アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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こんばんは。レリです。


さて、短編 バレンタインの回です。

無理やり繋げたから変な風になってると思いますがご了承ください。

蒼焔のリリィ、始まります。


短編 バレンタイン

ある日、一柳隊のレギオンルームでは平和な日常が送られていた。

 

各々好きなことをしている。本を読んでいたり、お菓子を食べていたり、話していたり。そんなまったりな中、焔は結梨の髪をブラシでといていた。結梨を膝の上に乗せて。

 

 

「梨璃にもやってもらっていたけど、お父さんのブラッシング上手」

 

「そうか?ありがとな」

 

 

美鈴に叩き込まれたことだけはあるようで結梨から好評をもらう焔である。ちなみに過去に一柳隊全員にブラッシングをしたことがあり、たまにお願いされる時がある。

 

 

「というより、なぜ膝の上なのかしら?」

 

 

と、ブラッシングを続けていると梨璃と話ながら紅茶を飲んでいた夢結が聞いてきた。焔は手を止めずに夢結に答える。

 

 

「結梨が乗ってきたから」

 

「私が乗ったから」

 

「二人して同じような回答をしないでちょうだい」

 

「だってお父さんの膝の上は落ち着くんだもん」

 

「その気持ちはわかるわ」

 

「いやわかるんかい」

 

「いいな~結梨ちゃん」

 

「結梨が終わったら梨璃もやるか?」

 

「いいんですか!?お願いします!!」

 

「おう」

 

 

コンコン……

 

 

「ん?」

 

「誰かしら?どうぞ」

 

 

一柳隊のレギオンルームのドアがノックされる。夢結が返事をすると扉が開かれ、お客様が入ってくる。

 

 

「お邪魔しま~す」

 

「祀?」

 

 

入ってきたのは生徒会の一人であり、夢結のルームメイトの秦 祀であった。

 

 

「ごめんなさい、焔をお借りしたいんだけど」

 

「俺を?どうした?」

 

「生徒会で人手が足りなくてちょっと手伝ってほしいの」

 

「人手だけなら他にもいるだろ?」

 

「生徒会の仕事を他の子に頼めると思う?それに前にも手伝ってもらったんだし。いいでしょ?」

 

「まあ、俺は構わないけど。行っていいか?」

 

「大丈夫です!戻ってきたらブラッシングをお願いします!」

 

「了解。じゃ、行ってくる」

 

 

焔が部屋を出てそれに祀が続く。扉が閉めきる直前に祀は夢結にウインクした。

 

扉が閉まって戻ってこないことを確認すると。

 

 

「それでは始めましょうか」

 

「はい!」

 

 

 

生徒会室に向かっている最中の焔と祀は廊下を歩いて今生徒会でやってることを話していた。

 

 

「そういえば焔。そろそろバレンタインね」

 

「バレンタインか……」

 

「あら、嬉しくないの?」

 

「いや、嬉しいんだけどさ……去年のがあるからな」

 

「あ~……」

 

 

焔のいう去年のバレンタイン。焔がまだ一年生で親しいのは幼馴染みの夢結と夢結のシュッツエンゲルの美鈴など少数だったのだが山のようにチョコを貰ったのだ。それどころかチョコと一緒に勝負を挑んできたリリィもいた。それがあったので今年は主に一年生から勝負を挑まれるのかと思っていたのだ。

 

 

「去年はあまりにも勝負を挑んできた子が多かったから急遽焔と対戦したい子たちでバトルが行われたのだったわね」

 

「今年は一年生がやってくると考えて去年と同じになるとどうすればいいかわからないからな……。バレンタインの日はどっか隠れようかな」

 

「それは私たちが、主に夢結がさせないでしょうね」

 

「だろうな……。はぁ……」

 

 

そんな話をしながら生徒会室に向かったのだった。

 

 

後日。

 

 

「またこの日がきたか……」

 

 

焔にとっては憂鬱のバレンタインの日である。隠れることはせずに一柳隊のレギオンルームにいたりすれば大人数のリリィが来ることはまずないだろうと考えた焔は一柳隊のレギオンルームに来て扉を開けた。

 

 

『焔(様)!』

 

「ごめんっ!!」

 

 

扉を開けたら中にいた夢結たちが寄ってきた瞬間焔は謝りながら扉を閉めて全力で走った。

 

 

「逃がさないわよ!焔!!」

 

 

扉を開けて先に出てきたのは夢結でそれに続いて梨璃、梅、雨嘉、神琳、ミリアム、楓、鶴紗、二水でなぜか中にいたアールヴヘイムのメンバー、その他焔と交流があるリリィたちが焔を追いかけた。

 

 

「梅!」

 

「おう!鶴紗!」

 

「『ファンタズム』!」

 

「『縮地』!」

 

「『縮地』か!くそ!なら!」

 

「梅先輩!焔様が外に出る!」

 

「了解!」

 

「『ファンタズム』で未来を視やがったか!厄介なの組み合わせたな!!だが、外に出れば!」

 

 

焔は窓を開けて外に飛び出し、梅も『縮地』を使って焔を追いかける。焔もマギを収束して『縮地』並の移動速度で全力で逃げたのだった。

 

 

「バレンタインなのに鬼ごっこかよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

「焔!勝負を望んでるリリィだっているぞ!!」

 

「断る!!」

 

「じゃあ捕まえる!!」

 

「捕まってたまるか!!全力で逃げる!!」

 

「お父さん捕まえた!」

 

「うおっ!?結梨!?」

 

 

全力で逃げていると突然結梨が焔に抱きついてきて、驚いて体制を崩してしまう。

 

 

「ナイスだ、結梨!捕まえたゾ!!」

 

「く!なんのっ!!」

 

「おっ!?」

 

 

焔は抱きついてきた結梨を抱えてマギを収束してその場で跳び、間一髪で梅を避けた。

 

 

「こうなったら結梨を抱えたまま逃げる!!」

 

「待てぇ!焔!!」

 

「誰が待つかぁぁぁぁ!!」

 

「お父さん、今度は私も逃げる番?」

 

「その通りだよ!一緒に逃げるぞ!!」

 

「うん!」

 

 

結梨を抱えた状態でも速度が落ちることはなく、焔は百合ヶ丘の敷地内を逃げ回ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみに結果は先回りしていた夢結に呆気なく捕まったのだった。

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。


バレンタインという鬼ごっこでした。

はたしてこれでいいのかと思いましたが……まあ、いっか!ってなりました。ぶっちゃけこれが頭に浮かんだから書いたらチョコを渡すシーンが書けん……ってなりましたが。

それでは以上、レリでした!

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