自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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皆さん、お疲れ様です。
みどり色です。

最近は随分と暖かくなってきましたね。
花粉症の方は毎日が戦争だと思いますが、ご武運をお祈りしております。

今回、少し短いですがお楽しみください。


第76話 取り敢えずひと時の静寂

惑星マンダロアの一件から2年が経過した。

ジオノーシスで開戦したクローン戦争だが、既に6年以上・・・

共和国も分離主義者達も、当時は互いに自らの正義の為に戦ってきたが、今ではそのどちらも存在しない。

 

共和国と一部の分離主義派が合流して銀河連合国が誕生、独立星系連合は今や帝国となった。

帝国は皇帝パルパティーンの独裁的な政策を推し進め、帝国の支配下にある星々はその圧政に苦しんでいる。

加えて発足当時は不安定だった帝国も、現在は国力も安定し、日に日に勢力を拡大している。

 

銀河連合国と銀河帝国、今や銀河はこの二つの勢力によって完全に二分されているのだった。

 

 

 

 

 

<惑星ナブー 湖水地方>

 

この湖水地方は美しい自然が広がる惑星ナブーの辺境地だ。

自然豊かな山々に囲まれた峡谷に、滝、美しい湖が点在している。

 

その中に存在するヴァリキーノ島、この島には秘密の別荘があった。

クローン戦争開戦の少し前、まだジェダイ見習いであったアナキン・スカイウォーカーと、銀河元老院議員のパドメ・アミダラが静かに愛を育んだ場所だ。

 

そんな所に俺は何をしに来たかというと・・・

 

「パドメ、帰ったよ」

 

「アナキン! ほらルーク、レイア、お父様のお出迎えを」

 

・・・まあこういう事ですよ。

双子の出産に伴い、パドメは議員を引退、今はこの屋敷で子育てに奔走している。

 

「パパ、おかえりなさい!」

 

「おとうさま!」

 

ルークとレイア、二つの太陽は3歳になる。

そうか・・・もう3年か。

子供の成長を見ていると、時が経つのが本当に早く感じる。

まあ、俺の子じゃないんだけどね?

 

「ルーク、レイア、ただいま。ちゃんとママの言う事を聞いていたかい?」

 

「「うん!」」

 

可愛いいぃぃぃぃ

完全に親戚の子供を可愛がるオジサンの気分だ。

 

その様子をパドメは微笑ましいように見つめている。

そしてその光景を少し眺めた後、最愛の夫に近づいて行き、家族4人で抱きしめ合っている。

 

何この絵に描いたような家族。

見ているコッチまで幸せな気持ちになってくる。

 

この光景を見られただけで、俺はこの世界に来られて良かったと思っている。

始めは、「え、ジェダイじゃないの・・・?」何て思ったりもしたし、クローンごときに何が出来るのか・・・とも思ったが、結果的には良かったのかもしれない。

 

「アナキン、俺は少しこの辺りを見てくる。お前はゆっくりしていてくれ」

 

「君も一緒にどうだレイ? 子供たちも喜ぶ」

 

「久しぶりの家族団らんを邪魔する趣味はない」

 

「レイおじちゃんも早く~!」

 

ルークに呼ばれるが、「また後でな」と断りを入れて俺は一人、周囲の警戒(ただの散歩)に勤しむのだった。

 

 

 

 

 

適当に時間を潰し、俺はある湖の畔で座り込んでいた。

この世界に来てから、ずっと戦いの毎日だったからな。

ナブーの湖水地方に来る時だけ、俺は一人になれるし、この時間を楽しんでいる。

まあ、あの家族を見ると多少寂しさを感じるのも事実ですけどね・・・。

 

俺は身に着けているアーマーを脱ぎ、小脇に整頓しながら置いていく。

全てを脱ぎ終わり、下に着ていたアンダースーツ姿となって水面に反射する自分の姿を確認する。

 

この姿も見慣れたな。

始めは自分がクローン姿だという事に驚いたし、他のクローン・トルーパー全員の顔が同じというのにも違和感満載だった。

300万ユニットが同じ顔ですよ?

正直、キモくね?(怒られる)

 

ジャンゴもよく耐えられるよな。

自分の生きた軌跡を残したいとかなんとか言っていたけど、残し過ぎでしょ。

自分(オリジナル)と全く同じ姿・形の連中がたくさんいるのを見たら、俺だったら耐えなれそうもないわ。

 

太陽から発せられる身を包むような優しい光、凪いだ美しい湖を見ていると眠くなってくる。

・・・暗くなる前に野営の準備でもしますかね。

 

元々、野営するつもりで来たため、バックパックには必要なものが揃っている。

前世?でも、アウトドアが好きでオフの時も定期的にキャンプをしていた。

危険も無いし、久しぶりにワクワクするな。

 

 

 

 

 

 

簡易的な天幕(テント)を設営し、薪を集めて火を起こす。

ちなみに針葉樹は油分が多く、火が付きやすいが燃え尽きるのが早い。

広葉樹は燃えにくいが、一度火が付いてしまえば長い時間燃えてくれるので状況に合わせて使い分けてほしい。

 

因みに、火を起こすには、火口、焚き付け・・・

え?

どうでも良い?

すみません。

 

と、とにかく、メインの燃料になる太い薪は自発的に燃え出したし、焚火は安定したな。

飯どうしようかなー

その辺にいるシャク(ナブー原産の草食動物)って食べて良いのかな?

脂が乗っていて、めちゃくちゃ美味しいらしいじゃん?

 

多分家畜ですよね。

しゃーない

魚でも食べますか。

 

 

 

 

 

夜も更けた時間、眠れない俺は無意味に焚火を眺めていた。

こうしていると、元の世界に戻ったかのような錯覚さえ覚える。

その時、人の気配を感じ、無意識のうちに身構える。

 

「レイ、僕だ」

 

なんだ、ただのイケメンか。

 

「愛する家族を放っておいて、何しているんだアナキン?」

 

「パドメも子供たちもぐっすり眠っている」

 

久しぶりに会えたんだから、ずっと一緒に居れば良いのにな。

まあ、彼も眠れないのかもしれない。

戦場とここの静けさは正反対だ。

 

この湖水地方にいると、世界は平和で戦争なんて無縁に感じてしまう。

それほどこの場所は穏やかで、居心地が良い。

 

「・・・アナキン、お前ジェダイ辞めたらどうだ?」

 

「え?」

 

「ジェダイは去る者を引き止めたりしないんだろう? お前には守るべきものもある。戦争になんて関わらず、家族の為に生きたらどうだ?」

 

これは俺の本音だ。

もちろんアナキンが抜ければ、連合国にとって計り知れない損失になるだろう。

今は戦争中だし、勝てる戦も勝てなくなるかもしれない。

 

だが俺は、まだ心のどこかで不安に思っているのかもしれない。

歴史通りにはならなかったが、何かのきっかけでアナキンが暗黒面に堕ちてしまう事を・・・

 

だからなのか、アナキンには戦争から離れ、家族を守る為に傍にいて欲しいという気持ちが強い。

 

「・・・僕には、君たちだけを残して戦争から逃げ出す事なんて出来ない」

 

顔を見ればわかる。

アナキンだって、本当はこのまま家族と残りたいのだ。

 

だが彼の優しさが、その道を選ぶことを否定してしまう。

目の前で仲間が危機に晒されているなら、自らの危険を顧みず助けに行く。

一人戦争から離れ、家族と平穏に暮らすことなど、今のアナキンには到底できる選択ではないのだろう。

 

「アナキン、一軍人としてこんな事を言ってはいけないのだろうが、俺は連合国の未来よりもお前たち家族の幸せのほうが大事だ。 それに・・・お前はもう一生分の苦労をしたじゃないか? もう幸せになって良いんだ」

 

俺は今回のナブー訪問で、この事を伝えるつもりだった。

アナキンには幸せになって欲しいし、その権利を持っている。

 

「・・・ありがとう、レイ」

 




はい、お疲れさまでした。
久しぶりに、戦闘シーンが無い模様をお伝えしました。
たまにはのんびりしているのも良いですよね?

それではまた近いうちに・・・
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