アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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こんばんは、レリです。


お待たせしました。

なかなか執筆が進まず、ネタも浮かばず、全敗だ…………。

蒼焔のリリィ、始まります。


ラスバレ編第七話

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 

 

とある砂浜で叶星が膝をついて荒い息づかいをしている。少し離れたところには同じように高嶺も荒い息づかいをしている。

 

 

「叶星……はぁ……いける……?」

 

「大丈夫……いけるわ……高嶺ちゃんは……?」

 

 

高嶺に言われ、叶星は自身のCHARM〈クラウ・ソラス〉を地面に突き立ててゆっくりと起き上がる。

 

 

「問題……ないわ……」

 

 

高嶺も自身のCHARMを突き立てて立ち上がり、CHARMを構える。

 

 

「うん。みんなの想いは……無駄にしないから……!」

 

「私たち二人で……倒してみせるから……!」

 

 

叶星は後ろに倒れている一年生三人を見てCHARMを構え、二人同時に目の前にいる敵に向かって走り出した。

 

 

 

 

直後、砂浜に轟音が響き、砂ぼこりが舞った。

 

 

 

 

 

百合ヶ丘近辺の浜辺の休憩スペースとして作った場所に一柳隊とグラン・エプレがいた。ただ、グラン・エプレ全員が寝転がっていた。あの高嶺でさえも、だ。

 

 

「つっっっっかれた~……」

 

 

仰向けに寝ながら呟く灯莉。

 

 

「ホント、疲れたわ……。でも……」

 

「私たちが、一瞬でやられるとは、思いませんでした、ね……」

 

 

姫歌と紅巴も起き上がることができず、寝たまま呟く。

 

 

「まさか……あそこまで強いなんて……」

 

「予想外だったわね……」

 

「当然よ。私の夫の実力は群を抜いているわ。勝てない人はいないんじゃないかしら」

 

 

叶星と高嶺の言葉に夢結が言う。

 

叶星たち全員が寝転がっている理由は夢結の発言でだいたいわかるだろう。叶星たちは先ほどまで焔と模擬戦をしていたのだ。五対一での模擬戦だったが結果は一年生三人が開始二分で戦闘不能。二年生二人が開始十分で戦闘不能という圧倒的な強さを見せた焔の勝利だった。ちなみにCHARMは二本使った。理由は叶星に手加減無しでと言われたからである。その気持ちに応えた結果がこれであるが。

 

 

「まぁ、焔と同等の実力を身につけはじめている子もいるのだけれど」

 

 

夢結が言うと寝たまま先ほどまで自分たちが模擬戦をしていた場所を見る叶星たち。そこには今も轟音が響いている。

 

 

「はぁっ!」

 

「ふっ!おらぁ!」

 

 

 

ドゴォォォォン!!

 

 

 

「結梨さん……焔君と対等に渡り合ってる……」

 

「動きもすごいわね」

 

 

焔と模擬戦をしているのは結梨だ。轟音の正体は焔が〈クレセント・ローズ・リオ〉で結梨に攻撃するために振り下ろすが結梨が避けて地面に叩きつけられた時のものだ。

 

 

「改めて見ると、すごい威力、ですよね」

 

「私たちはアレを喰らって戦闘不能でしょ?HUGEなんか木っ端微塵に吹き飛ぶんじゃない?」

 

「かもね~」

 

 

一年生たちも焔の一撃を見て先ほどの模擬戦を思い出し、HUGEとの戦闘なら、と想像して少しゾッとしていた。

 

 

「あ、そういえば一葉さんたちが来る時間は……え!?もうこんな時間!?お姉様!私、一葉さんたちのお迎えに行ってきてもいいですか?」

 

「えぇ、行ってきなさい」

 

「ありがとうございます!」

 

「あ、梨璃さん。私も一緒に行ってもいいかしら?」

 

「もちろんです叶星様!では行きましょう!」

 

 

いまだ轟音が響く砂浜から梨璃と叶星が出ていく。それを見送った夢結は自分のCHARMを出して焔と結梨のところに向かって歩き出す。

 

 

「ちょ、ちょっと夢結様!?危ないですよ!!」

 

 

気づいた姫歌が言ってくるが夢結は立ち止まって振り返りーーー。

 

 

「大丈夫よ」

 

 

そう言って再び歩き出す。向かう先は変わらず、焔と結梨が戦っている中心点。

 

そして二人はゆっくりと近づいてくる夢結に気づかず、二人同時にCHARMを振り下ろす。二人ともこれで止めと言わんばかりの威力で。

 

二人のCHARMが当たる寸前に夢結が駆け出し、自身のCHARM〈ブリューナク〉を下から振り上げーーー。

 

 

 

ガギィィィィィィンッ!!

 

 

 

「嘘っ!?」

 

 

姫歌の驚きの声が上がり、叶星以外のグラン・エプレのメンバーも驚愕する。

 

なぜなら、夢結が下から振り上げたことで焔と結梨を同時に仰け反らせ、二人の激しい模擬戦を強制終了させたのだ。

 

 

「夢結……」

 

「お母さん……」

 

「そこまでよ二人とも。熱くなりすぎてまた周囲を破壊するつもり?焔」

 

「おっと……」

 

「え、えっと……?」

 

 

夢結の言葉に姫歌が首を傾げていると隣に梅がやってくる。

 

 

「前に焔と結梨が模擬戦してな。その時勢い余って焔が『フェイズトランセンデンス』を使ったんだ」

 

「え!?それじゃあ……!」

 

「想像どおり、辺り一帯が崩壊してな。その後、焔は夢結にこっぴどく叱られたよ。それからは焔と結梨が模擬戦をやる時は夢結が常に監視するようになってヒートアップしすぎたらさっきみたいに強引に止めさせてるんだ」

 

「へ、へぇ~……」

 

 

梅の説明で姫歌は三人の実力の異次元さにもうなにも言えなくなった。

 

 

「ヒートアップしすぎてる焔を見分けるのは焔の右目だな」

 

「どういうこと?」

 

「よく見てみろ。まだ若干右目から蒼い焔が出てるから」

 

「あ、ホントだ」

 

「模擬戦中は速すぎてよくわかりませんでしたね」

 

 

高嶺の問に答えると灯莉が確認し、紅巴が先ほどの模擬戦時を思い出していたが右目を見るということすらできずにやられたので確認のしようが無いことに気づく。

 

 

クイクイ……

 

 

「お父さん」

 

「ん?模擬戦やっておなかすいたか。なんか買ってくるか」

 

 

結梨が焔の裾を引っ張っただけで結梨が言いたいことが瞬時にわかる焔はさすがお父さんである。

 

 

「みんなはなにかいるか?」

 

「甘いものでお願い」

 

「了解。結梨、一緒に行くか?」

 

「うん!」

 

「じゃあ散歩がてら行くか」

 

 

焔が歩き出すと結梨が焔の左隣に移動して左手を握ってきたので焔も握り、一緒に歩いていく。

 

 

「お父さん、甘いものって言ってたけどどうする?」

 

「そうだな~。結梨は何が食べたい?」

 

「私は…………シュークリーム」

 

「いいな、最近食べてないからそれにするか。よし、じゃあ買いに行くか。梨璃たちと合流したら一緒に行こうな」

 

「うん!」

 

 

それからは焔は結梨と他愛ない会話をしながらシュークリームが売っているスーパーに向かう。

 

その途中に焔の右肩に来客が。

 

 

「ニャ~」

 

「あれ、ミィ?久しぶりだな。どこでなにしてたんだ?少し大きくなってるし」

 

 

焔に懐いている三毛猫のミィがいつの間にか焔の義手の肩に乗っていた。

 

 

ドン

 

 

「おっと。なんだ?」

 

 

いきなり後ろから衝撃があり、焔は少し前のめりになるがそんなに強い衝撃ではなかったのですぐに体制を戻して後ろを見ると誰かが抱きついていた。結梨も焔の後ろを見て誰なのかと見るとよく知っている人物だった。

 

 

「あれ、藍?」

 

 

後ろにいて抱きついていたのはヘルヴォルのメンバー、藍だった。藍は焔の背中に顔を埋めたまま動かない。

 

 

「藍?どうした?」

 

「……」

 

 

返事がなく、結梨が藍をよく見てみると。

 

 

「寝てる」

 

「器用なことしてるな……」

 

 

焔に抱きついて立ったまま寝ていた藍だった。

 

 

「仕方ない。結梨、ミィを頼む」

 

「わかった。おいで」

 

「ニャ」

 

 

焔の右肩に乗っていたミィが結梨のところに行き、結梨が抱っこしてミィがおとなしいのを確認すると藍の頭に右手をおいて撫でながら優しく声をかける。

 

 

「藍、その状態じゃ寝にくいだろ?おんぶするから少し離れてくれ」

 

「…………ん」

 

「いい子だ」

 

 

眠そうな藍が離れてくれたので頭を撫でてからしゃがむと藍はすぐに乗ってきたので焔はゆっくりと立ち上がる。

 

 

「結梨、藍はどうだ?」

 

「気持ち良さそうに寝てるよ」

 

「わかった。それじゃあ、このまま買い出しに行くか」

 

「うん」

 

 

そして焔の背中でぐっすり眠っている藍を連れながらスーパーに到着し、中に入るのにミィには外で待っててもらって買い物をしたのだった。途中、藍が起きたので焔の背中から下ろして三人で買い物をしている焔たちを他のお客は暖かい目で見ていたことに焔たちは気づかずにいた。

 

 

スーパーから出てきた焔たちにミィはすぐに気づいて焔の頭によじ登り、安定のポジションを確保したミィを見て三人は夢結たちがいる場所に戻ったのだった。

 

 

「あ、藍!」

 

「夢結さんの言うとおりだったね」

 

「なんの話だ?」

 

 

戻るとヘルヴォルのメンバーが揃っており、一葉が藍を見つけるとすぐに駆け寄り、恋花が呟いた言葉が気になり、焔が聞き返すとどうやら藍だけが見つからず、どこに行ったのかと騒いでいたら夢結が焔と一緒にいる気がするから大丈夫と言ったそうだ。

 

そこまで読む夢結にヘルヴォルが驚いたのは言うまでもない。

 

 

「そんな事があったんだな」

 

「焔さん。藍ちゃんは……」

 

「安心しろ千香瑠。藍はいい子だったぞ。な?藍」

 

「うん!」

 

「それより、ほら。シュークリーム買ってきたからみんなで食べよう」

 

「え、私たちの分まで」

 

 

一柳隊とグラン・エプレの他にヘルヴォルの人数分までシュークリームを出すと一葉が驚きの声をあげる。

 

 

「元から買う気だったからな。さ、食べよう」

 

「は、はい、ありがとうございます。いただきます」

 

 

百合ヶ丘近辺の浜辺で全員で心地よい風を感じながらシュークリームを食べ始める。が、恋花が浜辺のある場所をチラチラと見て何か気になっている。

 

 

「どうした?恋花」

 

「え?あ、いや。ちょっと聞きたいんだけどさ、焔」

 

「なんだ?」

 

「アレ、あんたがやったの?」

 

 

恋花が指すアレ。それは焔たちが模擬戦をしていた場所の大きく凹んでいる浜辺だった。

 

 

「そうだが、なんだ?」

 

「そうだって……あんなになるまでなにやってたの?」

 

「叶星たちと模擬戦」

 

「え!?叶星様たち焔様と模擬戦したんですか!?」

 

「え、えぇ。といっても、すぐにやられちゃったけどね」

 

「結果は?」

 

 

瑤が聞いてきたので叶星が結果を言うと藍以外のヘルヴォルが驚いていた。

 

 

「一葉たちもやるか?」

 

「え!?ちょっと、遠慮しようかなぁ……」

 

「お願いします」

 

「一葉!?」

 

「わかった。じゃあ、やろうか」

 

 

 

ヘルヴォルとの模擬戦で浜辺にまたもや轟音と砂ぼこりが舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結果は……………………グラン・エプレと同じと言っておこう。

 




お読みいただきありがとうございました。

模擬戦の描写は割愛させていただきました。そして結梨の実力、焔の動きを見てどんどん成長しています。あれ……?もしかして結梨も焔のような最強リリィになっちゃう……?

そして久々の登場の三毛猫、ミィでした。忘れてたわけではないのですよ?ただ登場のタイミングが見つからなかっただけです(震え)。

「ニャ!」ザシュ!

目がぁぁぁぁぁぁぁ!(傷は浅かった)


ラスバレはレギオンリーグですね。自分のレギオン『蒼き焔』とマッチした時は………………よろしくお願いします。

それでは以上、レリでした!
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