デート・ア・ライブ 黒姫ofクレイジー 作:ゴア・マガラ好き
あの戦いから数日。
あのあと、士道は美九の霊力の封印に成功した。
そして今、士道は黒姫の席を見ていた。
いつもなら既に来ている時間のはずなのだが、ここ数日の間、一度も登校していない。
「シドー?どうかしたのか?」
「······え?い、いや。なんでもない······」
十香の問いに士道はそう答える。
だが、黒姫が心配なのは十香も同じはずだ。
あのあと一体何が────。
「みなさーん。席についてくださーい!」
担任のタマちゃん先生の声で思考は中断される。
「えーっとですね。今日も黒姫さんから伝言があります」
そう、最初の休みからずっと、黒姫からの伝言が先生の口から聞かせられる。
今までは亜衣麻衣美衣や十香の心配をしているようなものだったのだが······。
「えっと······『イツカシドウよ。いい加減私の巣に来るがいい。これからについて話をしよう。責任はきちんととってもらう』······ということなんですが······どういうことですか?五河くん?」
先生が言った瞬間、教室内にざわめきが起こる。
「あいつまさか黒禍さんにまで······!?」「それに責任とってもらうって······」「最近休んでたのってそういうこと!?」「クズだ!こいつは人間のクズだ!」
「ち、ちょっと待ってくれ!誤解だ!」
士道は言うが、誰も信用しているとは思えない顔をしている。
その時、士道に折紙が抱きつく。
「お、折紙サン······?」
「黒禍黒姫にもしたのなら。私にもしてほしい」
「してないからな!?」
士道は言うが、折紙は士道を離さない。
「ああもう!誤解を招くことを言うなぁ!」
士道はその場にいない黒姫に向かって叫んだ。
放課後、士道は十香の案内で黒姫の家に来ていた。
「十香は先に帰っててくれないか?」
「うむ、わかったぞ士道!」
十香は言うと、家に向かって走っていった。
「よし······」
士道は意気込み、インターホンを鳴らす。
『誰だ?』
「俺だよ。五河士道」
『そうか。では入るがいい。鍵は開けてある』
黒姫の言葉を聴き、扉を開けて家の中に入る。
「暗いな······電気は······」
士道は壁に手をつけて歩く。
「息災であったか?シドウよ」
「く、黒姫?どこにいるんだ?」
「ん?ああ。今電気をつける。普段つけていないのでな」
黒姫が言うと、部屋の電気がつけられる。
それにより、士道は壁に手をついて立っている黒姫の姿を確認した。
よく見てみると、白い肌のところどころに傷があった。
「お前たちのおかげで、こんな身体になってしまった」
「······それはすまん」
「いや、謝る必要なぞ微塵もないぞ。むしろ感謝したい」
「なんでだ?」
「私が元いたところでは、敗ければ死のみだった。私も殺す気で戦ったのだが······そんな私を生かしておいてくれるとはな······感謝しかない」
「······なぁ、教えてくれないか?お前のことについて」
士道が言うと、黒姫は少し悩むような動作をしたあと言った。
「他言無用で頼む。それだけが話をする条件だ」
いつになく真剣な顔で言う。
「ああ。わかった」
「────では座ってくれ。今から話そう。私が体験した過去と、記憶にしかない過去を────」
────私は竜だった。
それは何度も何度も言ったことだ。
数日前の出来事で、シドウも信じているだろう。
あの姿は私の元の姿だ。
今の姿は私のものじゃない。
「黒禍黒姫」という人間のもの、と私は考えている。
ま、今はその名を使っているわけだがな。
私は元いた場所······いや、元いた「世界」で、多くの生物を死の淵に立たせた。
魚に虫、鳥に竜。
そして人間。
直接的にではないにしろ、だ。
直接殺したこともあるがね。
私の鱗粉には竜を狂わせる作用があってね。
それを吸った竜は狂い暴れ、人間に処理された。
私の同胞も、その中にいたかもしれんな。
そして次はお前が最も気になっていることだろう。
私を殺した人間についてだ。
あの人間とは何度か戦った。
一度は気まぐれで。
二度目は私が襲った人間を助けるために。
そして三度目、私とあの人間の最終決戦。
そこで私は死んだ。
それからすぐのことだった。
私がこの世界で目覚めたのは。
そしてお前たちと出会い、暮らしてきたわけだ。
次の話、「黒禍黒姫」の話をしよう。
私が疑問を感じ、調べるに至った理由は美九だった。
私はつい数ヶ月前に来たばかりのはずだ。
なのに、私の名前を知っていた。
それに、あったのは私が目覚めるより前という。
そして私は調べ尽くした。
色々わかったが、それよりも謎が多い。
家庭は竜を信仰しているカルト宗教の一家だということ。
「黒禍黒姫」は私と入れ違いで行方不明になっていること。
そして、そいつが私の力を使って家族を殺したこと。
今わかっていることはこれだけだ────。
「────私はこれからも探っていくつもりだが······その過程で何があろうと、私の邪魔はさせんぞ」
「────」
士道は驚きを隠せない。
別の世界での戦い。
そしてあの竜に一人で勝利した人間。
黒姫の話は士道に受け入れられるようなものではなかった。
そもそもあの竜を一人で倒せるというのが信じられない。
多くの精霊の力を借り、やっと落ち着かせることができたのだ。
それに、黒姫が黒姫じゃないという話も、簡単に信じられる話ではない。
「······なあ、黒姫。これからもその······黒姫のことを調べるんだろ?なら、何か協力を────」
「いらん」
「は······?」
「いらんと言っている。自分のことは自分でやる。それが私の生き方だ」
士道はその言葉を聞いて黙る。
「とにかくそういうことだ。私の伝言の意図を汲んで来てくれたのは感謝する。だが、それだけだ。私は助けを乞わないし、助けを受けない」
「······そうか······」
士道は思う。
何故そこまで手を拒むのか。
そうやって生きてきたのは承知している。
だが、それでも、何か悩んでいるのであれば、手を取り助けたい。
「それじゃあ俺はそろそろ帰るよ」
「そうか。ではまたな。近々学校に向かえるようになると、亜衣麻衣美衣と十香に伝えておいてくれ」
「わかった。それじゃあな」
士道はそう言い、出口に向かう。
そして士道は思う。
何度でも手を伸ばすと。
情報整理回でした。
あの戦いでかなり霊力消費してるので回復にかなり時間がかかってます。
しばらく戦いはないですかねぇ······
バッドエンドとハッピーエンド、どちらを先にみたいですか?
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バッドエンド
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ハッピーエンド