さあ、結梨が亡くなってしまうアニメ回です。この作品で結梨はどうなってしまうのか…………。あと『G.E.H.E.N.A.』にはアニメよりも悪役になってもらいます。政府の人間にもね。
蒼焔のリリィ、始まります。
「それで、捕獲対象のHUGEを連れて百合ヶ丘のリリィが逃亡という報告があがっているのは本当のことか?あの化け物も姿が見えないという報告もあるが」
「事実です。百合ヶ丘のリリィ全員で彼と彼女たちの捜索を行っています」
百合ヶ丘女学院の理事長代行である高松咬月は政府の建物の一つに召集されていた。内容は先ほど政府の一人が言った通り、『一柳結梨と蒼月焔の捕獲命令』を受け、梨璃が結梨を連れて逃亡しているということ。焔に至っては朝から姿が見えないので同じ逃亡していると判断されている。
「彼と彼女たち?HUGEとリリィと化け物だ。間違えるな」
ではここで政府が言った捕獲対象のHUGEと化け物について説明しよう。それは結梨と焔をさしている。結梨は研究機関である『G.E.H.E.N.A.』がCHARMメーカーであり、楓の実家であるグランギニョル社と共同研究によりHUGE細胞から培養して作られた幹細胞が元となった人造リリィであることが『G.E.H.E.N.A.』から報告された。
化け物と言われている焔は結梨と同じ『G.E.H.E.N.A.』が研究の一環で造ったとこちらも『G.E.H.E.N.A.』が証言した。と、ここで謎が生まれる。それは焔は結梨と違って幼い頃などの記憶がたくさんある。それだと『G.E.H.E.N.A.』は相当昔から研究していたということになる。だが研究は一年前頃からやっていたと『G.E.H.E.N.A.』が言っている。それだとつじつまが合わない。だが『G.E.H.E.N.A.』はとんでもないことを言ってきた。
曰く、『焔と関わりがある者、特に幼馴染みである白井夢結などは焔のレアスキル『カリスマ』の上位スキル『ラプラス』で記憶を書き換えられたから』と言ってきた。そんな事をしてきたことと焔は全リリィを圧倒する実力の持ち主。そういうことで焔は化け物と言われている。
「焔のことですが」
「化け物のことなどどうでもいい」
「それではなぜ白井君には彼の幼い頃の記憶があるのですか」
「報告書を見ていないのか?レアスキルとか呼ばれるものにいいように騙されているだけだ」
「それを事実だと言える根拠はなんなのですか」
「『G.E.H.E.N.A.』から化け物の詳細データが送られてきている。根拠はこれだ」
「そこに書かれているものは本当のことなのですか」
「真実に決まっているだろう」
「ちゃんと調べたのですか?」
「無論、同じ結果だ」
「はぁ……」
咬月は政府を説得したいがために言っているが政府は全然で『G.E.H.E.N.A.』の言葉を鵜呑みにしている。咬月は焔が自分たちを記憶をいじって一緒に過ごしてきたというのは絶対に嘘だと確信している。それに、先ほど政府が『G.E.H.E.N.A.』からデータを調べて同じ結果だと言ったがそれも嘘で本当は全然調べていないとも思っている。
と、ここで咬月たちがいる部屋の扉が開かれ、ある人物が咬月に向かって手を振っている。その人物の名は、真島百由。
「失礼。新しい情報が入ったようだ」
咬月がそう言って百由が中に入れるようにする。百由も堂々と中に入り、咬月の隣に立つ。
「はじめましてぇ。百合ヶ丘女学院工廠科二年の真島百由です。マギに関する論文は昨年だけで51。そっちの業界では週刊百由って言われていますね?」
「百由君」
「おっと失礼。本日ここに赴いたのは二つの報告があるからです。それでは報告に入らせていただきます」
百由はそう言って結梨が人間であること。焔は化け物ではなく、ちゃんと蒼月家で生まれ育ったことを説明、証明した。
「この二つはどちらもグランギニョル社から送られてきたデータで判明しています!それと同時に『G.E.H.E.N.A.』からは送ったデータは全て嘘だということを証言しています。人類初の男のリリィ。『G.E.H.E.N.A.』は偽りの情報で焔を捕獲させ、解剖などを行って男のリリィの量産を目論んでいたみたいですね」
「な……!?」
「もう一度言います!結梨ちゃんは人で私たちが知っている焔は全て真実です!」
「ならば彼と彼女はリリィであるので二人は百合ヶ丘が責任を持って保護させていただきます」
「め、命令違反は!」
「何もかもが真実だと鵜呑みにしてきたあなた方が命令違反などと言って強引に捕獲するのはお門違いでしょう。それに、あなた方にはわしの甥っ子を人体解剖させる組織に送らせようとした責任と非道なことを目論んだ『G.E.H.E.N.A.』に罰を与えるのを所望しますよ」
「な、甥っ子だと!?」
「えぇ、焔はわしの弟の子供であります。調べても構いませんが事実ですので」
「ぐ……」
「……全米バンザイだな」
「だ、だが!化け物は相当な威力の攻撃を行えると報告が上がっているんだぞ!!」
政府の一人が言ったことに咬月はやはりと思うほかなかった。焦りで頭が回っておらず、なんとか自分たちが正しいとしたいようだ。
「はて、いつそのような報告があったのですか?」
「とぼけるな!化け物が高威力の一撃を使えることはこちらは知っているんだぞ!!」
「焔がそのような一撃を放つところをあなた方は目撃しているのですか?」
「いろんな機関から同じ報告が上がっている!!競技会の最後にその一撃を放ったってことをな!!」
「おい、バカ!」
ずっと怒鳴っていた者は遂に言ってはまずいことを言ってしまい、他の政府の者が落ち着かせるように言うと、ようやく自分の失言に気づいたのか焦りだす。
「競技会の日ですか。その日は百合ヶ丘以外の者はいなかったはずですが?」
「いや、それは……」
「わかりました」
「なにをする気だ、理事長代行」
「決まっています。我々はあなた方を訴えますよ」
「……それをやって許されるとでも?」
「いくら政府と言えどひいきは絶対にさせませんからな。もし、逃れようとしても我々は証拠を持っているので絶対に逃しはしませんぞ」
「……」
黙ったままの政府の者に無言で百由を連れて咬月は百合ヶ丘に帰還するためにヘリに向かったのだった。
同時刻、梨璃と結梨と合流した夢結たちは直後に襲来した強力なHUGEを見ていた。
そのHUGEはマギを攻撃に使ってきたのだ。マギを一点に集中させてレーザーのように攻撃してきたのだ。その威力は大気が引き裂かれるほど。
「あれがHUGE?」
「うん、でもなにか違う……」
「マギを攻撃に使っている?」
「HUGEはマギに操られるけどHUGEがマギを操ることはできないはず」
「あれ、倒す?」
「うん、一旦百合ヶ丘に戻って作戦を……って結梨ちゃん!?」
結梨がHUGEを倒すということを聞いた瞬間、レアスキル『縮地』で海の上を高速で走りだした。
「あれ『縮地』だ!梅のレアスキル……」
「結梨ちゃん、海の上を走ってます」
二水がレアスキル『鷹の目』で使って海の上を走ってHUGEに向かっていく結梨を見ている。
「見りゃわかるが梅でもそんな事したことないゾ!?」
「『フェイズトランセンデンス』、わしのレアスキルを組み合わせたのじゃ」
「それって焔様と同じ複数のレアスキル所持者ってことになりますよね」
「じゃが、すぐにマギを使いきってしまうぞ!?」
ズドォォォン!!
「な、なに!?」
梨璃たちから少し離れた場所になにかが落ちてきたのか砂浜の砂が爆音と共に舞う。全員が驚いていると砂煙が舞っている中に人影が見え始める。
「焔!!」
砂煙から姿を現したのは朝から行方がわからなかった焔だった。梨璃たちが呆然と焔を見ていると焔は梨璃たちのことに見向きもせずに足元にマギを収束させ、跳ぶ。すごい勢いのため、再び砂が舞う。
「焔!?」
梨璃たちが驚いていると海上で爆発が起きたかのような音と巨大な水柱が発生する。
「焔様、走っているんじゃなくて前方一直線に跳んで跳ぶ速度が落ちてきたら海上でマギを収束して跳んでいます!」
「あの水柱はそういうことか!」
水柱が立つ海上を見ていると梨璃が走りだす。
「梨璃さん!?走っても間に合いませんわよ!?」
楓の言葉を聞かずにマギで海上をなんとか走っていく梨璃。だが、その速度は結梨と焔に比べるとすごく遅い。すると、HUGEから光弾が飛んでくる。どうやら結梨がHUGEの元にたどり着き、HUGEが結梨に攻撃をしているようだ。次の瞬間、HUGEの光弾の一発が梨璃をかすり、反動で梨璃は海に落ちてしまう。
場所は変わり、結梨が『縮地』を使ってHUGEにたどり着き攻撃している。
結梨は先ほどHUGEがマギを一点に集中させるために使った機械のようなものを破壊していた。
「私だって戦える!だって百合ヶ丘のリリィで、最強のリリィの娘だもん!!」
結梨に支給されたCHARM〈グングニル〉の刃の部分が青く光り、直後に青いエネルギー刃のようなものを出現させ、〈グングニル〉を振り下ろす。
「やあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
青いエネルギー刃に呑み込まれたHUGEは激しい光を放ち始める。
「梨璃。私、できたよ」
「結梨ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」
激しい光はHUGEが今にも爆発するというもの。その光が結梨をも呑み込もうとした瞬間、高速で跳んできていた焔が結梨を自分を盾にするように、そして結梨を守るように抱き締める。
「おとう、さん……」
結梨が呟いた瞬間、大爆発が起きたのだった。
浜辺が夕日に照らされる中、梨璃は浜辺に刺さっているある物の前に膝をついて、そっと両手で掴む。それは、結梨に支給されたボロボロになった〈グングニル〉だった。
周りには一柳隊のメンバーにヘリで帰還した咬月と百由がいる。
「…………今朝、結梨ちゃんの前髪を切っていたんです。伸びすぎてたから」
梨璃の言葉になにかを言おうとする者はいなかった。夢結でさえも。夢結は梨璃ではなく、ずっと水平線の向こうを見ていたのだった。頬に一筋の涙を流しながら。
お読みいただきありがとうございました。今回はちょっと短めに。
『G.E.H.E.N.A.』と政府の人間のクズっぷり、自分で書いてて腹がたちましたよ。そしてまさかの焔まで……。どうなってしまうのか、ハラハラドキドキです。次は……早めに出します。どうか今しばらくお待ちを!
それでは以上、レリでした!