アサルトリリィ―蒼焔のリリィ―   作:レリ

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ニャニャ




猫 パート2

バンッ!!

 

 

「お父さんおっはよ~!!」

 

「扉が壊れるから静かに開けなさい。おはよう、ゆ……結梨……?」

 

 

朝、焔の部屋の扉が勢いよく開けられて結梨が入ってくる。焔は冷静に制服に着替えながら言った後に結梨を見た瞬間、固まった。

 

 

「?どうしたの、お父さん?」

 

「結梨、頭のソレはなんだ?」

 

「コレ?猫耳!」

 

「見りゃわかる」

 

 

結梨の頭の上に結梨の髪と同じ色をした猫耳があった。結梨が元気よく答えたために焔は普通にツッコむ。

 

 

「猫耳カチューシャか?そんなの着けてどうするーーー」

 

 

モフ

 

 

「これカチューシャじゃないよ?」

 

「……」

 

 

焔は結梨の髪を撫でながら耳を触った瞬間気づいた。この感触は本物だと。

 

 

「結梨、みんなはどこにいる?」

 

 

 

 

 

 

 

 

ガチャ

 

 

「……遅かったか」

 

 

結梨と一緒に一柳隊のレギオンルームに行き、扉を開けて中に入ると焔は頭を抱えしまう。

 

 

「お、お兄様。こ、これ、どうすれば……」

 

 

全員が結梨と同様に猫耳が生えていた。梨璃だけが焔に気づいて尻尾を揺らし、耳を触りながらやってくる。

 

 

「……」

 

「お兄様?ニャッ!?」

 

 

黙ったまま梨璃のネコ耳を触る焔。突然過ぎて梨璃は驚きの声をあげてしまう。

 

 

「やっぱり柔らかいな……」

 

「お、お兄、様……!く、くすぐったい、です……!」

 

「お父さん?」

 

「おっと、悪い。つい。だから結梨、その拳を下げてくれ」

 

「…………結梨も撫でてくれたら許す」

 

「わかった」

 

 

三人の空間ができているがここはレギオンルームである。まあ、そんなことお構い無しだが。

 

 

「それで、なんでこんなことに?」

 

「えっとね、みんな一斉になっちゃったから……」

 

「一斉にってことは……」

 

「皆さん一緒にしたこととなると、紅茶を飲んだぐらいですかね」

 

「……紅茶?」

 

「はい。紅茶です」

 

「…………まさか」

 

 

梨璃の言葉を聞いてある考えが浮かんだ焔。その時、焔の視界に紅茶が入ったティーカップを口に運ぼうとしている夢結が写った。

 

 

「待て夢結!」

 

 

焔の制止も一歩遅く、紅茶を飲んでしまった夢結。直後、夢結の頭から猫耳、腰から猫の尻尾が生えた。

 

 

「なに?焔」

 

「………………いや、元凶がよくわかった」

 

「?」

 

 

首を傾げる夢結。その夢結のところに向かって歩き出す焔。そして夢結の制服の一つのポケットに手を突っ込む。

 

ビックリして焔の手を払いのけることができない夢結に、焔は問答無用でポケットの中に入っていた物を取り出す。

 

 

「このビンはなんだ?」

 

「えっと……その……」

 

「歯切れが悪いな?夢結。俺はこれがなんなのか聞いてるんだが?」

 

「…………」

 

「黙ってちゃわからないだろ?」

 

 

ポケットに入っていた小さいビンを夢結に見せながら笑顔じゃない笑顔を向ける焔。この焔を見て後ろで梨璃と結梨が震えており、猫耳に困惑しているメンバーも震えている。夢結も顔を青くしながら目を反らしている。

 

 

「……………………た」

 

「た?」

 

「…………作ってもらった」

 

「誰に?」

 

「…………」

 

「あいつか?」

 

「…………っ」

 

「よしわかった。さて、このビンの中身もわかってるし、これは俺が没収する。夢結、これは治るだろ?」

 

「…………少し経てば治るはずよ」

 

「了解した。あとは時間で解決か」

 

 

薬が入れられているであろう紅茶を勿体ないと思いながらも捨てる焔。

 

 

「さて……。あとはどうするか。神琳」

 

「は、はい……!」

 

 

神琳を呼んだ理由、それは単に妙にソワソワしていたからだ。

 

 

「大丈夫か?なにか具合でもわる…………かったな。変な薬のせいで大変なことになってたな」

 

「い、いえ……だ、だいしょう、ぶ、です……」

 

「……ホントか?顔も赤いぞ?」

 

「本当に、大丈夫……です!」

 

 

変に強気に焔を拒絶する神琳。この間もずっとソワソワしていながら顔も赤く、焔と一切目を合わせない。そして重大なことに、焔から距離を取っていることが最大の謎である。

 

 

「神琳」

 

「あ……ほ、焔、様……」

 

 

一瞬の隙を突いて神琳の目の前に移動した焔。そして神琳はやっと焔と目を合わせた。顔は赤いまま。

 

 

 

そしてーーー

 

 

 

「ニャ~♪」

 

「うおっ」

 

 

突然猫の声真似をしながら焔の顔に頬擦りし、焔の制服にも頬擦りして匂いを着けていく。突然のことに焔は驚いてしまい、されるがままである。

 

 

「ちょ!待て!神琳!」

 

「ニャ?」

 

「ニャじゃなくて!どうした!?急に!?」

 

「ニャ~♪」

 

「聞いてない!?あ、ま、まさか……!?」

 

 

ピンときた神琳のこの状態。それは姿は猫耳猫尻尾がある人間だが、中身が完全に猫になってしまい、こんな風になってしまったのだ。

 

 

「雨嘉!ちょっと神琳をーーー!」

 

「ニャ?」

 

「お前もかぁ!!」

 

 

雨嘉に助けを求めたところ、神琳と同じ反応が返ってきたことに思わず絶叫する焔。

 

 

「梅!」

 

「私もこの四人で一杯一杯だから無理~」

 

「くそぅ!!」

 

 

顔をグリグリして神琳を無理に引き剥がすことなどできず、どうするか迷っていると背中に衝撃が。

 

 

「雨嘉ぁ!!」

 

「ニャア~」

 

 

いつの間にか背中に回った雨嘉が神琳と同じように顔をグリグリし出す。

 

姿は人間だけど猫と化した神琳と雨嘉に挟まれてもうどうすることもできなくなった焔。

 

 

「ねぇ焔」

 

「お父さん」

 

「お兄様」

 

「なん、だ?三人とも」

 

「猫には優しくしないとダメよね?」

 

「ん?ん~、そう、だな」

 

「そうよね、なら……」

 

 

猫耳猫尻尾を生やした三人が焔にジリジリと近寄る。対して焔は嫌な予感がし、逃げようとするが神琳と雨嘉がガッチリとホールドしているため、逃げられない。

 

 

「猫は飼い主と一緒に寝なくちゃね?」

 

「俺はお前らの飼い主じゃねぇぇぇぇ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

夢結、梨璃、結梨の三人に逃げられず、掴まった焔は外の焔のいつもの昼寝スポットに連行され、着いてきていた神琳と雨嘉も混ざり、五人が焔に寄り添うような形でお昼寝をしたのだった。

 

 

 

 

後日、焔はこの一連の元凶、百由に義手でアイアンクローをかましたのだった。

 




お読みいただき、ありがとうございましたニャ。


今回は前にやった猫の短編の続編みたいな感じです。ほら、最後に百由が薬を開発してたでしょ?その薬を夢結が受け取り、レギオンメンバーに薬を入れた紅茶を渡し、反応を見ようとしたのだ。唯一の誤算は薬を入れすぎた紅茶は姿は人間のままだが中身が猫になってしまうということ。神琳と雨嘉が猫になっちゃったということです。

急ピッチで仕上げ、眠気に襲われながら書くというのはいくら短編といえど、なに書いてるかわからなくなりますね。ホント。


さて、ここでちょっとお話が!


自分のレギオン『蒼き焔』でメンバー緊急募集です!定住してくれる方を募集してます!メンバーのサブ垢が入っているため、比較的楽に進めることができますので。詳細はメッセージで。お待ちしています!


それでは以上、レリでした!
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