自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
モールの護衛が明らかに少ない。
何かあるな。
俺は部下のトルーパーに手信号で警戒を促す。
「ふんっ、中々優秀な部下を連れているようだなスカイウォーカー。だがここまでだ・・・ケノービの下に貴様らの首を送ってやる!!」
モールは言葉を言い終えると同時に大きく跳躍し、アナキンに向かって赤いライトセーバー起動して切りかかる。
しかし、アナキンは至極冷静だった。
モールの斬撃を難なく受け流し、激しいライトセーバー戦を始めるのだった。
アナキンとモールが対決を始めると、護衛のマンダロリアン・スーパー・コマンドーが攻撃を仕掛けてきた。
ブラスターや火炎放射器、背面に装備されたロケットによる攻撃が襲い掛かってくる。
だが、明らかにこちらが優勢だ。
銀河連合軍の中でも、第10星系軍は精鋭中の精鋭、一般の部隊よりも遥かにレベルの高い技術を備えている。
そして一人、また一人と敵は数を減らしていった。
全滅させられると考えたその時、宮殿の壁や地面が突然動き出し、中からバトルドロイドの大部隊が現れる。
そ、そんなのアリですか?
退路もしっかりと確保した状態で戦っていたのに、これでは全てが水の泡だ。
俺たちは戦力で一気に逆転され、防御陣形を取る。
「レックス、ライズ! 新手だ! 防御陣形を取って、まずは態勢を整えろ!」
フェーズⅢアーマーの対弾性能がなければ、被害はもっと出ていただろう。
新型アーマー様様だ。
「コマンダー、デストロイヤーです!」
副官のライズが、デストロイヤー・ドロイドの接近を知らせてくれる。
やはりコマンダーと言われる方が、しっくりくるな。
参謀総長って言いにくいやん・・・。
さて、ここは新兵器の出番だろう。
「ライズ、イオン・グレネードだ!」
ライズに声を掛け、カミーノで試したイオン・グレネードを取り出す。
特にシールドを展開している相手に有効で、システムごとダメージを与えられる優れモノだ。
四体のデストロイヤー・ドロイドがシールドを展開して、今まさに攻撃を開始しようとしたタイミングで、俺たちは両手に持ったイオン・グレネードを投擲する。
小規模のイオン・フィールドが展開され、その効果範囲にいたデストロイヤーは、シールドごと機能を停止する。
やっぱり便利だぜ、イオン・グレネード!!
態勢を立て直した俺たちだが、攻撃に転じようにも敵の数が多すぎる。
敵はデス・ウォッチ、バトルドロイドの愉快な合同チームだ。
その時、宮殿の窓ガラスを突き破って黄色のマーキングが施されたアーマーを着込んだクローン部隊が突入してくる。
「空挺部隊! コーディーの所の奴らか!」
以前、コーディーが指揮をしていた第7空挺兵団。
俺やレックスの所属する第501大隊とも、共に戦う機会が多かった連中だ。
やり難いこの上ない。
「アナキン!」
俺は状況の悪化を知らせるように、モールと対決しているアナキンに声を掛ける。
こちら側の兵、特に第501大隊所属の奴らは明らかに先ほどよりも動きが悪くなっている。
馴染み深いイエローカラーの兵装に、戦意が低下しているのだ。
その状況を感じ取ったアナキンは、自らの力を解放する。
先程まで拮抗していたと思われた戦いだったが、一気にアナキンが優勢になる。
ど、どう言うこと・・・?
アナキン強い(小並感)
「っく! なんだその力はぁぁぁ!!!」
モールの悲鳴にも似た叫び声が、辺りに響き渡る。
アナキンに自身のライトセーバーを破壊され、強力なフォース・プッシュで宮殿の壁に叩きつけられた。
その衝撃で、モールは意識を手放すのだった。
何あれ?
やばくね?
アナキン強い(確信)
「待たせたかな? 何かあると思って様子を見ていたが、増援が来ただけだったな」
アナキンはモールとの対決に微塵の疲れも感じていないようだった。
汗一つない綺麗な顔のままゆっくりと歩みを進め、俺たちを守るように先頭に立つ。
その姿を見た第501大隊の連中は、下がりかかっていた戦意を持ち直し、全体の士気が上がる。
彼が来ただけでこの変わり様・・・
何か不思議な力が働いたように感じる。
アナキン強い(三度目)
「君たち、やめるんだ! 僕たちは味方だろう?」
アナキンが空挺兵団のトルーパーに声を掛ける。
俺はそんな事をしても無駄だと思ったが、アナキンはそういう奴だ。
彼は優しすぎるんだ。
それが原因で、歴史では暗黒面に堕ちてしまったんだからな。
『う、裏切り者のジェダイめ!』
『貴様らこそ議長を裏切り、共和国転覆を図ったではないか!』
彼らも言い返しては来るものの、言葉にイマイチ覇気が足りない。
アナキンの不思議な力が、彼らにも作用しているのか・・・?
その時、アソーカ率いるクローン部隊が宮殿に流れ込んできた。
「マスター達を囲むように展開して! 一気に方を付けるわよ!」
入り口付近に展開していたバトルドロイドは、アソーカ達によって次々にスクラップにされていく。
その混乱に乗じて、ハッと我に返った様子の第7空挺兵団の連中はブラスターを発砲しながらジェット・パックを起動して飛び去って行った。
モールと宮殿は確保した。
残りはアルメクを抑えれば、俺たちの勝ちだな。
・・・その前に、残りのドロイドをちゃっちゃと片付けちゃいますかね。
別動隊が市民の安全の確保するのと同時に、アルメクの捜索隊が組まれていた。
そしてアルメクを発見、確保しようと動いていたが敵からの反撃も厳しく、アルメクは流れ弾により命を落とした。
まあ、出来れば生きたまま捕らえられれば良かったんだろうが、正直どっちでも良いでしょ。
知らんけど(適当)
デス・ウォッチの残党は早々に撤退、残党の対処に関しては不良分隊に頼むことになった。
「いつも面倒ごとを押し付けて悪いな、軍曹」
『お気になさらず。コマンダーの頼みとあればいつでも歓迎です』
相手はクローン・フォース99の分隊であるハンター軍曹だ。
通信機の向こうからは、レッカーのバカでかい声が聞こえてくる。
『軍曹、レイの兄貴ですか!? 俺にも変わってくださいよ!!』
「・・・相変わらずのようだな、軍曹」
『ええ、毎度の事ですが喧しい連中です・・・そういえばコマンダー、参謀総長から降格されたと聞きましたが、何かやらかしたのですか?』
「ああ、そのうちクビになるかもしれないな」
二人で冗談を言い合う。
彼らは特殊な個体故、それに応じてイレギュラーな任務を多くこなしてきた。
今回の様な追跡任務もお手の物だろう。
「それじゃあな、頼んだぞ軍曹」
『了解です、コマンダー』
さてと、こちらも問題が山積みだ。
町には戦闘によってできた傷跡が多く残されているし、市民にも少なくない被害が出ている。
「ライズ、物資の手配はどうなっている?」
「はいコマンダー、クルーザーに積み込んできた食料品や医薬品、生活出需品等は既に運び込む準備が整っております。逐次、市民に配布することができるかと」
「さすがだな、早く皆を安心させてやろう」
「イエッサー」
元々、この惑星マンダロアは食糧問題などを抱えていた。
それに国のトップがコロコロ変わるのでは、民もお落ち着かないだろう。
この国もそうだが、「戦争には関わらない」「中立を貫く」と公言している国は理念だけは立派だが、結局は直面する困難から逃げ、責任転嫁しているだけだ。
現に国は攻撃され、民は苦しんでいる。
「久しぶりね、レイ」
そう声を掛けてきたのは、現地に留まり、今回の戦いにも参加していたサティーン公爵の妹、ボ=カターン・クライズだ。
直接会うのは、この国であったヒュメルの行方不明事件以来だ。
「・・・ああ、久しぶりだな」
俺は身に着けていたヘルメットを脱ぎ、小脇に抱える。
熱で籠っていたヘルメットから解放され、頭がスッキリする。
「少し瘦せたかしら? それに随分と難しそうな顔をしているわね」
ん?
そうだったか?
全く気が付かなかった。
まあ、考え事をしていたからな。
「・・・ボ=カターン」
「何かしら?」
「・・・この戦い、本当に良かったのか? 戦争中に共和・・・連合国が本格的に介入したという事は、軍がこの星に駐留する事になるんだぞ?」
「久しぶりに会って、一番に言う事がそれなの?」
「・・・」
「・・・まあ良いわ。いずれにせよ、この国は帝国の支配下にあったし、私たちだけではこの国を取り戻せなかった。それにこの戦いは、国のトップである彼女の賛同も得られているはずよ?」
彼女というのは、サティーン公爵の事だな。
そもそもボ=カターンは、この国を以前のような強いマンダロアに戻したかったのだ。
この戦いはその道への先駆けという事なのかもしれない。
「確かに・・・だが100年守られて来た条約が破られたのも事実だ。俺は今後の新たな火種に繋がらないか不安なんだ」
俺は彼女の身を案じている。
それが伝わるように、彼女の瞳を見つめる。
「・・・大丈夫よ、マンダロアは貴方たちに対する恩を消して忘れない。過去より今、これからの未来の為に私たちは戦うわ」
それでこそボ=カターンだな。
とても強い女性だ。
「我々連合国も、マンダロアと共に歩もう。未来の為に」
「ええ、未来の為に」
そう言葉を交わし、俺たちは互いの手を握り合う。
国のトップ同士が交わした約束ではないが、公爵の妹、軍の将軍、それなりの地位にいる二人が同じ考えで、未来の為に、共に歩むことを確認する。
互いを理解するというのは、そう難しいことでは無いのかもしれない。
はい、お疲れさまでした。
この惑星マンダロアをきっかけに、帝国との戦いも激しさを増していく事になります。
当初は80話くらいで完結できれば良いな、なんて考えていましたが、まだまだ終わらなさそうですね・・・。
どうします?
一気に時間飛ばしちゃいます?(震え声)
それではまた近いうちに・・・