殺戮のダンジョンマスター籠城記 ~ヒッキー美少女、ダンジョンマスターになってしまったので、引きこもり道を極める~   作:カゲムチャ(虎馬チキン)

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70 冒険者登録(殺)

 やっぱり、これからも人間社会に潜入して情報収集するなら、身分証はあった方がいい。

 そこで目を付けたのが冒険者。

 今までの旅で、冒険者の資格があったらなー、って思った事は一度や二度じゃないもの。

 

 という訳で、私が冒険者になる為の質問タイムである。

 もちろん、質問と書いて尋問と読むやつだ。

 もしくは拷問。

 

「さて、一応聞きますが、あなたがギルドマスターでいいんですよね?」

「…………」

「質問に答えなさい」

「ぐっ……!? ああ、そうだ」

 

 私は、ギルド職員の中で一番偉そうな服を着ていた中年男性に話しかけた。

 黙秘されたので、調教のスキルの効果で命令(・・)し、まるで奴隷紋のように痛みを与えて、言う事を聞かせる。

 貴様に黙秘権などない。

 ちなみに、術者である調教ゾンビでなくとも命令は下せるのだ。

 調教ゾンビに「この人()の言う事に従え」と命令させればいいんだから。

 

「では、これからいくつか質問をしますので、正直に答えるように」

「クソッタレがぁ……!」

「とりあえず暴言禁止です。お仕置きですね」

「あがっ!?」

 

 調教の支配下にあってなお反抗するギルドマスターを黙らせるべく、私はオートマタの蹴りをギルドマスターの股間に叩き込んだ。

 リーフもこれで素直になったし、調教にはこれが一番な気がする。

 そして、私は股間を押さえて悶絶するギルドマスターに、最初の質問をした。

 

「まずは確認です。冒険者登録の方法ですが、鑑定石を使ってステータスをチェックし、最低限の基準に達していれば、最下級のF級冒険者として登録して、冒険者カードを発行する。

 それで間違いはありませんね?」

「お、おぉぉ……!?」

「痛がってないで答えなさい」

「うぐっ!? そ、そうだ」

 

 ギルドマスターはそう言ったけど、なんか痛みで話を聞いてない感じがして不安だったので、念の為に一緒に捕まえておいた受付嬢っぽい女にも質問。

 答えは同じだった。

 ふむ。

 なら、本当か。

 今朝、リーフから聞き出した通りだ。

 

「そして、普段は冒険者カードの機能を使って身分を証明する為、鑑定石を使うのは登録の時と昇級の時くらいしかない。

 これも本当ですか?」

「ほ、本当だ!」

「その理由は?」

「ス、ステータスは重要な個人情報だ。手の内が割れる事は、自分の生死に直結する。

 それを常に把握される事をよく思わない奴は多い。だからだ」

「なるほど。つまり不満によって冒険者が離れないようにする為、ですか?」

「そうだ!」

 

 うん。

 なんとなく納得はできるね。

 

「次の質問です。冒険者カードの機能を全て答えなさい。特に、カードに記載される情報を優先的に」

「わ、わかった」

 

 この質問の結果、冒険者カードの機能は大きく分けて二つしかない事がわかった。

 一つは、偽造防止の機能。

 冒険者登録の時に、奴隷紋の時みたいな魔力の登録を同時にするらしく、他人が使ったり、偽物のカードを作ったりすると、即行でバレるらしい。

 

 で、二つ目が、登録者の簡単なステータスを記録する事。

 まあ、記録するのは名前と種族くらいだそうだけど。

 でも、その情報は、ギルドが持ってる冒険者カードを読み込む魔道具によって確認されるみたいで、やっぱり偽る事ができないらしい。

 なるほど。

 

「なら、冒険者カード作成時に、記録内容をギルド側で(・・・・・)改竄する事はできますか?」

「そ、それは……」

「答えなさい」

「うぐぅ!? で、できる! できる筈だ!」

 

 更に詳しく聞き出したところ、冒険者カードへの記録は職員の手作業でやるらしいので、そこで間違った情報を入力する事は可能なのだそうだ。

 偽造はできなくても、製作者側が手を加える事はできる。

 つまりは、そういう事だ。

 

「では、そこの方。私の冒険者登録をお願いします。内容は私が指示したように記録してください。

 そして、他のギルドで使われた場合でも不具合がないように、不自然がないように、普通の冒険者と同じように登録してくださいね」

「は、はい!」

 

 私はギルドマスターから目を離し、受付嬢と思われる女にオートマタの剣を向けて脅しながら、そう言った。

 まあ、そんな事しなくても調教による支配からは逃れられないと思うけど、念の為だ。

 これなら多分、変な事しようとも思わないだろう。

 更に念の為に、冒険者カードとそれを作る機材を鑑定しておいた。

 結果、問題なし。

 隠された機能とかもないみたい。

 

 そうして、私の冒険者カードの作成が完了した。

 種族は人族で、名前はラビ。

 この偽名はラビリンス(迷宮)から取った。

 安直だけど、まあ、大丈夫だろう。

 

 今回に限って偽名を使った理由は簡単。

 私の名前が、逃げた神道を通して人間側にバレてる可能性が非常に高いからだ。

 そうなると、今までのように本名で活動すると、身バレして討伐されかねない。

 それは避けたい。

 

 それに伴って、オートマタの外見もちょっと変えるつもりだ。

 具体的には、黒髪を金髪にする。

 顔の変更は無理なのでやらない。

 それに、顔を変えなければ、神道の戦意を多少は衰えさせられるかもしれないしね。

 

 で、最後に冒険者ランクだけど。

 これはC級とS級の二つのカードを作る。

 

 リーフに聞いた話だと、この世界における冒険者は、最下級のF級とE級が駆け出し。

 D級になってやっと一人前で、C級は中堅。

 B級がエリートで、A級が超人。

 最上級のS級は人外。

 そんな感じの格付けがされてるらしい。

 ちなみに、奴隷になる前のリーフがE級で、リーフの父親がC級。

 リーフの前の主人はA級って話だった。

 

 つまり、普通に冒険者として溶け込みたい時にはC級。

 国とかに大きく影響を与えたい時はS級のカードを使うという訳だよ。

 ケースバイケースというやつである。

 

「と、登録完了です」

「ありがとう」

 

 そして、二枚の冒険者カードが完成した。

 受付嬢が、震えながらそれを差し出してくる。

 

 さて、それじゃあ、もう用済みだ。

 

「ご苦労様」

 

 オートマタの剣で、受付嬢の首を斬り飛ばす。

 続いて、ギルドマスターと他の職員もまた、命令して自害させておいた。

 もちろん、疑似ダンジョン領域内で。

 ついでに、死体も還元しておく。

 そうして、手元に残ったのは二枚の冒険者カードのみ。

 これが少しは、この先の仕事の役に立つ事を祈ろう。

 

 最後に、冒険者ギルド内の目ぼしい物を物色してから、建物に火を放っておいた。

 他の建物と同じように、冒険者ギルドも燃えて崩壊する。

 

 こうして、私は冒険者になったのだった。

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