自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた 作:みどり色
みどり色です。
息抜きに新しい作品を始めたので、良ければこちらもご覧ください。
題「凶悪な生物兵器が蔓延る世界で俺だけが成長(レベルアップ)する」
モンスター(ポケモン)が蔓延る世界で絶滅の危機に瀕してる人類が、頑張ってどうにか生きて行こうというお話です。(語彙力)
イメージ的にはモンスターハンターのような形で依頼をこなしていき、ポケモンを狩り、時には狩られるというイメージです。
https://syosetu.org/novel/254273/
俺達は本格的に山に入る前に、麓で野営をしていた。
交代で見張りをする事になるが、4人もいるから負担はかなり軽減できる。
「俺が最初に見張りにつくから、お前たちは先に休め」
終わった後の時間を全て寝る事が出来るから、最初に見張りをしたいとは口が裂けても言えない。
「コマンダーはお休みください。見張りは自分たちだけでやりますので」
中尉が気を使ってくれる。
その純粋な瞳で見られると、俺の邪な考えが恥ずべきものだと思い知らされる。
「良いから休め。こんな状況で階級云々言っている場合ではないからな」
・・・その感動したような視線を、こちらに向けるのはやめて頂けますか?
寝ている途中で起こされたくないが為に、先に見張りをやりたいという自分勝手な考えをした自分が恥ずかしくなるから。
そんなこんなで特に問題も無く艦長と見張りを交代し、俺は浅い眠りについた。
問題が起こったのは三番目の見張りである中尉の時であった。
夜も深くなり、星々や月が輝いている美しい空の海が一面に広がっている。
その空を見ていると、妙に懐かしい気持ちになるのは何故なのか?
え?
寝てないのかって?
・・・尿意を催して起きちゃいました。
寝る前に行っておけば良かったんだろうけどさ
面倒くさい時ってあるじゃん?
その時、何か嫌な気配を感じた。
気のせいなら良いのだろうが、確認せずにあの世行きなんて事になったら笑えないからな。
俺は傍に置いてあったブラスターを持ち、寝そべった状態で周囲を確認する。
周りでは虫の鳴き声や、優しい風によって揺れる木々や葉の擦れる音が聞こえる。
やはり気のせいか?
そう思った瞬間、事態が急変する。
見張りについていた中尉の叫び声が辺りに響き渡ったのだ。
「くそっ!」
俺はすぐさま飛び起き、中尉の姿を探す。
月明かりがあるとはいえ、昼間の様にはいかない。
ヘルメットに内蔵されている暗視装置を起動し、視界を確保する。
・・・中尉の姿はどこにもなかったが、彼が見張りをしていたであろう場所には血痕が残されていた。
「コマンダー! ・・・これは中尉の?」
駆けつけてきたライズが血痕を見つける。
「ああ、恐らくな。周囲を確認したが、彼の姿はどこにもない」
直ぐ近くに中尉のものと思われるヘルメットと、森の奥へと血の跡が続いている。
ん?
よく見ると、周囲には複数の大型の足跡が残されていた。
・・・これは寝ている場合ではなくなったな。
俺達は警戒を厳に、中尉の跡を追跡していた。
追跡しているのはこちらのはずだが、俺たちの行動を監視されているような気がしてならない。
そして、とうとう見つけてしまった。
無残に身体を引き裂かれた中尉の亡骸だ。
「・・・コマンダー、この森は危険です。直ぐに山を越え、目的地に急ぐべきです」
副官のライズがそう具申してくる。
彼を弔っている暇もないか・・・
俺は近くにあった枝や葉を中尉の上に被せ、先を急いだ。
ここは豊かな自然に覆われた美しい星だが、未開で、危険な生き物が存在している。
そして山に入った段階で、俺たちは獰猛な肉食獣に囲まれていた。
あれ・・・どう見ても恐竜だよな。
奴らは群れを成してこちらを観察している。
直ぐに襲ってこない辺りを見ても、かなり知能が高いことを伺える。
ラプトル・・・だっけか?
クローン技術を使って、恐竜の動物園を作ろうとした某大作映画でもお馴染みの奴だ。
本当はディノニクスという恐竜がモデルだと聞いたことがあるが、そんなことはどうでも良い。
今問題なのは、あの厄介なチームプレーをしてくるラプトルが、群れを成して俺たちに迫って来ているという事だ。
「・・・完全に囲まれましたね。奴らの様子から、それなりの知能を備えているようです」
君(ライズ)はいつでも冷静だね。
っていうかここって地球なの?
やべぇ、気になって来た。
ピンチな事よりも、そっちの方が気になる。
「ああ、中尉を襲ってからあえて様子を見ていたことも考えて間違いないだろう。ライズ、艦長、用意しろ」
「イエッサー」「は・・・?」
即座に理解するライズと、イマイチ理解が追い付いていない艦長。
まあ艦長にやってもらうことは無い為、彼の疑問を解決することは後回しだ。
俺はヘルメットと連動しているスポウダー・ミサイルを起動する。
これで全部ではないだろうが、確認できるラプトルにミサイルをロックすると、肩部に内蔵された小型ミサイルが複数飛来する。
その瞬間にライズはジェット・パックを起動し、状況がイマイチ掴めていない艦長を抱えて大空に飛び上がる。
俺もライズに追随し、大空に舞い上がる。
自衛隊だったら、こんな戦法取れないだろうからな。
テクノロジー様様だ。
だが、ずっと空を飛んでいく訳にもいかない。
燃料の問題もあるし、帝国に見つかるのは回避したい。
俺達は十分に安全を確認した後、地上に降り立つのだった。
どさくさに紛れて(決して行軍が嫌だった訳じゃない)山の反対側に降り立った俺たちが目にしたのは悲惨な光景だった。
「・・・脱出ポッドを拠点にしていた所を狙われたようだな」
そこには鋭利なもので切り裂かれたことがわかる、新兵らの亡骸が散らばっていた。
俺達のように上空に逃げることも叶わず、突然の来訪者によって・・・
「先を急ぎましょう、この場に留まるのは危険です」
「ああ、他にも無事に降り立った連中がいるかもしれない」
ただでさえ十分な休息が取れていない上、帝国や恐竜たちの脅威にも警戒しなくてはならないというのは想像以上に疲弊する。
ああ・・・くそ
どうして悪いことって、こう続くのかね。
俺達の目に映るのは、クルーザーから来たと思われる帝国軍の大部隊だった。
不幸中の幸いか、奴らとは距離がある。
この隙に、着陸地点まで急ぐべきだな。
「状況が変わった。強行軍になるが行けるか?」
これは艦長に向けた言葉だ。
日頃から前線で戦っていない彼にとって、俺たちのペースに合わせるのは大変だろう。
「問題ありませんコマンダー、足手まといにはなりません」
「よし、先を急ぐぞ」
俺達は休息も取らずに強行軍を続けたおかげで、着陸予定地点の直ぐそこまで来ていた。
帝国はこの星の生物(恐竜)と戦っているのか、ブラスターや爆発音、叫び声などが風に乗って聞こえてくる。
現在いるのは岩と砂ばかりの荒野のような場所だ。
先程までは自然が豊かだったのに、山を越えると景色が変わるのは面白い。
おかげで、身を隠すところも少ない。
くそったれ。
「よし、あそこまで行けば着陸地点を確認できるだろう」
俺達の場所は高台となっていて、ポイントを見下ろすような形で確認できる。
近くに行かなくても良いのはラッキーだったな。
ヘルメットに内蔵されているスコープ機能を使うと、複数の脱出ポッドが確認できる。
「敵影は確認できないな・・・俺が降りて、状況を確認してくる」
「コマンダーお一人では危険です、自分も同行します。艦長、ここに残り見張りを頼む。何か変化があれば逐次連絡を」
「イエッサー」
「別に俺だけでも—————」
「危険です」
「—————わ、わかった」
怖いよ、ライズ君。
これではどっちが上官かわかりませんよ・・・
ライズと共に脱出ポッドまで来たが、他の連中の姿は見えなかった。
こんな見晴らしの良いところでは、敵に見つけてくださいと言っているようなものだからな。
避難したんだろう。
「周りには怪物、それに加えて帝国まで・・・生き残った奴らが心配だ」
「はい、ですがここでは狙い撃ちにされます。まずは安全を確保して今後の事を—————」
ライズが言い終わらないうちに、辺りに銃声が鳴り響いた。
考える前に身体が反応し、脱出ポッドを遮蔽物に身を隠す。
銃声は艦長がいる高台からだな。
「艦長、応答しろ・・・ダメです。通信不能です」
ライズが艦長と通信を試みるが、応答がない。
恐竜か、帝国か・・・
その時、高台に現れたのは赤いアーマーを着込んだ部隊だった。
「フォックスの部隊か」
フォックスの部下が、艦長を拘束している。
大きなケガは無いようだが、人質とは穏やかじゃないな。
『コマンダー・レイ、大人しく投降して下さい』
投降だと?
今までは問答無用で攻撃してきたくせに、どういった風の吹き回しだ?
「悪いなフォックス、生憎俺はこの星が気に入っていてね。お前たちについて行く気はさらさら無い」
『・・・』
フォックスは無言のまま手信号で指示を出す。
部下たちは彼の指示に従い、俺たちの周囲を囲んでいく。
さしずめ、ジオノーシスで包囲されていたジェダイだな。
「ライズ、何か良い案はないか?」
「残念ながら。貴方はどうです?」
「今度ばかりはお手上げだ」
まあ、故郷で死ねるならこれ以上の死に場所は無いかもな。
上空には帝国のクルーザーの増援が現れ、そこから帝国仕様に改造された複数のLAAT/iガンシップまでやってくる始末だ。
ガンシップはそのまま俺たちの周囲を囲い、搭載された兵器を起動する。
ここまでか・・・
そう思った瞬間、ガンシップはフォックスの部下に向かって発砲を始めた。
味方だと思っていたガンシップからの突然の攻撃に、反撃もままならず身体を撃ち抜かれていく兵士たち。
高台にいるフォックス達も、状況が掴めていない様だ。
そこにガンシップから降下する部隊が現れる。
『コマンドー・ドロイド!? 応戦しろ!』
通常のコマンドー・ドロイドよりも、さらに俊敏な動きでフォックス達を翻弄するコマンドー・ドロイド達、よく見るとカラーリングが灰色だ。
っていう事は—————
『マスター、ご無事ですか? すぐに殲滅しますので、その場でおくつろぎ下さい』
俺のコムリンクに通信が入る。
スーパー戦術ドロイドのタティスからだった。
皆さん、覚えていますか!?
ボガーノにいるはずのドロイド部隊ですよ!?
彼らは通常のドロイドにはありえない程、高度な戦術を用いて次々に制圧していく。
その動きはドロイドと言うよりも、クローン・トルーパーに近いものを感じる。
「こ、コマンダー、これは一体?」
ライズは状況がイマイチ掴めていないようだった。
あれ?
ライズって、コイツらのこと知らないんだっけ?
「大丈夫だ、彼らは味方だ。艦から脱出する前に、彼らに救難信号を送ったんだ。届くかどうかは賭けだったがな」
ブリッジから脱出する直前に、俺が端末を操作していた事を思い出したようで、取り敢えずは納得したようだ。
彼らの手際の良さには舌を巻いてしまう。
俺たちの艦を轟沈させ、そのままこの星を封鎖していたなんちゃってインペリアル級も破壊していた。
帝国のなんちゃってインペリアル級に偽装したクルーザーが合計で三隻、それらからの集中砲火を食らえばひとたまりもないだろう。
「マスター、敵部隊の制圧を完了しました」
「ご苦労タティス、被害の確認を行い待機していてくれ」
「仰せのままに」
タティスは命令通り、部隊の損害を確認している。
だが見る限り損害は軽微、完勝と言っていいだろうな。
「さて・・・フォックス、立場が逆転したな」
「卑怯な手を・・・それが貴方のやり方ですか?」
その時、一発の銃声が鳴り響きフォックスの頬を掠める。
撃ったのはタティスだ。
「立場をわきまえろ」
えぇ・・・
怖いよタティスさん・・・
急に撃たないでよ、ビックリするから。
「・・・タティス、部隊を編成してクローンの捜索に当たってくれ。新兵の生き残りがいるはずだからな」
「はいマスター」
さて、この星で余生を送ることは回避されたが違う問題が出てきたな。
はい、お疲れさまでした。
まさかの地球?の登場です。
恐竜の種類や時代、その他諸々は細かく考慮していないので適当に流しておいて下さい、お願いします。
コマンダー・フォックスは、どうしてレイ達を殺さないで捕虜にしようとしていたのか?
さらに問題が出てきそうな予感ですね。
それではまた近いうちに・・・