自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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第72話 取り敢えず置いていかない

ジャロ・タパルが自らのパダワンに刺され、この混乱に乗じて敵クローン・トルーパー、クローン・アサシンの部隊がこちらに攻撃を仕掛けてくる。

 

「タパル将軍を囲うように陣形を取れ!」

 

俺は部下のトルーパーらに命令を与え、カル・ケスティスに向かって、スタンモードに切り替えたブラスターを撃ちこむ。

時間が無いからな。

小言は後でいくらでも受け付ける。

 

アソーカとシャアク・ティ用に持ってきたライトセーバーを既に渡してある。

敵の増援が来る前に脱出出来なければ、こちらの身が危ない。

ジャロ・タパルも早く治療を受けさせなければ・・・

 

「キックス! マスター・タパルの容態を! 僕らで敵の相手をする! ・・・オビ=ワン、聞こえますか!?」

 

アナキンは第501大隊の衛生兵であるキックスにジャロ・タパルの事を任せ、応援を要請するためオビ=ワンに通信を繋ぐ。

 

「何よこいつら! クネクネ動いて戦いにくいわね!」

 

そう言うのはアソーカだ。

対ジェダイを想定して訓練されたクローン・アサシンは、独特な動きを用いてくる。

以前、俺たちは惑星スカコマイナーで戦っている為、奴らの実力は嫌というほど身に染みている。

 

「トルーパーは奴らを近づけるな! 接近戦に持ち込まれたら終わりだぞ!」

 

『『『サー・イエッサー!!』』』

 

アナキンは既に少なくない数のアサシンを倒している。

アソーカとシャアク・ティも、互いをカバーし合いながら何とか対応している。

単体であれば問題ないのだろうが、如何せん敵の数が多い。

 

俺は激しい戦いの中で、指揮官級の姿を探す。

・・・見つけた。

戦闘には参加せず、後方で戦況を見守っている。

 

俺はブラスターをしっかりと握り直し、背面のジェット・パックを起動する。

広いハンガーだ。

動きは制限されない。

 

前衛のアサシンを飛び越え、後方にいる指揮官級の下まで移動する。

俺の姿を視認した指揮官級は、両腕のバイブロ・ソードを起動する。

 

「やめろ! お前と戦いたいわけじゃない! 話し合いたいだけなんだ!」

 

上空に留まったまま指揮官級に話しかけるが、話に応じる気はないようだ。

奴もジェット・パックを起動して、バイブロ・ソードで切りかかってくる。

 

俺はウィップ・コードで動きを封じようと試みるが、指揮官級は驚異的な反応速度でそれを避けると、ブラスター・ピストルで反撃してくる。

被弾する事も構わず、俺は真っすぐ指揮官級に突進する。

 

予想外の動きに反応が遅れた指揮官級の腰の辺りを抑えると、そのまま地上まで一気に降下する。

 

「・・・くっ」

 

ベスカー製のアーマーを装備しているのと、指揮官級を下敷きにしたおかげで、ダメージは殆どない。

代わりに奴に襲い掛かった衝撃は相当なものだったようで動きが止まる。

 

その隙に奴のヘルメットを強引に剥がすと、多くの傷が刻まれた顔が現れる。

生まれた時から一緒なのだ。

クローンだからと見間違えるはずがない、それは紛れもなくヒュメルの姿だった。

 

俺はすぐさまヒュメルのバイブロ・ソードと、[ベルセルク]の制御を担っている中枢系を破壊しようと試みる。

 

[ベルセルク]の中枢系を破壊した所で、敵のクローン・アサシンがこちらに向かってくる。

自分たちの指揮官が窮地に陥っていると分かると、剣を構えて俺に襲い掛かってきたのだ。

 

「邪魔をするな!」

 

俺は素早く二丁のハンドブラスターに持ち替え、迫りくる二人のアサシンに発砲する。

しかし、奴らは独特な動きで俺の構えた銃の射線上から外れる。

だが、躱されることは想定済み。

 

奴らを視認したということは、スポウダー・ミサイルのロックが完了したという事だ。

無挙動で発射可能な小型のミサイルが、アサシン目掛けて飛来する。

小さな爆発が連鎖的に発生し、クローン・アサシンの命を刈り取る。

 

アサシンを排除し、速やかにヒュメルに向き直る。

だが既にヒュメルは態勢を整えており、こちらに向かってバイブロ・ソードを振り下ろすところだった。

 

高周波が流れるブレードがベスカー製のアーマーに接触し、甲高い音を辺りに響かせる。

 

「・・・硬いな」

 

ヒュメルはそう呟くと、切れないことを確認するかのように連続で攻撃を加えてくる。

だが黙ってやられているほど俺はお人好しじゃない。

ベスカー製の高周波ダガーを起動し、ヒュメルに向かって斬撃を加える。

 

殺してしまう心配などしなくて大丈夫だ。

奴は俺の斬撃を全て受け止め、受け流し、躱している。

ムカつくほど腕が良い。

俺など足元にも及ばない。

 

だがその出来事すら俺には嬉しかった。

何年も共に訓練してきたからわかる。

彼はヒュメルだ。

彼の動きの一つ一つがそれを物語っている。

 

「くっ、ヒュメル! やめろ、俺がわからないのか!?」

 

彼が俺のことを認識していないことなど、百も承知だ。

だが、声を掛けることに意味がある。

そう信じて、俺は声を掛け続ける。

 

「ヒュメル! お前はヒュメルだ! 共和国グランドアーミーの士官、ARCSトルーパーの一人で俺の・・・俺たちの家族だ!」

 

 

 

 

 

・・・奴は何を言っている?

この兵士は以前、惑星スカコマイナアーで初めて対峙した

そしてグリーヴァス将軍の旗艦、<インヴィジブル・ハンド>でも・・・

 

だが、こいつに見覚えはない。

素顔を見たわけじゃないが、こんなアーマーは記憶には無い。

アソーカ・タノを見た時のような不思議な感覚はなかった。

その時点で、この兵士に興味はない。

 

排除するのみだ。

俺に与えられた名前、「ネイラー(仕留める者)」としての存在意義を示す。

 

 

 

 

 

「・・・俺はネイラー、貴様を仕留める者だ」

 

「ネイラー? それがお前に与えられた新しい名前か!?」

 

ヒュメルは俺からの質問に答える代わりに、繰り出す攻撃の激しさを増す。

専用装備である加速装置、[ベルセルク]がなくてもスピードでは奴の方が上だ。

いや、スピードだけじゃない。

刃物を用いた戦いで、俺が奴より優れている点など一つもない。

 

それにヒュメルは俺の動きを先読みしている節がある。

以前にも増してより洗練された動きを見せるヒュメルに、俺は防戦一方だ。

 

「レイ!」

 

そう俺の名を呼ぶのはアソーカだ。

どうやら敵の包囲を突破して、援護に来てくれたようだ。

 

「・・・レイ?」

 

奴が俺の名を聞いた時、一瞬だが動きが止まる。

その隙に奴の頭部掛けて上段蹴りを繰り出し、怯んだところにアソーカがライトセーバーで、奴のバイブロ・ソードを破壊する。

 

「アソーカ、助かったぞ!」

 

彼女に礼を言いながら奴を地面に押し倒し、関節を決めて拘束する。

 

「ヒュメル、ここまでだ」

 

「ヒュメル!? そのトルーパーはヒュメルなの!?」

 

俺の言葉に驚きを隠せないアソーカ。

騎士になってからは共に行動する事も少なくなり、ヒュメルの事も話でしか聞いていなかったのだ。

 

その時、増援のクローン・アサシンがこちらに向かってやってくる。

ヒュメルを捕まえたら今度はこれだ。

もう、嫌になっちゃう。

クネクネしないでもらえますかね?

 

『レイ、脱出だ! これ以上時間を掛ければ旗艦が危ない!』

 

アナキンからの通信が入る。

それにジャロ・タパルの治療も急がなくてはならない。

 

「立てヒュメル! 一緒に来るんだ!」

 

そう言ってヒュメルを立たせるが、奴はどこかに隠し持っていた高周波ナイフを取り出し、アーマーの隙間である肘関節を切り付けてきた。

咄嗟に腕を離さなければ、腕が使い物にならなくなる所だった。

 

「くっ、ヒュメル!!」

 

奴は俺からの拘束から解放され、一定の距離を取る。

また振り出しか・・・

 

「レイ、もう行かないと! これ以上時間は掛けられない!」

 

アソーカがそう言うのと同じタイミングで、一機のシャトルがハンガーに飛び込んで来る。

オビ=ワン自らが、救出に来てくれたようだ。

 

「アナキン! 随分と時間が掛かるから、もう帰る気がないのかと思ったぞ?」

 

「マスター! 良いタイミングです! 全員、シャトルに乗り込め!」

 

味方がシャトルに乗り込む間、アナキンとオビ=ワンが敵を食い止めている。

 

「レイ!! もう行かないと!!」

 

アソーカが叫びにも似た声で俺の名を呼ぶ。

 

「・・・ヒュメル、今度こそ置いていきはしない」

 

「・・・貴様など知らない。それに逃がすつもりもない」

 

奴の周りには、部下のクローン・アサシンが集まっている。

今度こそ死ぬかもな。

 

そう思った瞬間、予想だにしなかっことが起きた。

クローン・アサシンが、ヒュメルに向かって攻撃を加えたのだ。

 




はい、お疲れさまでした。
更新の間隔が空いてしまって申し訳ない。

が、がんばります・・・


それではまた近いうちに・・・
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