今年の天の川、見えないや。
「これでよし、っと」
「幸恵お姉様!夢結様たちが到着しました!」
「わかった。ありがとう、来夢」
「いえ!さっそくお迎えに行きましょう!」
「はいはい」
ルド女のグラウンド。そこには様々な飾り付けがされており、ルド女のリリィたちがせっせと作業をしている。幸恵もその中に入っており、自分に任されていた作業が終わった頃にシュベスターである来夢が招待していた夢結たちの到着を報告しに来た。
これから行われる行事、久々に夢結たちに会うことができることでテンションが高い来夢に幸恵は微笑を浮かべながら小走りに行く来夢の後を追った。
「さて、着いたわね」
「久々のルド女ですね!」
「七夕祭り楽しみ!」
「しかし、良いのでしょうか」
「どうしたんですか?楓さん」
「なんだ?楓。珍しく不安そうな顔してるゾ?」
「招待されたんだから来ても大丈夫」
「たぶん、その事じゃないと思う」
「そうですわね。おそらく楓さんは……」
「焔様の事じゃろ?」
上から順に夢結、梨璃、結梨、楓、二水、梅、鶴紗、雨嘉、神琳、ミリアムである。
一柳隊がなぜいるのかというと、このあとにある行事でルド女に招待されたからだ。が、一名だけいない。
「皆さ~ん!」
「あ!来夢さん!」
「幸恵様も!」
「お久しぶりです!一柳隊の皆さん!」
「久しぶり、夢結」
「えぇ。久しぶりね、幸恵」
「急な招待でごめんなさいね。でも、来れてよかった」
「最初は驚いたけど、梨璃と結梨が行こうって言うから。私も幸恵に会えると思ってね」
「ありがとう、夢結。ところで夢結」
「なに?」
「旦那様は?」
「…………」
「あ、ごめん。そういう意味じゃないからすぐにCHARMをしまって」
「驚かせないで、幸恵」
「ごめん(……ホントに斬られるかと思った)」
自分以外がそう呼ぶことを絶対に許さない夢結に幸恵は冷や汗しか出なかった。
「それで、焔に何か用事あったの?」
「え?あ、ううん。焔がいないからどうしたのかなって思って」
「あ~、すぐにわかるわよ」
「?」
夢結の曖昧な答えに首を傾げる幸恵。梨璃と話していた来夢がそれを聞いていたので話が終わったタイミングで梨璃に聞いた。
「焔様、いないの?」
「途中までは一緒だったんだけど、何か見つけたのか思い出したのか別行動だって突然言って別れたの」
「何をしているのか、わたくしたちもわかりませんの」
「う~ん、急用なら来れないって考えることだけど」
「お兄様は別行動って言ってたからここには来ると思うんだけど」
来夢と梨璃が傾げてここにいない焔の行動を考えていた、その時ーーー
フッ
「ん?」
来夢に一瞬だけ影がよぎった。それに気づいた来夢が見上げるが、晴天で太陽が自分たちを照らしている。
なにも違和感はない。
ーーーそう思っていた。太陽を背に、ナニかがいることに気づいた来夢。
「あれは……」
目を細めて手をかざし、太陽の光を直視しないようにしながらソレの正体を探る。
来夢の行動に梨璃たちも見上げ、ソレがなんなのか気づいたのか驚愕の表情に変わる。
「ま、まさか……!?」
「あんな高度から!?」
「幸恵!今すぐ離れるわよ!!」
「え!?ちょっ、夢結!?」
「来夢さん!早く!!」
「え!?梨璃さん!?」
わけがわからず手を引かれて連れてかれる幸恵と来夢。
突如ーーー
ドゴォォォォンッ!!
ルド女に轟音が響き、土煙が舞い、衝撃波が生まれる。
上空にいたソレが着弾したのだ。相当な高度でかつ、速度が凄まじかったので衝撃波の威力も凄まじいものだった。それに耐えるように夢結たちもできるだけ体を低くして守った。
衝撃波があったため、ルド女の生徒が準備したものが壊れてないかすぐに確認したいところだが、それどころじゃない。
着弾したのがHUGEという可能性も捨てきれないために幸恵は警戒する。
「なんなの、一体……」
そう呟く幸恵。落ちてきたのがなんなのか、正体がわからない。
やがて、土煙が晴れる。シルエットは人型。だが、なにか変。
「誰……?」
ビュゴォォ!!
「っ!?」
不意を突かれた突風に幸恵は驚きてしまう。その突風により土煙が無くなり、姿を現す。
白い髪がユラユラと揺れ、マギによって顕現された青い巨大な翼を羽ばたかせて宙に浮き、禍々しい右腕をしている人物。
「まさか……」
「焔……様……?」
それを見た二人が呟く。そして、目線は右手に握られている物に行く。その物とは。
「竹?」
そう、竹である。凄く長い竹である。
「何しに行ったのかと思ったら、竹を取りに行ってるとはね」
「あなた……いつの間に翼なんか生やしたの?」
「…………あとで説明する。それより、この竹はどこに設置する?」
夢結の夫、百合ヶ丘最強のリリィ、焔の登場だった。
「なら、あそこにお願いできる?」
「わかった」
「結梨も手伝う」
「頼む」
言われたところに結梨と二人で設置する焔。そして自分が着地した時の衝撃波で壊れてる場所がないかを念入りに調べ、奇跡的なことにどこも壊れていないことに安堵していた焔。
夜、いよいよ七夕祭りが開催される。
「それでは!皆さん、ルド女で急遽開催することになった七夕祭りに来ていただき、ありがとうございます!ちょっとドタバタしてましたけど無事に開催できることが嬉しく思います!それでは皆さん、グラスをお持ちください!」
来夢が前に立ち、開催宣言を行う。
「それでは!焔様!なにか一言!」
「また唐突だな、来夢。来るとは思ってたけどさ」
来夢に言われ、グラスを持ちながら来夢の隣に行く焔。
「百合ヶ丘女学院高等部二年、蒼月焔だ!今日はこの行事に招待してもらえたこと、感謝している!みんな、飲んで食べて、楽しもう!」
『お~!!』
「それでは皆さん!乾杯!」
『かんぱ~い!!』
来夢と焔の開催宣言でルド女の七夕祭りが開催された。
綺麗に輝く天の川の下で。
本編じゃなくて申し訳ありませんでした。
今年の七夕短編は間に合いましたね。来夢の話し方がわからないのと梨璃と来夢ってこうやって話すんだっけと思いながら書きました。あ、時間軸はバラバラなので本編とは全く関係ないです。焔の翼などは出してますけど。
本編の方は今頑張って書いてます。ネタが浮かばず、びっくりするくらい執筆が進まないんですよね。それでも!なんとかネタを作る!大変だけど……。
それでは以上、レリでした!