自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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第58話 取り敢えずこのアーマー便利(不良分隊:後編)

「仕方ない・・・軍曹、お前たちは好きにやれ。オーリーは俺と来い、アディスは負傷者を守りながら援護を頼む」

 

「「イエッサー」」

 

「了解ですコマンダー。不良分隊、プラン82“衝撃波”だ」

 

ハンターがそう指示を出すと、レッカーがガンシップの残骸から遮蔽物になりそうな装甲を選び、お得意の怪力で持ち上げる。

不良分隊は、この遮蔽物に隠れながら前進するようだ。

 

良い作戦だが、コイツ等の能力があって初めて出来る芸当だな。

・・・俺達も見習ってみるか?

 

「なあオーリー?」

 

「ん? そうしたんだ、レイレイ?」

 

「お前も“あれ”やって見ろよ」

 

「急な無茶ぶり!? 何言っちゃってんの!? オーリーの腰が終わるよ? 一歩も動けないよ? どうして急に無茶振りしてきたの? レイレイったらイヤらしいんだから♪」

 

取り敢えず、今のどこにイヤらしい要素があったのか説明してくれませんかね?

ムカつくから撃っとこうかな。

 

「ねえちょっとレイレイ!? 『味方に銃口を向けるな』って、初めて銃を取り扱うときに習わなかった!? 思いっきりこっち向いてるんですけど!? っていうかトリガーに指が掛かっているよ!? 撃つとき以外はトリガーに触っちゃいけないんだよ!?」

 

「なら問題ないな。俺は間違えちゃいないって事だ」

 

「この人撃つ気だ!?!?」

 

冗談は置いておいて、不良分隊だけに任せるわけにはいかない。

俺達も行くか。

 

「オーリー、お前は後ろから付いて来い。俺が壁になってやる」

 

「了解だぜ、レイレイ♪」

 

そう言うと俺たちはジェットパックを起動して、戦いやすい距離まで一気に詰める。

地上に降り立つと、俺の後ろに隠れているオーリーが専用兵器の【ラース】を起動する。

 

今回【ラース】に装備されているのはDC-17M リピーティング・ブラスター・ライフル

 

これはクローン・コマンドーが好んで使っている、近距離用のブラスター・ライフルだ。

『ライフルなのにどうして近距離用なのか?』というマニアックな疑問は置いておいて、このブラスターの弾薬はエネルギーパック式で供給され、普通のブラスターに比べると弾切れを起こすまでの時間が短いと言う弱点がある。

しかし威力、連射性にも非常に優れた性能を誇っており、近距離戦では絶大な威力を発揮する。

 

「クローンダ、ヤッチマエ!(クローンだ、やっちまえ!)」

 

そう言いながらB1-バトルドロイドがブラスターを発砲してくるが、元々の命中精度の悪さもあって普通に立っていても意外と当たらない。

 

これは新しい発見だな。

今度オーリーを敵陣に一人で突っ込ませてみよう。

彼一人の犠牲で、他の兵士達の死傷率が下がるかもしれない。

 

その間にこちらからの攻撃で、次々にバトルドロイドは数を減らして行く。

 

「ナンダアレ? ピカピカヒカッテテ、カッコイイ!(なんだあれ? ピカピカ光っててカッコいい!)」

 

「ウッテモ、キカナイゾ? オイラモ、アレホシイ!(撃っても効かないぞ? オイラもあれ欲しい!)」

 

交戦中にも関わらずB1-バトルドロイドの羨ましそうな視線を受けながら、俺達は次々にドロイドをスクラップに変えていく。

 

ボガーノにも仲間のバトルドロイドがいるから、どうも最近は複雑な気持ちになる。

彼らにも、もっと有効な活用方法があると思うんだけどな・・・。

戦争が終結した時の事も考えておこうかな。

 

「ブラスターを弾いてやがる・・・なんだあのアーマーは? 普通の物とは違うな?」

 

ハンターからの疑問に答えるには、この分隊の頭脳担当であるテックだ。

 

「あのクローン・トルーパー・アーマーは、一般的なプラストイドを使用したアーマーではないようですね。解析の結果、ベスカーを使用されたアーマーだと言う事がわかりました」

 

「お前、いつ兄貴のアーマーを解析したんだよ?」

 

「見た時から気になっていたから、ガンシップ機内で解析したんだ。でも何故クローンであるコマンダーが、ベスカー製のアーマーを装備しているんだ? しかもクローン・トルーパー・アーマーの形をしている物を・・・」

 

レッカーからの疑問にテックがさも当然の事かのように答えるが、どちらかと言うとレイがそのアーマーを着ている事の方が気になるようだ。

 

「まあ兄貴たちだったら何でもアリだろうぜ!! それよりも今はブリキ野郎共だ!! はーっはっはっはっ!!」

 

ちなみに、彼らはかなり独特な戦いをしている。

レックが遮蔽物になるガンシップの装甲を運搬、テックが敵の情報を解析、その解析に基づいてハンターがEMPグレネードを投擲し、まだ空中を飛んでいるグレネードをクロスヘアが狙撃する。

 

地面で炸裂するよりも空中でグレネードが起動することによって、より高い効果を発揮しているようだな。

 

「ヒュー、やるね~。レイレイ、俺達も負けてられないぜ?」

 

「これはゲームじゃないんだぞ?」

 

「わかってるけどさ、負けるのは悔しいじゃん?」

 

「それは同感だな」

 

俺は意外と負けず嫌いなんだ。

それは兄弟であるオーリー達も一緒だな。

 

俺はこのアーマーの両腕に装備された、ベスカー製の高周波ダガーを起動する。

ヒュメルほどじゃないが、実は近接格闘も得意なんですよね。

日本男児ですから。

 

【ラース】に装備されている二丁を含めて、計三丁のDC-17M リピーティング・ブラスター・ライフルで、オーリーは次々にバトルドロイドをスクラップに変えていく。

そして、格闘の方が有利な間合いに入ったドロイドに対しては、俺の高周波ダガーで両断していく。

 

「レイ、スパイダー・ドロイドだ!」

 

オーリーが弾倉交換をしている時に、三体のスパイダー・ドロイドが姿を現す。

良いタイミングだと思い、俺は肩に設置されているスポウダー・ミサイルを起動する。

 

このミサイルはサイズこそ小さいが、スポウダー(肩当て)付近に大量に内蔵されている。

加えて、ヘルメットのセンサーと連動しており、俺の眼で焦点を合わせたターゲットに対して自動的にロックオンされる優れモノだ。

 

このスポウダー・ミサイルは起爆のタイミングを任意で変更することができ、標準設定では敵の身体に食い込んでから爆発する仕様となっている。

 

視認する以外は無動作で発射できるこの兵器にドロイドが対応できるわけもなく、三体のスパイダー・ドロイドの身体に無数のスポウダー・ミサイルが食い込み、内部で炸裂することで一瞬のうちに爆散した。

 

「ナンダアレ、スゲー!(なんだあれ、スゲー!)」

 

「オイラモ、ピカピカニ、ナリタイ!(オイラもピカピカになりたい!)」

 

「バカ! コンドハ、コッチガヤラレルゾ!(馬鹿! 今度はこっちがやられるぞ!)」

 

そう話していたB1-バトルドロイドは、素早く弾倉交換を終えたオーリーによって破壊された。

 

「お前、遠慮知らずだな? アイツらまだ話している途中だったぞ?」

 

かわいそうなB1-バトルドロイドちゃん

どうせ破壊されるなら、最後まで話してからの方が良いだろうに・・・

 

「いやいやいや、出てきたと思ったら何もせず、一瞬のうちに破壊されたスパイダー・ドロイドの方が不憫に感じるよ!?」

 

ん?

そうかな?

まあ、人生いろいろだよね!

 

ちなみにこのアーマーには、他にも色んな機能が搭載されている。

正直、まだ全部は把握していないけど・・・。

 

それと確かにピカピカでカッコいいんだけど、実用的じゃないんだよな。

光を滅茶苦茶反射するから、自衛隊出身の俺からすると炭なんか塗りたくなってしまう。

偽装効果ゼロなんですよね。

後で色を変えようかな・・・。

 

こうして不良分隊の活躍もあり、敵バトルドロイドの部隊は全滅したのだった。

 

 

 

 

 

<ドロイド軍 前哨基地>

 

俺達はその後、指令センターの手前にある前哨基地を制圧、そのまま小休止を取っていた。

 

「オーリーの兄貴! 腕をぶった切られたって聞きましたけど、その腕はどうしたんですか?」

 

「よくぞ聞いてくれましたレッカー君! 先の作戦で俺は仲間を守るために、ジェダイの裏切り者からの攻撃をこの身に引き受けた! だが神様は俺の事を見放さなかった・・・カミーノで目を覚ますと、この腕が生えていたって訳だ!」

 

「おお!! すげえ、さすがオーリーの兄貴ですぜ!?」

 

うるさい二人が何か言っているぞ。

人間の腕が生えてくる訳ないだろうに・・・。

その腕はドクター・ナラ・セによって、普通に移植されたんだぞ?

 

 

「キャプテン、レックにしてはやりますね?」

 

「これでもかなりの修羅場を潜り抜けてきた。それに、レイ達との作戦も多かったからな。それこそ色んな経験をしてきたんだ。それはお前も良くわかっているんじゃないのか?」

 

「確かに」

 

ハンターが、レックスの動きを見た感想を言っている。

ちなみにレックとは、レギュラー・クローンの事を指しており、遺伝子操作されたクローンである彼らなりのジョークなのかもしれない。

 

そう言う俺は先ほどからテックにこのアーマーの事をしつこく聞かれている為、彼からの追及を躱すのに忙しい。

もはや尋問だな、これは・・・。

 

 

 

 

 

<ドロイド軍 指令センター>

 

休憩もほどほどに、俺達は敵指令センターの攻略を行っていた。

敵の本隊は出払っており、メインサーバーにアクセスするのはそう難しくなかった。

 

「・・・よし、入れました。それで何を探せばよろしいでしょうか?」

 

「これがアルゴリズムだ。このシーケンスを使っているプログラムを見つけてくれ」

 

テックは速やかに敵のメインコンピューターにアクセスし、レックスの指示で目的の物を探し始める。

ここにエコーの情報があるはずだ。

 

「・・・見つけました。でも変だな、これはプログラムじゃない。他の星から送られているライブ信号です。場所は・・・スカコ・マイナー」

 

「そこだ!!!」

 

俺が急に大声を出すので、二人は驚いてこっちを見てくる。

・・・すんません。

ずっと喉に引っかかっていたのもが、ようやく取れた物ですから・・・

 

「んっんん!! テックもう良いぞ、目的は達成した」

 

「・・・ですが」

 

「良いんだ。それよりも、敵の本隊が戻ってくる前にここから撤収するぞ」

 

「イエッサー」

 

これでようやくエコーを助けられる。

その後、俺たちは敵の増援が来る前に撤収を完了し、速やかに造船基地に戻るのだった。

 




はい、お疲れさまでした。

ようやくベスカー・アーマーを登場させられました。
今後もきっと大活躍してくれるでしょう!

そう言えば今更ですが、レイ君の専用兵器を登場させる前にアーマーが塵になってしまいましたね・・・
完全にやらかした。


それではまた近いうちに・・・
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