デート・ア・ライブ 黒姫ofクレイジー 作:ゴア・マガラ好き
海水浴場があるからか、皆が水着に着替えている。
しかし、私は持ってきていない。
理由は簡単だ。
忘れていた、これにつきる。
だから私は制服でそこらを歩き回るしかできない。
······シドウと精霊二人がおらぬな。
盗視でもするか。
······ほう、なかなか面白いことになっているではないか。
にしても、プライベートビーチ、か。
あの女教師にそれを買える財力があったのか。
それとも、組織がこれのためにわざわざ買ったのか。
「黒姫ちゃん、こっち来てみて!」
「なんだ?亜衣」
「見て欲しいものがあるのよ。······ププッ」
笑いが盛れているぞ、亜衣よ。
私が亜衣について行くと、そこには体が埋められ、頭しか出ていない殿町と、カメラマンとしてついてきたエレン・メイザースがいた。
そして、二人の頭の位置は、砂に描かれている絵にぴったりになっている。
「ほう、これはなかなか······」
「でしょ!」
「ププッ」
「マジ、引くわー!」
三人の顔は喜びで満ちている。
「カメラマンよ、カメラを渡せ。撮ってやろう」
「え、ええ······?」
私の言葉に、エレンは困惑している。
「黒姫ちゃん、カメラは既に!」
「よくやった。それでは撮るぞ。三、二、一」
私はそう言い、シャッターを切る。
殿町は笑顔で、エレンは苦渋を飲んでいるような顔をしている。
「なかなか良い顔をするな、カメラマンよ」
「くっ······!今すぐここから出しなさい!」
「どうする?あ────」
私がそう言い、三人がいた方に意識を向ける。
が、そこに三人はいなかった。
そこから離れ、私を手招きしている。
「なるほど、それではさらばだ。殿町、カメラマンよ」
「ち、ちょっと待ちなさい!」
「エレンさん、これも、運命ってやつなんでしょうね」
私をよぶエレンに、キザなことを言う殿町。
さよならだ、少し強い人間。
夜、私は不穏な気配を感じ、外に出ていた。
「······ほう、やはりお前が来たか。カメラマンよ」
「あなたは······早く戻った方が良いのでは?」
「いや、必要ない。私はお前を待っていた、と言っても過言ではない」
私がそう言った瞬間、辺りに強い風がは発生する。
「なんというタイミングなのか······まあ良い。私と戦わないか?エレン・メイザースよ」
「······何故、あなたと戦う必要が?」
「人間如きが、私に理由を用意しろと?」
私はそう言い、霊装を呼び出す。
「〈
私は霊装を纏い、エレンと対峙する。
「······なるほど、あなたが〈アンノウン〉でしたか」
「これくらいも見抜けぬようじゃ、楽しめぬかもしれんな」
挑発するように言うと、エレンは私を睨みつける。
「それは、私に対する挑発ですか?」
「当たり前だろう」
「······そうですか。〈バンダースナッチ〉隊、行ってください」
エレンがそう言うと、どこからか人型の機械が現れ、私と隠れていたもう二人を囲む。
「隠れているのは知っていましたよ」
「くっ······こんなことをしている場合じゃねぇのに······」
エレンの言葉で現れたのは、シドウと十香だった。
「私も知っていたぞ、シドウ」
「······そうかよ」
おや、やはり私は嫌われてしまっているのか。
なら安心だ。
「シドウ、そして十香よ。自分たちの分は、自分たちで片付けろ」
私はそう言い、片手剣の「アンクofシーカー」を出現させ、〈狩技〉の名前を言い、使用する。
「〈ラウンドフォース〉」
そう言い、その場で横に回転し、囲んでいる機械を破壊する。
「さて、手加減はしてやろう。せめてもの慈悲だ。ありがたく受け取れ」
「慈悲を受けるのは、あなたです〈アンノウン〉!」
エレンはそう言い、私に剣を振り下ろす。
私は片手剣を消し、双剣を出現させる。
そして左側で防ぎ、右側で反撃に出る。
「軽いな」
私はそう言い、エレンに向かって歩く。
「くっ······私に傷をつけた精霊は、あなたが初めてです」
「ほう、まだ強がれるか。人間」
何故だろう。
私は戦っているのに、楽しくない。
「今なら見逃してやろう。退け」
「······精霊如きが、調子に乗るんじゃありません!」
エレンはそう言い、近づいてくる私に剣を振る。
私はそれを後ろに飛ぶことで避ける。
「私は世界最強の〈
その言葉を聞き、私の中にあった最後の希望まで消え失せた。
「そうか────なら死ね」
そう言い、エレンに双剣を投げつける。
それは弾き返されたが、私は翼脚を広げ、エレンを叩きつけた。
「がはっ······!」
「面白くない、楽しくない、戦いたいとも思えない。つまらないつまらないつまらない。こんな実力に見合っていない称号を持った人間は、私を不機嫌にさせるだけだ。そんな人間、今すぐ殺してやろう。自分を最強だと思い込んだ愚かな人間に、成長の余地などない。思い直す機会も与えない。私は手加減しない。惨殺し、私の苗床としてくれる」
私はそう言い、翼脚でエレンの頭を掴む。
そして力を入れ、そのまま頭を潰し────。
「やめろぉぉぉ!」
その声と同時に、横から剣が振り下ろされる。
私はそれを、翼脚で弾き返す。
「ぐあ······っ」
「十香!」
十香は近くの木にぶつかる。
それを見たシドウが、十香の名前を呼ぶ。
「邪魔をしないでほしいところだ。十香よ」
「何故、その人間を殺そうと、するのだ?」
何を言っているのだ。
それは先程全て言ったはずだ。
「つまらないからだ。そんな人間、私の前から消してやる」
私はそう言い、翼脚に力を込める。
「ぎっ······!」
エレンから苦しむ様な声がする。
「何故、つまらないのだ?」
まだ言うのか、この精霊は。
「弱いからだ。そして、これから先、一生こいつは強くなれない。これなら、折紙とかいうやつの方が、数千倍マシだ」
「そうか······なあ、何故、戦うのだ?」
「「龍」になるためだ。そして、あの地に帰り、あの人間と再び戦う」
それが、今の私にとって、「ゴア・マガラ」にとっての全てだ。
「龍」として君臨しても、あの人間に勝たない限り、私は「龍」と名乗れない。
「なら、その人間を殺す意味は、ないのではないか?」
「何故だ?」
「お前が戦いたいのは、お前の言う人間なのだろう?なら······周りを傷つける必要なんて、ないではないか」
「闘争を求める。これは本能だ。それに傷つける程度で終わらせるはずもあるまい。徹底的に殺す」
本能には、簡単には抗えない。
それに、私は抗う気などさらさらない。
私は本能に身を委ね、それを快楽として生きてきた。
そして、これからもそう生きる。
「もう話すのも無駄だ。このような傲慢なゴミは、さっさと廃棄してくれる」
私はそう言い、翼脚にさらに力を入れる。
「が······っ、あ、あ······」
エレンはそう小さく漏らし、気絶した。
「······ふん、殺す気まで失せさせるとはな。どこまでも愚かなままでいるのだな」
私はそう言い、エレンを木に向かって投げつける。
そして私は、その場を去ろうとする。
「待て、〈アンノウン〉!」
「······シドウか、その名で呼ぶのだな」
「······十香の前だからな」
なるほど、シドウは私が十香と仲がいいと知っているのか。
「で、何の用だ」
「お前が戦いたいのはわかった。誰かに勝ちたいというのもわかった。でも、その勝ちたい相手はどんな人間なんだ?お前を相手に勝てる人間なんて······」
「────わかっていない」
「え?」
「全くわかっていない。戦いたい?確かにそうだ。楽しい戦いをしたい。勝ちたい?違うな。私はあの人間と「戦いたい」のだ。その結果、敗けようが勝とうが、どっちでもいい。確かに敗北は悔しい。だが、それ以上に戦いたい。そのために戦い、強くなるのだ。私のことをわかった気になどなるなよ、人間」
「······」
「それでもわかりたい、とでも言うのなら、まずはこの風をどうにかしてこい。それくらいしなければ、わかる価値はない」
「······わかった。この風を止めればいいんだな?」
「ああ、そうだ。嘘は言わん」
私が言うと、シドウは二人の精霊が戦っている方に走る。
さて、どう止めるのか見ものだな。
「二人とも、やめてくれ!」
士道は二人の精霊、八舞耶倶矢と八舞夕弦に向けて言う。
しかし、二人にその声は届かない。
「やめてくれ!やめろ!」
士道は必死に叫び続ける。
それでも二人には届かない。
「頼むから······やめてくれぇぇぇ!」
その瞬間、風が真っ二つに斬り裂かれた。
戦っていた二人は、斬撃が飛んできた方を見る。
「これ、は······〈
士道の手元にあったのは、十香の天使、〈
「士道······!?まさか今の······あんたが······?」
「驚愕。まさか。凄まじい霊力でした」
やっとこっちを見たか。
士道はそう思う。
「頼む······戦いを、やめてくれ!」
士道は二人に向かい、そう言った。
「なるほど、己の中にある力を使ったか」
私はシドウを見てそう呟く。
そして、新しい疑問を得た。
もし、私の天使をシドウが使えば、どうなるのだろう、と。
ただの興味だ。
実際に力をくれてやる気なんてない。
それに、見せてやる気もない。
少なくとも、シドウ一人に対して、天使は使わないだろう。
使わずとも、楽しめれば自然と勝てる。
「ん?あれは······」
風が止むと、空から鉄の塊が落ちてきた。
······私にはどうでもいいか。
どうせ、あいつらが止めるだろう。
ここで止められなければそれまでだ。
「さて、部屋に戻って寝るとするか」
私はそう言い、霊装を解除する。
そして欠伸をしながら旅館に帰った。
はい。
エレンさんに対して言っていることは、全て黒姫の性格だったら言うだろうなぁというものなので、僕がそう思っているわけではありません。
今回は長いセリフが多くなりましたね。
黒姫のだけですが。
エレンさん······次登場する時が怖いです。
夕弦の最初に漢字二文字言うあれ、考えるの難しいですね()
アンケート······かなり面白い票の変動具合です。
どうなるか楽しみですw。
バッドエンドとハッピーエンド、どちらを先にみたいですか?
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バッドエンド
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ハッピーエンド