アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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大変、大変お待たせしました。


ネタがマ~ジで浮かばず、メインストーリーを何度も見ても浮かばなねぇ!!って頭を抱えていました。

久々の本編なので忘れてる方が多いと思います。なので、前回のあらすじを簡潔に。


エヴォルヴ討伐完了。


蒼焔のリリィ、始まります。



ラスバレ編第二十九話

 

ー報告書ー

 

 

先日、新宿で起きたHUGE進攻の事件。エリアディフェンス崩壊事変での残党だと思われるが、その場に居合わせていた『紫焔のリリィ』と『風舞のリリィ』、そしてヘルヴォルのリーダーの三人の活躍により、残党のHUGEは被害を出すこと無く殲滅された。爪痕が残っている新宿だが、被害無しは三人のリリィの迅速なる殲滅戦のおかげである。この戦闘にはマディックも出撃していたが『紫焔のリリィ』の覚醒能力、《紫焔の刃》で地上にいたHUGEを、そして『風舞のリリィ』の覚醒能力、《風精の祝福(ブレス・シルフィ)》による刃で空中にいたHUGEは殲滅され、ヘルヴォルのリーダー、相澤一葉も離れた位置で殲滅した。が、殲滅完了と思った時、堕天使型の特型HUGEが出現。堕天使型は猛威を振るったが現地にいたマディック、そして三レギオンのリーダーにより殲滅を確認。これにより、新宿に現れたHUGEの進攻は幕を閉じた。

 

ー報告者、ミリアム・ヒルデガルド・v・グロピウスー

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「ふ……」

 

「お父さん?」

 

 

タブレット型端末の画面を見ていた焔から不意に微笑みが浮かぶ。それに気づいた結梨が不思議そうに覗き込んできた。

 

 

「いや、ミリアムの報告書を見ていてな」

 

「報告書?」

 

「なんじゃ、焔様。この前の新宿で起きたHUGE進攻の報告書を見てたのかの?確か何度か目を通してるはずじゃが」

 

「あぁ。報告書は何度か目を通してる。だが、ゆっくりと読むことがなかったからな。暇だしゆっくり読もうと思って」

 

「なるほどのぅ」

 

「お兄様、私達の活躍はどうでした?」

 

 

ミリアムが疑問に感じていたので軽く説明し、納得したところに梨璃が入ってきた。

 

 

「あぁ、よく頑張ったよ。覚醒能力も充分に使いこなしているし、あの堕天使型も容易く殲滅できたと聞いた時は嬉しかったよ。本当に、よく頑張ったな、梨璃」

 

「えへへ」

 

 

褒めながら梨璃の頭を撫でる焔。梨璃は嬉しそうにしながら撫でられている。

 

 

「みんな、もうすぐ着くわよ」

 

 

撫でていると夢結が言ってきた。

 

 

「お、そうか。じゃ、行くか」

 

 

理事長代行である咬月が手配したヘリが着陸し、焔たち一柳隊はあるガーデンに降り立つ。

 

 

『東京防衛構想会議』が開かれる場所、私立ルドビコ女学院へと。

 

 

◇◆◇

 

 

「なんか目立ってるな」

 

「当たり前でしょ。皆して公共手段で来てるのに私たちだけヘリで来てるのよ。しかもグラウンドの一部を急遽ヘリポートとして使わせてもらってるのだから」

 

 

ヘリから降りた焔の第一声はその場にいたリリィたちがこちらを凝視していた為である。すかさず夢結にツッコミされてるが。

 

 

「そこは伯父さんに感謝と言っておこう。それに元を辿れば百合ヶ丘でヘリのチャーターをお願いしてるところだな。そこの人たちがぜひうちのヘリを使ってくれって伯父さんに言ったらしいし」

 

 

そう。ヘリをチャーターしたのは理事長代行でも焔でもなく、百合ヶ丘がよくチャーターしている所がぜひともうちのヘリを遠慮なく使ってくれと言ってきたのだ。

 

理事長代行の咬月は最初はやんわりと断っていたのだが、相手側が全く引くことがなく、結局は咬月が根負けして頼んである。

 

 

「では、自分はこのまま皆さんをお待ちしてますね」

 

「あ、はい。わかりました。けど、会議は相当な時間がかかると思うので一旦戻っても大丈夫ですよ?」

 

「いえ、大丈夫ですよ。自分はここでお待ちしてるので。言い方が失礼になってしまうのですが、時間を潰す方法はたくさんあるので」

 

「そうですか。わかりました。では、いってきます」

 

「いってらっしゃいませ」

 

 

ヘリのパイロットが話しかけてきたので焔が対応し、軽く話した後、焔たちはルド女の校舎へと歩きだしていき、パイロットはそれを見送った。

 

 

「さて、俺はこれでも読んだりして時間を潰すかな」

 

 

そう言ってパイロットはヘリの操縦で強張っていた体を軽くストレッチしてから1冊の本を取り出して操縦席に座ったのだった。

 

『リリィ特集-《蒼焔の隻眼》を含めた覚醒者のインタビューを纏めた1冊!』

 

これがパイロットが手にした1冊の本であった。

 

 

◇◆◇

 

 

グラウンドを歩いている焔たち。が、前方に二つの人影があることに気づいた焔と夢結。人影が誰なのかわかった夢結は少し嬉しそうな顔になった。

 

 

「ようこそ、百合ヶ丘女学院一柳隊の皆さん!」

 

「ルド女を代表して歓迎します。で、堅苦しいあいさつはここまでにして。久しぶりね、夢結」

 

「えぇ。久しぶりね、幸恵」

 

 

二つの人影、それは出迎えに来ていたルド女のリリィ、福山・ジャンヌ・幸恵と岸本・ルチア・来夢の二人であった。

 

幸恵は夢結と面識があり、今も連絡を取り合っていることを聞いている焔は二人とも良い笑顔なのを見て微笑む。

 

 

「まずは夢結。連絡してる時にも言ったけど改めて言うわね。結婚おめでとう」

 

「ありがとう、幸恵」

 

「で、貴方にも久しぶり、と言った方がいいかしら?」

 

「そうだな。まあ、久しぶりといえば久しぶり、だな」

 

 

夢結と話してた幸恵は夢結の後ろにいる焔に視線を向けながら言ってきた。焔も幸恵に軽くあいさつを返す。

 

 

「夢結とは連絡を取ってたけど、貴方とはしていなかったしね。ともあれ、御台場迎撃戦以来ね、焔」

 

「あぁ。元気そうで何よりだ。幸恵」

 

 

そう。焔も幸恵とは御台場迎撃戦で戦闘中に軽く話したことがあるのだ。といっても簡単な指示出し程度だが。御台場迎撃戦が終戦した後、焔たち百合ヶ丘のリリィは休むこともなく自分たちのガーデンへと戻ってしまった為に幸恵とは戦闘中の指示出ししかしなかったのである。

 

 

「貴方の噂、ここまで広まってるわよ?全リリィを圧倒する実力者とか、『超覚醒』に至ってる者とかね」

 

「噂が広まるのは早いものだな」

 

 

幸恵に言われて焔は呆れながら呟いた。

 

 

「(この方が、百合ヶ丘にいる男性のリリィ……そして白井夢結様、じゃなくて蒼月夢結様の旦那様の《蒼焔の隻眼》……。すごく優しい雰囲気を感じる……最初に聞いてた噂とはかけはなれてるみたいに……)」

 

「それで、紹介してくれないか?幸恵」

 

「あ、そうね。紹介が遅れてごめん。この子は私のシュベスターの来夢よ。来夢、自己紹介して」

 

「ふぇ?あ、ごめんなさい!岸本・ルチア・来夢です!よ、よろしくお願いします!《蒼焔の隻眼》様!」

 

「蒼月焔だ。二つ名じゃなくて焔でいいよ」

 

「あ、はい!焔様!」

 

 

他のメンバーも来夢とあいさつを交わした後、幸恵の案内により、ルド女の校舎へと向かい出す焔たち。そこに……

 

 

「お~い!」

 

 

遠くから呼ぶ声が聞こえ、全員がそちらを向くと、手を大きく振りながら向かってくる灯莉とその灯莉を追ってきている叶星たちグラン・エプレとヘルヴォルのメンバーがいた。

 

 

「あ、皆さん!」

 

「久しぶり~!」

 

 

梨璃と結梨が反応し、手を振ったところで灯莉が到着。

 

 

「みんな久しぶり~!」

 

「一柳隊の皆さん!お久しぶりです!」

 

「久しぶり」

 

「あぁ、久しぶりだな。みんな」

 

 

遅れて他のメンバーも到着して久々の再会で各々話し出す。

 

 

「叶星様、一葉さん。先日の戦いはありがとうございました」

 

「いえ、こちらこそありがとうございました」

 

「私からもよ。それにこれはみんなの頑張りの成果だからお疲れ様でいいのよ、梨璃さん」

 

「はい!」

 

「叶星、一葉。俺からも言わせてくれ。お疲れ様、みんな」

 

「焔様……ありがとうございます!」

 

「ありがとう、焔君」

 

 

ルド女の敷地内にて会話する三レギオンのメンバーたち。その光景を見た周りのリリィたちは驚愕と、尊敬の目をしながら固まっている。

 

それもそうだ。なんといっても先の戦い、『エリアディフェンス崩壊事変』の中心と言われた特型HUGE『エヴォルヴ』の討伐をしたリリィたち。そして『覚醒』に至っているリリィ全員が揃っているのだ。

 

その情報を知っているリリィたちからすれば圧巻の一言である。

 

 

「あ、そうだ。焔君」

 

「なんだ?叶星」

 

 

そんな目で見られているのに気にすることなく話している焔たち。もはや大物である。

 

 

「あとで模擬戦お願いしていい?」

 

「模擬戦?なんで俺に……あぁ、《風精の祝福(ブレス・シルフィ)》の力を使っての模擬戦って訳か」

 

「そ。《風精の祝福(ブレス・シルフィ)》でどれだけ焔君と渡り合えるかを確かめたくてね。いいかな?」

 

「俺は構わんが……」

 

 

焔は言葉を濁しながらチラリと夢結を見ると夢結は静かに頷いた。それを見た焔は微笑みながら……

 

 

「いいぞ、叶星」

 

 

承諾したのだった。

 

 

「やった!ありがと、焔君、夢結さん!」

 

 

許可をもらったのでしっかりと夢結にも感謝する叶星である。

 

 

「ずいぶんと有名になったものですわね、叶星」

 

 

突然叶星にかけられた声。それを聞いた叶星は声がした方向に向くと、そこには二人のリリィがいた。

 

一人は白の長髪で白い和服のような制服を着ているリリィ。もう一人は黒の長髪で青を基調とした制服を着ているリリィ。

 

二人を見た叶星は小さく、微笑んだ。

 

 

「久しぶりね、初、純」

 

「(御台場女学校の船田姉妹か)」

 

「元気そうで安心したわ、叶星。貴女の噂は聞いてる。とても強くなったのね」

 

 

白の長髪のリリィ、船田初がニコニコと笑顔を浮かべながら軽くお辞儀をしながら世間話をしてくる。

 

 

「あら、御台場は私の噂が広まってるのね?それと、確かに強くなったと思いたいけど私なんてまだまだよ」

 

「謙遜はおよしなさいな。『覚醒者』である貴女が弱いわけありませんわ」

 

 

叶星の発言を否定しながらも相手を射貫くのではないかという鋭い視線を叶星に向ける黒の長髪のリリィ、船田純。対して叶星も純と同じぐらい射貫くほどの視線とプレッシャーを放つ。

 

 

「純がそこまで言うなんて珍しいわね。私に何か言いたいんでしょ?その目を見ればわかるわ」

 

 

後半の言葉に圧をかけながら言った叶星に純は若干驚いた。試しでやったら倍ぐらいの射貫く視線とプレッシャーをしてくる叶星にだ。過去の彼女を知る純はリリィとして、強者として成長した叶星に嬉しさが込み上げていた。

 

 

「そうね。まずはそのプレッシャーをしまってくれないかしら?わたくしから始めた事だけど、そのままだとゆっくり話せませんし」

 

「純からやってきたくせにやめろってことないじゃない。で?私に何の用?」

 

「単刀直入に言いますわ。叶星、御台場に戻る気はないかしら」

 

『っ!?』

 

「……ほぅ」

 

「…………」

 

 

純の発言に高嶺を除いたグラン・エプレのメンバーが驚愕し、焔は小さく呟いた。叶星は黙ったままである。

 

 

「貴女なら御台場でも難なくやっていけますわ。どうかしら」

 

「…………純」

 

「……」

 

「戻らないわ。私は神庭女子藝術高校のグラン・エプレのリーダーだもの。私は私の居場所を手に入れた。その居場所を手放す気はないから」

 

「そう……。残念ですわね」

 

「あら、以外とあっさり諦めるのね?」

 

「そりゃそうですわ。貴女には確固たる意思がありますもの。それを壊してまで引き抜こうと思いませんわ。本当、成長しましたわね、叶星」

 

「純…………ありがとう」

 

「あらあら。純ったら素直じゃないんだから」

 

「姉様!」

 

「ふふふ」

 

 

三人のやり取りを見守っていた焔は叶星の強い意思を感じ、出会って日は浅いが、純と同じように思っていた。それも、『覚醒者』としての成長だろう。そう思った焔は自然と笑みが浮かんでいた。

 

 

「ところで、貴方が《蒼焔の隻眼》ですわね?」

 

 

叶星との用事が終わったからだろう。純が焔を見ながら言ってきた。別に隠すつもりは毛頭ない焔はしっかりと頷いた。

 

 

「あぁ、蒼月焔だ。よろしくな、船田姉妹」

 

「純でいいですわ」

 

「私も初で構いません」

 

「なら俺も焔でいい。改めてよろしく、初、純」

 

「はい」

 

「えぇ。それじゃあ焔。わたくしは貴方にも用があるのですわ」

 

「俺にもか?」

 

「えぇ。蒼月焔……」

 

 

自身に何の用があるのかと思った焔。が、次の瞬間ーーー

 

 

「貴方に模擬戦を申し込みますわ」

 

 

純がビシッ!と音がつくぐらいの勢いで焔に向かって人差し指を向けた。唐突すぎて焔はポカーンとしてしまう。

 

 

「ちょ、ちょっと純!?貴女、焔君に戦いを挑むつもり!?」

 

 

一足先に我に返った叶星が驚きながらも声を荒げる。当然だ。全リリィを圧倒する持ち主であると同時に『覚醒』の先の『超覚醒』に至っている存在。その存在に勝負を挑んでいるのだから。

 

 

「えぇ、そうですわ。わたくしは前から貴方に戦いを挑みたかった。ですが、ガーデンの関係もあったのでできませんでしたが、今回なら貴方に勝負を挑むことができると思ったので」

 

「えぇ…………」

 

「えぇではありません。それに、他のリリィたちも貴方の実力を知っておきたいのではなくて?ルド女もこの場で模擬戦をやれば《蒼焔の隻眼》のデータが手に入ると思いますが?」

 

 

純による模擬戦の申し出を聞いていた幸恵に向かって言われた言葉。それを聞いた幸恵はデータを取ったところで、と思ってしまうが、ガーデンの関係者、所詮上の連中は名高い実力者のデータが手に入るという言葉に揺らいでいる。それを感じた幸恵はため息が出てしまうが。

 

 

「どうやら他の方々は乗り気のようですわね。どうします?《蒼焔の隻眼》」

 

「………………はぁ。わかった。幸恵、このガーデンのシュミレータールームを貸してくれるか?」

 

「え、えぇ、いいけど…………本当にいいの?」

 

 

幸恵の言外にデータが取られるけどという意味を理解していながらも焔は構わんと言い、幸恵は頭を抑えながらため息を吐いた。

 

 

「では、この会議が終わったら模擬戦といきましょう。焔」

 

「あぁ」

 

「…………会議があるっていうのに、なんでこんなにもため息しか出ないのかしら」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『東京圏防衛構想会議』が始まる前からとんだ一悶着に頭を抱える幸恵であった。

 

 

 

 

 




お読みいただきありがとうございました。


いやね?マジでネタが浮かばなくてめっちゃ変な感じになっちゃいました。あ、1.5章のストーリーですが、覚醒してる梨璃と叶星、そして一葉の三人がいれば今さら堕天使型に苦戦するなんてありません。なのでほぼ全カットです。

戦闘シーンが続いていたから久々にほのぼの回を書きたかったけど、そもそもほのぼのとしたものを書いたことがないから果たしてほのぼの回とはなんなのだと思った自分がいます。

そして、叶星の覚醒能力、これは感想で届いた能力名をいただきました!本当にありがとうございます!それと出すタイミングが遅れてしまってすみません。ようやく出せたと思っています!

そして純よ、まさか焔に模擬戦を申し込むとは…………果たしてどんな模擬戦になるのやら?


それでは以上、レリでした!!


初と純、幸恵と来夢の話し方がこれで合っているのかわからん……
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