アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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皆様、大変長らくお待たせしました。

前書きで長々と話すのもアレなんで…………さっそく。


蒼焔のリリィ、始まります。


ラスバレ編第二十一話

 

◇◆◇

 

風を纏いしリリィ。友を、仲間を支えし風、大切を守る為、覚醒せしその風は、祝福の風となりえるか。

 

◇◆◇

 

 

 

「もう一撃!!」

 

 

風を纏っているCHARM《クラウ・ソラス》を振り下ろし、風の刃となった斬撃を特型HUGEに向かって三つの風刃を飛ばす叶星。

 

だが特型は上空に飛んで回避し、即座に回避した特型に向かって焔が突撃し、一撃入れた後に《クレセント・ローズ・リオ》を特型に向かって振り下ろして地面に叩きつけた。その直後に夢結が蒼い焔の斬撃を飛ばして攻撃していく。

 

攻撃を喰らった特型は依然健在で、今度は高速で動き始めた。高速で動いて焔たちを翻弄して攻撃させない考えだろうか。だがそんなに甘くない。特型の動きを見て一瞬、焔と目を合わせた叶星が無数の風刃を放った。その風刃は特型の周りを通過していく。周りを攻撃されて戸惑ったのか、特型が動きを止めた瞬間に焔が銃撃で的確に特型に命中させ、そして夢結が特型の背後に回って蒼い焔を纏った《ブリューナク》を一閃させる。その衝撃で特型は前方に向かって飛ばされ、その先にいた焔が鎌形態にした義手で攻撃。跳ね返された特型はそのまま木に激突する。そこに追い打ちで叶星から風刃が放たれ、特型が激突した木を巻き込みながら攻撃していく。

 

 

コンビネーションがこれ以上ないほどに完璧な三人に呆然としてただ見ているだけで動くことができない残りのメンバー。

 

 

「叶星様……凄い……」

 

 

焔と夢結の動きに着いていけてる叶星に姫歌が静かに呟いた。その姫歌の呟きは全員の気持ちを現している。

 

 

「(…………お兄様、お姉様)」

 

「梨璃?」

 

「(…………私は、私も…………)」

 

「梨璃!」

 

「っ!な、なに?結梨ちゃん」

 

 

呆然と、しかし、なにかを気にするように梨璃は不安そうな顔をしながら三人を見ていた。梨璃の雰囲気に気になった結梨が呼び掛けるがすぐに反応する事ができず、梨璃が結梨の方に向いた時には結梨は心配そうな顔をしていた。

 

 

「んーん、梨璃から不安そうな匂いがしたから……」

 

「ごめんね、大丈夫だよ。私は」

 

「無理しないでね?」

 

「うん」

 

 

心配させないように笑顔を作る梨璃だが、それが作り笑いだというのを結梨はわかっているがあえて追及しない。なぜなら梨璃の悩みがわかっているから。

 

 

「(………………)」

 

 

結梨に心配ないと言った梨璃だが、ずっと焔と夢結を見続けてしまう。

 

梨璃の中には、最初から力量が違う焔を尊敬と目標として見ていたが、結梨が覚醒して新たな力を使い、夢結も覚醒して新たな力で焔と対等に渡り合って敵を倒していく。それなのに自分には何もない。尊敬する二人と妹のような存在の結梨がどんどんと自分から離れていってしまう。どんどん大きな差が開いていってしまう。そんな焦りが芽生えてしまう。

 

 

「(………………私も)」

 

 

自分だけが力がない。一緒に戦うこともできない。その焦りで梨璃は冷静な判断ができずに…………。

 

 

「(………………私だって!)」

 

 

CHARMを握りしめて走り出そうとする梨璃。そこに。

 

 

「待って梨璃!!」

 

 

結梨が梨璃の手を掴んで突撃を阻止した。突然掴まれたことで驚いた梨璃は振り返ると悲しそうに、必死な顔をした結梨がいた。

 

 

「結梨、ちゃん?」

 

「梨璃、ない、ない!」

 

「えっと、大丈夫、だよ?私だって……」

 

「違う!梨璃、行かない!ううん、焦らない!!」

 

「っ!」

 

 

結梨の叫びに梨璃は己の心情を当てられたと思ったと同時に少し冷静になった。

 

 

「梨璃、焦る気持ちはわかる!でもそれで冷静な判断ができなくなるのはダメ!」

 

「結梨、ちゃん…………」

 

「梨璃……梨璃もお父さんを想ってるでしょ?想いは結梨たちと同じ。だから、梨璃もきっと。ね?」

 

「…………そう、だね」

 

 

結梨の言葉に梨璃は落ち着きを取り戻していき、握りしめていた手の力を抜いた。

 

 

「梨璃、深呼吸」

 

「え?」

 

「いいから!深呼吸!」

 

「は、はい!」

 

 

結梨の気迫に思わず敬語で返した梨璃はゆっくりと深呼吸をしだす。それだけで、荒れていた心が和らいでいく感覚を感じた梨璃。

 

 

「落ち着いた?」

 

「うん。私、こんなに焦ってたんだね」

 

「…………」

 

「私、結梨ちゃんやお姉様、そして叶星様も新たな力に目覚めて、どんどん遠くに行っちゃうって思って。それで焦ってたのかな」

 

「梨璃。梨璃もきっとすぐに覚醒するよ。梨璃だけの力に」

 

「結梨ちゃん…………」

 

「だから、焦らずにゆっくり行こ?結梨たちはいつまでも梨璃の隣にいるから」

 

「…………」

 

 

パンッ!

 

 

「っ!?」

 

 

結梨の言葉を聞いて涙が込み上げてきそうになった瞬間、梨璃は《グングニル》を地面に突き刺して両手で自分の頬を思いっきり叩いた。突然の行為に結梨はビックリしてしまう。

 

 

「つぅ~…………。よし」

 

先ほどの涙とは別で痛みによる涙が込み上げてくるが、なんとか我慢して気合いを入れた梨璃。

 

 

「梨璃」

 

「大丈夫。行けるよ」

 

 

先ほどとは全く違う目をした梨璃に結梨は安心し、すっと自分の左手を出して。

 

 

「行こ、梨璃」

 

 

差し出された結梨の左手を梨璃も自分の左手を出して強く握りしめてから強く頷いた。

 

 

「うん!」

 

 

結梨のおかげで自分が今なにをするべきなのかをしっかり考えた梨璃はいまだ呆然と三人を見ているメンバーを向いて指示を出すために息を吸った。

 

 

「皆さん!!聞いてくださいっ!!」

 

『っ!?』

 

 

突然の梨璃の大声に全員がビックリして梨璃の方を向いたのを確認した梨璃は止まらずに叫ぶ。

 

 

「特型は三人にお任せして私たちは三人に邪魔が入らないように周囲のHUGEを掃討します!!単独行動はせずにお願いします!!それでは皆さん行動を開始してください!!行くよ、結梨ちゃん!!」

 

「うん!!」

 

 

指示を出しきった梨璃は結梨の手を引きながら群がってるHUGEの方向へ走り出した。少し遅れて一柳隊のメンバーもグループを作ってHUGEの群れに突撃していく。そこでようやく動き出せたのがヘルヴォルとグラン・エプレのメンバー。こちらも梨璃の指示の下、グループを作って散開して周囲のHUGEを殲滅していった。

 

 

◇◆◇

 

 

一方、梨璃たちが周囲のHUGEを殲滅していく中、特型を相手にしている三人は徐々に特型を追い込んでいた。そんな時。

 

 

 

「っ!夢結!叶星!次で決める!!」

 

 

三人のコンビネーションでズタボロの特型が僅かに見せたよろめきを焔は見逃さず、すかさず二人に叫ぶ。

 

 

「えぇ!!」

 

「わかったわ!!」

 

 

焔の意図を読んで返事を二人はラストスパートと言わんばかりにそれぞれの攻撃をしていき、特型が止まった瞬間に焔が目の前に瞬間移動並に現れて特型をかち上げ、すぐにマギの翼を顕現させて上空に飛んで特型を追い越してから力強く《クレセント・ローズ・リオ》を特型に叩きつけた。

 

 

「叶星さん!合わせて!!」

 

「了解!!」

 

 

特型が地面に墜ちる寸前に夢結が叶星を呼び、背中合わせのように並び、CHARMを構える。そして己のCHARMに蒼い焔と風を纏わせる。

 

特型が地面に墜ち、数回バウンドして止まった瞬間ーーー

 

 

「「今!!」」

 

 

絶好のタイミングで同時にCHARMを振り下ろし、蒼い焔の斬撃と風の刃を飛ばした。二つの攻撃は真っ直ぐ向かい、特型を呑み込んだ。

 

CHARMを振り下ろした二人はそのまま力なく地面に膝をついてしまい、足に力が入らず、CHARMを地面に突き立てて支えにして立とうとするも腕にすら力が入らず、全く動けない夢結と叶星。だが、その上空に蒼い光が輝き始め、周囲を照らしていく。

 

そんな光景に驚く暇もなく、夢結と叶星、そして周囲のHUGEの殲滅が完了した梨璃たちが見上げた先にはーーー

 

 

《クレセント・ローズ・リオ》を高々に掲げ、そのマギクリスタルコアに周囲に四散してるマギと自身の保有マギを収束させていく焔がいた。

 

《ソウルハーベスト》は義手形態のままで翼で使っているマギすらも《クレセント・ローズ・リオ》に収束させていく。そのために翼はだんだんと薄くなっていき、ゆっくりと降下していく焔。着地した頃には翼は無くなっており、限界まで収束した《クレセント・ローズ・リオ》が刃から蒼い焔を出現させた。その蒼い焔は刃だけでなく、《クレセント・ローズ・リオ》の柄以外の部分を覆っていき、遂には、蒼い焔で生成された巨大な鎌が完成された。

 

 

「…………『死神の鎌(デスサイズ)』」

 

 

静かに、そしてはっきりと焔が呟いた後、《クレセント・ローズ・リオ》の刃を特型に向け、そして、振り下ろした。

 

 

「これで、終わりだぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 

巨大な鎌が振り下ろされ、特型を呑み込みながら地面に叩きつけられた瞬間、新宿に今までにない規模の大爆発を引き起こした。

 

爆発の跡には無数の斬れ傷をつけた特型HUGEが真っ二つになって転がっており、活動を完全停止したのは誰の目が見ても明らかだった。

 

 

「…………」

 

 

特型を倒した。三人という人数的には少なかったが覚醒して特殊な力が顕現されていたとしても倒すのに手間取ってしまった。そんなにもこの個体は耐久力があったのか。焔の頭の中はその考えで一杯であり、何よりーーー

 

 

「(…………背中に穴が無かった)」

 

 

以前、後ろから奇襲した時に義手で貫くには至らなかったが、義手が胴体に突き刺さったことで生じた穴がこの個体には無かったのだ。修復されたといえばそれまでだが、それにしては修復が早すぎる。そんなことを考えていると……。

 

 

「お兄様!!お姉様と叶星様を安全な場所まで運びます!!着いてきてください!!」

 

「あぁ、わかった!」

 

 

梨璃に呼ばれた為、考察するのは後回しにして焔たちは安全な場所に移動していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが彼らは気付かなかった。真っ二つにされた特型に近づく、『背中に大きな穴』を開けたもう一体の特型HUGEに。

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。


いやね、全っ然ネタが浮かばなくてどないしよ~ってなってたらこんなにも時間が過ぎてしまったんです。まあ俗に言う、スランプってやつですかね?それで今日やっとキレイにできたから投稿です。自分的にはキレイにできたけど皆様からしたらどうだかわからないですケド…………。

ということで、最後に焔が放った一撃の詳細です。ドドン!


焔のレアスキルの合わせ技

『死神の鎌(デスサイズ)』

『蒼き焔(リオ・グレイズ)』と『フェイズトランセンデンス』を同時発動して生み出された技。周囲に四散してるマギと焔の保有マギを全て《クレセント・ローズ・リオ》のマギクリスタルコアに収束させ、圧縮させたマギを全解放させたことで《クレセント・ローズ・リオ》が蒼い焔に包まれて巨大な鎌になる。周囲のマギを使わずに焔の保有マギだけでもできるが、鎌の大きさが若干小さく、威力が下がってしまう。攻撃はそのまま振り下ろして対象を呑み込むのと別に斬撃を飛ばしたりすることができる。どの攻撃も地面などに衝突すると限界まで圧縮されたマギが周囲に発散するため、大爆発を引き起こす。



こんなところですね。名前に関しては特に考えないでパッと出たのがこの名前だったのでこれにしました。まあ、焔を死神のように書いたりしてたから大丈夫でしょって思いましたが。

もうドンドンとリリィとしての範疇を越えるし、ネタが尽きて最初は考えて無かったのにとんでもない設定追加したりして読者の皆様にとってはすんごく読みづらくなってますよね……?それでも楽しんでいただけたら幸いです。

それでは以上、レリでした!長文すみませんでした!
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