自衛官だったけどクローンになったのでジェダイを救ってみた   作:みどり色

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第83話 取り敢えず追いかける

その時、町の北側から激しい爆発音が響いた。

 

「マスター、あの方向って・・・」

 

「ああ、またアイツが何か仕出かしたに違いない」

 

そう思ったのも束の間、施設のあちこちから激しい爆発音が鳴り響く。

 

「嫌な予感がするな・・・」

 

 

 

 

 

何よりも自分の身を大事にするグリーヴァスが、自爆と言う選択をするとはここにいる誰にも予測する事が出来なかった。

激しい爆発により、辺りは煙や瓦礫によって視界が効かない状況だった。

 

「・・・無事か、アディス、オーリー?」

 

「痛てててて、あのゴキブリちゃんが自爆するなんて、そんなのアリか?」

 

「くっ・・・ここは戦場だ、何でもあり得るさ」

 

近距離での爆発だったが、俺たちは衝撃による軽い脳震盪程度で済んでいる。

明らかに被害が少ない。

 

少しずつ視界が晴れてきたため、周囲を確認するとアディスの専用装備である【アイギス※】がスクラップになって散らばっていた。

※(非常に小さい、球体状の兵器でアディスの専用バックパックに無数に搭載されている。この球体一つ一つからブラスターによる攻撃が可能)

 

・・・なるほど。

アディスが専用装備を展開したことにより、爆発のエネルギーを【アイギス】が吸収、分散してくれたのか。

 

俺は即座に新装備のIVAS(統合視覚増強システム)を使い、ヘルメットのディスプレイに表示される情報を確認する。

 

この場から離れる赤い点が表示されている。

恐らく・・・というか十中八九グリーヴァスの野郎だろうな。

奴が自爆するなんておかしいと思ったんだ。

 

「レイ、無事か!?」

 

そう言いながら駆けつけてくれたのはアナキンだ。

彼も埃などで汚れてはいるが、大きなケガなどは無いようだ。

 

「ああ、アディスのおかげだ。部隊の奴らは?」

 

「アディスの? ・・・なるほど、そういう事か。 他の皆も無事だ。だがまさかグリーヴァスが自爆するとは・・・」

 

アナキンは周囲に散らばっている無数の【アイギス】の残骸を見て納得したようだ。

アディスの機転がなかったら被害は甚大なものになっていたのは言うまでもないだろう。

 

「いや、ここから離れる敵性反応が確認できる。おそらくあのゴキブリ野郎だろうな」

 

その時、IVASの警告音がヘルメット内部に鳴り響く。

敵の大部隊だ。

 

「くそ、こんな時に・・・レックス、部隊を防御陣形に! 体勢を立て直す!」

 

「イエッサー!」

 

大量の瓦礫と粉塵の中から、スーパー・バトルドロイドとストーム・トルーパーの混成部隊が姿を現してきた。

ドロイドを盾に、ストーム・トルーパーの正確な射撃がこちらを狙う。

 

「くそっ! ブリキ野郎を盾にするとは考えたな」

 

そう言うのは、敵に応戦するレックスだ。

こちらは生身の人間しかいないが、向こうは機械と人間の混成部隊。

敵さんは取れる戦術の幅が広いのだ。

 

「アナキン、俺たちはグリーヴァスを追う、ここを任せても良いか?」

 

「わかった! 手負いとはいえ、何をしてくるかわからない。気を付けるんだぞ?」

 

「ああ、わかっている。アディス、オーリー、付いてこい!」

 

 

 

 

 

まずいな。

奴が向かっているのは、ジャンゴ・フェットの遺伝子コードや成長の初期段階のクローンが格納されているティポカシティの中枢だ。

加えて帝国を迎え撃つために、大半の戦力が“外”側に集結している。

 

あの中枢をやられれば、俺たちは新しい世代のクローンを全て失うことになる。

クローンを失った銀河連合の未来がどうなるかは言うまでもないだろう。

 

「レイ、あの方角は—————」

 

「ああ、俺たちの“兄弟”に危険が迫っている。オーリー、応援を呼べるか?」

 

「・・・ぜーんぜんダメだ、さっきから本部に呼び掛けているけど、誰からも応答がない」

 

ジャマーか?

応援を呼べないとなると、俺たちだけでどうにかするしかなさそうだ。

この胸をざわつかせる感覚が、俺の気のせいだと良いんだけどな・・・

 

「レイ? 何か気になることが?」

 

俺の様子を見て、アディスが声を掛けてくれる。

 

「・・・問題ない。先を急—————」

 

その時、ティポカシティのあちこちから激しい爆発が起こる。

建物全体が揺れる程の激しい連鎖爆発だ。

 

同時に天井の上を通るダクトから、大量の“何か”が動き回っている音が聞こえる。

ジャマーの影響でIVASが正常に作動していなかったのか?

 

「ダクトに何かいるぞ!」

 

俺の声に反応して、2人はそれぞれのブラスターを天井に向かって構える。

 

「!! レイレイ! 上だけじゃない! “壁”にもいる!!」

 

オーリーの警告と同時に、壁の中やダクトに潜んでいた“何か”が高温になっていくのを何とかIVASが捉える。

 

3人は今までの経験から、反射的に同じ行動をとった。

それぞれが装備していた、新型のEMPグレネードを四方八方に投擲する。

グレネードに内包されていた電磁パルスが放出さ、爆発寸前だった“何か”の機能を停止させる。

 

しかし、EMPの範囲外にいた“何か”の機能を停止させることは叶わず、決して小さくない爆発が連鎖的に発生する。

俺たちは爆発を完全に抑え込めないとみると、直ぐさま身の安全を優先する。

 

アディスとオーリーは、新型のARCSトルーパー・アーマーに装備された高周波ブレードを、俺は元々装備していたベスカー製の高周波ダガーをそれぞれ用いて、真下の床の切断に掛かる。

 

何とか連鎖爆発が襲い掛かってくる前に床下へと避難する事に成功するが、爆発による圧倒的な熱量と瓦礫の山が3人を襲う。

 

俺はベスカー製のアーマーを着込んでいる為、2人の上に覆い被さる。

少しでも彼らに被害が及ばないようにする事くらいしか今できる事はない。

 

永遠にも感じられる爆発は、突然終わりを迎える。

どんなに耐久性に優れているベスカーとはいえ、装着者への衝撃をゼロに出来る訳ではない。

全身に襲い掛かって来た衝撃、特に頭部へのダメージが大きく俺は軽い脳震盪に陥っていた。

 

「—————!!」

 

「—————!?」

 

物事を正常に認識する事が出来ない。

仲間の声を“音”として聞くことはできるが、意味のある“声”として認識する事ができない。

そのまま俺は意識を手放した―――――

 

 

 

―――――数秒だったのか、数分だったのか・・・

ブラックアウトした状態から、徐々に意識がハッキリとしてくる。

 

周囲を確認すると、辺りは爆発によって瓦礫の山となっている。

壁は崩れ、天井や床の一部は崩壊している。

 

瓦礫の山の中には、機械の部品のような物が混ざっており、その中でも損傷の少ない個体が確認できる。

“バズ・ドロイド”だ。

 

「・・・なるほどな。バズ・ドロイドか」

 

「レイ、気が付いたか」

 

「レイレイが上に乗ってきた時は重くて死ぬかと思ったぜ! もうしないでね?」

 

どうやら2人には大きな怪我等も無いようだ。

・・・良かった。

これ以上、仲間を失う事に耐えられそうもない。

「・・・オーリーの上には武器・装備、弾薬などもこれ以上ない程の量を身に着けてから覆い被さる事にしよう」

 

「どして!?」

 

「そんな事よりも身体は大丈夫か?」

 

オーリーの話などどうでもいいと言うように、アディスが声を掛けてくれる。

そんなオーリーは言うと、

『重くて死んじゃうよ?』

とか、

『レイレイの事を思って言ったのに・・・オーリー泣いちゃう』

など、耳障りなセリフを吐き続けている。

 

「・・・ああ、問題ない。ベスカー様様だな。そんな事よりも早くグリーヴァスを追おう」

 

「了解した」

 

素早く床下から抜け出した俺とアディスは、グリーヴァスを捕まえるためにティポカシティの中心へと歩みを進める。

 

「―――――俺はレイレイが気を使わないようにあえて・・・ってあれ? 2人はどこ行った? おーい、待ってくれよー!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・嘘だろ?」

 

俺にはオーリーの呟きが耳に入ってこなかった。

視界に入ってくる惨状によって、思考が正常に機能していないようだった。

 

「未来が・・・俺たちの“兄弟”が・・・」

 

目の前にはバズ・ドロイドの連鎖爆発によって破壊された成長カプセルの残骸が広がっていた。

 

彼らは生きたまま、抵抗もできない状態で焼かれたのだった。

 




はい、お疲れ様でした。

久しぶりになってしまって申し訳ない・・・
少しずつ執筆はしているので、気長にお付き合いください。

メッセージや感想を下さった方には、時間見つけて返信します!
執筆のモチベーションは送ってくださる方々に支えられています。
本当にありがとうございます。


それではまた近いうちに・・・
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