アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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今年もやってきたバレンタイン。


こんばんは、レリです。


さあ、今年も短編のバレンタインです。今朝書き始めてついさっき終わったので違和感アリかもです。

蒼焔のリリィ、始まります。


バレンタイン

「……目標発見。予想通りの場所」

 

『了解。包囲網が完成するまで待機』

 

「了解」

 

 

茂みの中にいる人影。その人影は通信で報告し、指示の元、茂みの中に静かに息を潜めて目線の先にいる者を観察する。

 

 

『目標に動きは?』

 

「変わりなく。けど、周囲の猫が予想以上に多い」

 

『……猫が多いのは少し辛いわね。なんとかしたいけど』

 

「猫をどかしていると気配で気づかれる可能性が大きい」

 

『そうね。猫には悪いけど、作戦に変更は無しで』

 

「了解。包囲網の完成は?」

 

『あと……三分ってところね』

 

「了解。完成次第知らせて」

 

『了解』

 

 

目線の先にいる者の周囲にはたくさんの猫が寝ており、猫の山が完成している。

 

 

『報告。包囲網の完成を確認』

 

「了解。目標に動きは無し。あ、寝返りした」

 

『体制は?』

 

「左腕を枕にしている。ちょうどこちらに背中を向けている」

 

『了解。第一攻撃はあなたからの方が良さそうね』

 

「不意をつければたぶん行けるかと」

 

『了解。全員。作戦を開始する。第一攻撃、始め!』

 

 

指示を聞いた瞬間、茂みの中にいた人物は静かに飛び出し、なるべく音を出さずに走り、背中を向けて寝ている人物に近づきながらCHARM〈アステリオン〉を取り出し、猫をジャンプで飛び越えようとーーー。

 

 

『ニャ~!!』

 

「うそっ!?」

 

 

した瞬間、猫たちが一斉に動き始めた。そこはもう、猫だらけで足の踏み場もない。すると、猫たちが〈アステリオン〉を持っている人物に気づき、一斉にジャンプし始める。

 

 

「ちょっ!?」

 

 

猫にケガをさせるわけにはいかないのでその人物は猫が落ち着くのを待ち続けた。猫たちの向こう側にいる人物を気にしながら。

 

 

 

少ししたら猫たちは落ち着きはじめ、ゆっくりと歩いてどこかに行ってしまった。〈アステリオン〉を持っている人物は猫たちを見てから前方に目線を向けるとそこにはーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

誰もいなかった。

 

 

「逃げられた……」

 

 

ドォン!

 

 

「っ!」

 

 

後方から銃声が鳴り響いた瞬間、〈アステリオン〉を持っている人物はとっさに前方に向かってジャンプした。直後、自分がいた場所に銃弾が着弾した。

 

 

「あっぶな!」

 

 

そう言ってから急いで茂みに入る。そしてインカムのスイッチをオンにした。

 

 

「第一攻撃失敗。目標は現在どこにいるか不明」

 

『了解。全員、周囲を警戒。発見次第追跡して目標を捕獲して。依奈、私と合流して』

 

「わかったわ。ソラ」

 

 

茂みに隠れた人物、依奈は静かに移動する。

 

 

 

そこで依奈の視界は暗転した。

 

 

 

 

 

離れた場所の茂みの中に隠れている人物がいた。その人物の後ろに二人いる。

 

 

「…………通信を聞く限り、失敗したようね」

 

「そのようですね」

 

「私たちは行かなくていいの?お母さん」

 

 

茂みの中にいるのは夢結と梨璃、そして結梨の三人だ。

 

 

「えぇ。私たち一柳隊はこの作戦に参加しない方がいいから」

 

「なぜです?」

 

「この作戦の後が……地獄になるからよ。いえ、もうなってるかもしれないわね」

 

「どういうこと?」

 

『夢結!』

 

「そんなにうるさくしなくても聞こえてるわよ天葉。耳が大変なことになるでしょう。それで、なに?」

 

 

唐突に通信で天葉が声をあげてきた。夢結はすぐにインカムを外して耳を押さえてからインカムをつけた。

 

 

『依奈が……依奈が!』

 

「依奈がどうしたの?」

 

『依奈が……倒れてるの!』

 

「……最初の犠牲者は依奈か」

 

「犠牲者?」

 

『夢結、これって……』

 

「十中八九、目標ね。急いで逃げなさい天葉。目標は……彼は誰一人逃がさずに殺りにくるから」

 

『夢結の言ってた事態になったわけか……。全員、散開!全力で目標から、焔から逃げて!』

 

 

天葉との通信を切断した夢結は周囲を警戒しながら立ち上がる。

 

 

「お姉様、どうするんですか?」

 

「焔を止めるわ。こうなったのも天葉たちを止められなかった私にも責任があるから」

 

「お父さん、気持ちよく寝ている時に無理やり起こされると物凄く機嫌が悪くなるんだね」

 

「昔からそうなのよ。私は焔を捕まえて一柳隊の控室に行くわ」

 

「結梨も手伝う!」

 

「私もです!」

 

「そう。助かるわ。それじゃあ、私から離れないようにね」

 

「三人一緒に行動するんですか?」

 

「一人になった途端、気づかずに殺られるわよ?」

 

「怖いね」

 

「それじゃあ、行くわよ」

 

 

三人はマギを収束して跳び立ち、焔の捕獲作戦を決行したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局、天葉たち全員が気絶させられてから一時間後に夢結たち三人の手によって焔は捕獲され、そのまま一柳隊の控室に連れてかれてその中にいたヘルヴォルとグラン・エプレ、一柳隊全員で機嫌を治してからチョコを渡したのだった。

 

 




地獄の鬼ごっこ再び。

お読みいただきありがとうございました。

今年も鬼ごっこでしたがまさかの逆パターンというね。

誰もが共感できると思うんですよ。気持ちよく寝てる時に邪魔されて無理やり起こされた後に機嫌が悪くなるというのを。あ、平日の朝は除きます。休日にそれやられたらマジで腹立つんで。まあ、自分はそんなに機嫌悪くならないと思うんですよね。他の人から見たらどうだかわかりませんが。

そして今回は最後の最後であったチョコの描写。無いに等しいかな?とりあえず、今年のバレンタインも相変わらずの鬼ごっこでした。

それでは以上、レリでした!

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