自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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第81話 取り敢えず新装備

「ネイラー、例のターゲットはどうなった?」

 

「・・・既にこの世にはいない」

 

「そうか! 伊達にネイラー(仕留める者)と呼ばれてはいないな!」

 

ネイラーに声を掛けてきたのは、青年に近づきつつあるボバ・フェットだ。

16歳になったボバは、年若いジャンゴそのものだ。

※現在16BBY

 

スレーヴⅠの船内では、賞金稼ぎのシンジケートであるクレイツ・クローがネイラーの依頼達成を喜んでいた。

 

「帝国に追われているお前を助けた時は、厄介なお荷物を抱え込んだと思ったが・・・取り敢えずは合格だな」

 

そう言うのはトランドーシャンのボスクだ。

チームとしての仕事は何度かしたが、クレイツ・クローは本当にネイラーが使い物になるか試験をする為に、単独での依頼達成を命じたのだ。

 

クローンを兄弟ではないと否定するボバだが、何故かネイラーには気を許している。

多くを語らず、その落ち着いた雰囲気が亡き父親を思い出させるのかもしれない。

 

そんなネイラーだからこそ、ボスク自身も彼を受け入れる事に否定的ではなかった。

本当の意味で信用しているかは別問題だが・・・

 

「お前はどうして帝国に追われていたんだ? それも単独で」

 

クローンがチームではなく、単独で任務を行うなど聞いたことがない。

それに今は混乱の時代だ。

 

共和国のトップであるシーヴ・パルパティーンが独立星系連合側に付き、クローン・トルーパーは共和国と独立星系連合に二分された。

何故命令に忠実なはずのクローンが敵味方に分かれたかは定かではないが、裏の世界の情報ではジェダイを抹殺するために、シスが仕組んだ事だとも言われている。

 

彼らを兄弟だと思ったことは無いが、父が残したいと言った足跡・・・

その形であるクローン・トルーパーはボバにとって、ただの他人と割り切る事は出来なかった。

 

「・・・俺は一人だ、生まれた時からな」

 

一瞬、レイと呼ばれたクローンが頭をよぎるが関係ない。

俺は自らを自覚した時から一人だった。

部下はいても、仲間はいなかった。

 

 

 

 

 

<惑星カミーノ ティポカシティ>

 

「味方を撃つなよ! IVASで見分けを付けろ!」

 

帝国軍はクローンの生まれ故郷であるカミーノへ進軍してきていた。

何度目になるのか、現在ティポカシティの防衛戦が繰り広げられていた。

 

「これが軍で開発されている新装備か! これなら敵味方の判別も容易だな」

 

「うひょー! レイレイ、レイレイ! これ凄いな!?」

 

そう言うのは、久しぶりの登場になるアディスとオーリーだ。

オーリーの目には、俺が4人いるように見えているようだ。

一度に4回も名前を呼ばれる人は相当珍しいと思うぞ。

 

先程から話題に出ている新装備というのは、ヘルメットに追加で実装された統合視覚増強システム(Integrated Visual Augmentation System)、通称IVASだ。

 

これはヘルメットのディスプレイを通して、複合現実(MR)や拡張現実(AR)等を装着者に提供するシステムとなっている。

 

暗視、赤外線装置に加え、戦術情報の確認や武器の照準補正を行えるなど選り取り見取りの装備となっている。

 

細かい話をすると、GPSとネットワークを使った相互リンクが可能で、現在地や敵味方の位置、方位をマップに投影する事も可能だ。

 

まあ簡単に言うと、SFのゲームプレイ画面が視界に広がるというのが一番分かりやすいかもしれない。

 

「だが所詮は機械だ。過信し過ぎないようにな」

 

「わかってるって♪」

 

お前が一番心配だよ、オーリー君・・・

 

前回の戦いではバトルドロイドが主体の部隊だったが、今回はクローン・トルーパーを全面に押し出してきている。

色んな意味で、やり難いことこの上ない。

 

惑星カミーノの軌道上では、クルーザーやファイターの激しい攻防が繰り広げられている。

宇宙からの落下物も多いが、カミーノに新しく設置されたシールド発生装置のおかげで、今のところは被害が皆無だ。

 

「レイ、新しい装備も調子良さそうね!」

 

「アソーカか。今のところは問題無さそうだ」

 

俺たちは進軍してくる帝国軍と戦いながら、無駄口を叩いている。

戦場での生活が長引くと、まともな精神状態ではないんだろうな。

死と隣り合わせの状況で、何でもない日常会話が行えるというのは・・・

 

「どこかのジェダイ・マスターが、率先して開発を手伝ったって聞いたけど?」

 

「ああ、それはもう水を得た魚のように—————」

 

「それは誰の事かな? ぜひ詳しく話を聞かせてもらいたい」

 

そう言って、会話に入って来たのはオビ=ワンだ。

そこそこ良い歳になって来て、髪には少しだが白い線が確認できる。

 

「これはケノービ将軍、恐らく見当はついておられるのでは?」

 

「アナキン、最近会議を欠席する事が多かったのはその為か?」

 

オビ=ワンは溜息を吐きながら、後ろから歩いてきた若きジェダイ・マスターに声を掛ける。

長引く戦争に身を置き、議長誘拐事件(笑)の時にも既に長かった髪は3年の時間経過でさらに伸びていた。

 

「これも大切な仕事です。戦場での死傷者数減少は、軍にとって最重要課題の一つですから」

 

アナキンはさらに洗練された“口”を使い、かつてのマスターに反論する。

もっともらしい事を言われて、オビ=ワンは上手い返しが見つからない様だ。

 

「そんな事より敵が気合を入れ直したようです。レックス、部隊を率いて敵を足止めするんだ」

 

「イエッサー。野郎ども続け!!」

 

「おいアナキン、話はまだ・・・全く、せっかちなのはマスターになっても変わらんか。コーディー、我々も行くぞ。アナキンに負けられないからな」

 

「イエッサー」

 

因みに行動強制チップが埋め込まれ帝国に付いていたコーディーだが、今では以前と同様にオビ=ワンの副官を務めている。

カミーノアンで、クローン製造の責任者をしているドクター・ナラセにもお墨付きをもらって軍務に復帰したのだ。

 

「ああズルい!! グレガー、私たちも行くわよ!」

 

「はい、タノ将軍」

 

クローン・コマンドーのキャプテンだったグレガーは、今ではコマンダーに昇進し、ジェダイ・ナイトであるアソーカの副官を務めているのだ。

 

「おいファイヴス、俺たちも競争といこうや。エコーもやるだろう?」

 

「仕方ないな。カタップはどうする?」

 

「俺は遠慮しておく。一人は審判が必要だろ?」

 

元ドミノ分隊の面々も相変わらずだ。

ヘヴィーを筆頭に、非常に良い雰囲気が出来ている。

彼らを見るとかつての俺たち(ARCS)を見ているような気持になる。

 

「大丈夫かレイ?」

 

「・・・ああアディス、問題ない。さっさと故郷を救ってしまおう」

 




はい、お疲れ様でした。

少し短いですが、キリが良かったので今回はここまでで許して下さい。
ありがとうございます。
本当に助かります。

ここから完結に向けてどんどん進めて行きたいと思っておりますが、あくまで私の願望なので気長にお付き合い下さい。

一応、今のところはハッピーエンドを目指していますが、完結後にパラレルワールド的な感覚で『バッドエンドパターンを投稿するのも面白いかなー』なんて思っていますが、ここはアンケートなどを使って考える事にします。
ご協力頂ければ幸いです。


それではまた近いうちに・・・
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