椛「出来たよー!はいどうぞ!」
元気に言ってみんなを呼ぶ。
花葉「わぁい!これなぁに?」
椛「えっとね〜これは、豚カツだよ。豚カツってねぇ肉汁がたっぷりだから美味しいの」
私は、人差し指を出し教えた。
楓「やった〜!豚カツ!僕豚カツ好き!」
楓君はぴょんぴょんと飛び跳ねて、喜んでいる。
葵「モグモグ..ゴクッ...やっぱり椛の手作り料理は美味しいわ」
楓「うん!めっちゃ美味しー!」
椛「あのね?二人とも。出来れば私にいただきますって言ってから食べて欲しかったなぁ」
私は、顔をちょっと黒くして言った。怒っていると言う事がすぐに分かるだろう。
花葉「いただきます?」
椛「花葉くん〜貴方は優しいねー」
花葉くんに、優しく声を掛ける。楓くんだって私に花葉くんみたいな風に言って欲しいはずだ。子供は殆どそういう頭になっている。だが、子供はどうにか出来ても、大人にはどうすることもできない。そこで、私は一つ思い出した。
椛「お姉さん?お姉さんだって私言ったよね?」
私は葵お姉さんに問い掛ける。
葵「何が?」
分かっていない様子だ。説明しなければいけない様だ。
椛「はぁ.....私だって言ったよ?“いただきます”って」
私は一旦お皿を置いて、仕方なさそうに言った。
葵「確かにそうだったわねぇ。じゃ、今からでも良い?」
椛「......良いよ」
私は、ちょっとため息をしてから葵お姉さんに言った。
葵「いただきます!」
花葉「お兄ちゃぁん!美味しいね」
楓「うん!花葉!美味しいね」
花葉くんと、楓くんが、モグモグ、と楽しそうに話している。二人とも仲良くしてくれれば、こちら的にも良いものだ。
椛「あっ言い忘れてたけど、ここ一週間以上はここにいるから大丈夫だからね?」
楓「やった!いっぱい遊べる?」
楽しそうに私に聞いてくる。
花葉「やった!いっぱい遊べる?」
楓くんのを真似して花葉くんが言う。そういえば、なぜそれなりに生きていないのに、花葉くんは何故こんなに喋れるのだろうか? 真似しているだけだからか。
椛「ご馳走さま。で、何でこんなに花葉くん喋れるの?」
葵「あっご馳走さま。分かんない!で、椛?白狼天学校あるじゃない?椛が、行った学校」
椛「うんあるね」
私は興味が全くないが、自分が行った学校なので、話は聞いておこうか。
葵「椛、その学校の教師になったから明日から仕事またあるよ」
椛「ふーん。そうなんだー」
私は興味がなさそうに返事をした。やっぱり興味がない話だ。
椛「へー私がその学校の教師になるんだー......ってえぇ⁉︎もう一回言って⁉︎」
私は大声で言った。花葉君達が驚いている気がするが。
葵「だーかーらー椛が教師になるの」
気付いていなかった私はとても驚いた。単なる私の興味のせいだが。
楓「えー遊べないのー?」
がっかりした顔で、楓くんがモグモグ言った。
花葉「モグモグ?」
豚カツを食べながら“?”と、首を傾ける。いわゆる花葉くんの“?”ポーズらしい。まぁ私は、分かりやすいが。
花葉「ご、ごちそうさま?でいいのー?」
椛「うん!よく出来たねー!頑張ったね」
ニコニコ顔で、花葉くんと話す私。一人一人で態度が違うところは、気にしない。
葵「.....の教科の先生らしいよ」
椛「あ、ごめん。聞いてなかった。もう一回言ってくれない?」
葵「算数、体育の、教科の先生らしいよ?」
体育.....私は得意な教科の一つだ。天魔様にいつも体育みたいな感じでやってるし。もちろん好き。前では、女の子で二位。教える事だって趣味になるかもしれない。
椛「明日からかぁ。また仕事なの?」
私は天魔様の仕事が大変だったのだが。またという事は、今日まで仕事をしていたからだ。
葵「まぁそうね。頑張って!」
励まそうとしているのか、ね! 頑張って! っていう顔で、私を見る。
椛「うん。頑張る頑張る......」
私は、苦笑いをして、言った。
葵「良かった、良かった!元気になってくれて」
葵お姉さんは、元気な顔で喜んだ。そもそも元気になっていないのだが。
花葉「頑張ってね!お姉ちゃん!」
花葉君が、私に向かって、元気に言ってくれた。さっきの、葵お姉さんの言葉よりも私を元気にしてくれた。
楓「僕も通ってるよ!」
椛「え⁉︎そうだったの⁉︎」
私はまた大声で言った。また、ちょっと申し訳ないが花葉君がびっくりしている。
椛「そういえば、私何年のとこの仕事?」
白狼天狗の学校では、壱、弐、参......と、続いて行く。えーっと、大体十ぐらいまであったか。それだったら、十が最高。
楓「えーっとね、僕は、参だったね」
楓君が指を一ニ三......と、指を三つ立ててから、言った。
椛「もしかして、その学年って事は無いよね?」
私は、ちょっと気になって言った。もし、その学年だったらどうしよう。で、もし、本当にもし、だよ? 楓君の組だったらどうしようか。そしたら、とても私は運が悪いようだ......。
葵「えーっとね?参年の弐組だったかな。ちなみに、楓君は同じ弐組だよ!」
椛「えぇぇぇ⁉︎」
私はこれまでに無い大声で言った......いや、叫んだ。
椛「私、運悪過ぎる!」
私は悪夢を見るように、叫んでいる。
楓「え〜?良いじゃん別に!一緒の方が楽しいよ!」
椛「あ、いつのまにかもう十二時だ......。早く寝なきゃ!これは夢なんだこれは夢なんだ」
私自分に言い聞かせるように言う。朝目覚めると夢だったのか! みたいな事に......なる訳ないか。というか、初めから寝過ごしたらめっちゃ恥ずかしい。早く寝なければ。
椛「おやすみ!」
私は急いで寝間に行き、敷き布団の上に寝転がる。そして、直ぐに掛け布団を身体の上にかけ、もう寝る準備になっている。明日どうなっているのか......。