2012年 秋葉原
山手線に乗り終えた俺は、 秋葉原のラジ館近くにいた。 今日は紅莉栖もラボに来ているとのことで、 久しぶりに、我が助手の顔を拝んでおこうと思った。
と、俺がそう思ってると、 携帯にメール音がなった。 世間ではスマートフォンなるものが発売されたと聞くが、 そんなの、機関が我々の行動をいち早く探知する為だろ? 俺は騙されないぞ。
「……メール? ……誰だ? 閃光の指圧師か?」
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宛先 オカリン
Cc/Bcc
件名 お使いよろ!
今日秋葉に来ているのなら、ラジ館で、僕がやっているエロゲのフィギュアを買っておいて欲しいのだぜ。 あ、画像は添付しておくお。
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……こいつは友達に何を頼んでいるんだ? 俺はゲーマーではない! 俺は狂気のマッドサイエンティスト。 鳳凰院凶真だぞ!
「……そんなの自分で買いに行けっ!」
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宛先 ダル
Cc/Bcc
件名 自分で行け。
自分で行け、 スーパーハカー!
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「……よし、 さて、選ばれし者の知的飲料を……」
いつもいつもまゆりが居ると限らないからな、 これぐらいは自分で帰る金が最近出来たのだ! ふぅーははははっ……
なんだよ、良いところで。
「……ダルか」
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宛先 オカリン。
Cc/Bcc
件名 それはないぜ、オカリン
それは無いお! た、確かに買いに行かなかった僕も悪いけどさ! けど! 僕、もうラジ館まで行きたく無いんだよ〜
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と、返してくる。 ……確かに日本は年々暑くはなっていってるが、 そこまでは歩け、ダルよ。
「……断る、っと。 送信。 ……また来たぞ!? あいつ、ドラクエでハイを押さないと先に進まないモブキャラか!? ええい! うっとしい!!」
流石にしつこいので、無視をすることにした。 許せ、スーパーハカー。
○○
秋葉原も随分と変わった。 新しい建物も増えてきたし、 ラジ館の改築も今年終わったみたいだしな。 ……あれからもう2年か、 早いな。 ……そろそろ、俺も、紅莉栖に想いを告げなければいけないのでは無いか? 俺も紅莉栖も、今の今まで、 言えてないが、 も、もし、助手が俺以外の男を見つけて、そいつと付き合ったら……
€€€
『ごめん、岡部、私、もう貴方の事好きでは無いわ』
『な、何を言うんだ、紅莉栖!? お、俺のことが好きじゃあなかったのか!?』
『あら、2年の間も気持ちを伝えないので、よくもまぁ言えたものね。』
『ち、違うんだ紅莉栖!! 俺はお前ことが好きだ! 好きだが……』
€€€
「俺は、紅莉栖、お前のことがぁ……!!」
「私のことがなんだ。 」
「す……… ………す?」
「なんだ。 駅前で変に蹲ってる男が居たら気にはなるし、しかもそれが知人なら尚更気になるわよ。 ……どうしたの? また悩み?」
……紅莉栖?
「な、何故お前が此処に!? ラボにいるんじゃ!?」
「あんな暑いところ、そうそう居れるわけないでしょ!? 橋田が働いて少しはラボが良くなったとしてもね! そういえば、珍しいわね、 あんたが私と出会ってすぐに、クリスティーナって言わないの。 いつもあんたなら、こう。
……ふぅーははははは!! 蹲っているわけではない! これは機関を欺く為の偽装! そう! 俺は見つかってはいけない! 何故なら我が名は鳳凰院凶真だからだ! ふぅーははは!! ……っていうでしょ。」
と、鳳凰院凶真を熱弁していた紅莉栖は赤面しながらそういう。 確かに、いつもの俺なら紅莉栖のことをクリスティーナと言ってなきゃ可笑しいのだろう。
だが、今はそういうのは無しだ。 こういうちゃんとした思考で話を聞いてくれている紅莉栖にちゃんと言わないと……
「あ、あぁ、問題ない。 それより、我が助手はどうして此処に?」
「漆原さんと外食する予定があったから此処まで来ていたのよ。 べ、別に、アンタに会えるかな? って思って来たわけじゃないんだからね!?」
「……俺に会いたかったのか?」
「な!? なわけないでしょ!? こんな2年前に想いを伝えておきながら、 返答どころか、 何も返さない男に会いたいなんて思うわけ……」
「俺は会いたかった。」
俺がそういうと、紅莉栖は徐々に赤くなっていった。 此処まで赤くなった姿を見るのは久しぶり…かな?
「いきなりにを言っているんだ己は⁉」
「紅莉栖。俺は」
満を期して、俺は俺の愛している女、紅莉栖に、今こそ……
「紅莉栖。俺は…… ……なんだよ! ダルのやつ!いい加減自分で…… なんだこれ?」
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宛先
Cc/Bcc
件名 愛している
貴方をいつまでも、どんな姿になろうと愛しています。愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます
愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してます愛してますあいしてあいしてあいしてあしてあいしてあいしてあいしてあいして
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「……なんだ、これ……⁉」
これ、誰からのメールなんだ……?
「……何これ。」
メールを見て固まっている俺に紅莉栖がメールの中身を見て、紅莉栖は疑いの目を向ける。
「……ふーん。あんた、この人とそういう関係が?」
「な!? ち……違う! 断じて、俺の知り合いにこんな奴はいない! 居てたまるか!?」
本当に誰からのメールなんだよ……!? ダルのでもまゆりでも萌香でもないとするなら……
「ぐうっ!? 」
「岡部!? ちょ、ちょっと、どうしたのよ!?」
この、感覚は……まさか、リーディング……!?
***
瞬間。俺の意識は虚空に追いやられたのだった————