殺戮のダンジョンマスター籠城記 ~ヒッキー美少女、ダンジョンマスターになってしまったので、引きこもり道を極める~   作:カゲムチャ(虎馬チキン)

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108 大乱戦

「《ブレイブソード》!」

「《ディザスターブレード》!」

 

 魔王と勇者が、今度は互いのスキルをぶつけ合う。

 その余波だけで雑兵魔物は消し飛び、雑兵兵士も吹き飛ぶ。

 ただ、兵士の方は雑兵でも精鋭揃いらしく、この程度で死ぬ奴はいなかった。

 こっちの幹部達も同じく。

 オートマタは、対策してなかったらヤバかったかもしれない。

 

「死に晒せ━━『オニマル』!」

「喰らいなさい━━『グラトニー』!」

「跪け━━『ロードウィップ』!」

 

 そして、魔王に続けとばかりに幹部達が真装を解放して神道に突撃する。

 でも、それを阻むように展開した集団がいた。

 白を基調とする鎧を着た、いかにも強そうな連中。

 その鎧は、前に見たエマとかいう女が着ていた物に酷似している。

 つまり、あいつらは十二使徒の可能性が高い。

 

「鳴動せよ━━『ヨルムンガルド』!」

「剣を掲げろ━━『ランスロット』!」

「導きたまえ━━『オルフェウス』!」

「祝福あれ━━『ミカエル』!」

 

 十二使徒もまた真装を解放し、幹部達を迎え撃つ。

 この場にいる十二使徒っぽい奴は8人。

 多分、あとの4人は別方面の守りに行ったんだと思う。

 どうやら、戦力の分散には成功したみたいだ。

 

 それでも、十二使徒が8人は多い。

 こっち方面に来てる幹部は20体もいるけど、数で劣る十二使徒を突破できてない。

 技術と連携の差だ。

 人間の努力の結晶が、数でもステータスでも勝る魔物達を手玉に取っている。

 というか、幹部達は思考回路が単純すぎて、魔王の援護をしようなんて気がサラサラない。

 目の前の敵を攻撃する事しか頭にない感じだ。

 それを利用して、使徒は自分に攻撃を集中させ、神道の邪魔をさせないように誘導している。

 それでいて、使徒の方は少しは神道の援護をする余裕がある。

 完全に手玉に取られてるじゃん。

 これだから脳筋は。

 

「ぐぁああああ!?」

 

 あ、オーガキングが斬られた。

 死んではいないみたいだけど、追撃かけられたら死ぬかも。

 回収の為に近づいておこうか。

 

 でも、そんなオートマタの動きを邪魔する連中がいた。

 

「《ギロチンスラッシュ》!」

 

 大鎌を持った男がオートマタに襲いかかってくる。

 それを後退する事で回避。

 結果としてオーガキングの回収はできなかったけど、視界の端で復活してるのが見えたから、どっちみち無理だったっぽい。

 それはいいとして、問題は目の前の男だ。

 鑑定した結果、あの大鎌は真装。

 そして、こいつのステータスは真装込みで約5000。

 

 中々の強敵。

 しかも、そんな奴と同格っぽいのが、あと3人追加でやって来た。

 それぞれ、大剣、双剣、短剣を持ってる。

 敵は勇者と十二使徒だけじゃないって事だ。

 対して、こっちの戦力はオートマタと護衛のミスリルゴーレムが3体。

 ミスリルゴーレムのステータスは約5000。

 まあ、そう簡単には負けないと思う。

 ちなみに、他の戦力は乱戦で失いたくないから、ダンジョンに置いてきた。

 

「その風体、貴様、勇者様襲撃の主犯、ホンジョウ・マモリだな?」

「女神様の遣いたる勇者様への狼藉。その罪、万死に値する」

「我ら女神教聖騎士団が貴様を滅殺してくれる」

「ここで、死ぬがよい!」

 

 真装使い4人組が突撃してくる。

 私はミスリルゴーレムに指示を出し、その内の3人を足止めさせた。

 こいつらとミスリルゴーレムのステータスはほぼ互角。

 でも、戦闘技術と真装による専用効果を加味すれば向こうの方が上だと思う。

 これだけでは勝てない。

 

「死ね! 《デスワルツ》!」

 

 そして、ミスリルゴーレムの数の問題で止められなかった最後の一人、大鎌使いの男がオートマタを強襲した。

 オートマタのステータスは1500。

 多少の善戦はできても、こいつに勝てるような力はない。

 

 ━━という訳でもない。

 

「な!?」

 

 私はオートマタをリビングアーマー先輩の如く手動操作し、左手の盾で大鎌の攻撃をスルリと受け流した。

 反撃に右手の剣を大鎌使いの男に向かって突き出す。

 その速度は男の想定を超えていたのか、攻撃を受け流されて体勢が崩れていた事もあり、男の左腕を切断した。

 

「ぐぁ!?」

 

 痛みで硬直した隙を見逃さず、追撃。

 足で蹴り上げ、男の象徴を破壊する。

 

「ッ~~~~~~~!?」

 

 そして、今度こそ完全に動きの止まった男の首を剣ではねた。

 真装使いを殺した事により、それなりのDPと経験値が入ってくる。

 ついでに、死体はダンジョンに送ってゾンビ化しておいた。

 

「サイス!?」

「どうなっている!? こいつ自身の戦闘力は低いんじゃなかったのか!?」

 

 大鎌使いの男があっさり殺られたのを見て、残りの連中が動揺していた。

 なるほど、こんなあっさり殺れたのは、前情報のせいで油断してたからか。

 実にラッキーだった。

 

 オートマタがこんなに強くなってる理由。

 それは、オートマタが武装しているからに他ならない。

 今のオートマタは、両手足にオリハルコンの鎧を、正確に言えばオリハルコン製(・・・・・・・)のリビングアーマー(・・・・・・・・・)を装着しているのだ。

 それに加えて、オリハルコンの剣と盾。

 これによって、オートマタのステータスは飛躍的に上昇している。

 化け物揃いの乱戦の中に、雑魚いままの戦力を送り込むとでも思ったかバカめ。

 最低限、漁夫の利をかっさらえるだけの強化はしてるわ!

 

 ちなみに、このオリハルコンは、アワルディア共和国の宝物庫から回収できたやつ、その余り物だ。

 創造ゾンビの生産力は、ミスリルゴーレムの量産の方に割いている。

 だからこそ、量が不足して両手足分を確保するのがやっとだったんだけど。

 まあ、それも今はどうでもいい。

 

 今は敵を殲滅するのが先だ。

 私は、オートマタを残りの3人に向けて突撃させた。

 

「正面からだと!?」

「舐めるな!」

「初見でなければ、貴様程度に後れを取る我らでは……何っ!?」

 

 そう騒ぐ3人組に対し、私は並列思考と演算能力のスキルを使い、ミスリルゴーレムを手動操作に切り替える事で対応した。

 急に動きが良くなり、魔物とは思えない連携を見せるようになったミスリルゴーレム達を相手に、3人組は動揺した。

 その隙が命取り。

 すかさずオートマタの一撃により、一人の首を斬り飛ばす。

 

「ニック!」

「おのれ!」

 

 あと二人。

 ここまで来れば、後は容易い。

 数で上回ったミスリルゴーレム達の流れるような連携によって、残りの二人を翻弄する。

 そこへオートマタを暗殺者のように使い、あっさりと致命傷を与える事に成功した。

 

「クソが……!?」

「女神様……申し訳ありま……」

 

 死んだ3人の死体を回収し、大鎌使いの男と同じく、ダンジョンへ送ってゾンビにする。

 よし、順調。

 順調に漁夫の利を得られている。

 この調子でいこう。

 

 戦いは続く。

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