皆さん、こんばんは。レリです。
メインストーリー一柳隊編のPVで夢結様を見て叫びました。美しい!!って。
蒼焔のリリィ、始まります。
特型を倒すことに成功した焔たち。その場で喜ぶ暇も無く、戦闘中に動けなくなった夢結と叶星を連れて安全な場所に移動していた。
…………移動する直前、『死神の鎌』の反動でマギが枯渇した焔が動けなくなり、梅と千香瑠が支えながら移動するということも起こったが。
マギの使いすぎというのもあるせいなのかわからないが、移動した後に結梨がすぐさま三人のマギを回復させ、二人より先に全回復した焔が周囲の状況を見ている時に結梨がある行動をした。それを見た焔は少し考え…………。
「…………ふむ」
行動した。
「梨璃」
「は、はい!なんですか?お兄様」
夢結と叶星を心配そうに見ていた梨璃が突然声をかけられて若干驚いてしまったがすぐに焔に向いた梨璃。呼ばれた理由が全くわからないため、不思議そうに焔を見る梨璃。
「さっきのことなんだが」
「え?あ」
「はいダウト」
「あうっ!?」
梨璃が心当たりがあるような「あ」を言ったので焔はやっぱりなと思いながら梨璃にデコピンをした。
デコピンされた梨璃は数歩下がっておでこを手で抑えながら涙目になりながら焔を見る。が、焔はやれやれと呆れていた。
「お兄様…………一体、誰から聞いたんですか……」
「誰からも聞いてないぞ」
「へ?」
焔の言葉に梨璃がキョトン、となって少ししたら気づいたみたいでしゃがみこんでしまった。
「嵌められたぁ…………」
ズーン、と青いオーラが見える程落ち込んだ梨璃。
「結梨がさっきから俺をチラ見してくるしソワソワしてたからな。そういう時の結梨はだいたい梨璃に関して俺に言うべきか悩んでるのが多いからカマかけさせてもらった。ちなみに結梨も同罪だぞ」
「あたっ」
回復に専念してる結梨にも軽くチョップを落として焔は梨璃の前にしゃがみこんで落ち込んでいる梨璃の頭を撫でる。
「梨璃。結梨にも言われたと思うが俺たちはずっと梨璃のそばから離れない。個人の強さなんて関係ない。劣っているだけで離れるなんてことは絶対にない」
「お兄様…………」
「それに、お前らが先に一緒にいようって言ったんだぞ?それを梨璃自身が破るのか?」
「あ…………」
梨璃たちが焔に言った言葉。忘れもしない、あのダインスレイフを持っていたHUGEとの戦いで暴走した焔に言った言葉である。
「俺が言えた義理じゃないが、二度とそんな焦りで先が見えなくなってしまうのはやめてくれ。梨璃たちには、俺みたいに体の一部を失ってほしくないんだ」
そう言いながら撫でていた手を梨璃の右目の前にそっと移動させる焔。
「体の一部を失って、周囲の環境に恵まれていたから俺は今不自由なく過ごせてる。けど、これは偶然や奇跡が重なっていたからだ。もし次があったら、今度こそはって考えてしまう。だから梨璃。俺にとって大切な人たちが俺のようになってしまうのは、嫌なんだ」
「……………………お兄様、少し、胸をお借りしてもいいですか」
「あぁ」
焔の答えに梨璃はゆっくりと焔の胸に顔を埋めて、静かに泣き始めた。それを焔は黙って梨璃の頭を撫で続けたのだった。
◇◆◇
泣いていた梨璃が落ち着き、焔から離れた時の梨璃の顔は結梨に言われた時以上のいい顔をしていた。が、二人だけならまだしも、一柳隊のメンバーとヘルヴォル、グラン・エプレがいる目の前で兄の胸の中で泣いたというのを晒したことで梨璃の顔は真っ赤だった。
「う~ん…………」
「どうした?結梨」
そんな中、回復中の結梨が首を傾げながら呟いた言葉に気になった焔。結梨の隣に行って尋ねてみたら……
「叶星のマギは順調に回復してるんだけど、お母さんのマギの回復速度が遅い感じがするの」
「なに?」
結梨に言われて焔も義眼を使って二人を見てみると、確かに夢結だけマギの回復が遅いという結果が出た。
「夢結、原因に心当たりはあるか?」
「…………」
「夢結?」
焔の問いかけに全く答えない夢結に不思議になる。が、先ほどからずっと焔のことを見ている夢結。
「…………」
「…………」
焔が横にズレるとそれを追う夢結の視線。また移動するとまた追ってくる視線。
「焔様を目で追ってる……」
「あのような夢結様は初めて見ましたが…………焔様になにかを訴えている……?」
二人の行動に雨嘉と神琳が呟きの通り、確かになにかを訴えている夢結。焔は小さくため息をしてから夢結の方に歩きだす。
ーーーこの時、彼は、彼女たちは、考えもしなかった。彼女が…………夢結がなにを企んでいるのか。
ガシッ
「え」
特に気にすることなく近づいてきた焔の腕を掴んだ夢結。いきなり過ぎて驚いた焔は一瞬固まってしまう。その一瞬をついて、今度は思いっきり引っ張り、引っ張った瞬間に手を離して焔の首の後ろに両腕を回してーーー
キスをした。
『え…………………………えっ!?///』
突然の戦場のど真ん中で、自分たちの目の前で堂々と行った夢結の行動にほぼ全員が呆然とし、数秒で理解して一瞬で顔を真っ赤にした。ただ一人、彼女だけは…………。
「ああああああああああああ!!!???」
今までにない程の音量で叫びを上げた叶星であった。
「お~。あ」
もう一人、結梨も夢結の行動に大胆という意味を込めている。が、直後に感じた異変にすぐに対応した。
百合の花を夢結にではなく、焔に咲かせるという対応を。
「え、結梨ちゃん?なんでお兄様に?」
「お父さんのマギが凄い勢いで減ってる。逆にお母さんのマギは回復してる」
「へ?」
「ってことは、つまり…………」
「お母さんがお父さんのマギを吸ってる」
「キスしたまま!?」
「恋花、逆。それをしないと吸えない」
梨璃の問いかけに答えた結梨だが、例の如く、恋花が突っ込んでくるがさらりと答える結梨。慣れたものなのだろうか。
「あ、そっか。じゃなくてっ!!ホントに吸ってるの!?」
一瞬冷静だったがすぐに戻る恋花。そのまま二人の方を向くと、まだキスをしていた。いや、夢結が焔を逃がさないようにがっしりと掴んで続けている。
一定のリズムで夢結の喉が鳴ってる音が静かな空間に妙に響いており、吸っているのは確実である。
『………………///』
見せつけられている光景に全員が声を出さずにまた顔を赤くしていく。そんな静かな空間に今度は……。
ゴクリ……
「今喉を鳴らした人正直に言いなさい」
『っ!?』
小さい音だったのだが、静かな空間では響いてしまう。その音に瞬時に反応したのが焔のマギを吸っていた夢結である。キスしてたのに一瞬で焔の唇から離れて即座に放たれた殺気に全員がビックリしてしまう。赤い顔だったのに一瞬で青ざめて怯えてしまうが、数名だけより一層顔を青くさせ、冷や汗を流しながら夢結にバレないように祈ってるのがいた。
誰も名乗りでないことに夢結に怒りが蓄積されていく。当然である。夢結が放っている殺気で名乗り出れば殺されてしまうのではないかと全員が考えているので黙ったままなのだから。
限界なのか、夢結の瞳が蒼くなっていき、殺気も濃くなっていく。その時ーーー
「はい」
『っ!?』
一人だけ、静かに挙手をした人物がいた。この殺気の中、勇敢に手を上げた人物に全員が驚きながら見てみるとーーー
「…………結梨」
結梨が手を上げていた。
「結梨、どうして?」
「お父さんのマギ美味しそうって思ったから」
『(その気持ちはよくわかる…………!)』
結梨の発言に全員がそう思った。
「…………そう」
正直に言った娘に、夢結は殺気を引っ込めていつもの雰囲気に戻った。
『…………ふぅ』
気づかれないように静かに全員が息を吐いたのだった。
「お母さん、お父さんのマギ美味しい?」
「えぇ、とっても。それこそ根こそぎ吸い尽くすぐらいね」
「え……?まさか、お兄様?」
夢結の発言に梨璃が嫌な予感を感じて焔の方を向いた時、焔は《クレセント・ローズ・リオ》を突き立てながら俯いており、ゆっくりと梨璃に顔を上げながらーーー
「梨璃……あと、頼む……」
「お兄様ぁぁぁぁぁぁぁ!?」
バタリ、と倒れたのを見て梨璃は叫んだのだった。
◇梨璃説教中&焔回復中◇
「お姉様!!お兄様はついさっき私たちが知らない技を使って体に深刻なダメージを負ってるというのにそこでお姉様がトドメを刺してどうするんですか!!」
「………………反省してるわ」
「お父さん、大丈夫?」
「…………『フェイズトランセンデンス』を放った後以上の倦怠感が…………」
「充分甚大なダメージね……」
梨璃に正座させられて説教を喰らっている夢結と離れた位置で千香瑠に膝枕で寝かされながら結梨がたくさんの百合の花を咲かせて回復中の焔という渾沌とした光景が広がっていた。
ちなみに、なぜ千香瑠が膝枕しているのかというと…………。
焔が倒れる→夢結が動くーーー前に梨璃が捕まえて説教で動けず→ここぞとばかりに叶星が動こうとしたが回復が間に合っておらず素早く動けず→結果、唯一素早く動けたのが千香瑠
ということである。
現在、焔の周りには一柳隊以外(結梨を除く)がおり、汗を流してぐったりしてる焔に恋花が自分のハンカチで汗を拭ったりしている。ちなみに一柳隊のメンバーは梨璃と同じように夢結を囲って説教している。
…………下級生が多いレギオンだから下級生に説教を喰らっている夢結という状況なので端から見たらどうなのかと思われそうだが、彼女たち一柳隊は一切気にしない。
「お父さん、どう?」
「…………なんとか。けど、まだ体が怠い…………」
「ねぇ、瑤。瑤のレアスキルを使うってのは?」
焔の容態に恋花が瑤に聞くが、瑤は静かに首を横に振って否定した。
「負のマギにやられてる訳じゃないから私の『ブレイブ』は意味ないと思う」
「……そっか」
「ごめん、焔」
「……いや、気にしないでくれ。なんとかしたいっていう気持ちだけでも嬉しいよ」
「その分、結梨が頑張るね」
「お願い、結梨さん」
「うん」
自分たちは無力。そう思ってしまう瑤たちだが、それでもどうにか手伝いたい。その気持ちは焔はよく分かってるので礼を言う。礼を言われた瑤と恋花は顔を赤くするが、その想いを乗せて結梨は追加の花を咲かせて焔を回復させていく。
その時、一人。恋花が顔が赤いまま焔の顔をじっと見つめる。見つめられていることに当の焔は目を閉じて回復に専念しているので全く気づいていない。
「……恋花さん、抑えて」
「へ…………!?」
突然、膝枕をしている千香瑠に小さい声で言われて恋花はビックリしながら千香瑠を見る。千香瑠は恋花の方を見ず、ずっと焔の顔を見るのに顔を下に向けている。
「……気持ちは分かります。けど抑えて。夢結さんが見てます」
「え…………」
千香瑠に言われてバレないようにそっとチラ見してみると説教してる梨璃たちの間から夢結の目と合ったーーーような気がした恋花はすぐに視線を戻す。
「…………千香瑠」
「…………私だって目の前であんなのを見せられて平常ではいられません。抑えるのに必死です」
よく見ると顔が赤い千香瑠。自分と同じなんだ。そう思ってしまう恋花だった。
ちなみに千香瑠がちゃっかりと焔の頭を撫でていることには夢結はもちろん、恋花や周りにいるメンバーは全く気づいていなかった。
◇◆◇
だいぶ時間がかかったが焔も全回復し、体をほぐしていつでも戦闘に行けるようにしてから焔は言おうとしたがいろいろあって全然言えてなかったことを言うことにした。
「みんな、話がある」
「話?」
「私たちが知らない技のことですか?」
夢結が首を傾げ、梨璃が『死神の鎌』の詳細を聞けるのかとなるが焔は首を横に振る。その事で全員の頭の上に『?』が浮かぶ。
「それもあるが…………もっとヤバいことだと、俺は思ってる」
『え』
もっとヤバいこと。焔がそう言った時点で全員が驚愕した。それに彼がそう言う程のヤバいことなのかとなり、何人かはある最悪な考えに至ったのか汗を流しながら焔を見る。
「焔様……まさか……」
「…………さっき俺たちが倒した特型だが、最初に出会した奴と別個体の可能性がある」
『え……!?』
「……理由は?」
「…………俺がつけた大穴が奴の胴体に無かった」
決定的な証拠が焔の口から出たことで全員が唖然としてる中ーーー
突如として彼の、焔の義眼のレーダーにHUGE反応を検知した。
その事でバッ!という程の勢いでその反応があった方向を向いた焔に一瞬疑問に思いながらもすぐにわかったのか全員が焔と同じ方向を向いてーーー驚愕した。
視線の先には、つい先ほどまで話題に上がっていた特型HUGEがいた。
全員が固まってる中、特型がまるで自分の存在に気づいたかのようなタイミングで大穴が空いた背中を見せて逃走した。
「っ、待て!!」
先に我に返った焔が翼を顕現させて飛翔して追いかけ、遅れてすぐに夢結たちもマギを収束して跳躍して焔を追いかけたのだった。
向かう先は一体どこなのか。その先が決戦となりえるのか。どういう結末になるのか。
それは、焔たちには、わからない。
お読みいただきありがとうございました。
次回、やっと…………やっと…………!エヴォルヴ戦に入れるーーーかもしれない!!
断言できないのが辛いです……。まだ書いてないですし……。まあ、エヴォルヴ戦はずっと前から考えているネタがあるのでそれをどうやって文字にして皆さんにお伝えできるか。とりあえずそこですね。
はい、今回の夢結様、ドレインタッチならぬドレインキッスを覚えるというね。そして焔の保有マギを根こそぎ吸うというね。結梨の回復が間に合わずに倒れてしまったという状況です。そしてドレインキッスした夢結はほぼ暴走しての行動で梨璃に説教喰らう直前に正気に戻って反省しました。
さて、それでは次回はエヴォルヴ戦……かもしれないです。まあ、エヴォルヴ戦以外ないと思うけど。
それでは以上、レリでした!