俺のネギま! 作:ばうえもん
「あっ、どっかで見た概念と思えばこれTILTEだわ」
放課後の委員会活動の片手間、空き時間に個人的な作業をしていたのだがちょっとした気付きに声が出てしまった。しかしその場には俺以外の人間も居て、その俺の声を聴いた図書館探検部一年生が反応したのだ。何故かこいつら勝手知ったるとばかりに図書委員の控え室の片隅で寛いでいる。
「先輩、備品のパソコンと睨めっこして何をしてるかと思えばゲームだったとは感心しませんね」
「しかもウィザードリィとは私達図書館探検部に対する当て付けですか?」
「いんや、
「どちらにしろ迷宮物ではないですか。
いえ先日遭難した際にはご迷惑をお掛けしたのは自覚しておりますが、いささか陰湿ではありませんか?」
「だからゲームちゃうと、それにしてもこれが通じるあたり綾瀬後輩は年齢詐称を疑いたくなるんだが?
あと自覚あるんなら君たちの班は少しは活動控えろ」
「う~ん、いくらウチと先輩の仲でもそのお願いは聞けへんわ~」
「仲もなにも学園長通じて顔見知りってだけだろうが、学園長の孫だからって俺は手加減せんぞ」
「でもお父様も手元に欲しいって言うてんよ。ほら、将来の上司の娘や❤」
どうやら学園長へ卸している治療符や結界符の情報が洩れているらしい。勘弁しろっつーかそもそも西の長が仕留め損ねたから俺が苦労してるわけで
「俺は関西へ行くなんて一言も言ってないぞ…」
「でもお爺ちゃんも家への就職を進めておったやん」
「それもこれも全て断っただろうが」
「夕映で良くてもウチじゃ駄目なん? ウチくらい育ったら駄目なんて先輩は筋金入りのロリコンなんやなー」
「なんでそうなるんだよ」
「そうです。そして遠回しに人の体型をディスらないで下さい」
対外的にだが英雄に弟子入りした以上は将来的には接触するだろうと覚悟はしていた。だが偶々学園長と会った際にヒロインとの縁が出来てしまったのだ。なにか作為的なモノを感じるのだが学園長も狸なんで確証は無い。
因みに見合いは断った!!
いやだって高島を罠に嵌めた六道の娘とそっくしなんだもの、影の中で十二神将もざわついていたから近衛には六道の血が入っていてそれが彼女には強く出たのだろう。
オマケにあの禍つ鳥には辻斬りされかけるし、刹那子さんって二次設定じゃなかったんかい!!
全くこちらの話を聞く様子が無い態度にちょっとムカついたので、解析中の対神呪法から読み取れた部分を使って即興で組んだ封神結界で隔離してやったら恐怖で上下から水分放出する事になり、騒ぎを察知して駆けつけて来た葛葉先生に遣り過ぎと怒られた
そもそもホウレンソウはちゃんとしとけよな。えっ?ちゃんと話したのに暴走したのか?自業自得じゃねーか!!(まさか俺の対応を見る為に敢えて桜咲刹那の暴走を見逃した?流石に考え過ぎか?)
まあそんな些事は捨て置いて、
決して泣いた先輩が見たいわけではないぞ、単なる術者としての好奇心だ
先輩と私
図書委員の控室のパソコンでなにやら外国語のテキストを読んでいる横嶋先輩、今年から図書委員へ就任した三年の先輩だ。
正直にいってやんちゃ坊主の様な雰囲気でとても本など読みそうに見えないのだが、意外な事に語学に堪能で外国語や古語を原書で読むインテリだ。面倒見も良くのどかの様な男性が苦手なタイプとも根気よく付き合って話を聞いてくれるので私達下級生からは頼りにされる先輩なのだ。
ただ私達中等部一年の間では別の意味でも有名人でして、その噂が理由で私も最初の頃は距離を置いていたのですが…
「おんやぁ、夕映ってば不機嫌ですねぇ」
「不機嫌やなぁ」
「なんだ、夕映も満更じゃないんだね。先輩もあれで語学力高いインテリだからお似合いだと思うけど」
「二人とも何をハルナに影響されて頭が沸いた事を言ってますか!
私は別に先輩の事など意識しているわけではありませんよ!!」
「ちょっ、それ酷くない!?」
「普段からラブ臭などと怪しげな事ばかり言っているからです」
私の気持ちでは只の先輩なのですが、このように周囲が面白おかしく囃したててくれます。
二年の終わりに卒業する上級生、私達の入学式の日にエヴァンジェリンさん、そして図書委員になってからは私とこの二ヶ月間にアプローチを掛けた女性は全て幼い容姿の女性であった為に、その事でロリコンと噂がたっているのです。
そもそも先輩がエヴァンジェリンさんに迫った件について納得出来る説明を受けてもいないのにモーションを掛けられても納得は行きません。
勿論先輩がエヴァンジェリンさんの代わりに同程度の成長具合の私に声を掛ける様な不誠実な人と思っているわけではありません。ですが年頃の男性というものが女性に飢えているというのも事実である事は他の男性を観察すれば確定的に明らかです。故に先輩の態度が本気か否か判断に迷うのも無理は無きにしも非ずでして……
「また夕映が考え込んでる」
「悩むって時点で脈はあるでしょ。先輩!ここが勝負所ですよ!!」
「いやお前ら引っ掻き回さんでくれよ。別に返事は急いで無いから」
「しっかし先輩ってやっぱり幼い娘が好みなわけ? 私みたいにオッパイあるのは駄目? なんならロリコン治療に揉んでみる?」
「いや中一って時点で同じだろうが……
そういや後輩のクラスって年齢詐称疑惑が酷いって言われてたっけ?」
「そうそう、これがまたお前ら大学生じゃねーのって感じのドスケベボディが三人も居てね」
「委員長も入れれば四人じゃないかな?」
「そういやこないだ幼学舎の近くで中等部の制服着たお姉さんが居たな。そんときゃ卒業しても着るんかよって思ったけどアレは現役だったのか?
アレくらい立派なボディを好きに出来るならロリコンの誹りを受ける価値はあるかもな」
「うわ先輩サイテー」「エッチなのはイケないです」
「そもそも早乙女後輩が「揉む?」って聞いてきたんだろうが!!
中一女子相手に猥談する俺も問題だけどお前らなんだかんだで食いついてくるよな!?」
「そのお姉さんって多分那波さんやわ。小学校の頃からランドセル似合わないんで苦労してたさかい」
「へ~、違う意味で興味出てきたな。あそこの金融部門が妙な所に投資してんだよなぁ」
「っと、時間だから巡回行かんとな。お前らここで本読むならいいけど持って帰んなよ。まだタグとか付ける前や修繕する予定の本だから」
「「は~い!」」「ほら夕映、先輩行っちゃうよ」
「はっ!? 先輩どちらへ?」
「巡回な、あと序に修繕済んだ本を棚に戻してくるわ」
「お仕事でしたか。ご苦労様です」
「おう、行ってくら~」
そう軽く言って先輩は本を満載にしたワゴンを押して出て行きました。
手先が器用な先輩は個人的に古書の類を所持しており自分で修繕をしていたそうです。そして学園長にその修繕技術を買われて図書委員へ就任したそうです。
人は見かけによらないと言いますが、まさにその見本の様な先輩はこうして放課後はこの部屋で傷んだ本の修繕をしています。
私は本を大切に扱うその作業を見るのが好きで最近はこの作業部屋に入り浸っていました。男性が苦手なのどかが先輩には普通に接する事が出来る様になったのも先輩のそんな作業の様子を私と一緒に見学していたからでしょう。
悪い人ではないんです。普段は私が嫌うようなやんちゃな振る舞いをしますが、仕事に関しては丁寧に行う好ましい人なのです。
これで女性に関する事をきっちりとして頂けるのでしたら私も真剣に考えなくもないのですが。
閑話でした。
ここまでがプロローグでして、次回より本編に入ります。
それに伴いタイトルも変更される予定です。