットを外し、ジャンゴ・フェットとは似ても似つかない顔を晒している。
彼らを初めてみるトルーパーは、本当にクローンなのかと疑問を抱いている。
「軍曹、また会えて嬉しい」
「自分もです」
そう言ってコーディーと、この分隊を指揮しているハンター軍曹が挨拶を交わす。
「遅くなり申し訳ありません。ヤルベク・プライムでの暴動鎮圧中に連絡を受けましたが、現地で想定外の事態に巻き込まれまして」
「ふはははははっ!! 雄のヤルベクと戦ったことは!?」
・・・相変わらず声がデカい奴だな。
そんなんだから、ヒュメルに嫌がられるんだ。
「ようレッカー、お前は相変わらずだな」
そう言いながらアディスとオーリーを引き連れて、彼らの前に姿を現す。
まさか俺たちが居るとは思いもしなかったようで、四人とも驚いている。
あ、紹介がまだでしたね。
・チームリーダーのハンター軍曹
・巨漢で馬鹿力、おまけに騒がしい性格のレッカー
・身体機能は平凡だが、頭脳に優れたテック
・無口で辛辣な物言いをする狙撃手、クロスヘア
以上で構成されるのがクローン・フォース99だ。
彼らは意図的に遺伝子を突然変異させて生まれたクローンであり、姿や声なども一般的なクローンとは異なった特徴を有している。
ちなみに、彼らはクローン・コマンドーに分類されている。
「レイの兄貴!?それに皆さんもお揃いで!?」
デカい声でそう言いながら、レッカーが勢いよく頭を下げる。
それに続くように、テックとクロスヘアも頭を下げてくる。
こんな感じだから会いたくなかったんだ。
何だよ兄貴って・・・生まれた順番か?
「コマンダー・レイ、お久しぶりです。またお会いできて光栄です」
「ありがとう軍曹、お前たちも相変わらずのようだな?」
俺達は握手をしながら、挨拶を交わす。
「不良品の集まりですから・・・そういえばキャプテン・ヒュメルの姿が見えないようですが、何か別の任務ですか?」
「アイツは・・・」
俺は今まであった事を簡潔に伝える。
彼は『そうですか・・・』と一言で口にしただけだったが、悲しそうな顔をしている。
それだけ慕ってくれていたと考えると、俺も込み上げてくるものがあるが今は任務が優先だ。
「取り敢えず、任務については道中話そう」
そう言ってLAAT/iガンシップに乗り込む。
他の連中は、俺達とクローン・フォース99に面識があるのが気になるようで、レックスが代表して聞いてくる。
「なあレイ、クローン・フォース99なんて初めて聞いたが、どこかで会っているのか?」
「ん? ああ、彼らとは以前任務で一緒になったんだ。その時にどうも気に入られてしまったようでな。それ以降、さっき見たような感じさ」
細かい話はまた別の機会にしましょう。
今はエコーの情報を得るのが先だ。
<敵陣地 峡谷>
その後俺たちは敵陣地に向かっていたが、敵からの攻撃を受けてガンシップが墜落してしまった。
いえ、違うんです。
パイロットに危険を知らせようとしたら、レッカーがヒュメルの殉職を聞き、機内で大暴れしたんです。
それが原因でパイロットへの指示が遅れてしまい、墜落する羽目になった。
まあ、危険を知らせていたところで回避できなかった可能性が高いからな。
どちらにせよってヤツだ。
だがこの墜落でコーディーが内臓を損傷する重傷を負い、パイロットも命は助かったが下手に動かせない状態だった。
「痛みは誤魔化せますが、出来るだけ早く設備が整った場所に移す必要があります」
そう話すのは、第501大隊所属の衛生兵であるキックスだ。
「コマンダー、バトルドロイドの部隊です」
ん?
さっきの爆発で位置を悟られたな。
まあ、そもそも撃墜されている時点で居場所はバレているんだ。
今更だろうな。
「全員この場所で迎え撃つぞ、遮蔽物に身を隠せ」
「自分は反対ですキャプテン、ウチらのスタイルじゃない」
レックスからの指示に反対意見を述べるのはハンターだ。
彼はこんな状況でも“守り”ではなく“攻撃”を選んだ。
「仕方ない・・・軍曹、お前たちは好きにやれ。オーリーは俺と来い、アディスは負傷者を守りながら援護を頼む」
「「イエッサー」」
「了解ですコマンダー。不良分隊、プラン82“衝撃波”だ」
はい、お疲れさまでした。
長くなりそうだったので、一旦ここで区切ります。
不良分隊との出会いに関しては、皆さんの希望があれば別の機会に投稿しようと考えています。
それではまた近いうちに・・・