お久しぶりです。
ようやく…………ようやく……本編のが納得のいく出来になったので、遅くなりましたが、投稿です。
今回、焔のイメージが若干壊れる可能性が……?
蒼焔のリリィ、始まります
「ん~!良い運動した~!」
「満足そうでなりよりだ」
伸びをしながら満足気にしている人物、叶星に焔が《クレセント・ローズ・リオ》を収納形態に変形させながら呟いていた。
「叶星、どうだった?」
「久しぶりに力を出せて満足したのとやっぱり焔君は桁違いなのがわかった」
「おい」
「事実でしょう」
「夢結さんもよ」
「…………」
焔にツッコミをする夢結だが、すかさず叶星に言われて黙ってしまう。実際叶星の言う通り、焔と同じ超覚醒者である夢結も規格外と言われる程の強さを有している。言われても仕方ないことである。
「ごめんなさいお姉様。私も叶星様と同意見です」
「結梨も」
「「…………味方がいねぇな/いないわね」」
「味方も何もお互いがいるんだからいいんじゃないの?」
「結梨の言葉のナイフが鋭いのは気のせいか?」
「気のせい気のせい」
「結梨も言うようになったわね。誰に似たのかしら」
「親である二人だね」
「お兄様、お姉様。あとで結梨ちゃんの教育についてお話があります」
「待って梨璃。私は一度もあんなに鋭い言葉のナイフを言った覚えはないわ」
「確かにそうですね。ではお兄様だけにします」
「ちょっと待ってくれませんかねぇ!?突然の身内切り喰らったんだが!?俺に弁護する暇は無いのか!?」
「梅弁護士、弁護できねぇな」
「弁護人としての仕事全うしろよ梅テメェ!!」
突然のおふざけに周りのリリィたちは唖然としており、ヘルヴォル、グラン・エプレのメンバーは『またやってる』と呆れながらも笑っている。
「実際、マジで弁護できないゾ」
「はい?」
「梅様の言う通りです。焔様を弁護するのは不可能ですね」
「うん。戦闘中とか結構口悪くなるから、焔様」
「…………え、マジで?」
「焔様、無意識だと尚更質が悪い」
「ぐふ」
焔、遂に崩れ落ちる。
「お、鶴紗の口撃がクリティカルヒットしたようじゃな」
「ですが、鶴紗さんの言う通りですわ。まあ、意識してても問題ですが、直さないと結梨さんの教育に良くありませんもの」
「そうですねぇ。私たちならともかく、結梨ちゃんは親である焔様の背中を見て育っていますから。それのせいで結梨ちゃんが口が悪くなってしまったら大変ですから焔様はそこを直した方がいいです」
「……………………………………はぃ……」
メンバー、それも後輩たちにボロボロに言われたことで焔の心は大ダメージを喰らっていた。
地面に膝をついて項垂れている焔の頭をいまいち状況を理解していない藍だけが焔の頭を撫でている。その光景を見て先ほどの模擬戦であまりにも常識はずれな、圧倒的な実力を見せていたのに後輩たちによってボロボロになっている焔は、とても同一人物とは思えなかった。
◇◆◇
ボロボロになった焔がようやっと復活し、合同訓練である『タグ』を開催することになった。のだが……
「なぁんで俺だけ不参加なの……?」
「当たり前でしょ。焔君のスピードは郡を抜いているんだし。参加したらすぐに終わっちゃうわよ」
「くそぅ……。めちゃくちゃ楽しそうなのに……鬼ごっこ……」
『タグ』、簡単に言うと鬼ごっこであるのだが、焔は不参加が決定していたのだ。それに悔しそうにしていたのが叶星に言われていじけるのだった。
「あはは……。今回ばかりは我慢してください、お兄様。変わりに私たちが頑張りますから!」
「…………いつまでもいじけてるわけにもいかんか。梨璃、結梨。怪我だけはするなよ?」
「はい!」
「うん!」
「夢結、二人のこと頼むぞ」
「任せて。と言っても私も上空での監視だけしかできないけれど」
「ステージに入れるだけいいじゃないか。俺なんか入れないのに……」
「はいはい、いつまでもいじけてないの。それじゃ、みんな。頑張るわよ!」
『お~!』
叶星の言葉に梨璃たちのチーム、4番チームの全員が声を上げたのだった。
◇◆◇
「…………つまらん」
『タグ』が始まり、あちこちで捕まったのか悲鳴が聞こえる中、焔はあぐらをかき、頬杖しながら呟いた。話し相手がいれば多少はどうにかなるかもしれないが、いかんせん一人寂しくいるためにつまらなさを痛感していた。
「にしても梅と二水のタッグがあそこまでとは。鬼ごっこやかくれんぼにしたら敵なしじゃないのか?」
どうやら開場では二水が『鷹の目』で他のリリィの居場所を特定し、そこに梅が『縮地』で高速で移動して捕まえているようなのだ。その光景を焔は義眼のズーム機能を使って視ているのだ。
「若干二水が危ない橋を渡りかけているが……後で二人には説教かな」
自分の活躍でどんどんリリィが捕まっていく光景を二水はなんか楽しそうな表情をしており、焔はその先に行かないようにするために説教することを決めた。
「でもまぁ、相手が悪いな」
焔が呟いた瞬間、二水の目の前に梨璃が、梅の目の前に結梨が現れ、一瞬で二人を捕まえて脱落させた。
「覚醒の力を使った梨璃と『縮地』と覚醒の力を使った結梨には手も足も出ないな」
二人の息ぴったりのコンビネーションに焔は口角を上げながら二人の成長に嬉しさを感じていた。覚醒者でありながらも自分と夢結に追い付くために努力を惜しまない梨璃と結梨。リリィの中では上位の実力を持つ程まで成長したことは先輩としては嬉しいものである。
ウーー!!
「…………ほう?」
突如、警報が響き渡った。その警報の意味を理解した焔は先程とは若干違うような嬉しそうな顔をしだした。
『お兄様!至急合流してください!』
「了解した。隊長」
直後に梨璃から連絡が入り、翼を顕現して梨璃たちの元に向かう焔。上空にいた夢結も急降下を始めており、すぐに一柳隊のメンバーが集結した。
「確認したところ、市街地の方にHUGEの出現を観測、そして幸恵様たちが迎撃しているとのことです」
「ほう。で、どうする?隊長」
全員が集結したのを見た梨璃が状況の報告を簡潔に行い、それを聞いた焔が梨璃にどう動くのか聞いた。
「私たちもその場に向かいます。ですがお兄様」
「ん?」
「単刀直入に聞きます。暴れたいですよね?」
「そりゃもちろん」
即答だった。
「なのでお兄様はお姉様と一緒に先行し、手が足りていない場所で迎撃、終わり次第、次の場所に移動してHUGEの迎撃をお願いします」
「先に行っていいのか?」
「『タグ』に参加していた私たちの動きを見てお兄様は暴れたくて仕方ない状態だろうなと思いまして。お姉様と一緒なのはお兄様が独断専行して暴走しないよう見張っててほしいなと」
「わかってくれて喜ぶべきか見張り付きという信用の無さに落ち込むべきか」
「勝手に落ち込んでて」
「ぐはぁ」
妹の発言に変な感情になるが、直後に娘から容赦ない一言にまたもや崩れ落ちる焔である。
なんの恨みがあるのと聞きたいぐらいに焔の扱いが酷い。
「落ち込んでないでさっさと行くわよ、焔」
「待って、自分で動くから、首根っこ掴んで引き摺らないで夢結」
崩れ落ちた焔を夢結が容赦なく制服の襟を掴んで引き摺っていく。もうかわいそうなくらい扱いが酷い。
「ではお姉様、お兄様と一緒にお願いします。私たちも別の場所が片付き次第合流します」
「合流できる?」
「お兄様とお姉様の妹として、絶対に合流してみせます」
「結梨も二人の娘としてね」
「そう。待ってるわ、梨璃、結梨」
「はい!」
「うん!」
◇◆◇
ザシュ!
「くっ!別の場所でもHUGEがいるなんて!私たちが向かいたいけどここを離れる訳には!」
「幸恵お姉様!敵の増援です!」
「なんですって!?」
住宅街付近に出現したHUGEを相手に幸恵と来夢たちが応戦しているが、別の場所にも出現の報告を受け、急いでそこに向かおうとするが幸恵たちの前に行かせないとばかりに増援が襲来。それに対して幸恵は内心で毒づいていた。なぜこんなにも、と。
「これじゃあどうしようもーーー」
『俺が行く』
「え」
連絡用として着けてたインカムから突如通信が入ったことに驚いた幸恵。が、次の瞬間、離れた位置に蒼い焔の爆発が起こった。
「へ!?な、なに!?今の!?」
「落ち着いて来夢!今のはたぶんあいつよ!」
「へ?」
「私もいるわよ」
「「え」」
驚きでパニックになってしまう来夢を落ち着かせる為に幸恵が爆発を起こさせた犯人を予想しながら言ったら別の声が聞こえたことに幸恵もポカンとしてしまった。
直後、幸恵たちの前にいた大勢のHUGEに向かって多数の蒼い焔の斬撃が降り注ぎ、爆発が発生。
「くぅ!?」
「きゃあ!?」
襲いかかってきた爆風により、幸恵と来夢は驚きの声をあげ、顔を守るように腕を交差して爆風を耐えた。
爆風が収まり、顔を上げると、目の前にはHUGEだったモノと両断されたHUGEの亡骸が転がっていた。しかも攻め込んでいた時と数が合わない。どうやら蒼い焔の斬撃で肉体諸とも消し飛んだ個体がいるらしい。
「えー」
「…………」
あまりの惨状に幸恵は驚愕を通り越して呆れた声を、来夢は言葉を発することなく呆然とした。
そんな二人に気にすることなく上空からゆっくりと降下してくる人物が。
「援護に来たわよ、幸恵」
「あぁ、やっぱり夢結だったか」
蒼い焔の翼を羽ばたかせながらもゆっくりと着地した夢結。蒼い焔の斬撃は夢結が放ったモノだったのだ。
「あの、夢結様……?さっきのは一体……?というよりHUGEは?え?さっきまでそこに……あれ?」
「落ち着いて来夢。現実逃避してる場合じゃないわよ」
あまりの出来事に来夢はテンパっており、幸恵が落ち着くように言い聞かせている。超覚醒者の力のことを聞いていても目の前の力に驚くのは無理もない。
「とりあえず、援護ありがと、夢結」
「えぇ」
「ところでさ……」
援護に来てくれた夢結に感謝の意を伝えた幸恵はものすごく聞きたいことを夢結を聞くために視線を一旦今もなお爆発音と地響きがする方角に向けた。
「すんごい爆発音が続いてるけどさ、これ、アイツでしょ?」
「そうよ。憂さ晴らしも兼ねてどんどん葬ってるわ」
「え、憂さ晴らし?憂さ晴らしでこんな爆発がする攻撃を何度もしてるってことですか?」
夢結の言葉に来夢が若干戦慄しながら聞いてきた。憂さ晴らしでこんな何度も爆発がする攻撃をするリリィなんてまずいないから。
「私たちが主にやる攻撃は大体爆発するヤツだから仕方ないわ」
「えー……。っていうか憂さ晴らし?なんで…………あ~、『タグ』に参加できなかったから?」
「ご名答。楽しく『タグ』に参加してる梨璃たちを見てて一人寂しく退屈してたら都合良く憂さ晴らしできる奴らが現れたからこれ見よがしに大暴れしてるのよ。ごめん、幸恵」
「へ?」
突然夢結が話を中断したと同時にCHARMを振るい、蒼い焔の斬撃を二、三発程夢結から見て左側に放った。いきなり過ぎてまたもや呆然とする二人。直後……
ーーーうぉわっ!?
男性の悲鳴が響いた。
『サンキュー夢結!ちょっと我見失ってた!』
「勘弁してちょうだい。市街地が一瞬で焼け野原になるでしょ。助ける為に派遣されてるのに貴方がトドメさしてどうするの」
『すまんすまん。また頼むわ。とりあえず今いる場所も殲滅したから別の場所に行く』
「はいはい。私も少ししたら行くわ」
『おう』
悲鳴が響いたと思ったら通信で夢結に感謝の言葉を言ってきた焔。そして喋り出すがどれもとんでもない単語ばっかり出てた気がするが……
「ねぇ、夢結?さっきのはなんでやったの?」
「焔のテンションが上がり過ぎて市街地なのにとんでもないことしでかしそうだったから斬撃飛ばして落ち着かせたの。たぶん顔面スレスレを通ったはずよ」
「だから悲鳴が響いたのね。あとアイツはなにしでかそうとしたのさ」
「市街地なのに『死神の鎌』を放つんじゃないかってぐらいテンション上がってた」
「あんなの市街地で放たれたらたまったものじゃないわよ!?アイツなにやってんの!?」
「だから落ち着かせたのよ」
「そこは感謝するわ。でもさ、さっきからずっと思ってたんだけど、夢結もなんか若干スッキリした顔をしてるよね?」
「気のせいよ」
「んなわけないでしょ。まあ、いいや。で?」
「別の場所に行くって言ってたから私も焔のところに行くわ」
「わかった。私たちも別の場所に行く。来夢、行くよ」
「え、あ、は、はい!」
「気をつけてね、幸恵」
「夢結もね」
話が終わると幸恵は来夢と一緒に跳躍して別の戦闘場所に向かい、それを見送った夢結も蒼い焔の翼を顕現させて飛び立ち、焔のところに向かったのだった。
この後、焔と夢結の『タグ』に参加できていなかった二人の憂さ晴らしの暴れっぷりに進攻してきたHUGEたちは瞬く間に殲滅されたのだった。
これを見てた幸恵はーーー
「あの二人は定期的に暴れさせないとダメね。いつ爆発するかわからないし爆発したら辺り一帯が焼け野原になりそうだし」
こう語ったのだった。
お読みいただき、ありがとうございました。
幸恵とか来夢の話し方これでいいのかな?(今更)
ようやくね、焔をいじり倒せる内容が書けたと思っております。前はエヴォルヴ戦だったからふざけること出来なかったし。それはそれとして一柳隊のメンバー、焔の扱い酷くない?書いてておもしろかったけど。戦闘とかは真面目だけど、こういう時は若干ふざけてもいいんじゃないかっていうのが自分なりの考えです。読者の皆様方の焔のイメージが壊れてしまったかもしれませんが、そこは申し訳ないと思ってます。
ラスバレのガチャは相変わらず欲しいキャラが全然出ません。なんでや!!
では、以上!レリでした!