自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

65 / 117
皆さん、お疲れ様です。
みどり色です。

数日間、雪山に籠っておりました。
雪が無い生活って良いですよね。



第64話 取り敢えずお仕置き

あれから少し経ち、裏切り者のクローンには行動抑制チップが埋め込まれているままだった事が判明した。

 

ジェダイ評議会は元々ドゥークーらがクローンを発注していた事を知っていたのもあり、それほど驚きはしていなかったが、すぐさま全トルーパーの脳内スキャンが行われる運びとなった。

 

さらにこれは仕方のない事だが、ジェダイの一部や民衆の中で、クローン・トルーパーに対する不信感が募っていた。

しかし、幸いなことに多くのジェダイはクローンに対する信頼は依然高いままで、反感を抱いているジェダイというのは、元々反クローン感情を持っていた者が殆どだった。

 

民衆の反発についてもジェダイ評議会が事の顛末(てんまつ)を説明した事で、次第に沈静化して行った。

 

これは蛇足になるが、銀河元老院議会最高議長のポストが空席なのに加えて、汚職をしていた者やシディアス陣営だった者の多くが国外へ逃亡した事により、暫定的な対応として現在はジェダイ評議会が共和国を取り纏めている。

勿論独裁的な対応ではなく、残っている元老院議員と協力しながら事態の収束を図っている状況だ。

 

ジェダイ聖堂を襲撃した第13大隊の兵士たちは優先して頭部スキャンが行われ、埋め込まれていた行動抑制チップは除去された。

しかし自らの意思では無かったとはいえ、正気に戻ったクローンの多くは自分のしてしまった事実を受け入れられない者が多く、この大隊は事実上解体された。

 

「本部の報告では共和国軍全体の30%がシディアスの傘下に加わったらしい」

 

「30%・・・」

 

アディスから、決して少なくない数のクローン・トルーパーが敵側に寝返った事を聞く。

独立星系連合に、約三割のクローンが合流するとなると・・・

考えたくも無いな。

 

だが幸いなことに、カミーノアンの協力もあってクローンの頭部スキャンについては比較的スムーズに終わった。

 

「レイ、今この共和国は色んな意味で不安定な状況だ。かなり厳しい戦いになるぞ?」

 

「ああ、わかっている。それでも俺たちが戦わなきゃいけないだろう?」

 

戦いはまだ続く。

気合を入れ直さなくてはな。

 

しかし約三割のクローン・トルーパーが分離主義派に寝返ったと言うのは共和国軍にとって大きな損失であり、軍の指揮系統から大幅な再編を余儀なくされたのだった。

 

 

 

 

 

<アークワイテンズ級軽クルーザー 惑星カミーノ近海>

 

あれから軍の再編制や、ジェダイ評議会が元老院議員と共に共和国を取り纏めたりと色々ゴタゴタがあったが、今はある程度落ち着いてきていた。

 

そんな中、俺はアークワイテンズ級軽クルーザーで惑星カミーノへ向かっていた。

何故かって?

共和国全体の三割が敵に寝返ってしまったからな。

新兵教育の視察って訳ですよ。

 

因みにこの軽クルーザーを運用する人員に加えて、俺の傍には二人の護衛がいる。

 

「“参謀総長”、間もなく惑星カミーノに到着します」

 

そう話すのは元クローン・コマンドーで、現在はARCトルーパーとなったキャプテン・グレガーだ。

ちなみにもう一人の護衛は、同じくARCトルーパーのファイヴス、今はこの二人が俺の護衛を務めてくれている。

 

え?

どうしてお前が参謀総長と呼ばれているのかって?

 

それは、憎き共和国軍の大規模な再編成が原因だ。

クローン以外の軍の高官に関しても少なくない人数が国外逃亡した事により、現在共和国軍は士官、下士官、兵に至るまであきらかに人員が不足している。

 

そんな中で、元から抑制チップが埋め込まれていなかった俺達ARCSトルーパーに矢面が立ったという訳だ。

 

軍の再編した内容を簡単にまとめると、まず共和国軍に統合作戦本部が新設された。

この統合作戦本部が、軍の実質的な最上位組織になる。

 

この中に陸軍参謀本部と宇宙軍作戦本部が組織され、俺は陸軍参謀総長に任命されたという訳だ。

簡単に言うと、クソったれな事に共和国グランドアーミー(陸軍)のトップになりましたよって話ですわ。

俺の快適ライフを返せこの野郎・・・

シディアス許すまじ。

 

因みに宇宙軍作戦本部のトップには、ウルフ・ユラーレンが作戦本部長(宇宙軍のトップ)の座に就いた。

ユラーレンは共和国に蔓延っていた汚職について常々思う所があったようだし、彼に任せておけば問題ないだろう。

 

共和国の最高責任者である元老院議長の座が空席の為、暫定的な措置としてジェダイ評議会のグランド・マスターであるヨーダが実質的なトップになっている。

それに伴い、軍の最上位職である統合作戦本部長にはジェダイ評議会からメイス・ウィンドゥがその任に就くことになった。

しかし、ジェダイであるウィンドゥは軍人ではない為、適任者が任命され次第その席を譲ることになっている。

 

「やめてくれグレガー、俺は参謀総長ってガラじゃない。そもそもマーシャル・コマンダーですら俺には過ぎた階級だったんだ」

 

当時ですら少将、中将クラスだったのに、今では大将クラスになってしまった。

考えただけでも頭痛がしてくる。

 

「ですがジェダイ評議会の中で、貴方が参謀総長候補にと話が上がった時には、満場一致の可決だったと聞いております」

 

「はい、それに自分もクローンの中から参謀総長になるのなら貴方以外にはいないと考えています。それは他のクローンも同様です」

 

グレガーに続いてファイヴスまで・・・

皆さん、忘れているかもしれませんが私の中身はただの地球人なんです。

陸自出身ですが3等陸曹(軍曹)なんて下っ端も良い所なんですよ?

それが陸軍のトップって・・・

この世の終わりだ・・・。

 

「・・・頼むからやめてくれ」

 

「「くっくっくっくっ」」

 

コイツ等・・・

上司をからかって遊んでやがる・・・

そんな事するなら首ですよ!?

良いんですか!?

 

・・・やめておこう。

ただでさえ人手不足なのに、これ以上人員が減ったら『その分お前が働け』とかどこぞのブラック企業みたいな事を言われそうだ。

ジェダイなら笑顔でやりかねない・・・。

 

 

 

無駄話をしている間に着いたようだな。

さて、新兵の様子を見て、ちゃちゃっと帰りますかね。

 

 

 

 

 

<惑星カミーノ ティポカシティ>

 

「お久しぶりですねレイ、あなた方に命を救われたあの日の事は忘れもしません。ようこそカミーノへ」

 

そう出迎えてくれたのは行方不明のシャク・ティに代わって、このカミーノでクローンの訓練教官を務めているアディ・ガリアだ。

 

「お久しぶりですガリア将軍、突然の訪問で申し訳ありません」

 

「謝ることではありません・・・今は混乱の時代です」

 

 

 

彼女の案内で、俺達はトルーパー候補生、及び新兵の視察を行う。

勿論、ここにいるクローンの脳内には行動抑制チップは埋め込まれていない。

視察中に突然襲われるなんて事になったら堪ったものではないからな。

 

『おい、見ろよ』

 

『ああ、グランドアーミーの参謀総長だ』

 

『あの方が俺らと同じクローンだって信じられるか?』

 

『バカ、俺らと同じなもんか! 参謀総長はあのARCSトルーパーの隊長だ。噂ではARCSトルーパー一人で、クローン大隊に匹敵するって話だぞ?』

 

『本当かよ!? それこそ化け物並みの強さじゃねーか!』

 

・・・どうやら、とんでもない噂が独り歩きしているようですね。

それに化け物呼ばわりされているのも納得できない。

 

「おい候補生、参謀総長に失礼だぞ!!」

 

その時見かねたファイヴスが、訓練生をたしなめてくれる。

良かった、これで少しは誤解が解け・・・

 

「参謀総長はお一人で、大隊どころか一個連隊にも匹敵する! いや、それ以上だ!!」

 

『うおぉぉぉぉ!!』

 

『噂は本当だったんだ!!』

 

『いや、それ以上だぜ!?』

 

『さすがは参謀総長殿だ!!』

 

『参謀総長万歳!!』

 

『『『『万歳!!万歳!!万歳!!』』』』

 

ねえ、やめて!?

どう考えても、一人で一個連隊に匹敵するわけないでしょ!?

普通に死ねるからね!?

 

「ふふふっ・・・さすがは参謀総長ですね。そこまでの実力があるとは恐れ入りました」

 

「将軍まで・・・からかわないで下さい」

 

この立場になってから、こんな事ばかりだよ・・・

こうなったのもシディアスのせいだ。

絶対に許さない・・・

 

取り敢えず、事態をややこしくしたファイヴスにはお仕置きだ。

 




はい、お疲れさまでした。

いつの間にかレイ君、グランドアーミーのトップになってしまいましたね。
どうしてこうなってしまったのか・・・解せぬ。

再編制後の指揮系統に関してですが、わかりにくいと思うのでExcelのベタ打ちを貼っておこうと思ったのですが、上手く貼り付けられなかったので簡易的に示しておきます。

■銀河元老院議長 空席(暫定:ヨーダ)

■統合作戦本部 空席(暫定:メイス・ウィンドゥ)

■陸軍参謀本部 参謀総長:レイ
■宇宙軍作戦本部 作戦本部長:ウルフ・ユラーレン

上記はあくまで軍の中だけの話です。
ヨーダが議長の立場にあるわけではないのであしからず。

レイとユラーレンは、同格の立場で双方に権限の差異はありません。

それではまた近いうちに・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。