アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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ま、間に合った…………。

空白の一ヶ月にならずにすんだ…………!


蒼焔のリリィ、始まります。


ラスバレ編第十九話

新宿に蒼いビームが放たれる前、焔からの通信に戸惑うリリィの中にグラン・エプレも入っていた。

 

 

「この、射線上ってまさか……」

 

「発射位置が先ほどまで私たちがいた場所です。まさか焔様……」

 

「そのまさかね。彼、『フェイズトランセンデンス』をまた撃つ気よ」

 

「えぇっ!?」

 

「幸いと言うか残念と言うか、私たちがいる場所とは真逆に撃つみたいだから避難することは……いや、した方がいいわね。焔君のアレの衝撃波が来るし」

 

 

射線上のデータを見ながら叶星は過去の焔のアレを思い出しながら頭を抱えていた。

 

 

「衝撃波が来ること前提、なんですね」

 

「甘いわよ紅巴ちゃん。何回アレを放つのを見てきたと思ってるの」

 

「私も、何回も見てますから気持ちはわかります」

 

「よし、カウントが5を過ぎたら退避するわよ。それまでHUGEを撃破していくわよ!」

 

『了解!』

 

「そういえば、あの方角って確かヘルヴォルの皆さんがいたような…………」

 

 

そんな紅巴の呟きは、戦闘の音で誰の耳にも入ることはなかった。

 

 

 

一方、ヘルヴォルのメンバーは…………。

 

 

「まずいって一葉!!あのバカまたとんでもないことする気だよ!!早く退避しようよ!!」

 

「まだです!できるだけ多くのHUGEを射線上にいれるんです!ギリギリまで引き付けて!!」

 

「恋花!今すぐに退避したい気持ちはわかるけど一葉の言う通り、HUGEの数を減らしておけば!」

 

「こっちとしてはすぐに対処が出来て他の所の応援に行けるようになります!恋花さん、頑張って!」

 

「恋花~、ふぁいと~!」

 

「あぁもう!わかったよ!みんなが言うならあたしだって頑張るわよ!!ギリギリまで!!」

 

「そういうことなので皆さんはすぐに退避を!!誘導は我々がします!!」

 

「ちょ、ヘルヴォルだけで!?」

 

「そんな無茶な!?」

 

「私たちも残りますよ!!」

 

 

 

射線上のデータを見て恋花の退避したいという願いはメンバー全員に悉く拒否されてしまった為、仕方なく、覚悟を決めてHUGEを射線上に誘導するように威嚇射撃をしていくのを見て一葉は周りにいる他のリリィに退避を促すが、我先にと逃げるリリィはおらず、むしろ残ると言いながら誘導をしていく。

 

 

「ダメです!!あの人はアレを最高出力で放つ気です!!途轍もない衝撃波が来るのは目に見えています!!慣れていない皆さんではどんな被害が出るかわかりません!!ですので速やかに退避を!!」

 

「慣れていないって…………」

 

「そのままの意味!!あたしたちは何度もあのバカのアレを見てきたから今さら衝撃波だけでケガするような体はしてないってこと!!あんたたちはケガするかもしれないから早く!!」

 

「くっ…………わかった。先に退避するわ!くれぐれも巻き込まれないでね!!」

 

「当然!!」

 

 

リリィの注意に元気よく、いや、これはやけくそ気味のような声で恋花が答えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある程度のHUGEを射線上に誘導してる中、千香瑠がカウントを見ると5が4になった瞬間だった。

 

 

「皆さん!!カウントが4になりました!!急いで退避して!!」

 

 

千香瑠はすぐに全員に聞こえるように叫び、一葉たちは急いで射線上から退避し、離れようにもギリギリまで粘っていた為に出来ないので建造物の残骸の影に向かってマギを収束して跳んだ。

 

千香瑠と瑤が藍を抱えながら影に飛び込み、一葉が飛び込んだ影に恋花が遅れて飛び込んだ瞬間ーーー

 

 

極太の蒼いビームが誘導したHUGEを呑み込みながら放たれた。周囲に途轍もない衝撃波を発生させながら。

 

 

「あんのバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

恋花の叫びは衝撃が凄い中、周りにいたリリィ全員に聞こえたという。

 

 

 

 

 

 

 

離れた位置にいたグラン・エプレも物陰にカウントギリギリで避難した瞬間、遠くで蒼いビームが発射されたのを確認し、そしてーーー

 

 

「来たわよ!!みんな衝撃波に備えて!!」

 

 

叶星が言いきった瞬間、衝撃波が襲い、周りが見えなくなるほどの砂煙を舞い上がらせたのだった。

 

 

衝撃波が止み、物陰から出てみるとほとんどのHUGEが木っ端微塵になっていたのを見て、改めて焔のアレの威力に呆れるしかない叶星たちだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、ケホッ、ケホッ…………。れ、恋花様、お怪我は」

 

「う~、なんとか大丈夫……。一葉は?」

 

「私も大丈夫です。千香瑠様たちは……」

 

「一葉!恋花!」

 

 

ビームが止み、衝撃波で舞い上がった砂煙も風で流されていき視界が晴れてきたことで一葉は物陰から咳き込みながら出てきながら同じ場所にいた恋花に問いかけると恋花は若干目を回しながら無事を知らせた。

 

離れた物陰に隠れた千香瑠と瑤と藍も一葉と恋花が出てきたことに気づいて二人に合流したのだった。

 

 

 

 

そして五人は気づいた。いや、見てしまった。

 

 

 

焔の『フェイズトランセンデンス』で抉られた巨大な地面の跡を。

 

 

 

「「「「うわぁ………………」」」」

 

「何もないね~」

 

 

一葉、恋花、瑤、千香瑠の四人は顔を青くして、藍は先ほどまでいたHUGEと瓦礫の山が跡形もない地面を見ての感想を呟いていた。

 

 

 

「…………」

 

 

ふと、一葉が何かを感じたのか見上げた瞬間、途轍もない突風が彼女たちを襲った。

 

 

「うわぁ!?な、なに!?」

 

「くっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

「わ~」

 

 

突然の突風で不意を突かれたことで恋花、瑤、千香瑠が驚き、藍も驚いていないように見えるが驚いている。だが、一葉だけが驚いていなかった。一葉の目には先ほどの突風を発生させた正体とその後を追いかけるように地面の上を高速で移動した二つの影、そして遅れて上空を通過した七つの影を捉えていた。

 

 

「なに、今の?」

 

「…………焔様たち一柳隊の皆さんです」

 

「一葉、見えたの?」

 

「はい。一瞬ですが夢結様を抱えた焔様と目が合いました」

 

「目が合ったって、よくわかったわね」

 

「自分でもビックリです」

 

「でも、焔のアレを撃ってすぐに一柳隊のみんなが行ったってことは……」

 

「何かを見つけたか、でしょうか」

 

「千香瑠様の予想通りかもしれません」

 

 

瑤の呟きに千香瑠が続くように呟いた予想を一葉は肯定した。一葉も予想してる通りなら…………。

 

 

「もしかして特型を見つけた?」

 

「かと思いましたがおそらく違うかと。私の予想ではケイブを見つけたのではないかと」

 

「あ~、それでケイブがある場所までの道をアレで切り開いたって訳ね」

 

 

恋花も一葉の予想で大方納得したのだった。

 

 

「さ、一柳隊の皆さんの動きが気になりますが私たちは生き残りを殲滅しなければいけませんよ」

 

 

一葉がそう言った瞬間、ワラワラと物陰からHUGEが姿を現し始めた。だが数は少ない。運良く焔のアレから逃れたのだろう。

 

 

「ま~たぞろぞろと出てきたな~」

 

「けど、数は少ない」

 

「えぇ。この程度なら苦戦はしないかと」

 

「よ~し。んじゃいっちょやりまーーー」

 

 

 

 

ドォンッ!ドォンッ!ドォンッ!

 

 

 

 

「…………へ?」

 

 

恋花が気合いを入れて自身のCHARMを担ぎ直した瞬間、抉れた地面の先、一葉曰く焔たちが行ったという方向から銃弾三発が撃ち上げられた。

 

絶妙なタイミングだったことで気合いを入れ直した恋花にとってはその気合いが空回りしたような感覚になってしまったのでなんとも間抜けな声が出てしまった。

 

 

「じゅ、銃弾三発!?ってことは!?」

 

「特型を発見したの!?」

 

 

 

ドゴォォォォォォォォォンッ!!

 

 

 

「銃弾の次はなんで蒼い焔の爆発が上がんのさっ!?」

 

「焔様が戦ってる!?私たちも早く行かなくては!!」

 

「待って一葉ちゃん!まずはここにいるHUGEを倒さなくちゃ!」

 

「くっ!急いで倒しますよ!藍!速攻で片付けーーー」

 

「私たちが相手するからあなたたちヘルヴォルは行きなさい!!」

 

 

一葉が藍に指示を出そうとした瞬間、先に退避させたリリィたちが戻ってきて一葉たちに叫んだ。朧気ながらヘルヴォルがこの後どうしたいのかを理解したのである。

 

 

「え、そんな!私たちも!!」

 

「先に退避させてくれたんだからこれぐらいしか出来ないけど借りは返させてほしいの!!私たちのことは気にしないで早く行って!!」

 

「一葉!」

 

「皆さん…………ありがとうございます!!」

 

 

ご厚意を無下にするようなことをしたくない一葉は躊躇ったが覚悟を決めて、最大限の感謝を声に出していまだに蒼い焔の爆発が起きている場所にヘルヴォル全員で全速力で向かったのだった。

 

 




お読みいただきありがとうございました。


今回は珍しくヘルヴォル目線をお送りしました。若干グラン・エプレ目線も入ってますがね。たまにこういうのもいいなと思ってやったけど難しいですね。主にネタが浮かばないという難関が。

まあ、言えるのはやっぱ恋花がいじりやすい。ツッコミ担当みたいになってるし、結構自然に書ける。これが飯島恋花ということか(絶対違う)。


それでは以上、レリでした!
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