俺のネギま!   作:ばうえもん

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横島忠夫と俺


 

「はじめまして、私の名前はアルビレオ・イマ。先ほど話題に上がった紅き翼(アラルブラ)のメンバーの一人です」

 

「……アル、何時から麻帆良に?」

 

「お久しぶりですタカミチ、その件については後日時間を取りますので今は下がっていて貰えますか」

 

俺に声を掛けてきたアルビレオ・イマとやらに質問をするタカハタ先生、だが静かだが有無を言わせない調子で黙らせる。つまり力関係はコイツが上か

 

「その英雄さんが俺に何の用ですか? いきなり何らかの魔法干渉を仕掛けてこられては攻撃されたかと勘違いされますよ」

 

「横嶋君!! そのような言い方は」

 

「落ち着いて下さいタカミチ、彼の言う事ももっともですよ。先程監視の話をした時に疑っていないと言って、裏ではこの仕打ちですからね」

 

「わかってんならやるんじゃねーよ。少なくとも俺は協力的に振る舞ったんだから調査目的なら正面から来い」

 

「これは手厳しい、ですが不意打ちだからこそ判る事もあります。君の実力の一端と、直ぐに実力行使に出ないで先ず会話から入る冷静さ等ですね」

 

飄々と返してきた。愉悦系か? 相性が悪そうだな

 

「横島忠夫は問答無用で切り掛かったんじゃないか? 俺なら切り掛かられても対応出来る自信があったのか?」

 

「あの時は"死"と言うモノを実感しましたよ。ナギとラカンの必死のとりなしがなければ滅ぼされていたでしょうね」

 

「そんな目に遭って懲りてないんかよ…」

 

「これは性分でして、既に人では無い事は気が付いているのでしょう。在り方といいますか存在意義ですからどうしようもありません」

 

「開き直りかよ、言葉が通じるから意思疎通が出来ると思ったのが間違いか。思考形態から別物じゃお互い分かり合えんわな」

 

「そういうことですね。そういえばタダオも疲れた顔で同じように溢してましたね」

「ああ、先ほどの呪符を見せていただけませんか。私も判別くらいは出来ますので」

 

そう言って学園長から俺が書いた霊符を受け取るアルビレオ何某

ああ、そういや学園長もグルだったか。ちょっとお袋に電話するか

 

「まてまて、待つんじゃ!! まさかと思うがご両親へ連絡するつもりか!?」

 

携帯電話を取り出した俺に慌てて待ったを掛ける学園長

 

「勿論です。裏とやらを知っているなら遠慮する必要も無いですし、転校も視野に入れて話し合います」

 

「落ち着てくれんかの。ワシの方は悪気は無いんじゃが、アルビレオ殿に頭を下げて頼まれては否とは言えんでの…」

 

こいつが頭を下げた? そういうタイプには見えないんだが……

何か俺に関する相応の理由が有るという事なのか? 俺に覚えが無い以上は横島忠夫絡みか? 厄介な

しかし当の本人は俺の視線など気にせずにいる。"横島忠夫"に比べればってところか

 

「なるほど、タダオが私達の為に書いてくれた物と同じですね。しかし筆跡まで似るものでしょうか?」

 

「関西でも唯一婿殿だけが書ける古式の呪符なのじゃが、やはりそうじゃったか」

 

「まってくれアル!! 治療符や結界符は詠春さんが書いていたのでは!?」

 

「ええ、タダオに習って書いていましたよ。もっとも九割はタダオが鼻歌交じりに書いていましたが」

 

「婿殿に聞いておったが真実じゃったか。横島殿に鍛えられたお陰で今の関西呪術協会の長を周囲に舐められずに務められると溢しておったわい」

「このクラスだと一時間は掛かると言っておったが横嶋君はどうかの?」

 

「ちゃんと使える様に書くならそれくらいは必要ですね」

 

特に霊力も込めず形だけの見本だからサラサラと書けたが、ちゃんと効果がある呪符を書くにはそれなりに時間は掛かる。それを鼻歌交じりで量産とかバケモノかよ

 

「ふむ、本来ならその年で関西の長である詠春と同等なのを流石と言うべきなのでしょうが、タダオの後継と見ると足りませんね」

 

どうして英雄様が態々接触して来たかと思えば案の定YOKOSHIMA案件だったよ!!

 

 


 

横島忠夫(YOKOSHIMA)と俺

若しくはありがちな物語の始まり


 

多分今の俺は凄く嫌そうな顔をしていると思う。

アルビレオ何某には霊波刀に対する恐れがあった。おそらくは横島忠夫は躊躇なく滅ぼそうとしたのだろう。ならばスレ島さんの可能性が高いと思われる。

そしてスレ島さんなら態々英雄様に同行するとは思えない。おそらく何等かの取引があったと考えられる。

その何等かを横島忠夫が履行出来なくなったので同種の異能持ちと当たりを付けた俺に代役を求めているのだ。つまり俺には関係ないじゃん!!

 

「先程貴方が魔法干渉と誤認したのがこの『イノチノシヘン』です。このアーティファクトは対象の半生を記録するのですが、使用する為には対象と対面して名前を聞き出す事と儀式が必要なのです」

「ですので今回は飽くまで貴方を観察するに止めて、後日接触を持つかどうかの判断材料にする予定でした。ですが、私の意に反して自動的に起動して貴方に干渉をしたのです。もっとも貴方が何らかの妨害をしたので停止しましたが」

 

なんだそりゃ? 学園長やタカハタ先生が怪訝な顔をしている所を見るに異常事態なのか?

そして改めてアルビレオ何某はカードを取り出してアーティファクトを呼び出す。アレって確か儀式でキスするんだよな、その、ネギの父親とやらとか? えっ?ネギ魔って少年漫画の皮を被ったBL漫画なのか!?

俺の慄きを余所に話は進んで行く

 

「そしてこの本なのですが」

 

そう言って周囲を漂う中から唯一翡翠色に輝く一冊を手に取る。アレは霊力か?

 

「実はタダオを怒らせた原因でして、タダオに騙し討ちのような形で作成したところ怒りを買ってしまい危うく滅ぼされるところでした。その時は黒く染まって使用不可の状態だったのですが、貴方と出会って活性化したようです」

「おそらくは使えという事なのでしょう。タダオは貴方の存在を予期していたのでしょうか?」

 

「それでは覚悟はよろしいしょうか?私は出来てます。 では行きますね、ここからはタダオが説明してくれると思います」

 

そう言ったアルビレオ・イマは覚悟したと言ったのに少し躊躇した後、翡翠色に輝く本に挟んだ栞を引き抜いた

 

 

爆発的な翡翠色の霊光が部屋を満たした直後、

 

「おー、学生時代の俺に似てるな。でも何か混ざっているか? 奴が作った平行世界だし差異は当然だろうが……なんかありそうだな、気の毒に」

 

光の中から現れた男は俺を見るなりそう言った。前世の漫画で見たままのジージャンにバンダナの古臭いファッションの男がそこに居た。

一級の霊能者にそんな事言われるなんて予言染みてものっそ不吉なんですけどぉ!

 

「ちょっと待て、今現状を確認しているから……しくじりやがったか。詠春が切り札だって忠告無視しやがって、あのメンバーはナギを中心に纏まっていたから追い詰められると心理的にナギに頼るのは必然かもしれんが……」

「俺が呼び出されたって事は本体は健在だろうが……」

 

記憶を辿るような仕草の後、おそらくは依り代であるアルビレオ・イマの記憶を読み現状を把握したのか何かに納得しつつ文珠を数個作り出す横島忠夫。存在が薄れた所を見るに本に事前に霊力を充填してあってそれを利用して顕現しているのだろう。ただコイツが俺と同程度の知識持ちならこの霊地・麻帆良なら龍脈(レイライン)から(ジン)とか自然魔力(マナ)とかそんな感じのエネルギーを引っ張ってこれるハズだ。ほら見ろ、文珠で龍脈(レイライン)に接続しやがった……あん?世界樹に接続してるのか?そこから天へ延びる霊光、子の式神・宮毘羅(クビラ)を憑依させて霊視を強化するが……まさか空にも龍脈(レイライン)があるのか?

 

「ああ、お前も見ているのか。宇宙にも太陽方向から流れてくる剥き出しの龍脈(レイライン)のような物が有ってな、航宙船に乗る連中は『エーテル・ストリーム』って呼んでたな。

 そこでは世界樹の役割りは(そら)を流れるそれを受けとめて星の龍脈(レイライン)へ送り込むんだ。今やってんのはそのシステムの再現だな」

「これで良しっと、今俺が使った分はこれで大地に回収出来るし、アルにも補充したから問題無いだろ。流石にこれでアルに消滅されるのも困るからな」

 

何か異世界の話しっぽい雑談の最後に割と物騒な事を言い放った。背後で置いてけぼりの二人も動揺しているようだ。この横島ドライ過ぎんか?

 

「あっ、あんたまさか依り代使い潰す勢いで力使ったんかよ……元仲間じゃなかったっけ?」

 

「ああん? こいつにゃ人の過去勝手に覗こうとした件で貸しがあんだよ、ちゃんと回復させたから文句は言わせねえよ」

 

やべぇ、スレ島さんで確定だわ

こりゃ怒らせたらラスボス化してたな……、英雄さん達で止められたのなら未だ人類を見捨ててはないんだろうが

 

「それで本命はこれだな、今さっき本体から届いた」

 

そう言って横島忠夫が取り出したのは(継/承)の二文字が入った陰陽模様の文珠、はいきました、この人押し付ける気満々ですね。

でもどう考えても抵抗しても勝ち目無いから受けるしかない。絶望した!!

つーか横島忠夫本人はつまりエーテル・ストリームとやらの先に居るんかよ!!宇宙に居るんかっ……よく考えたらGSじゃ別に宇宙に居ても珍しくもなかったよ!!

 

「じゃっ、そういうわけで後は好きにしろ。ただアルの奴に貸し作れば後ろ盾になってくれるだろうから出来ればコイツの願いを聞いてやってくれ」

 

原作並みにコロコロ変わる表情とは裏腹にずっと冷たい光を灯していた目が初めて緩んだので油断した

そう言った横島は有無を言わさず俺の頭に文珠を叩き込んで消えていったのだ

 

「ぐっ、こ、ころ、死ぬっ、消える、上書きされ……」

 

何というか、詰めの甘さは横島忠夫だわ、人間の範疇を超えた横島忠夫の文珠に込められた霊基構造は人間の俺を凌駕する。つまり過ぎた力は身を滅ぼす状態なわけで

本気で死ぬかと思った。実際半分は横島忠夫に塗り替えられて死んだも同然だ!殺す気かよ!!

いやかなり綱渡りだったのだが、俺の魂魄の「魂」が二人分あったからギリ耐えられたんだ。ぶっちゃけ輪廻の外からの「魂」を犠牲にして「魄」から切り離して外付けみたいな形にして注ぎ込まれた霊基構造の大半をそちらに押し付けて何とか乗り切ったのが実情だ。

敢えて何かに例えるとすれば神降ろしに近い状態で制御をしくじれば人間なぞ簡単に消滅する。これを何とか少しずつ自分の物にするのが当面の目標だ。なんというか仙人にでもなりそうだな

 

俺が目覚めるまでに一週間を要した。

事が魔法世界の英雄、紅き翼(アラルブラ)に関わる事だけに極力関係者を増やさない措置が必要であり、俺が目を覚ました場所は世界樹地下のアルビレオ・イマの隠れ家だった。

 

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