俺のネギま! 作:ばうえもん
年齢の割に大人びていた彼女も俺の膝で眠る今は年相応に見える。
妹ちゃんの幾つかの疑惑については差し当たって緊急の問題ではないので後で本人に聞くとして、重要なのは彼女の体の状態である。
監視の際に何度か読み取った彼女のパラメータと学校の授業から推察できる魔力量の差について疑問に思っていた。見たところ演技で無能を装う様子ではなかったので恐らく何らかの問題を抱えているのだろうと考えていたのだ。
因みにそれの極端な例がタカミチ・T・高畑の「呪文詠唱が出来ない」という体質で、D横島は理由と解決方法までわかってはいたが自分を軽んじている彼の面倒を見る気は無く放置していたようだ。自分から道化師ムーブやって篩に掛けておいての塩対応だから人間不信も極まった物である。まあ俺の事も軽んじているので方針を同じく放置一択ですが。
言い訳になるが一応は真面目な理由もある。既に完成された強さを持つ彼が今から魔法を覚えたとしても強くなるとは限らず、寧ろ手札に半端な物が混ざった結果隙が生まれて弱くなる可能性すらあるのだ。つまり余計な事はしないに限る。
そんなわけで眠る彼女の状態を文珠で詳しく読み取ってみたところ予想以上の問題があって正直これでよく普通に生活できたものだと感心した。詳しく調べないとわからないが霊体に破損個所があるようで、本来なら病弱とか麻痺とか何らかの欠陥が体に出るハズだ。だが見たところ表面上は健康体である。ただ怪我を魔法で治した痕跡が見られるので恐らく肉体的には無理やり修復されたのだろう。
また霊格が今まで見た人間の中でも群を抜いて高いので通常より霊体が強靭なようだ。これは俺と同様に転生者故の副産物であろう(転生している事は鑑定機能で読み取れる称号から確認出来る)
その後は目を覚ました彼女に意思確認をした俺達は、最後の確認を取りに彼女を連れて校長の元へ向かった
横島忠夫にそっくりな部外者が訪れた、それも英雄の娘を伴ってだ。とうぜん騒ぎになる。やれ今度は娘に取り入る気かとかなんとか
幾ら東洋人が幼く見えるからって俺がアラフォーやそこらに見えるのかと問いたいのだが、魔法世界ではなまじ魔法による年齢詐称や長命種という実例が有る為に変に柔軟で困る。そして実はD横島は人間辞めていて年取ってないのであながち間違いでもないのが質が悪い。
因みにアルビレオ・イマはフードを深く被って顔を隠して素知らぬ顔である。てめぇ口元笑ってんだよ!!
幸い今回は近衛詠春の名代として正式な訪問で有り、更にメガロメセンブリア側からもゲーデル氏の代理人も訪れており程なく誤解も解けた。
その後は校長と面談、手続きを行い晴れて彼女の身柄は関西呪術協会預かりとなった。これまで頑なに関西呪術協会所属を断り続けた俺が正式にその構成員の一人になった瞬間でもある(白目)
いやわかっているんだ、俺の年で信用を得るにはそれなりの信用あるバックが必要なんだって。
実はゲーデル氏からも誘いがあったので何方にするか迷った、麻帆良でならメガロの紐付きという立場も悪くないだろう。一部の魔法使いはお袋の件で思う所もあろうが、逆に所属する事で俺の方から歩み寄ったと解釈も出来るからな。
とか考えていたらゲーデル氏からいっそ両方に所属して連絡役みたいな立場を取れば良いと言われた。蝙蝠ですね、わかります(白目)
ただ今度は関西呪術協会とメガロメセンブリアが険悪で有る事実が俺の足を引っ張る。
それでも周囲には関係改善の為の双方を行き来出来る人員が必要と大義名分を持ち出して、メガロメセンブリア側が近衛詠春と親交が有り話が分かるクルト・ゲーデル氏が相手であったのでなんとか落ち着いた。
さて、近衛詠春の名代として来ている以上は一応は彼女の親族に挨拶するべきかと考えたが、兄の方まで奪われてはサウザンド・マスターを輩出した(と言い張る)メルディアナの沽券にかかわると一部の教師が妨害をしてくれた為に無事接触をせずに出る事ができた。ニヤソ
それでも自称姉のネカネ・スプリングフィールドとやらには校舎の外で会ったが、まあ見た目は良いけどなんかこう、先入観が有って受け付けんな。
彼女も本来は大人に守られる立場の少女と言ってよい年齢である。だから姉代わりとはいえ完璧に子供の面倒を見ろと言うのも酷であるのだが、どうにも妹ちゃんに肩入れしている身としては厳しい人物評をせざる得ない
妹ちゃんに言いつのる彼女を俺は妹ちゃんを姫抱っこで抱えて躱し、そのまま彼女の周囲を馬鹿にするように奇妙な動きで一周する。
俺の
妹ちゃんの監視としてメルディアナに置いていた式神が伝えてきた映像ではメルディアナの結界を無視して無詠唱で転移して見せた俺に関心する校長やゲーデル氏の代理人に対して、大半の教師は横島忠夫のイメージで俺を舐めていたのか俺が何をしたのか理解出来なかったようだ。それはそうと窓から此方を伺っていた人影はネギ少年と幼馴染のアーニャとやらだったかな? 関西呪術協会の名前は出しているので変なフラグ立たないといいけど
そして歯車は廻る
「横嶋さはーーーーん!!」
私はまるで漫画の様に煙を上げながら(実際少し焦げている)道場の床に突っ伏す忠雄さんに慌てて駆け寄り治療呪文をかけます。
「アリサちゃん、
そう言って詠春パパ(呼称は本人の強い要望により決定しました)は自分の頬を指さしちょっぴりついた掠り傷を強調します。
ちょっと頬を掠めたからって素人相手に雷鳴剣を使うパパは大人げないと思います。治療ならそこの自分の奥さんに頼んで下さい。
「『老いて、なお盛ん』でしたか?
剣を置いて久しいと伺っておりましたが安心しました。我が友サムライマスターは健在ですね」
などと呑気に観戦しているのは忠雄さんのもう一人の師匠であり、ナギ・スプリングフィールドの仲間であったアルビレオ・イマさん。
私の記憶ではこの人は世界樹の魔力が高まる時期限定で分体を麻帆良内で活動させるのが精いっぱいだったと思ったのですが割とフリーなご様子。原作を最後まで見ることなく死んでしまったので推測の域を出ませんが世界樹地下で何かの番をしていると思われていたのですがそんなそぶりも有りません。横島忠夫さんが何かしたらしいのですがその辺りの事は未だ教えていただけていません。
私達は現在は関西呪術協会にお世話になっています。忠雄さんは昼間は忙しく麻帆良と往復をして色々な事情説明と事務処理に追われています。流石にイギリスに日帰りで移動していれば転移よりも運用コストが低い縮地(仙術)の事も説明しないわけにはいかず、結果的に唯一の使用者である忠雄さんが麻帆良と京都を移動する足替わりに使われる事となりました。
また夜は家に帰らず私に付き添い此方で就寝しています。その為に比較的暇な早朝に「
「旦那様ったら最近元気になって嬉しいですわ。二人が来てくれて娘と息子が出来たみたいで喜んでますのよ」
などとこれまた呑気に宣わるのは原作では描かれていなかった木乃葉ママ、実は忠雄さんをいたく気に入ったのか
ママは元々体が弱かったそうですが、詠春パパが横島忠夫さんから習った陰陽道の治療符でなんとか持たせていたそうです。そこを去年交渉で訪れた忠雄さんが文珠で治療をして完治させたそうです。
こっそり教えて貰った事ですが、なんでも近衛家の何代か前に女性が短命になる呪いを受けた他家の血が入っていたそうです。厳密には呪いでは無く件の家で発生した霊障が変異したのが原因だそうですが、子孫に引き継がれてしまい結果的に呪いとなってしまったそうです。
その説明をする忠雄さんはどこか苦い表情と罪悪感を交えた複雑な様子でした。この人も何やら秘密が多くて聞くのが怖いですね。
パパの鬼の扱きですが見たところ悪い事ばかりではありません。同じように早朝に鍛錬している京都神鳴流の方々に同情されたのか仲良くなっています。
圧倒的剣技で神鳴流剣士の尊敬を勝ち取り、尚且つ自分達以上に扱かれた忠雄さんを感心と同情で周囲に馴染ませる効果を発揮しています。全ては偶然の産物なのですが
また夜には忠雄さんが講師役で失伝していた古い陰陽道の勉強会が開かれていて、魔法使いに対して比較的悪感情が少ない若手、つまりは魔法使いと距離が近い現長である詠春パパに比較的友好的な方々との交流の場となっております。忠雄さんは着実に関西呪術協会内での足場を固めているようです。
こうして着実に忠雄さんの取り込みが進む状況は、全ては一見して穏やかな笑みで逆に感情を隠したこの新しい母親の掌の上なのでしょうか?
「かわいい義娘からそんな胡乱な目で見られるなんてママ悲しいわ~~~~」
忠雄さんがママを苦手だ言っていたのが良く分かります。
また
最近は環境が変わって少し余裕が出来た為か原作の事を考えてしまいます。私が遭う人たちは確かに漫画のキャラクターに似ていますが、一緒に暮らしていれば原作では書かれていない側面が見えてきます。ネギにとって優しい姉代わりのネカネが、ネギを優先して私には当たり障りのない対応だったように。
良くも悪くもココは漫画の世界ではなくて現実なんだと改めて実感します。
先輩と私 2冊目
中学生になっての最初の麻帆良祭、私は何故か横嶋先輩と古本市を巡っています。
「返事は急いでいない」などと言っていました先輩ですがアプローチが無いわけではありません。今回も古本市巡りなどと私の興味を引きそうなチョイスで誘いを頂きました。男の人と二人っきりで出かけるなど私のキャラではないのでお断りしたのですが、ハルナやのどかに押し切られてあれよあれよという間にデートのセッティングを…違いますね、私と先輩はお付き合いをしているわけではありませんのでデートではないハズです。
「おっ、こんなのが無造作に売られているから麻帆良の古本市はたまらんな。
ん? どうした綾瀬、ひょっとして退屈だったのか、それとも歩き疲れたか?」
先程から慣れた様に店舗を巡り店主と親し気に会話している先輩、てっきり私の為のチョイスかと思いきや普通に常連だったようです。
「いえ、楽しそうで何よりですね」
「おう、しかし後輩は何を怒っているんだ?」
デートと思って緊張していた私は何だったのでしょうか?
確かに先輩の口からはデートしようと言われた覚えは有りませんし、私以外にのどか達にも誘いをかけていました。ええ、てっきり私が一対一では行かないだろうと予想して全員に声を掛けたのだと思っていましたが、それがなんですか、普通に良い店を案内したかっただけだったんですね。
だから言い掛かりとわかっていても、少し不機嫌になっても仕方がないのです。
「少し疲れました。何処かでジュースでも飲みたいですね」
「うげっ!?
後輩御用達の特殊飲料系はこの辺じゃ扱ってないぞ、何時ものストックはどうしたんだ?」
「常に持ち歩いているわではありません。ましてや今日はこの格好ですし。別に普通の物でも問題ありませんよ」
ハルナが何処から調達したそれは服ではなく衣装とでも言うべきコルセットや編み上げブーツで重武装された本格的なゴシックロリータ系です
お祭りですから差ほど目立ちませんが、普段から着るには勇気が必要な格好ですね
ハルナ曰く、「これだけガチガチに固めておけばお互いの同意がなければそうそう脱がせる事もできないだろう」と言うだけあってパーツも多くて結構重いので疲れているのも本当です。
「ああ、可愛いけど色んな理由で余計な物は持てないか。オーケー、それじゃ移動して少し休息するか」
可愛いと誉めていただけるのは嬉しいですが二度と着たくないですね。なにしろトイレが大変なのが死活問題ですので。今日は水分は控えましょう
「んっ?
ちょっと悪いがあの店が気になるから少し我慢してくれないか」
ですが移動し始めて直ぐに先輩の足が止まりました。気になるといいますが何方かといえば険しい表情をしていて何か悪い事が起きているようです。
店舗の本を見た先輩は携帯を取り出して何処かへ連絡を始めました。
店主と話を始めた先輩を邪魔にならない位置で眺めて数分後、先輩に親し気に声を掛ける女子中等部とは違う制服を着た女性が到着したのです。
「来て上げましたわよ、急に呼び出すなんていったいどうしたのかしら?」
「グッドマンか、連れがいるんで誤解受けそうなセリフは止めてくれ。先生は居ないのか?」
「この時期はトラブル対処で忙しくて急遽顔見知りの私に声がかかりましたの」
「そうだよなぁ、喜べ、新たなトラブルだぞ」
「これは……、まさかこの古本屋に売っていたのですか!?」
「ああ、店主に話を聞いたところ故人の物で何か分からず売っていたそうだ」
「ああなるほど。これは学園でチェックして問題のある品は買い上げの交渉、合わせてその方の他の持ち物も確認が必要かもしれませんね」
「つーわけで引き継いで貰っていいか、一応は俺の担当じゃないから」
「あら、本が関わるのでしたら図書委員の貴方の出番ではなくて?」
透き通った流れるようなブロンドのロングヘア、先輩と話し込む彼女の身長は先輩と釣り合いが取れていて制服の上からでもスタイルの良さは見て取れます。言動から察するに学園で何らか立場に所属しているようでその関係か先輩と付き合いがあるのか親し気で
先輩は私より綺麗な女性と話し込んでいて、それが先輩の仕事に関する事だとわかっているのに……何故でしょうか、私は酷く惨めな気持ちになりました。
こちらのシナリオに合わせてヒロアカ側でアリサ・スプリングフィールドに関する記述を一部修正しました。
当初のプロットではアリサはテンプレに習ってネギと一緒に卒業して2Aの生徒コースでしたのでその名残です