自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
視察は特に問題などは起きず、順調に終わった。
まあ、ハプニングと言えば候補生に技術的なアドバイスをしたらその候補生が張り切り過ぎて、派手に転んで軽い脳震盪になったくらいだな。
しかも転んで頭に付いた傷を自分の初めての勲章だと言い、他の奴らに自慢している始末だ。
そんなことを自慢しても誰も羨ましがらないと思ったので、その候補生にやめておけと言おうとした時には既に手遅れだった。
他の候補生はどういう訳か非常に羨ましがり、自分で同じような傷をつけようとしている奴が出る始末だ。
それならまだ良い(?)が、ある候補生が自分の事を殴ってくれと言いだし、それを聞いた他の候補生達が俺に殴ってもらうために日本人も驚く程、綺麗に一列に並んだのだから救いようのない奴らだ。
俺がこの出来事をきっかけに、共和国軍の将来を本気で心配したのは言うまでも無いだろう。
「くっくっくっ、災難でしたね、参謀総長」
「自分がドミノ分隊で候補生をしていた時に、ARCSが視察に訪れた時の事を思い出しました」
そう話すのは護衛のグレガーと、ファイヴスだ。
あれから奴等の包囲網を掻い潜るのに偉く苦労した。
共和国軍の将来を心配するなんてとんでもない。
訂正する。
彼らは共和国の将来を担う、優秀な兵士になるだろう。
<ティポカシティ 中央指令センター>
俺達は視察を終え、ガリアが待っている指令センターを訪れていた。
彼女はやることがあるとかで、視察の途中で抜けていたのだ。
「レイ、候補生の様子は如何でしたか?」
「はい、粗削りな奴が多いですが経験さえ積めば、軍の将来を担う優秀な兵士に育つでしょう」
「それを聞いて安心しました。貴方が言うのだから間違いないでしょう」
まあ、若い頃は多少血の気が多いくらいが丁度良い。
彼らは共和国の将来を担う貴重な人材だ。
本当であれば成長加速など施さないで、様々な経験をさせたいがそうも言っていられない。
彼らの力が無ければ、分離主義派に敗れるのは火を見るよりも明らかだ。
「それで将軍、先に戻られましたが何か問題でも?」
「ええ、リシの前哨基地から不審な艦影を確認したと連絡があったので先に戻ってきたのですが・・・」
その時、カミーノ及び、リシの前哨基地と連動した防衛システムからエマージェンシーを知らせる警報がけたたましく鳴り響く。
先のカミーノ防衛戦とリシ基地での戦いの経験から、どちらかに問題が起きた時には異常を知らせるような態勢が組まれていた。
「通信士官! 異常の報告をしろ!」
「これはリシ基地からのエマージェンシーです! 恐らく敵の攻撃を受けています」
俺から状況の報告を求められた通信士官の中尉が、リシ基地が敵の攻撃に晒されていると言う。
なるほど
共和国軍の元を叩こうって訳か。
「全軍を戦闘配置につかせろ! 加えて近海にいる部隊に応援を要請するんだ!」
「イエッサー!」
マズいな。
こちらはカミーノに駐留している以外の正規部隊と言ったら、俺が乗ってきたアークワイテンズ級の乗組員くらいのものだ。
元々ティポカシティに駐留しているのはランコア大隊のコマンダー・コルトと、その部下のARCトルーパーが数人、後はこのカミーノ防衛の任を受けているクローン部隊だ。
敵の規模はハッキリしないが、前回のカミーノ防衛戦と同程度の戦力で攻められれば、苦しい戦いになるだろう。
前回はアナキンやオビ=ワン、第501大隊の連中もいたからな。
「コマンダー・ライズ、聞こえるか?」
俺はアークワイテンズ級にいる副官に連絡を取る。
彼はクローンの中では後期の個体で、クローン・コマンダーになるべく訓練された士官だ。
階級はコーディーらと同じマーシャル・コマンダー、まあ少将とか中将当たりに該当するな。
若いのに中々やり手なんですよ。
『はい参謀総長、聞こえています。トラブルですね? 既に部隊の展開を始めています。近海にいるコマンダー・アディスにも連絡済みです』
・・・ね?
優秀でしょ?
俺の存在する意味がないくらい優秀でしょ?
「・・・優秀な部下を持つと助かるよ」
『ご冗談を・・・敵の規模は確認できませんが恐らく大部隊、応援が来るまで時間を稼ぎます』
「それで良い。俺たちは前線で敵の進行を食い止める」
『・・・参謀総長自らですか?』
なんだ?
俺が前線に出ちゃマズいのか?
ええやん、後ろに控えていたって意味無いし。
「何か問題か?」
『・・・いえ、貴方はそういうお人だ。自分も参謀総長と共に、前線で敵を迎え撃ちます。ライズ、アウト』
因みに俺はグランドアーミーのトップであると同時に、第10星系軍を指揮する立場にある。
大きく分けると共和国グランドアーミーは、10個の星系軍から構成されており、それぞれの星系軍をジェダイ評議会のマスター達が指揮している。
今回俺と共にカミーノを訪れているのは、第10星系軍に所属する第1空挺兵団の第117コマンド大隊だ。
まあ、わかりやすく言うと俺の直轄部隊で、コマンダー・ライズの指揮している一個大隊が一緒にいるよって話だ。
カミーノ訪問程度で、この規模の部隊は不要だと考えていたが、今考えればもっと連れて来れば良かったと後悔している・・・。
皆さん、希望的観測は危険なので、最悪の状況を想定して行動しましょう。
・・・だって、堅苦しいのは嫌なんだもん。
「失礼します」
無駄話をしている間に、副官のライズが指令センターまで来たようだな。
走ってきたのかな?
めっちゃ早くね?
「ライズ、部隊の状況は?」
「はい参謀総長。既に武器・装備の点検を終えており、部隊は展開済みです」
「ご苦労。話は変わるが、その新しいアーマー似合っているじゃないか?」
「はっ、参謀総長が優先的に配備して下さったお陰です」
俺の直轄部隊であるこの第117コマンド大隊は、試験的にフェーズⅢのクローン・トルーパー・アーマーを装備している。
更新の理由としては、フェーズⅡの対弾性能が思ったほど高くなかったのに加えて、敵勢力にクローントルーパーがいる事から、混乱を防ぐ目的もある。
既に量産体制は整えられており、後は実戦データを一定数取って、問題なければ直ぐにでも各部隊に配備される。
「中々良いアーマーだと評判らしいじゃないか?」
「はい、殆どの点で旧型のアーマーより優れた性能を誇っております。勿論、貴方のアーマーには及びませんが・・・」
「ん? ああ、まあこれは特別だからな・・・欲しいのか?」
「いえ、自分には派手過ぎます」
コイツ・・・
上官の事をサラッと貶(けな)しながったぞ・・・
まあ、確かにギンギラギンにさり気なくのままだけどさ・・・。
どの色に塗装するか迷っていたら、変えるタイミングを完全に見失ったんです。
『ブリキ野郎が御出でなすったぜ!!』
『俺たちの生まれ故郷を守るんだ!!』
上空からはバルチャードロイドと、C-9979上陸艇がティポカシティに接近してきている。
こちらもアークワイテンズ級に搭載してきたファイターで迎え撃つが、軽クルーザーに搭載されているファイターの数などたかが知れている。
制空権を取られるのは時間の問題だろう。
「艦長、接近する上陸艇に砲火を集中しろ」
『イエッサー』
副官のライズが、アークワイテンズ級の艦長に命令する。
敵もまさかティポカシティに小型とはいえクルーザーがいるとは思わなかったようで、回避行動が遅れる。
第一波の上陸艇は、上空を明るく照らしながら荒れ狂う海の中に消えていく。
「さすがだコマンダー、良い判断だったぞ」
「随分と汚い花火でした・・・第2陣が来ます。艦長、そこでは狙い撃ちされる。離陸して安全圏まで移動しろ」
『しかし・・・』
「艦長、俺からちょっとした頼みがある。もしもの時の為だ」
俺はライズに引き継いで、軽クルーザーの艦長にある命令を下す。
アディスの増援が遅れる可能性もあるからな。
もしもの時の予備プランだ。
『イエッサー、お安い御用です。まずは敵の封鎖線を突破します』
艦長は俺からの命令を聞き入れ、カミーノを封鎖しているだろう艦隊を突破する為に離陸する。
軽クルーザー一隻で、敵の封鎖線を突破することを『お安い御用』で済ませる艦長も、中々のやり手だな。
あ、ちなみにこのアークワイテンズ級軽クルーザーの艦名は<スカイホーク>だ。
旗艦ではないが小型で小回りが利くため、俺は割と気に入っている。
スカイホークとすれ違い様に、敵の上陸艇がカミーノに降り立つ。
さあ、久しぶりに暴れますかね!
はい、お疲れさまでした。
コマンダー・ライズは今回初登場のオリキャラです。
一応軽く調べた限りでは、原作や他の方の物語では使われていない・・・と思います。
もし使われていたら、その時に変更します。
知っている方が居たら、「そのキャラ名、既に存在するよ!」って教えてください。
名前の由来は、スタバで執筆していた時に目の前の道路をトヨタのライズが通り過ぎたからです。
いつも適当ですみません。
フェーズⅢアーマーずっと出したかったんですよね。
見た目は特に考えていないのですが、若干旧型のアーマーよりもゴツ目をイメージしています。
フェーズⅡとカターン級を足して二で割った感じ?(適当)
それではまた近いうちに・・・