お待たせしました、第五話です。前回叶星が焔に積極的だった理由が今回わかります。
蒼焔のリリィ、始まります。
「絶対逃がさねぇ!!」
ドオンッ!ドオンッ!
ザシュッ!
グリーンフェアの準備の手伝いをしている最中にきたHUGE出現警報、一柳隊とグラン・エプレが出動してHUGEと相対すると焔が周りのことなど知ったことかと言えるぐらいに暴れまわっていた。
あまりの暴れように一柳隊はあ~、またやってると呆れ、グラン・エプレは呆然と見ていた。ちなみに誰もHUGEを倒していない。全て焔が葬っている。
「はぁ……」
「あの、お姉様。これ、どうしましょうか」
「落ち着くまで放っておくしかないわね」
「すごい……これが『蒼焔の隻眼』の実力……」
「あんな連撃、見たことないわね」
「片手であんな巨大な鎌を軽々と……」
「義手の変形速度も凄すぎます……」
「すっご~い☆」
叶星は隠しているが焔に憧れており、隠れて焔についての新情報はすぐに聞いたりしていたので間近で焔の実力を見て瞳をキラキラと輝かせている。ちなみに高嶺にはバレてるが叶星は気づいていない。
と、何体かのHUGEが移動しようとしていることに気づいた叶星がCHARMを構える。
「あいつら!逃げるつもりね!?」
「待って叶星!逃げるというのなら追撃はしない方が……!」
「『蒼き焔(リオ・グレイズ)』!!」
叶星と高嶺の目の前を蒼い焔の斬撃が飛び、HUGEを消滅させた。一瞬のことだったため、二人は何が起こったのかわからず、ゆっくりと焔の方に顔を向けるとさっきまで戦っていたHUGEが全て真っ二つになって地面に転がっている状態で〈クレセント・ローズ・リオ〉の刃を地面に叩きつけている焔の姿があった。〈クレセント・ローズ・リオ〉で放ったのだろう、刃に蒼い焔が少し残っている。
「逃がさないと言ったろ。さ、これで全部だ。さっさと戻るぞ」
「はいはい。でもまずは落ち着いてからね」
夢結が結梨に目で合図をすると結梨が焔に向かって走っていって抱きついてその場に留まらせてから座らせる。
「えっと、夢結さん。焔さんは……」
「……怒ってるだけよ」
「怒ってる?」
「みんなが楽しみにして準備をしている最中にHUGEという邪魔が入ったからってところかしら。その怒りをHUGEに思いっきりぶつけたのよ」
「怒りでって……」
「僕たち出番無かったね~」
「流石、最強のリリィ、ですね」
「お姉様、私もお兄様のところに行きます」
「えぇ。わかったわ」
梨璃が夢結に一言告げると小走りで結梨が焔の頭を撫でて落ち着かせているところに行き、梨璃は話したりして落ち着かせようとするようだ。
「落ち着かせるのにあんなことしてるの?」
「毎回ね。すぐに落ち着くからいいのだけど」
「叶星、あなたも行ってきたら?」
「えっ!?わ、私も!?」
叶星は高嶺の言葉に驚きながらちらっと焔の方を見るといつの間にか夢結以外の一柳隊全員が焔に集まっていた。
「……///」
叶星はあそこに自分も混ざって焔の頭を撫でたりするのを想像して顔を赤くしてしまう。憧れの存在が目の前にいて仲良くなれるかもと思っている自分がいて、行こうとその自分が囁いて来て動こうとするがいやでも、と思いとどまったりでソワソワする叶星。
「……っ!?///」サッ!
「……?」
チラチラと焔を見ていて一瞬だけ目が合うとより一層顔を赤くして目を反らす叶星。それを見た焔は静かに首をかしげる。このやり取りを見ている紅巴は今にも昇天しそうになっている。
「……///」プシュ~
「あらあら」
とうとう叶星の頭から湯気が出てしまい、それを見た高嶺が頬に手を添えながら微笑んでいる。
「……はぁ。叶星さん」
「ひゃいっ!?」
夢結が一つため息をした後に叶星を呼ぶと叶星は驚いて高い声が出てしまう。
「撫でるなら今のうちよ」
「へ?」
「焔は身長が高いから頭を撫でるなら座っている今がチャンスってこと」
「夢結さん……」
「行きなさい、叶星」
「高嶺ちゃん……。うん。夢結さん、ありがとう」
叶星が焔の元へ走っていくのを見守りながら高嶺は静かに呟く。
「優しいのね、夢結さんは」
「別に。叶星さんにアドバイスしてあげただけよ」
「ふふ。そういうことにしておきましょうか」
恥ずかしそうに顔をそらす夢結を見て高嶺は微笑んでいた。
一方、焔のところに行った叶星は静かに歩いて近づくと神琳と雨嘉が気づいて横にずれながら神琳が叶星にお茶の缶を差し出してきた。それを見て叶星は首を傾げると神琳が焔にチラ見してから頷く。それだけで叶星は理解し、お茶缶を受け取って焔に近づく。
「あ、あの……」
「叶星?」
「///」
「どうした?」
「こ、これ……」
「あぁ、ありがとう、叶星」
座ったままの焔に叶星は先ほど受け取ったお茶缶を焔に差し出すと焔はお礼を言ってから右手で受け取ってすぐに開けて飲み始めた。
「あのさ、焔さん」
「なんだ?」
「そ、その……頭、撫でて、いい……?///」
「わざわざ許可を得なくてもいいよ。どうぞ」
「う、うん!ありがとう!///」
叶星は許可をもらったとはいえ、恐る恐る焔の頭に自分の手を置いて優しくゆっくりと撫で始める。
「(な、なに、この髪。サラサラしてて触り心地がいいんだけど。高嶺ちゃんとは違う触ってて気持ちいい髪。これが男の人の髪なのかしら)」
「お父さんはアルビノだから他の男の人の髪と比べると違うらしいよ」
「そ、そうなんだ」
考えていたことを的確に言ってきた結梨に驚き、なんとか冷静に返せたと思った叶星である。
「……そろそろ戻らないとヤバいか。叶星、もういいか?」
「え、あ、う、うん。ありがとう。頭撫でさせてくれて」
「別にお礼を言われるようなことではないが……まあ、いいか。叶星」
「なに?」
ポン……
「え……?」
「早く戻って楽しいグリーンフェアにしよう。そのためにも叶星たちが指示を出してくれ。俺らも頑張るから。だから、よろしくな」
叶星の頭に右手を乗せて撫でる焔。叶星はいきなり過ぎて状況が飲み込めず、理解してくると顔を段々と赤くしていく。そして、焔の微笑みを見るとーーー
「///」ボフッ!
「おっと」
「叶星様!?」
爆発したような音が聞こえたかと思ったら叶星が後ろに倒れ、すぐに焔が支える。見ていた姫歌が急いで叶星に近づく。
叶星は顔を赤くしながら目を回していた。
「あらあら。叶星のキャパオーバーね」
「焔」
「ん、わかった。よっと」
夢結が焔の名を呼ぶ。たったそれだけで焔は理解し、行動に出る。
目を回したままの叶星を抱き上げる行動に。
「はぅ!?///」
「わわ、とっきー!」
「あんたまで倒れるの!?紅巴!!」
焔は叶星を『お姫様抱っこ』で抱き上げたのだ。それを見た紅巴が倒れ、灯莉がなんとか支えることに成功する。
「叶星は俺が運ぶ。紅巴は……」
「あ、私たちが運びます!」
「そうか。なら頼んだ」
「はい!灯莉、手伝って!」
「は~い!」
~移動中~
「……んぅ、あれ。ここは……」
「お、起きたか、叶星」
「…………え?」
叶星が目を覚まし、辺りを見ようとすると焔と目が合い寝起きの眠そうな目で焔を見つめ、ゆっくりと首を動かして辺りを見ると帰ってる途中なんだと理解して視線を戻すとまた焔と目が合う。そして自分の体制を見てーーー。
「……っ!?///」
自分が焔にお姫様抱っこされていることに気づく。
「な、なななななっ!?///」
「動かなくていいぞ?グリーンフェアの開催場所まで俺が運ぶから」
「だ、大丈夫だから!私もう動けるから!///」
「叶星」
「た、高嶺ちゃん?」
「今回だけ、だそうよ?」ボソッ
「!///」
高嶺が叶星に近づき、焔に聞こえないようにそっと叶星の耳に囁いてきた言葉を聞いて前を歩く夢結に視線を向けるが夢結は見向きもせず、ただ前を見て歩いている。
「…………甘えても、いい?///」
「もちろんだ」
「ありがとう………………焔君///」
そう言うと叶星は焔の制服をぎゅっと握り、赤い顔を見られないように俯いたまま、焔にお姫様抱っこされて会場へと戻ったのだった。
ちなみにグリーンフェアだが、今まで以上に楽しかったと訪れたたくさんのお客さんが言っていた。
お読みいただきありがとうございました。
今回の叶星を頭の中で浮かんだ瞬間、これを書こうと思いました。頭に浮かんでいても文字にするのが大変で叶星のかわいすぎる様子は皆さんに伝わったか不安です。そして皆さんはなぜ叶星なのかと疑問になるかと思われます。理由は単純です。グラン・エプレの推しを可愛く書きたかった。ただそれだけです。
ラスバレの方でも浴衣の叶星が全然出ません。先ほど浴衣の二水が出たんですが叶星じゃなかった~!となりましたね。というかやっと浴衣姿のキャラが出ました。
それでは以上、レリでした!